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Trademark Appeal Case

語幹と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900371(T2008−900371/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5145842号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5145842号商標(以下「本件商標」という。)は、「アヴァンタージュ」の片仮名文字と「avantage」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成19年6月11日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同20年6月9日に登録査定され、同年6月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標

国際登録第751680号商標(以下「引用商標」という。)は、「ADVANTIS」の欧文字を書してなり、第36類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、2001年2月8日に国際登録、そして、我が国において平成14年3月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件商標は、フランス語で「avantage」と書した上段に、カタカナで「アヴァンタージュ」と振りかなを付記してなるものであるが、本件商標の使用時には、このような2段表示は採用されず、専らフランス語の「avantage」のみが用いられるのが通例である。また、本件商標の指定役務の需要者である一般預金者、被保険者は、一般にフランス語には通暁しておらず、この語の意味を理解せず、無意味な造語程度の理解をもって接し、単純に英語読みして「アバンテージ」と称呼するものである。

引用商標「ADVANTIS」は造語であり、これと語幹が共適するポピュラーな英語「ADVANTAGE」を連想させるものである。 一方、フランス語の「avantage」も、英語「ADVANTAGE」に対応する語である。

本件商標「avantage」と、引用商標「ADVANTIS」とは、その語幹「AVAN」、「ADVAN」が類似するものである。前者からは「アバン」又は「アーバン」、後者からは「アドバン」の称呼が生じるが、後者の「ド」音は弱音であり、語頭の「ア」は強く発声され、「バン」の部分は声質上明りょうに聴取されるものである。

また、語尾の「TAGE」及び「TIS」の部分は余り明りょうに発声・聴取されるものではない。

したがって、時と所を異にして両商標が称呼され、聴覚されるときの称呼の全体的印象は類似性が高く、互いに相紛れる恐れがある。

また、本件商標の指定役務中には、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。

以上述べたとおり、本件商標は、その指定役務中「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理.有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等精算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,生命保険契約の締結の媒介.生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理 ,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険情報の提供,保険に関する助言」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、上記1のとおり、「アヴァンタージュ」の片仮名文字と「avantage」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものであって、上段部の片仮名文字「アヴァンタージュ」が下段部分の「avantage」の欧文字の表音を表すものとして無理なく認識、把握されるものである。

そして、「avantage」の欧文字が「利益、利得」等の意味を有する仏語であるとしても、本件商標の指定役務の取引者、需要者は仏語の辞書を紐解かなければこの語の意味を直ちには認識、理解できない程度の語というのが相当である。

してみれば、本件商標は、「アヴァンタージュ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語というのが相当である。

他方、引用商標は、「ADVANTIS」の欧文字を書してなるところ、特定の語義を有しないものであるから、これよりは、我が国において、一般に親しまれている英語風発音方法に倣い「アドバンティス」の称呼を生じ、特定の観念を有しない造語というのが相当である。

そこで、本件商標より生じる「アヴァンタージュ」の称呼と、引用商標より生じる「アドバンティス」の称呼とを比較すると、両者は共に6音という短い音構成において、前半部の「ド」の音の有無、後半部の「タージュ」と「ティス」の相違という著しい差異を有するものであるから、全体の音調・音感が異なり称呼上互いに相紛れるおそれのないものである。

また、本件商標と引用商標は、前記した構成よりみて外観上明らかに区別し得るものであり、観念においては、いずれも造語よりなるものと理解されるものであるから比較することができない。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

なお、申立人は、「申立て理由」中にて、「商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について」の項を設けているが、記載されている理由の要旨は、これらの条項に関する具体的理由は何ら主張することなく、該項においては、本件商標と引用商標との類否についてのみ主張しているものである。そして、本件登録異議の申立ての理由の全体を総合すると、申立人の申立ての理由は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるとする趣旨と解されるので、登録異議の申立ての理由(要旨)は、上記2のとおりとした。

よって、結論のとおり決定する。

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