結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成9年審判第20808号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2522570号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品、機械要素」を指定商品として、平成2年5月10日に登録出願され、同5年4月28日に設定登録がなされたものである。
請求人は、「本件商標は、指定商品中「ろ過機用フィルター、鉱山機械器具、土木機械器具、荷役機械器具、耕うん機械器具、栽培機械器具、収穫機械器具、植物粗製繊維加工機械器具、飼料裁断機、飼料粉砕機、飼料配合機、かいばおけ、搾乳機、牛乳ろ過器、養蜂用巣箱、ふ卵器、育雛器、検卵器、養鶏用かご、蚕種製造または養蚕用機械器具、漁業用機械器具、化学機械器具、繊維機械器具、食料または飲料加工機械器具、製材、木工または合板機械器具、パルプ製紙または紙工機械器具、印刷または製本機械器具、工業用炉、ミシン(電動ミシンを含む)製革機械、くつ製造機械、たばこ製造機械、ガラス器製造機械、塗装機械器具、包装用機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、機械要素」についての登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第4号証(枝番号を含む。)を提出している。
請求人所有に係る登録第2416830号商標(以下、「引用商標A」という。)は、別紙に表示するとおり、第9類「ろ過機用フィルター、鉱山機械器具、土木機械器具、荷役機械器具、耕うん機械器具、栽培機械器具、収穫機械器具、植物粗製繊維加工機械器具、飼料裁断機、飼料粉砕機、飼料配合機、かいばおけ、搾乳機、牛乳ろ過器、養蜂用巣箱、ふ卵器、育雛器、検卵器、養鶏用かご、蚕種製造または養蚕用機械器具、漁業用機械器具、化学機械器具、繊維機械器具、食料または飲料加工機械器具、製材、木工または合板機械器具、パルプ製紙または紙工機械器具、印刷または製本機械器具、工業用炉、ミシン(電動ミシンを含む)製革機械、くつ製造機械、たばこ製造機械、ガラス器製造機械、塗装機械器具、包装用機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、機械要素」を指定商品として、昭和59年7月2日出願、平成4年5月29日登録されたものである。同じく登録第2416831号(以下、「引用商標B」という。)は、別紙に表示するとおり、第9類「ろ過機用フィルター、鉱山機械器具、土木機械器具、荷役機械器具、耕うん機械器具、栽培機械器具、収穫機械器具、植物粗製繊維加工機械器具、飼料裁断機、飼料粉砕機、飼料配合機、かいばおけ、搾乳機、牛乳ろ過器、養蜂用巣箱、ふ卵器、育雛器、検卵器、養鶏用かご、蚕種製造または養蚕用機械器具、漁業用機械器具、化学機械器具、繊維機械器具、食料または飲料加工機械器具、製材、木工または合板機械器具、パルプ製紙または紙工機械器具、印刷または製本機械器具、工業用炉、ミシン(電動ミシンを含む)製革機械、くつ製造機械、たばこ製造機械、ガラス器製造機械、塗装機械器具、包装用機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、機械要素」を指定商品として、昭和59年12月7日出願、平成4年5月29日登録されたものである。
そして、引用商標A及び引用商標Bは、その先出願に係るものであって、本件商標とは、類似しており、その指定商品も類似するものである。これら2件の登録商標に対する異議事件の異議申立人は、被請求人であり、この異議決定理由の中で、称呼上について、いずれも「ミクロテックス」の一連の称呼を生ずるものとみるのが相当であり、異議申立人の引用登録商標から生ずる称呼「テック」とは、非類似の商標であると認定している(甲第2号証の2、甲第3号証の2)。
一方で、被請求人は、本件商標「MICRO TEC」を引用して、請求人の出願に係る商標「マイクロテックス」に対しても、登録異議の申立をしている。(甲第4号証の1、甲第4号証の2)この異議決定理由の中では、異議申立人の引用登録商標(いわゆる本件商標)「MICRO TEC」からは、「マイクロテック」の称呼をも生ずるものであると認定しているが、そうであるならば、一方では、「MICRO TEC」より、当然にして、「ミクロテック」の称呼をも生ずることは明らかなことである(甲第4号証の3)。
そうとすると、本件商標から生ずる称呼「ミクロテック」と請求人所有の引用商標から生ずる称呼「ミクロテックス」とを比較すると、両称呼は、本件商標を引用し、登録異議の申立をした「マイクロテックス」の異議決定の理由と全く同様の理由で称呼上、類似するものであるといわなければならない。また、指定商品においても類似するものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
ごく一般的な「広辞苑」および「外来語辞典」にも「MICRO」は、「マイクロ」とも「ミクロ」とも称呼されることが明確に記載されているものであるから、「MICRO」のみの表示であれば、当然に「マイクロ」および「ミクロ」の称呼が生ずることは明白である。しかも、「マイクロ」と「ミクロ」の意味は、全く同じ「微小」である。そして、この「MICRO」が語頭に存在する構成である以上、「MICROTEC」からの称呼は、当然、一連に「マイクロテック」「ミクロテツク」の二つの称呼をも生ずることは、明らかな事実である。
例えば、「MICROMETER」が、「マイクロメーター」もしくは「ミクロメーター」とも呼ばれているように、「MICRO○○○」を「マイクロ○○○」「ミクロ○○○」と呼ぶケースは、一般的なことであると言えるものである。
従って、特別な事情がなければ、「MICROTEC」からは、ごく自然に「マイクロテック」と「ミクロテック」の二つの称呼をも生ずることは明白であるから、「ミクロテック」の称呼が生じることは、当然である。
被請求人の「ミクロテック」のように称呼することもないとの主張は成り立たないと言わざるを得ないものである。
また、被請求人は、引用商標の「MICRO−TEX/ミクロテックス」の「MICRO−TEX」の欧文字部分のみを使用した場合でも「ミクロテックス」の称呼によっているのが普通であると主張しているが、請求人においては、ここで、あえて会社名をあげることはしないが、ある会社が実際にこの欧文字部分のみの商標を使用し、「マイクロテックス」と称呼して使用されていたケースがあり、請求人からの申入れにより、商品名の中止と共にカタログの回収、廃棄処理に速やかに応じたケースがある。このことは、すなわち、「MICRO−TEX」のみの表示であれば、「ミクロテックス」および「マイクロテックス」の称呼が生じるものであることを認められているものである。従って、「MICRO−TEX」の欧文字部分のみを使用した場合でも、「ミクロテックス」のみの称呼が生じるとの主張は成り立たないものである。
次に、請求人の引用商標「MICRO−TEX/ミクロテックス」からは、「ミクロテックス」の称呼が生ずるものであるから、本件商標「MICROTEC」から生ずる「ミクロテック」とを比較しますと、6音の構成配列順を同じくし、異なるは語尾の「ス」音の有無の差にすぎず、しかも、「ス」音は、無声摩擦音で、それ自体が響きの弱い音である上に、通常、明確に発音され又聴取され難い語尾に位置することから、これが全体の称呼に与える影響は少なく、それぞれを一連に称呼するときは、語調語感が近似するものであるから、両商標は類似の商標であること明白である。
被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。
本件商標は、現実には、使用権者によって使用しているものであるが、一貫して「マイクロテック」の称呼によっており、これに接する取引者、需要者が「ミクロテック」のように称呼するということもない。
実際に使用されている商標にあっては、格別の事情でもなければ、その読みが二様に亘ることはない。引用商標「MICRO−TEX/ミクロテックス」にあっても、その構成中に「MICRO−TEX」の文字があるから「ミクロテックス」等の他の構成文字の有無にかかわらず、「マイクロ」とか「マイクロテックス」と称呼されるというようなことにはならないものである。そして、「ミクロテックス」の称呼の下に使用されている商標は、「MICRO−TEX」の欧文字部分のみを使用した場合でも、「ミクロテックス」の称呼によっているのが普通である。
したがって、本件商標が取引きにあって「ミクロテック」と称呼されているというのであれば、証拠を示すべきである。
本件商標は、現に「マイクロテック」と称呼して使用しており、また取引きにあって実際に「マイクロテック」と称呼されているものであり、引用商標は、「ミクロテックス」と称呼されるものであるから、両者は、音構成が異なり、取引きにおける通常の注意力の下にあっても、聞き誤られるおそれはないものというべきである。
特に、本件商標「マイクロテック」は、引用商標の審査時等において被請求人が主張したように、「マイクロ」+「テック」の結合であり、「テック」が被請求人の商標として周知、著名の関係にあるものであるから、「ミクロテッグス」との関係において、語韻、語調が紛れるようなことにもならない。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼上類似するものではなく、また、両商標が外観及び観念上類似するものでないことも明らかであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
よって、本件商標の登録を無効にすべき理由の有無について判断する。
そして、その構成中の「MICRO」の文字部分は、我が国で最も普及している英語において、「微少な、百万分の一」の意味を有する平易な英語であり、「マイクロ」または「ミクロ」と表記され、例えば、「マイクロアンペア(microampere)」「マイクロウエーブ(microwave)」「マイクロエレクトロニクス(microelectronics)」「マイクロオーム(microhm)」「マイクロカード(microcard)」「マイクロフィルム(microfilm)」「マイクロホン(microphone)」「ミクロエコノミクス(microeconomics)」「ミクロコスモス(マイクロコスモス)(microkosmos)」「ミクロスコープ(マイクロスコープ)(microscope)」「ミクロフィルター(microfilter)」「ミクロメーター(マイクロメーター)(micrometer)」等の用例が広く用いられていることよりすれば、取引者・需要者において「MICRO」の語は「マイクロ」または「ミクロ」として表示して用いられていることは社会常識に照らし、明らかというべきである。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「マイクロテック」または「ミクロテック」の称呼を生ずるものである。
の文字は商品の記号・符号として一般に使用されているものであり、この部分自体では自他商品の識別標識としての機能を有しないものであって、これより受ける印象は極めて弱いものといえる。これに対し、前半部の「MICROTEX」の文字は需要者・取引者に強い印象を与えるといえ
不可分のものとしてのみ認識すべき事由が見当たらないものであるから、引用商標Bに接する取引者・需要者は「MICROTEX」の文字より生ずる称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものというべきである。
そして、引用商標A及び引用商標Bの構成中の片仮名文字部分が欧文字部分の称呼を表示したものと無理なく把握され、該片仮名文字部分に相応して生ずる称呼によって、取引に資されるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、引用商標A及び引用商標Bは、その構成中の片仮名文字部分に相応して「ミクロテックス」の称呼を生ずるものである。
次に、称呼についてみるに、本件商標と引用商標A及び引用商標Bとは称呼における識別上重要な要素を占める語頭音を含めて「ミクロテック」の音を同じくし、異なるところは引用商標A及び引用商標Bの語尾における「ス」の音の有無に差異を有するにすぎない。
しかして、「ス」の音は無声摩擦音であって、通常弱い発音となるところ、これが軽く発音されがちな語尾にあるため一層弱い発音となり、明確に聴取されるものとはいい難いところである。
したがって、両者をそれぞれ一連に称呼するときは全体の語調・語感が近似したものとなり彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標A及び引用商標Bとは、称呼において類似する商標である。
更に、本件商標と引用商標A及び引用商標Bとを外観について比較すると、本件商標は、前記したとおり「MICRO TEC」の欧文字を横書きしたものである。他方、引用商標A及び引用商標Bの片仮名文字部分は、欧文字部分のみから生ずる称呼を片仮名で記載しただけのものであり、欧文字部分との関連性が強いだけにその印象がさほど強いものとはいえないものであるから、その要部は引用商標Aは「MICRO−TEX」、引用商標Bは「MICRO
るとしても、両者は何れも欧文字であり、しかも語頭から「M」「I」「C」「R」「O」「T」「E」の7文字の綴りが共通しているものである。
そうすると、取引者、需要者が時と処を異にして、この外観に接する場合、上記の共通点よりみて、外観上ある程度近似した印象、連想を生じさせるものであって、両商標の類似性を否定することはできない。
しかしながら、取引者・需要者が本件商標を常に「マイクロテック」と称呼するものでもなく、「MICRO」の語は「微少な、百万分の一」の意味を表す、極めて平易な英語であり、取引者・需要者は「MICRO」の語を「マイクロ」または「ミクロ」として表示して用いられていることは前記認定のとおりであり、これに反する請求人の主張は失当である。
そして、本件商標の指定商品中には、引用商標A及び引用商標Bの指定商品が包含されているものであり、本件商標は引用商標A及び引用商標Bの後願に係るものであること明らかである。
「ろ過機用フィルター、鉱山機械器具、土木機械器具、荷役機械器具、耕うん機械器具、栽培機械器具、収穫機械器具、植物粗製繊維加工機械器具、飼料裁断機、飼料粉砕機、飼料配合機、かいばおけ、搾乳機、牛乳ろ過器、養蜂用巣箱、ふ卵器、育雛器、検卵器、養鶏用かご、蚕種製造または養蚕用機械器具、漁業用機械器具、化学機械器具、繊維機械器具、食料または飲料加工機械器具、製材、木工または合板機械器具、パルプ製紙または紙工機械器具、印刷または製本機械器具、工業用炉、ミシン(電動ミシンを含む)製革機械、くつ製造機械、たばこ製造機械、ガラス器製造機械、塗装機械器具、包装用機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、機械要素」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ず、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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