Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900417(T2008−900417/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5153337号商標(以下「本件商標」という。)は,「NTパワースイベル」の文字を横書きしてなり,平成20年1月10日に登録出願,第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同年7月25日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,その商標権は,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3199225号商標は,「パワー」の文字を横書きしてなり,平成5年6月8日に登録出願,第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成8年9月30日に設定登録され,その後,平成18年6月6日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第3245832号商標は,「パワー」の文字を横書きしてなり,平成6年1月31日に登録出願,第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成9年1月31日に設定登録され,その後,平成19年1月23日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第4950707号商標は,「POWER」の文字を横書きしてなり,平成17年7月5日に登録出願,第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成18年5月12日に設定登録されたものである。
(上記(1)ないし(3)の登録商標をまとめて,以下「引用商標」という。)
3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし同第9号証を提出した。
本件商標中の「NT」は,商品の記号,符合等と理解されるものであり,また,「スイベル」は,「道糸とハリスを結ぶときに使う連結用の小型の金具」を意味するものであって,釣り具との関係において,商品の普通名称を表すものであるから,本件商標は,「パワー」の文字部分から「パワー」の称呼及び観念が生じる。
他方,引用商標は,その構成から「パワー」の称呼及び観念が生じる。
したがって,本件商標と引用商標は,称呼及び観念を共通にする類似の商標である。
また,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は,前記1のとおり,「NTパワースイベル」の文字を書してなるものであるところ,その構成中の「スイベル」の文字部分は,甲第5号証ないし甲第9号証によれば,「釣り糸がよれないようにする連結具の一つであるヨリモドシ又はサルカンのこと」をいい,釣り用具の一つとして用いられる金具と認められるから,釣り具にあっては,商品の普通名称ということができる。
一方,ローマ字の1字又は2字が,商品の記号,符合等として使用されている実情にあることは否定し得ないが,そのような場合,商標の末尾部分に付されるのが一般的であるというのが相当であるから,本件商標中の「NT」の文字部分は,商品の記号,符合等を表したものとは理解され得ないといえる。
また,「パワー」の語は,「力,勢力,仕事率」等を意味する外来語として,我が国において日常的に使用されている平易な語であって,本件商標の指定商品との関係においても,自他商品の識別機能はさほど強いものとはいえない。
そして,本件商標中の「NT」と「パワー」の各文字部分は,同一の書体をもって,一体的に表されているばかりでなく,これから生ずる「エヌティパワー」の称呼もよどみなく称呼し得るものであるから,構成全体をもって,一体不可分の造語を表したものと認識されるとみるのが相当である。
そうとすれば,本件商標は,その構成中の「パワー」の文字部分のみを分離,抽出して,称呼,観念すべきものではない。
したがって,本件商標は,その構成文字に相応して,「エヌティパワースイベル」の一連の称呼のほか,「NTパワー」の文字部分から「エヌティパワー」の称呼をも生ずるものということができるが,単に「パワー」の称呼及び「力,勢力,仕事率」等の観念は生じないものといわなければならない。
してみれば,本件商標から「パワー」の文字部分のみを分離,抽出し,これを前提として,本件商標と引用商標とが「パワー」の称呼及び観念を同じくする類似の商標であるとする申立人の主張は,前提において誤りがあり,採用することができない。
その他,本件商標と引用商標とを類似の商標とみるべき理由は見出せない。
以上によれば,本件商標と引用商標は,称呼,観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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