Trademark Appeal Case
称呼の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900376(T2008−900376/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5146179号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示したとおりの構成よりなり、平成19年10月16日に登録出願、第25類「被服(「和服」を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成20年6月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2634143号商標(以下「引用商標」という。)は、「SPYKE」の欧文字を書してなり、平成3年8月14日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年3月31日に設定登録されたものであるが、その後、平成16年3月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、平成17年2月2日に指定商品を第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)理由の要点
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第11号に該当すると申し立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号ないし第106号証を提出している。
ア 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、モーターサイクルレースのレーシングスーツの分野において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、世界中で周知・著名になっている引用商標「SPYKE」と、称呼上類似するものであって、申立人の商品と類似する「運動用特殊衣服」について使用されるものである。
イ 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、本件商標の出願前から申立人の周知・著名となっている引用商標「SPYKE」と、称呼上類似するものであり、これをその指定商品に使用した場合、たとえそれが運動用特殊衣服と類似しない商品であっても、需要者は、本件商標が付された商品を、あたかも申立人の製造・販売に係る商品であるかのごとく誤認し、商品の出所について混同を引き起こすおそれがある。
ウ 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と称呼上類似するものであり、また、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲のとおり、太字ゴシック体で「V−SPIKE」の欧文字と、その下段に小さく「ブイスパイク」の片仮名文字を併記した構成からなるところ、一般に欧文字と片仮名文字を併記した構成の商標において、その片仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定したものと無理なく看取し得るときは、片仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成中の片仮名文字に相応して「ブイスパイク」の称呼のみを生じ、格別の観念の生じない造語よりなるものというべきである。
他方、引用商標は、「SPYKE」の欧文字よりなるところ、その構成文字に相応して「スパイク」の称呼を生ずる造語よりなるものと認められる。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標より生ずる「ブイスパイク」の称呼と引用商標より生ずる「スパイク」の両称呼は、音構成及び構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上、明らかに区別し得るものである。
また、両商標の構成は、前記したとおりであるから、外観上、十分に区別し得る差異を有するものであり、さらに、観念においては、共に造語と認められるから、比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、類似しない商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標とは何ら相紛れるところのない非類似の商標であるから、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の甲各号証によれば、引用商標が、モーターサイクルレースの選手が着用しているレーシングスーツの衿や二の腕、膝の横などに付されて使用されている事実が認められる。
しかしながら、それらのレーシングスーツのほとんどには、「SPYKE」の他にも「aprilia」「HONDA」「SUZUKI」「FILA」「DUNLOP」「Arai」「KOPRON」等の様々な標章が、広告・宣伝を目的として一緒に表示されているものである。
してみれば、それらのレーシングスーツを介して、単に申立人の引用商標をも広告・宣伝しているにすぎないものであるから、前記証拠によっては、引用商標が、申立人の商品を特定する商標として、それらのレーシングスーツに使用されているものとは認められない。よって、引用商標が、申立人の商品「レーシングスーツ」について使用されて、我が国において申立人の業務に係る商標として広く知られているものになっているものとは認め難い。
また、本件商標と引用商標が類似する商標と認められないことは、前記(1)に示すとおりであって、更に本件商標と引用商標とを関連づけて見なければならない格別の理由も見いだせないから、結局、両者は別異の出所を示す商標として看取されるものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標の登録時はもとより、その出願時において、本件商標をその指定商品に使用しても、これより需要者が引用商標を想起し、連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く誤認するものとは言い難く、商品の出所について混同するおそれがあったとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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