sokuhyo

Trademark Appeal Case

連合商標と指定商品範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30971号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2587960商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、平成3年3月2日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成5年10月29日に設定登録されたものである。

また、本件商標と相互に連合する商標として登録されていた登録863400号商標(以下、「連合商標」という。)は、「MUSTANG」の文字と「ムスタング」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和43年8月30日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和45年7月2日に設定の登録、その後、昭和55年11月28日及び平成2年6月27日の2回に亘り、商標権存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は、その指定商品「はき物、その部品及び附属品」についてはこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める、と申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べた。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中「はき物、その部品及び附属品」につき、本件審判請求前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していないので、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、上記商品についての本件商標の取消は免れない。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

本件商標の指定商品中の「はき物」には「運動用特殊ぐつ」を含まないことは明らかである。

被請求人提出の乙第1号証に示された「くつ」は、本体の材料は合成繊維を主体とし、底はゴムか合成ゴムかラバースポンジを材料とする典型的な運動用特殊ぐつである。乙第8号証及び同第9号証に示された「くつ」についても同じことが言える。

乙第1号証としてのカタログには「JOGGING」の文字が大きく明示されており、「軽量」または「軽量設計」の表示が数か所にある。したがって、ここに示された「くつ」はランニングによる疲労の予防を目的として設計されたランニングシューズであると解され、陸上競技用ぐつの概念に属するか、または隣接するものである。

乙第2、3、4号証としてのカタログには「SPORTS BASKET」及び「OUT DOOR BASKET」の表示があり、ここに示された「くつ」は本体が合成繊維、底はゴム、かかとが皮革又は合成皮革で補強された典型的なバスケットシューズであり、運動用特殊ぐつであること明らかである。

したがって、乙各号証に示された「くつ」はいずれも運動用特殊ぐつであって、本件商標の指定商品「はき物」の概念に入らない。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証を提出している。

(1)本件審判請求は、平成12年3月31日までに請求された不使用取消審判であり、商標法附則第10条第2項(商標登録の取消しの審判についての経過措置)によると、被請求人が連合商標の使用の特例によって本件商標と相互に連合商標となっていた他の登録商標の使用を証明したときはその取消を免れる。

(2)被請求人は、本件商標と相互に連合商標となっていた登録第863400号商標をその指定商品中の「はき物」について本件審判請求の登録前3年以内に使用していたものである。

乙第1号証、平成7年11月発行の「靴のカタログ(96 SHOES COLLECTION SPRING)」、乙第2号証、平成8年6月発行の「靴のカタログ(96 SHOES COLLECTION FALL&WINTER)」、乙第3号証、平成8年11月発行の「靴のカタログ「97 SHOES COLLECTION SPRING)」、乙第4号証、平成9年5月発行の「靴のカタログ(97 SHOES COLLECTION FALL&WINTER)、乙第5号証、平成10年10月発行の「靴のカタログ(1999 SHOES COLLECTION SPRING&SUMMER)」において、連合商標が請求に係る指定商品中の「くつ」に使用されている。

乙第6号証は、請求人が連合商標を使用した「くつ」を納品した際の納品請求書の写しであり、請求日が96年7月24日、96年8月26日、96年10月4日となっている。

以上のとおり、乙第1号証ないし同第8号証により本件商標と相互に連合商標であった登録第863400号商標が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品中「はき物」について使用されていたことは明らかである。

したがって、本件商標は、商標法附則第10条第2項の適用によりその登録を取り消すことはできない。

4 当審の判断

(1)被請求人が、本件商標と相互に連合する商標であった連合商標をその指定商品中の取消請求に係る商品に含まれる「くつ」について使用しているとして提出した証拠を検討するに、乙第1号証「96 SHOES COLLECTION SPRING」の商品カタログには、「MUSTANG」の文字とともに「JUNIOR」、「通学用・オフタイム」、「MUSTANG25」、「MSTANG26」等と表示され、商品「くつ」が掲載されている。

(2)当該「くつ」は、上記商品カタログの表示からみれば、日常生活においても使用されるものであって、いわゆる、「スパイク付きの陸上競技用運動ぐつ」、「スパイク付き野球ぐつ」、「スパイク付きゴルフぐつ」のように特定の競技専用に使用される「運動用特殊ぐつ」ではなく、本件商標の指定商品中に包含される「運動ぐつ」の範疇に属するものというべきである。

(3)また、当該カタログの「96 SHOES COLLECTION SPRING」の表示及び乙第6号証「納品請求書」の「請求日96年7月24日」等の表示によれば、上記商品カタログに掲載されている「運動ぐつ」が、本件審判請求の登録前3年以内に取り引きされていたことが認められる。

(4)連合商標は上記のとおり「MUSTANG」と「ムスタング」の両文字よりなるところ、我が国において、「MUSTANG」の語に由来する「ムスタング」の語は、「小型の半野生馬」を意味する外来語として一般に親しまれているものと認められるか

としても、当該商品カタログに表示された「運動ぐつ」の商標といい得る「MUSTANG」の商標は、連合商標と社会通念上同一性を有するものと判断するのが相当である。

(5)してみれば、被請求人は、改正商標法(平成8年法律第68号)附則第10条第2項の規定により、本件商標と相互に連合する商標であった連合商標を本件審判請求の登録前3年以内にであって前記改正商標法の施行前に、取消請求に係る指定商品中に包含される「運動ぐつ」について使用していたものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「はき物、その部品及び附属品」についての登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。