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Trademark Appeal Case

地名と物質名の結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900383(T2008−900383/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5149139号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5149139号商標(以下「本件商標」という。)は、「富士山溶岩」の文字を標準文字で表してなり、平成18年6月27日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」及び第44類「入浴施設の提供」を指定役務として、平成20年7月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第22号証を提出し、本件商標は、その指定商品中、第44類「入浴施設の提供」については、商標法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立てた。

(1)商標法第3条第1項第3号及び同第6号について

本件商標をその指定役務中「入浴施設の提供」に使用しても、「富士山溶岩を使用した浴槽や、富士山溶岩を敷設したサウナ、富士山溶岩を用いた岩盤浴などを表示する役務の内容である入浴施設の提供」を直感するものであって、これに接する取引者、需要者は、単に役務の内容を表示した語と認識するにとどまり、該文字を「富士山+溶岩」と分析しても、あるいは「富士山溶岩」の塊り一語とみても、自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。そして、現実に富士山溶岩を利用した入浴施設や商品がある。

(2)商標法第4条第1項第16号について

商標「富士山溶岩」を使用し「富士山溶岩」(浴槽材、岩盤浴板材、浴室材)を使用していない「入浴施設の提供」の役務をおこなっている場合、役務の内容について誤認を生じるおそれがある。

(3)「富士山溶岩」の語句は、上記(1)のように「入浴施設の提供」について識別力はないが、仮に識別力があると仮定した場合には、次の各号に該当する。

(ア)商標法第4条第1項第11号について

本件商標の指定役務「入浴施設の提供」と登録第5036199号商標(以下「引用商標1」という。)の指定商品「浴室ユニット」は、類似する実情があり、いずれの商標にも自他役務識別力があると仮定して考察すると、商標法第4条第1項第11号に該当する。

引用商標1は、「富士山溶岩」の文字を標準文字で表してなり、平成18年6月22日に登録出願、第10類、第11類、第21類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年3月30日に設定登録されたものである。

(イ)商標法第4条第1項第15号について

「富士山溶岩」を使用した岩盤浴施設や温泉は、識別力のない自由商標として使用され、既に多数存在する。

仮に両者ともに識別力があると仮定すれば、それらとの関係で混乱が生じ、例えば、本件商標の登録出願前に、岩盤浴業界でフランチャイズチェーン展開するフランチャイザーの「株式会社マグマスパジャパン」が使用する周知された商標「富士山溶岩浴」(以下「引用商標2」という。)と、本件商標は、相互に出所の混同を生じるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同第6号、同法第4条第1項第16号について

本件商標は、前記1に記載のとおり、「富士山溶岩」の文字よりなるところ、申立人の提出に係る甲第9号証ないし甲第13号証及び甲第18号証ないし甲第22号証の証拠には、該文字(語)が掲載されていることは認められるとしても、「入浴施設の提供」に関連しての使用例としては、「富士山溶岩浴」という事例が見当たるものの、その提出された甲各号証は、その掲載時期や使用時期が不明であるばかりでなく、申立人の主張する如く、本件商標の構成文字である「富士山溶岩」が「富士山から噴出した溶岩を用いた岩盤浴などの入浴施設の提供」を表示するものとして使用され、かつ認識されているとの具体的な状況を認めるには十分なものでないから、本件商標が役務の内容を表示するものとして普通に使用されているとまではいい得ないものである。

そうすると、本件商標は、これがその指定役務中、第44類「入浴施設の提供」に係る役務について、その内容を表示するものとして取引者、需要者の間に認識されているものではないから、これについて使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たすものといわなければならない。

また、本件商標「富士山溶岩」がその指定役務中の「入浴施設の提供」について、役務の内容を表示するものといえない以上、本件商標を申立てに係る指定役務について使用した場合、役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものとはいえないものである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第6号、同法第4条第1項第16号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「富士山溶岩」の文字よりなるものである。

他方、引用商標1は、「富士山溶岩」の文字よりなるものである。

そして、申立人は、第44類「入浴施設の提供」と第11類「浴室ユニット」とは類似する実情がある旨述べている。

しかし、申立人の提出に係る証拠によっては、「入浴施設の提供」の役務と「浴室ユニット」の商品とが、一般的にその役務の提供場所とその商品の製造、販売場所が一致するとはいえないし、かつ、同一の事業者によって行われているものとするのは困難であるから、両者は相互に類似する役務と商品の関係にあるものと認めことはできない。

してみれば、本件商標は、引用商標1とその各構成文字が上記のとおり同一であるとしても、その指定役務中第44類「入浴施設の提供」と、引用商標1の指定商品中第11類「浴室ユニット」とは、非類似の役務と商品といわなければならないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用商標2は、前記2(3)(イ)に記載のとおり、「富士山溶岩浴」の文字よりなるところ、申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標2に関する証拠は、その掲載や使用時期が本件商標の登録出願前のものか否か認定できないもの、又は、登録出願後のものであり、該証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時に引用商標2が株式会社マグマスパジャパンの業務に係る役務について使用する商標として取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認められないから、本件商標をその指定役務中、第44類「入浴施設の提供」に使用した場合、株式会社マグマスパジャパンの業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)申立人の主張について

申立人は、審査例等を挙げ、本件商標の取消決定がされるべきである旨主張しているが、本件については、上記のとおり判断するのが相当であって、かつ、その審査例に拘束されるものではないから、申立人の主張は採用することができない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標は、その指定役務中第44類「入浴施設の提供」に係る指定役務について、商標法第3条第1項第3号及び同第6号並びに商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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