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Trademark Appeal Case

不使用取消と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300810(T2008−300810/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4404077号商標の指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品(但し、タイヤ・チューブを除く)」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4404077号商標(以下「本件商標」という。)は、「AROMA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年4月26日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品(但し、タイヤ・チューブを除く。),乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」を指定商品として、同12年7月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品(但し、タイヤ・チューブを除く。)」について、継続して3年以上日本国内において使用された事実が存しないことから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)使用標章について

被請求人は、本件商標を使用している旨を主張し、乙第1号証(商品カタログ)を提出している。しかし、被請求人は、その商品カタログのどの箇所で本件商標を使用しているのかを具体的に明らかにしていない。よって、乙第1号証に記載されている「Aroma Healing」、「アロマヒーリング」、「アロマヒーリングスターターキット」、「アロマ」及び「アロマオイル」について、検討する。

ア 「Aroma Healing」について

乙第1号証によると、被請求人は、車内にて香りを楽しむことができる器具として、「A」及び「H」を大文字、それ以外の文字を小文字としている「Aroma Healing」を販売している。一方、本件商標は全て大文字から構成されている「AROMA」である。よって、両者は、大文字・小文字の差異は有するものの、ともに「Aroma」の文字を含んでいる点において共通する。

しかし、「Aroma Healing」は、「Aroma」と「Healing」との間に一文字分のスペースを設けてなるものの、構成文字は同一の書体、同一の大きさにより、外観上まとまりよく一体的に表されているため、全体をもって一体不可分のものとして認識されるというべきであり、これより生ずる「アロマヒーリング」の称呼も淀みなく一連一体として称呼できる。よって、「Aroma Healing」から、「Aroma」の文字部分のみが殊更に分離、抽出され、これをもって商品を識別すると考えるのは極めて不自然である。

また、乙第1号証によると、被請求人は車内にてアロマを楽しむために必要となるアクセサリーソケットの名称を「アロマヒーリングスターターキット」、交換用パッドセットを「アロマヒーリング用」として販売しており、被請求人自身が、「AROMA」ではなく「Aroma Healing」で一語であると自認して使用しているといえる。

さらに、「Aroma」は「芳香、香気」、「Healing」は「治癒、癒し」等を意味する我が国において広く親しまれた英単語であり、両語を組み合わせてなる「Aroma Healing」からは「芳香による癒し」等のまとまった意味合いが生じるため、両語は結びつきが強く軽重の差はないというべきである。

よって、「Aroma Healing」は、本件商標「AROMA」とはその構成、態様を異にするため、本件商標とは社会通念上同一の商標と認めることはできない。

イ 「アロマヒーリング」について

乙第1号証において、被請求人は「アロマヒーリング用」として、交換用パッドセットを販売しており、片仮名文字「アロマ」が含まれている。

しかし、上述のとおり、「アロマヒーリング」は一連一体の語としてのみ認識し、「アロマ」と「ヒーリング」とに分断すべきではない。

よって、「アロマヒーリング」は、本件商標「AROMA」とは社会通念上同一の商標ではない。

ウ 「アロマヒーリングスターターキット」について

乙第1号証において、被請求人は、車内でアロマを楽しむために必要なアクセサリーソケットとして「アロマヒーリングスターターキット」を販売しており、片仮名文字「アロマ」が含まれている。

しかし、上述のとおり、「アロマヒーリング」は一連一体の語としてのみ認識し、「アロマ」と「ヒーリング」とに分断すべきではない。

よって、「アロマヒーリングスターターキット」は、本件商標「AROMA」とは社会通念上同一の商標ではない。

エ 「アロマ」について

乙第1号証によると、被請求人は、商品説明の中で片仮名文字「アロマ」を使用している。

しかし、同使用は、「Aroma」の日本語訳である「芳香、香気」という意味合いで記述的に使用されているにすぎず、自他商品識別機能は全く発揮されていない。

よって、被請求人が使用している「アロマ」は、商標としての使用とはいえない。

オ 「アロマオイル」について

乙第1号証によると、被請求人は、商品説明の中で片仮名文字「アロマオイル」を使用している。

しかし、同使用は、「バーナーなどの器具を使い芳香を楽しんだり、直接フレグランスとして使用されるオイル製品」という意味合いで記述的に使用されているにすぎない。

よって、被請求人の「アロマオイル」の使用は、本件商標「AROMA」の使用とはいえない。

(2)以上のとおり、乙第1号証によっては、被請求人の主張は立証されていない。

したがって、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品「第12類 自動車並びにその部品及び付属品。(但し、タイヤ・チューブを除く。)」のいずれについても使用していなかったものといえる。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。

請求人は、本件商標は、その指定商品中「自動車並びにその部品及び付属品。(但し、タイヤ・チューブを除く。)」について継続して3年以上日本国内において使用された事実が存しないとして、商標法第50条第1項の規定によりその登録を取消されるべきものである、と主張している。

しかしながら、被請求人は、本件商標を使用しており、継続して3年以上日本国内において使用していないという事実はない。

ついては、使用を証明する商品カタログを添付するので、答弁の趣旨どおりの審決を求める。

第4 当審の判断

1 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

2 しかして、被請求人は、乙第1号証の「商品カタログ」を提出して、本件商標を使用しており、継続して3年以上日本国内において使用していないという事実はない旨主張している。

3 そこで、乙第1号証についてみると、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証として提出されたカタログは、表紙の上部中央に、表題として、ややデザイン化された「mira Gino」の文字、その下段に小さく「ORIGINAL ACCESSORY」の文字が表記され、その下に乗用車のフロント部分の写真、右下部に小さく「ミラ ジーノ アクセサリー カタログ」、「2006.9(車名コード:54A)/(参照ガイド:ミラ ジーノ用品ガイド2006年9月〜)」等の文字、左下部に赤地の横長長方形に白抜きの図形及び赤色の「DAIHATSU」の文字が記載されている。また、裏表紙の左下部に、「ダイハツ工業株式会社/本社:大阪府池田市ダイハツ町1−1」の文字の文字、及びその右側に小さく「表示価格は2006年9月現在の店頭渡しメーカー希望小売価格(消費税込み)です。」の文字が記載されている。

(2)当該カタログの1頁には、中央よりやや下の左側に太字で大きく「Aroma Healing」の文字、その下に小さく「やさしい香りに包まれて、心からリラックス」の文字及び「アロマの香りを楽しみながら、心地よいドライブ。/香りと効能の異なる6種のアロマから、気分に合わせてお好きな香りをお楽しみいただけます。」の文字、さらにその下に「使い方」として「ディフューザー内の白いパッドにアロマオイルを2〜5滴たらし、アクセサリーソケットに差し込みます。パッドが温まると香りがクルマの室内空間に広がります。...」等の文字が記載されている。

また、「アロマヒーリング/スターターキット」の使用態様と思しき写真の下に、「アロマヒーリング/スターターキット/¥2,940」の文字、その下に「交換用パッドセット/(アロマヒーリング用)/¥315」及び「※5枚セット/※使用には...アロマヒーリングスターターキットが必要です。」の文字が記載されており、その右側にアロマオイルが入っていると思しき8つの容器の写真と共に「ベルガモットオレンジ」「ローズピンク」等の文字、「価格、内容量」、「使用には、...アロマヒーリングスターターキットが必要です。」、「香りの特徴」等の表記がなされている。

さらに、これらの容器のラベルには、4つの円輪郭からなる図形の右側に青色の「air」の文字と黒色の「aroma」の文字からなる「airaroma」の文字が表記されているが、これについては、同頁の右下に「オーストラリア:エアアロマ社の登録商標です。」との記載がなされている。

そして、同頁には、本件商標を構成する「AROMA」の文字は、単独では表記されていない。

また、その他2頁以降には、自動車用の各種部品の商品目録が掲載されている。

4 上記3よりすれば、以下の事実が認められる。

被請求人が乙第1号証として提出したカタログは、「被請求人の自動車用アクセサリー(部品)の商品カタログ(2006年9月現在)」と認められる。

そして、当該カタログの1頁に掲載されている商品は、「自動車の室内に芳香を発散させる装置」であると認められる。

しかし、被請求人は、答弁書において、当該カタログ中、いずれの文字をもって本件商標の使用とするのか、また、いずれの商品について本件商標の使用とするのかを明記していないが、上記3の(2)のとおり、当該カタログの1頁には、本件商標を構成する「AROMA」の文字及びその表音である「アロマ」の文字を含む文言が掲載されていることからすると、被請求人が本件商標を使用しているとする商品は、上記の「自動車の室内に芳香を発散させる装置」であって、使用にかかる商標は、「Aroma Healing」「アロマヒーリング」或いは「アロマ」の文字部分と推認することができる。そこで、被請求人が取消しの請求に係る商品について使用しているとする商品及び商標は、前記に推認したとおりのものとして、以下、審理することとする。

請求人の使用に係る商標「Aroma Healing」の文字は、前半の「Aroma」と後半の「Healing」との間に1文字程度の間隔が存在し、各々の語頭を大文字で表してなるものの、両者は同一の書体でまとまりよく一体的に表記されており、また、「アロマヒーリング」の文字も同一の書体及び大きさで一連に表記されていること、及び、両文字は、全体として「花・香草などの香りをかいで心の病や疲れを癒すこと」の意味合いを指称する語として広く一般に使用され親しまれた語であることから、前記意味合いの一体の語として認識され、両文字の構成中「Aroma」又は「アロマ」の文字部分のみを、殊更分離、抽出して認識、把握されることはないというべきである。

そうとすると、「Aroma Healing」及び「アロマヒーリング」の文字は、商品「自動車の室内に芳香を発散させる装置」との関係においては、取引者、需要者をして、「香りをかいで心を癒すために用いる商品」であるという商品の品質(用途)を表示するものとして理解、認識される場合も決して少なくなく、単に「Aroma」及び「アロマ」の文字部分のみをもって自他商品の識別標識として把握、認識されることはないというのが相当である。

また、一体の語としてのみ認識される「Aroma Healing」及び「アロマヒーリング」の文字と、本件商標「AROMA」とは、構成文字中の後半部の「Healing」及び「ヒーリング」の有無という明らかな差異を有するものであるから、称呼、観念及び外観において同一性を有しないものである。

なお、上記3の(2)のとおり、文章中に「アロマ」の語が用いられている箇所が認められるが、これらの文字は、いずれも商品を説明するための文章中に記載されている語であるから、自他商品の識別標識として使用されているものとは認められない。

また、「airaroma」の文字部分は、前半と後半の文字の色の差異はあるものの、同書同大でまとまりよく一体的に表記されており、商品「芳香剤」に使用されているものであり、「オーストラリア:エアアロマ社の登録商標」との記載よりすると、本件商標とは別異のものといわざるを得ない。

他に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標をその指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品(但し、タイヤ・チューブを除く。)」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたものと認め得る証拠は見当たらない。

4 以上のとおりであるから、乙第1号証をもってしては、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品「自動車並びにその部品及び附属品(但し、タイヤ・チューブを除く。)」について、本件商標を使用していることを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中上記請求に係る指定商品についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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