結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2008−890030(T2008−890030/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4661717号商標(以下「本件商標」という。)は、「ORICS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年9月14日に登録出願、第9類「電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,手術又は患者のデータ又は画像又は音声の処理のためのデータ処理装置又は映像処理装置又は音声処理装置,未記録のCD−ROM・DVD・磁気テープ・その他の磁気記録媒体,手術又は患者のデータ又は画像又は音声を記憶させたCD−ROM・DVD・その他の磁気記録媒体,コンピュータ,手術又は患者のデータ又は画像又は音声を記録又は再生又は配信するためのコンピュータプログラム」を指定商品として、同15年4月11日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第26号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効とされるべきものである。
(1)規定の概要
ア 商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれがある商標」とは、「当該商標をその指定商品又は指定役務(以下『指定商品等』という)に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下『商品等』という)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が右他人との間にいわゆる親会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下『広義の混同を生ずるおそれ』という)がある商標を含む」と判断されている(甲第4号証:最判平成10年(行ヒ)第85号)。その理由としては、「企業経営の多角化、同一の表示による商品化事業を通して結束する企業グループの形成、有名ブランドの成立等、企業や市場の変化に応じて、周知又は著名な商品等の表示を使用する者の正当な利益を保護するためには、広義の混同を生ずるおそれがある商標をも商標登録を受けることができないものとすべきであるからである」と理由付けしている。この点を考慮すると、多角経営化の可能性が大きい企業の場合や、多数の関連会社が存在する企業の場合等は、その業務に係る商品・役務と出所の混同(広義)を生ずる蓋然性が高いと判断されるものと考えられる。
イ この「混同を生ずるおそれ」の判断基準は、「当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断」するとされている(甲第4号証)。
(2)本件への適用
請求人の著名な略称である「ORIX」あるいは「オリックス」は、後述するように設備や資金の調達といった総合リース業や、個人向け金融サービスにおいて著名な商標となっている。また、プロ野球球団「オリックス・バファローズ」の運営や、関連会社による不動産事業・レンタカー事業・人材派遣事業等、多角的にかつ積極的に事業展開を行っている。後述するように、上記の「混同を生ずるおそれ」の判断基準を本件について当てはめると、被請求人が本件商標を指定商品に使用した場合、称呼が同一であり片仮名表記は同一となるために請求人の業務に係る役務と出所の混同を生ずるおそれがあると考えられる。
(3)本件商標の特定
本件商標は、「ORICS」の欧文字を標準文字で書してなり、第9類の商品「電気磁気測定器」等を指定商品として出願及び登録されたものである。通常のアルファベット読みに従って、「オリックス」の称呼が生ずるものと考えられる。また、社会通念上同一の範囲内で片仮名の「オリックス」を権利者自らが使用する可能性も考えられる。更に可能性としては、業界における他社による引用や求人広告等で片仮名書きが権利者の意向とは別に使用される可能性は、十分に考えられる。
(4)引用各商標の特定
引用する登録第2240320号商標、同第2369095号商標、同第3107361号商標、同第4142119号商標、同第4656162号商標、同第4766482号商標、同第5028565号商標、同第2202647号商標及び同第4142120号商標は、「オリックス」の片仮名文字及び「ORIX」の欧文字を通常のブロック体で書してなり、第1類、第2類、第4類、第7類、第9類、第10類、第12類、第18類、第25類、第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類、第42類の商品・役務を指定商品・役務として出願及び登録されたものである(甲第2号証の1〜9)。片仮名文字で構成される引用商標からは、当然のことながら、欧文字で構成される引用商標からも通常のアルファベットの読み方に従って「オリックス」の称呼が生ずるものである。なお、登録第4656162号、登録第4766482号及び登録第5028565号には、オリックスグループの成長・発展を表す右肩上がりの8本の斜線の中にイメージ化し、国際化を象徴する球体を表した図形が付加されている。
(5)本件商標と引用各商標の類似性の程度
ア 上記のように、本件商標「ORICS」を通常のアルファベット読みで称呼すると「オリックス」の称呼が一義的に生ずるものと考えられる。また、引用各商標「ORIX」及び「オリックス」からも、「オリックス」の称呼が生ずるものである。したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼を同一にする、商標全体としては、類似する商標であると考えられる。特に称呼が同一であっても観念の異なる場合が考えられるが、本件はそのような例外に該当するものとは、考えられない。また、ローマ字の綴りが異なる所から外観は、非類似であるとも考えられるが、請求人の片仮名の「オリックス」の英語表記と間違えられる可能性は、十分に考えられる。
イ また、本件商標は、審査段階において「オリックス」の称呼を生ずる請求人の商標を引用されて、商標法第4条第1項第11号に該当すると判断されて拒絶理由が通知され、抵触する商品を削除する補正をしており、その結果登録されたものである。この点からも、本件商標と引用各商標とは、類似する商標であると考えられ、また、被請求人も商標の類似性については、容認しているものと考える。
(6)引用各商標の独創性の程度
上記のように、本件商標「ORICS」及び引用各商標「オリックス」、「ORIX」からは、「オリックス」の称呼のみを生ずるものと考えられる。「オリックス」の称呼からは、動物のオリックスの意味合いも想起されるものと考えられるが、犬、猫、あるいは象やライオンほどは、親しまれた動物ではないと考えられるため、通常は、特定の観念を生じない造語であると判断されるものと考えられる。
(7) 引用各商標の周知著名性の程度
請求人は、1964年4月にオリエントリース株式会社として発足し、日本にリースサービスを全国的に定着させた会社として有名であり、リース業界のパイオニアとして広く知られている(甲第6号証:「Group Dynamics」〔会社案内〕、甲第7号証:「リースのおすすめ」パンフレット)。請求人は、1964年に設立後、1970年4月には、大阪証券取引市場第2部へ株式を上場、1971年4月には、東京証券取引市場第2部上場、1972年3月には、名古屋証券取引市場第2部上場、さらに、1973年2月には、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所市場第1部へ株式を上場した。また、1988年10月には、「オリックス野球クラブ株式会社」を獲得し、プロ野球の球団経営をすることにより、その著名性は、全ての分野において認められるようになったものと考えられる(甲第8号証:オリックス・バファローズ グッズカタログ、甲第9号証:オリックス・バファローズ 新聞記事、甲第10号証:オリックス・バファローズ 球団ヒストリー)。1989年4月には、グループCIを導入し、会社名をオリックス株式会社に変更している(甲第11号証:会社経歴書、甲第12号証:オリックス40年の軌跡)。社名変更時には、新聞・雑誌で取り上げられ、「オリックス」「ORIX」の名称の採用が需要者・取引者に広く周知され、需要者等に十分に認識されるに至ったものと考えられる(甲第13号証の1〜59:オリックス関連の新聞記事・雑誌)。
請求人は、国内・海外合わせて連結会社187社、関連会社82社を統括し、国内1181拠点、海外25か国245拠点をもってオリックスグループを形成して営業活動を行っている。請求人は、総合リース産業の草分けとして、リースの普及・発展に重要な役割を果たしてきたが、現在ではリース業にとどまらず、融資・割賦・レンタル・不動産・生命保険・損害保険・信託銀行など、多角的に事業を展開している(甲第12号証、甲第14号証:年次報告書(2007年度)、甲第15号証:株主通信「悠」)。
リースという取引形態は、現在では、非常に日常的に普及したシステムとなっており、1990年以降、90%前後の企業(2005年:94%)が設備調達の方法として利用し(甲第16号証:リース需要動向調査報告書(2005年))、そのうち、情報関連機器をリースで利用する割合は、87パーセント(甲第16号証)と高く、機械別の構成比3〜4割前後となっている(甲第17号証:リース統計(2002年)、甲第18号証:リース統計(2006年))。請求人は、リースの市場シェアでは、ほぼ毎年トップであり(甲第19号証:市場占有率データ(1990年度〜2006年度))、リース業界で著名であることは、いうまでもない。また、広告宣伝にも力を入れてきた(甲第20号証:オリックス有価証券報告書・年次報告書(1989年度〜2007年度))。
また、請求人の戦略子会社であるオリックス・レンテック株式会社は、コンピュータ、電子計測器等ハイテク機器のレンタルサービスをメインに、取扱機器の技術サポートや校正受託サービスなどさまざまなエンジニアリング・サービスを展開している(甲第21号証の1〜26:オリックスレンテック パンフレット、甲第22号証:オリックスレンテック 新聞広告)。レンタルの取扱機器は、約3万種類、保有台数は、60万台と業界最大の規模を誇っている(甲第21号証の1〜26、甲第23号証:業務提携契約の締結に関する文書)。また、引用商標を使用する請求人やその関連会社について、これまで多数新聞や雑誌に取り上げられている(甲第13号証の1〜59)。それらの記載からも、請求人が著名であるために動向を注目される存在であることが認められ、また、これらの掲載によってさらに請求人の著名性は、増しているものと考えられる。
(8)本件指定商品と引用指定商品・役務間の関係性の程度
ア 本件商標登録に対する先の異議申立ての審理内における意見書で、被請求人である被申立人は、本件商標の指定商品のうち主要な商品は「手術又は患者のデータ又は画像又は音声の処理のためのデータ処理装置又は映像処理装置又は音声処理装置」、「手術又は患者のデータ又は画像又は音声を記憶させたCD−ROM・DVD・その他の磁気記録媒体」、「手術又は患者のデータ又は画像又は音声を記録又は再生又は配信するためのコンピュータプログラム」であると主張している。
請求人の主要な業務である総合リースでは、多種多様な品目をリース対象品としている。被請求人の指定商品「手術又は患者のデータ又は画像又は音声の処理のためのデータ処理装置又は映像処理装置又は音声処理装置」と、請求人のリース対象品であるOA機器等とは、構成部品(材料)や作動形態が近似しており、また、機器メーカーは、関連会社として販社を設けて機器を販売することが多いという実情から、実質的に同一事業者によって製造・販売されていることが多いと考えられる。さらに、被請求人の業務に係る商品のような設備調達として取得される商品の場合には、割賦式売買の形態が採られることも多いものと考えられる。設備調達によって取得された商品と割賦式売買の関係は、目的物と手段の関係で結ばれていると考えられる。
したがって、請求人の引用各商標「オリックス」及び「ORIX」は、総合リース業務や割賦販売業務において著名な商標であり、かつ、第42類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)の貸与、光学器械器具の貸与」(登録第3107361号及び登録第4656162号)、「印刷用機械器具の貸与、理化学機械器具の貸与、電気磁気測定器の貸与」(登録第3107361号)、「医療用機械器具の貸与、超音波診断装置の貸与」(登録第4656162号)について登録されていることを考慮すれば、請求人の業務に係る役務と被請求人の登録に係る指定商品は、出所の混同を生ずるおそれがあると考えられる。
イ また、請求人の業務は、総合リース業を中核として、資金調達・経営戦略、投資、アウトソーシング、不動産、個人向け金融、レンタカー、プロ野球球団経営等、多岐に渡っており、今後も更に多角経営化の度合いは高まっていくものと考えられる。現在のところ、請求人は、一部の商品を除き、商品の製造を行ってはいないが、請求人の現段階での多角経営化の度合いから、商品の製造・販売まで行う可能性も十分にあると考えられる。また、現実に商品の製造・販売を行う可能性がなくとも、需要者等が指定商品に付された本件商標「ORICS」に接した場合に、請求人の業務に係る商品であると認識する可能性があれば、「混同を生ずるおそれ」があると評価せざるを得ない。特に引用各商標は総合リース業について著名な商標であり、総合リースは、あらゆる商品をリース対象品としていることを考慮すれば、著名な引用各商標と「オリックス」の称呼が全く同一の本件商標が付された商品は、その指定商品に使用された場合、多かれ少なかれ出所の混同を生ずるおそれがあると考えられる。
(9)需要者等の共通性
国内のパソコン市場は、大きく分けるとビジネス市場とコンシューマ市場に分類することができ、市場実績・予測によると、ビジネス市場とコンシューマ市場は、おおむね7対3〜6対4の比率であるということがいえる(甲第25号証:パーソナルコンピュータに関する調査研究報告書)。請求人が対象としている企業における設備投資の方法としては、購入(割賦購入を含む)、リース、レンタルなどの方法があるが、それらは、調達方法の差異にすぎない。特に企業を対象とした場合には、「コンピュータ」の購買と「コンピュータの貸与」の需要者層は、ほぼ一致すると考えられる。現に、各メーカーのオンラインショッピングサイトでは、コンピュータの導入方法として、リースやレンタルを選択することが可能となっている(甲第26号証の1〜8:パソコンメーカーショッピングサイトの打ち出し)。したがって、「コンピュータの販売」と「コンピュータの貸与」とは、同一の場所で取り扱われているのが実情である。需要者は、コンピュータの種類を選択するのと同様に、購入、リース、レンタル等の中から自己に合った導入方法を自由に選択して設備投資をするものであるので、需要者層は、一致している。
したがって、請求人の総合リース業、特にOA機器等に関するリース業の需要者等と被請求人の指定商品「手術又は患者のデータ又は画像又は音声の処理のためのデータ処理装置又は映像処理装置又は音声処理装置」の需要者等とは、共通するものと考えられる。すなわち、リースの対象品がOA機器であり、販売対象の商品がOA機器であれば、当然のことながら、需要者等は、共通するものである。また、CD−ROM等の記録媒体等は、リース対象品をサポートするものとして、OA機器等をリースする際に提供される場合もあると考えられる。したがって、販売対象の商品である記録媒体等と需要者等とは、共通するものと考えられる。
(10)小括
本件商標「ORICS」は、請求人の著名な商標である「ORIX」又は「オリックス」と称呼を同一とする類似する商標であり、本件商標の指定商品と請求人が自己の著名な商標を使用している役務とは、目的物と手段との関係であって密接に関連するものであって、需要者が共通し、同一の場所で提供される事実も認められる。また、請求人は、多角的に事業を展開していることから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、請求人の業務と出所の混同を生ずるおそれがあることは、明らかである。
したがって、本件商標に係る登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、商標法第46条第1項第1号に該当するため、無効とされるべきものである。
上記のように、引用各商標「オリックス」及び「ORIX」は、総合リース業等において著名な商標である。また、本件商標「ORICS」は、請求人の名称である「オリックス株式会社」の著名な略称と称呼を同一にする、極めて近似した英文表記の商標である。他人の著名な略称を含む商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するので、他人の著名な略称の称呼と全く同一の称呼となる英文表記からなる本件商標も本規定に該当すると評価されるべきものである。ローマ字であること及びその綴りが異なることをもって称呼同一であるにもかかわらず、この規定が適用できないとするのは、立法の精神をないがしろにするものと考えられる。また、被請求人は、他人である請求人の承諾なく本件商標を出願し、登録しているものでもある。
したがって、本件商標に係る登録は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであり、商標法第46条第1項第1号に該当するため、無効とされるべきものである。
被請求人は、答弁していない。
(1)請求人の提出した証拠によれば以下の事実が認められる。
請求人は、1964年4月に「オリエントリース株式会社」として発足し、リース業を開始した(甲第11号証)。1970年4月には、大阪証券取引市場第2部へ株式を上場、1971年4月には、東京証券取引市場第2部上場、1972年3月には、名古屋証券取引市場第2部上場し、さらに、1973年2月には、東京証券取引所市場第1部、大阪証券取引所市場第1部へ株式を上場した(甲第11号証)。
そして、請求人は、CI導入を検討し、1988年9月に社名変更を柱とするCI(コーポレート・アイデンティティー)導入を発表した(甲第13号証の1)。また、請求人は、1988年10月には、「オリックス野球クラブ株式会社」を獲得し、プロ野球の球団「オリックス・バファローズ」を経営することとなった(甲第8号証ないし甲第10号証)。
1989年4月に、グループCIを導入し、会社名をオリックス株式会社に変更し、「オリックス」と略称するとともに、別掲に表示する「ORIX」の文字と斜線の中に球体を表示した図形からなる標章(以下これらの略称及び標章を「オリックス標章」という。)を採択、使用してきた(甲第6号証(2007年版及び1990年版とする請求人の会社のパンフレット)、甲第11号証、甲第12号証、甲第13号証の1)。特に、社名変更は、新聞・雑誌で取り上げられ、報道された(甲第13号証の1〜59)。
また、請求人のグループ企業の大半は、「オリックス」を含んだ社名にし(甲第6号証、甲第13号証の1)、オリックスグループとして、上記「ORIX」の文字と斜線の中に球体を表示した図形からなる標章を使用している(甲第21号証の1〜26)。請求人は、2007年3月末現在で国内・海外合わせて連結会社187社、関連会社82社を統括し、国内1181拠点、海外25カ国245拠点をもってオリックスグループを形成している(甲第15号証)。
請求人は、リース事業を中心に発足し、発足当初から現在に至るまでリース業界のトップを争う有数の企業であり(甲第19号証)、現在では、請求人グループは、融資・割賦・レンタル・不動産・生命保険・損害保険・信託銀行など、多角的に事業を展開している(甲第15号証)。
特に、請求人の子会社において、コンピュータや電子計測器等、広く情報関連機器についてレンタルサービスを行っていることが認められる(甲第26号証の1〜26)。
(2)以上の事実によれば、請求人は、その略称として「オリックス」と称し、かつ、請求人及び請求人グループは、リース業を始めとして融資・割賦・レンタル・不動産・生命保険・損害保険・信託銀行など、多角的に事業を行い、請求人及び請求人グループを表すものとして、「ORIX」の文字と斜線の中に球体を表示した図形からなる標章を使用してきた結果、本件商標の登録査定時はもとより、本件出願時においても、オリックス標章は、請求人又は請求人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務を表示するものとして周知著名となっていたものと認められる。
本件商標は、「ORICS」の文字を書してなるものであるから、「オリックス」の称呼を生じ、特定の意味合いを生じない造語よりなるものである。
一方、オリックス標章は、「オリックス」と称呼されているものであり、特定の意味合いを生じない造語よりなるものである。
してみれば、本件商標とオリックス標章とは、外観において異なり、観念において比較すべきところがないとしても、「オリックス」の称呼を共通にするものであるから、両者は、かかる称呼において相紛れるおそれがあるものというのが相当である。
そして、オリックス標章は、前記認定のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人及び請求人グループを表示するものとして、リース業を始めとして融資・割賦・レンタル・不動産・生命保険・損害保険・信託銀行等に係る役務の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであり、さらに、多くの企業が、設備調達の方法としてリースを利用しており、その内、情報関連機器をリースで利用する場合は、87%の高さであり(甲第16号証)、請求人の総合リース業、特にOA機器等に関するリース・レンタルの需要者等と本件商標の指定商品との関係でその需要者を共通にしているといえることをも併せ考慮すると、本件商標をその指定商品について使用した場合、請求人又は請求人と組織的、経済的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
したがって、請求人主張のその余の点について論及するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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