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Trademark Appeal Case

語順入替商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−685008(T2007−685008/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際商標登録第0886014号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第886014号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲(1)に示すとおり,「Verdeacqua」の欧文字からなり,2006年(平成18年)3月9日を国際登録の日とし,第25類「Clothing,footwear,headgear.」を指定商品として,平成19年8月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第1853101号商標(以下「引用商標1」という。)は,「ACQUAVERDE」の欧文字からなり,昭和58年7月22日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同61年4月23日に設定登録,その後,平成9年5月30日及び同18年4月4日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,指定商品については,同19年9月12日に第25類「被服」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

(2)申立人が,「被服」について使用し,需要者の間に広く認識されていると主張する商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲(2)に示すとおり,「Acquaverde」の欧文字からなるものである。

以下,これらを併せていうときには「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし同第8号証を提出した。

(1)引用商標は,申立人が被服について使用し,需要者の間に広く認識されているものである。

(2)本件商標と引用商標は,いずれも「VERDE(ベルデ)」と「ACQUA(アクア)」の組合せからなり,これらから生ずる「アクア」と「ベルデ」の称呼の先後がどちらであるのか相紛れやすく,また,観念についても,いずれも「ACQUA(水)」と「VERDE(緑)」から構成されているため類似する。さらに,本件商標と引用商標2とは,いずれも筆記体で表されているから外観上も類似する。

(3)本件商標は,申立人が被服に使用し,需要者の間に広く認識されている引用商標と類似し,被服について使用するものであるから,商標法第4条第1項第10号に該当する。

(4)本件商標は,引用商標と類似する商標であって,本件商標に係る指定商品「被服」について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(5)本件商標と引用商標は,「ACQUA」と「VERDE」とを入れ替えただけの相違にすぎないから,本件商標をその指定商品について使用したときには,引用商標を使用する申立人の業務に係る商品若しくは申立人と何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく,商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから,商標法第4条第1項第15号に該当する。

(6)本件商標は,日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている引用商標と類似する商標であり,特に,引用商標2とは文字の態様が酷似しており,引用商標2に化体した信用にフリーライドする意思が推認されるから,不正の目的をもって使用するものであり,商標法第4条第1項第19号に該当する。

(7)本件商標は,日本国において著名な外国の商標と無関係な者がその承諾を得ずに出願し登録されたものであり,その商標の名声をフリーライドして不正な利益を得るために使用する目的,その他不正な意図をもってなされたものであるから,商取引の秩序を乱すものであり,ひいては国際信義に反するものとして,公序良俗を害する行為というべきであるから,商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標の類否について

本件商標は,別掲(1)のとおり,「Verdeacqua」の欧文字からなるところ,その構成各文字は,一文字目を大文字,他の文字を小文字とし,筆記体による同一の書体で同間隔に一体に表されていることから,その構成全体をもって一語を表したものと容易に認識し得るものである。

そうすると,本件商標は,特定の意味を有しない造語を表したものであって,その構成文字に相応し「バーデアクア」又は「ベルデアクア」の称呼を生ずるとみるのが自然である。

他方,引用商標1は,「ACQUAVERDE」の欧文字を同じ大きさ,同じ書体で同間隔に一体に表わしてなるものである。また,引用商標2は,「Acquaverde」の欧文字からなり,その構成各文字が一文字目を大文字,他の文字を小文字とし,筆記体による同一の書体で同間隔に一体に表されていることから,その構成全体をもって一語を表したものと容易に認識し得るものである。

そうすると,引用商標は,特定の意味を有しない造語を表したものであって,その構成文字に相応し「アクアバーデ」又は「アクアベルデ」の称呼を生ずるとみるのが自然である。

そこで,本件商標から生ずる「バーデアクア」及び「ベルデアクア」の称呼と引用商標から生ずる「アクアバーデ」及び「アクアベルデ」の称呼を比較すると,両称呼は,音構成の差により,明瞭に区別し得るものである。

そして,本件商標と引用商標とは,それぞれの構成に照らし,外観上も十分に区別し得る差異を有するものであり,また,両商標とも親しまれた既成の観念を有する成語を表したものともいえないから,観念上は比較することができない。

したがって,本件商標は,引用商標とは外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

これに対し,申立人は,本件商標と引用商標は,いずれも「緑(ベルデ)」及び「水(アクア)」の意味及び発音のイタリア語の「VERDE」及び「ACQUA」を結合したものであり,その組合せ順が異なるにすぎないものであるから,「緑」及び「水」の観念において類似し,また,称呼においても「ベルデ」と「アクア」のどちらが先後であるのか相紛らわしく類似する商標である旨主張する。

しかしながら,確かにこれがイタリア語の「VERDE」及び「ACQUA」の語を結合したものであるとしても,我が国におけるイタリア語の普及度を考慮した場合,両商標に接する一般の取引者,需要者が,これを「緑」及び「水」を意味するイタリア語の組合せと理解するとみるのは不自然であり,また,両商標は,それぞれの構成からも一体不可分の造語とみるのが自然である。

そして,申立人自身も,両商標から「ベルデアクア」及び「アクアベルデ」のイタリア語の発音のみならず,「バーデアクア」及び「アクアバーデ」等の称呼を生ずることは認めているところである。

そうすると,本件商標及び引用商標からは,「緑」及び「水」の観念を生ずるとはいえず,また,これに接する取引者,需要者が「VERDE(ベルデ又はバーデ)」と「ACQUA(アクア)」の先後がどちらかであるかを聞き誤るとはいいがたい。

したがって,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(2)引用商標の著名性について

申立人は,引用商標は申立人が「被服」に使用し日本国内及び外国において著名となっている旨主張し,甲第3号証ないし甲第8号証を提出しているので,この点について検討する。

申立人の提出した前記甲各号証は,申立人の会社のものと推認されるウエブページ及びYAHOOオークション等のインターネット上で行われるオークションのウエブページの写しであり,ここで確認できるのは,引用商標又はこれに類似する標章が付されたコットンパンツやジャケット等の商品が市場に流通していることにとどまるものである。そして,申立人からは,これらの他に引用商標を付した商品の販売数量・販売高・広告宣伝の規模等の具体的事実を示す証左の提出はない。

そうすると,引用商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

(3)前記3(1)及び(2)を前提に,本件商標が商標法第4条第1項第11号,第10号,第15号,第19号及び第7号に該当するか否かについて検討する。

(ア)本件商標は,前記3(1)のとおり,引用商標1とは外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(イ)本件商標は,前記3(1)及び(2)のとおり,引用商標とは相紛れるおそれのない別異の商標であり,また,引用商標が取引者・需要者の間に広く認識されているものともいえないから,本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が引用商標又は申立人を連想,想起するようなことはなく,該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれはない。

また,本件商標が引用商標2に化体した信用にフリーライドする意思をもって採択されたとすべき具体的な証左はなく,不正の目的をもって使用するものともいえない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,第15号及び第19号に該当しない。

(ウ)商標権者による本件商標の出願及び登録の行為が申立人の使用に係る商標の名声をフリーライドして不正な利益を得るために使用する目的,その他不正な意図をもってなされたとする具体的な証左はなく,これが商取引の秩序を乱し,ひいては国際信義に反するものとして,公序良俗を害する行為ということはできない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。

(4)まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第7号,第10号,第11号,第15号及び第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項に基づき,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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