結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30968号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第863400号商標(以下、「本件商標」という。)は、「MUSTANG」の欧文字と「ムスタング」の仮名文字とを二段に併記してなり、昭和43年8月30日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和45年7月2日に設定の登録、その後、昭和55年11月28日及び平成2年6月27日の2回に亘り、商標権存続期間の更新登録がされたものである。
請求人は、本件商標の登録は、その指定商品「はき物、その部品及び附属品」についてはこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める、と申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「はき物、その部品及び附属品」につき、本件審判請求前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していないので、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、上記商品についての本件商標登録の取消は免れない。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
本件商標の指定商品中の「はき物」の概念が「運動用特殊ぐつ」を含まないことは明らかである。
被請求人提出の乙第1号証に示された「くつ」は、本体の材料は合成繊維を主体とし、底はゴムか合成ゴムかラバースポンジを材料とする典型的な運動用特殊ぐつである。乙第8号証及び同第9号証に示された「くつ」についても同じことがいえる。
乙第1号証としてのカタログには「JOGGING」の文字が大きく明示されており、「軽量」または「軽量設計」の表示が数か所にある。したがって、ここに示された「くつ」はランニングによる疲労の予防を目的として設計されたランニングシューズであると解され、陸上競技用ぐつの概念に属するか、または隣接するものである。
乙第8号証及び同第9号証としてのカタログには「SPORTS BASKET」及び「OUT DOOR BASKET」の表示があり、ここに示された「くつ」は本体が合成繊維、底はゴム、かかとが皮革又は合成皮革で補強された典型的なバスケットシューズであり、運動用特殊ぐつであること明らかである。
本件商標は「MUSTANG」と「ムスタング」の二段表記で構成されているが、提出された証拠のいずれにおいても「MUSTANG」の表示のみがあるだけで片仮名「ムスタング」は表示されていない。「MUSTANG」は野馬を意味する英語であって、その発音は「マスタング」であり、「ムスタング」は不自然な発音である。「MUSTANG」にこの不自然な発音を併記して登録した以上、欧文字の「MUSTANG」のみ使用しても登録商標の使用にならない。
乙第1号証のカタログには上記バスケットシューズとランニングシューズの双方が掲載されている。このことは両商品が製造部門・流通ルートを共通にする運動用特殊ぐつであることを端的に実証している。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証を提出している。
被請求人は、本件商標をその指定商品中の「くつ」について本件審判請求の登録前3年以内に使用していたものであることを証するために、まず、被請求人が配布した1996年の商品カタログ(乙第1号証)を提出する。
同カタログには「MUSTANG」の文字が表示されている。
本件商標は、アルファベット大文字「MUSTANG」と片仮名文字「ムスタング」からなるが、例えば、外来語辞典の「ムスタング」の項をみても、本件商標と同じ綴りの「mustang」の単語だけが見受けられる事実をみても、「MUSTANG」が「ムスタング」とのみ称呼されることが明らかである(乙第3号証)。
そうであるとすれば、本件商標が単に「MUSTANG」と使用されても、登録商標の同一性が認められてしかるべきは当然である。
前記カタログには表紙に1996年の省略形として「96 SHOES COLLECTION」、「SPRING」と書されているうえ、裏表紙には「平成7年11月」と書されている。
被請求人は、カタログ配布に前後して、本件商標を付した「くつ」を販売している(乙第4号証〜同第7号証)。
ついで、1997年度のカタログ2種を提出する(乙第8号証及び同第9号証)。
本カタログにおいても、前記カタログと同様に、本件商標が、本件審判請求登録前3年以内に、その指定商品中「くつ」について適法に使用された事実が証明される。
以上のように、本件商標は、本件審判請求登録前3年以内に、その指定商品中の「くつ」について、被請求人(商標権者)によって使用されていたること明らかである。
(1)被請求人が、本件商標をその指定商品中の取消請求に係る商品に含まれる「くつ」について使用しているとして提出した証拠を徴するに、乙第1号証「96 SHOES COLLECTION SPRING」の商品カタログには、「MUSTANG」の文字とともに「JUNIOR」、「通学用・オフタイム」、「MUSTANG25」、「MUSTANG26」等と表示され、商品「くつ」が掲載されている。
(2)当該「くつ」は、上記商品カタログの表示からみれば、日常生活においても使用されるものであって、いわゆる、「スパイク付きの陸上競技用運動ぐつ」、「スパイク付き野球ぐつ」、「スパイク付きゴルフぐつ」のように特定の競技専用に使用される「運動用特殊ぐつ」ではなく、本件商標の指定商品中に包含される「運動ぐつ」の範疇に属するものといわざる得ない。
(3)また、当該カタログの「96 SHOES COLLECTION SPRING」の表示及び乙第4号証ないし同第7号証「納品請求書」の「請求日96年7月24日」等の表示によれば、上記商品カタログに掲載されている「運動ぐつ」が、本件審判請求の登録前3年以内に取引されていたことが認められる。
(4)本件商標は上記のとおり「MUSTANG」と「ムスタング」の両文字よりなるところ、我が国において、「MUSTANG」の語に由来する「ムスタング」の語は、「小型の半野生馬」を意味する外来語として一般に親しまれているものと認められるか
としても、当該商品カタログに表示された「運動ぐつ」の商標といい得る「MUSTANG」の商標は、本件商標と社会通念上同一性を有するものと判断するのが相当である。
(5)してみれば、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に取消請求に係る指定商品中に包含される「運動ぐつ」について使用していたものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「はき物、その部品及び附属品」についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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