1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおり「とかち野」の文字を横書きにしてなり、第33類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年4月30日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同年12月5日付け手続補正書により、第33類「北海道十勝産の洋酒,北海道十勝産の果実酒」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、十勝地方を指称するものとして使用されている『十勝野』を直ちに理解させる『とかち野』の文字を、多少筆致に特徴があるとはいえ、未だ普通の域を脱しているとは言えない態様にて書してなることから、本願商標を指定商品に使用しても、取引者・需要者は、十勝野産の商品であることを認識するにとどまるので、本願商標は、単に商品の品質(産地)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲に示すとおり「とかち野」(「野」の構成中「予」の縦線部分が、長く書されている。以下同じ。)の文字を書してなるものである。
そして、本願商標構成前半の「とかち」の文字が、「北海道もと11カ国の一つ。1869年(明治2)国郡制設定により成立。現在の十勝支庁の管轄地域。中央から南部に十勝平野が展開、北部は大雪山国立公園。北海道東南部の支庁。帯広市・音更おとふけ町・士幌町など19市町村。」を意味する語「十勝」を認識させ、「野」の文字が、「自然の広い平地。多く、山すその傾斜地。」等(いずれも広辞苑第六版)を意味する語であることから、これらの文字を結合した「とかち野」の文字が、原審説示の如き意味合いを暗示させる場合があるとしても、該文字が、直ちに、特定の商品の品質(産地)等を具体的に表示するものとして理解されるとはいい難いものである。
そして、当審において職権により調査すると、請求人(出願人)が、その取り扱いに関する商品について、「とかち野」の語を実際に使用している事実は見受けられるものの、「とかち野」の語が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質(産地)等を表すものとして、取引上普通一般に使用されている事実を発見することができなかった。
そうとすると、本願商標は、特定の商品の品質等を具体的に表示するものとはいえず、構成全体をもって一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。