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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300493(T2008−300493/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4770688号商標(以下「本件商標」という。)は、「STEP」の欧文字を表してなり、平成13年7月9日に登録出願、第10類「手術用腹腔鏡及びその他の医療用腹腔鏡,その他の医療用機械器具」を指定商品として、平成16年5月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

また、本件審判の請求の登録日は、平成20年5月12日である。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由として、本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。

第3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

1 本件商標が使用されていることについて

本件商標と同一の商標が、商品カタログに記載されている(乙第2号証)。

また、上記本件商標と社会通念上同一の商標が医療用機械器具に付されている(乙第2号証)。

以上より、本件商標(社会通念上同一の商標を含む)が使用されていることは明らかである。

2 本願商標が使用されている商品が「医療用機械器具」に該当することについて

乙第2号証は、医療用機械器具(医療用穿刺器、穿削器、穿孔器、単回使用トロカールスリーブ)についての商品カタログである。

本件商標が付されている商品が医療用機械器具に該当することは、乙第2号証中に「医療機器承認番号」と記載されていることから明らかであるが、同商品の【形状・構造及び原理等】、【使用目的、効能又は効果】等を記載した書面も提出する(乙第3号証)。

以上より、本件商標を付した商品が医療用機械器具であることは明らかである。

3 本件商標の使用者が本件商標の使用権限を有することについて

本件商標の権利者は、イナーダイン インコーポレイテッドである。

本件商標の使用者は、タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社である。

しかしながら、上記両社は関連会社である。具体的にいうと、タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社の関連会社であるTyco International Ltd.は、イナーダイン インコーポレイテッドを買収している(乙第4号証)。

そして、タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社は、Tyco International Ltd.の関連会社(日本法人)である。

以上の関係から、イナーダイン インコーポレイテッドとタイコ ヘルスケアジャパン株式会社との間には、本件商標の使用に関し黙示の使用許諾が認められるものである。

したがって、タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社は本件商標権についての通常使用権を有するものである。

4 本件審判の請求登録前3年以内に本件商標が使用されていることについて

(1)乙第2号証の最終頁(注文No.、商品名等が表になっている頁)の右下に「0605」の記載があるが、同記載は乙第2号証のカタログが2006年5月に制作されたことを示すものである。

(2)乙第2号証記載の商品が販売されたことを示す請求書を提出する(乙第5号証)。乙第5号証記載の「製品コード」(S100000、S110000等)及び「製品名」(アクセスニードル100MMスリーブ、アクセスニードル70MMスリーブ等)は、乙第2号証記載の「注文No.」(S100000、S110000等)及び「商品名」(アクセスニードル100mmスリーブ、アクセスニードル70mmスリーブ等)と対応している。

そして、乙第2号証と乙第5号証とをあわせて判断すると、乙第2号証記載の商品(すなわち、本件商標と社会的同一の商標「Step」を付した商品)が、乙第5号証記載の日(出荷日)に販売されたことは明らかである。

(3)乙第3号証は医療機器承認番号20900BZY00979に関する書面であるが、同医療機器承認番号に対応する商品は、乙第2号証における「STEP100mmシリーズ」、「STEP70mmシリーズ」、「OneSTEPシリーズ」 及び 「MiniSTEPシリーズ」である。

そして、乙第3号証には「2006年2月22日作成」の記載があることから、乙第2号証中の上記対応商品も同時期に販売されていたことは明らかである。

(4)以上より、本件審判の請求登録前3年以内に本件商標が使用されていたことは明らかである。

5 本件商標が日本国内で使用されていることについて

本件商標を付した商品のカタログが日本語で書かれていること、及び本件商標を付した商品の納入先が日本国内の病院・医療センター等であることから、本件商標が日本国内で使用されていたことは明らかである。

6 まとめ

以上述べたことから、本件商標が指定商品「その他の医療用機械器具」について、本件審判請求登録前3年以内に日本国内において通常使用権者により、使用されていたことは明らかである。

第4 請求人の弁駁

請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。

第5 当審の判断

1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第2号証は、商品カタログの写しと認められるところ、その3枚目の左上には、「STEP 100mmシリーズ(Pの文字の右肩には、TMの文字が小さく表されている。)」の文字が記載され、「注文No.」欄に「S100000」と記載されている商品は、商品名欄に「アクセスニードル100mmスリーブ」と記載されている。また、「注文No.」欄に「S101000」と記載されている商品は、商品名欄に「エクスパンダブルスリーブ100mmスリーブ」と記載されている。両方の商品の「医療用具許可番号/医療機器承認番号」欄には、「医療機器承認番号:20900BZY00979」の文字が記載されている。

そして、乙第2号証の3枚目には、「STEP70mmシリーズ(Pの文字の右肩には、TMの文字が小さく表されている。)」の文字が記載され、「注文No.」欄に「S110000」の文字、商品名欄に「アクセスニードル70mmスリーブ」の文字、「医療用具許可番号/医療機器承認番号」欄に「医療機器承認番号:20900BZY00979」の文字が記載されている。

さらに、乙第2号証の3枚目の左下には、「製造/輸入販売元」の文字、「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」の文字、同社の住所、電話番号等が記載されている。

(2)乙第3号証は、「アクセスニードル」及び「エクスパンダブルスリーブ」等についての商品説明書と認められるところ、1枚目の上部中央に「医療用穿刺器」の文字が記載され、1枚目の左下に「アクセスニードルは、同一の患者の同一の手術に限り、続けて他のエクスパンダブルスリーブ用に繰り返し使用できる。」及び「エクスパンダブルスリーブは、アクセスニードルと共に、皮膚切開部分から挿入する。」旨記載されている。

(3)乙第4号証は、買収を報じたウェブニュースの写し及びその部分訳文と認められるところ、これによれば、「タイコ インターナショナル リミテッド」が、商標権者である「イナーダイン インコーポレイテッド」の株式を1.8億ドルで購入することに合意したと2000年10月5日に発表した」旨記載されている。

(4)乙第5号証は、タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社が発行した請求書の写しと認められるところ、乙第5号証の1枚目の上部には、左から「丸木医科器械株式会社 仙台支店 御中」の文字、「発行年月日 05年09月30日」の文字、「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」の名称、住所、電話番号等が記載されている。

乙第5号証の1枚目には、「製品コード」欄に「S100000」と記載されている商品は、「製品名」欄に「アクセスニードル 100MMスリーブ」と記載され、「納入先」欄に「丸木医科器械株式会社 仙台支店」と記載され、「出荷日」欄に「05/09/28」と記載されている。

また、「製品コード」欄に「S110000」と記載されている商品は、「製品名」欄に「アクセスニードル 70MMスリーブ」と記載され、「納入先」欄に「丸木医科器械株式会社 仙台支店」と記載され、「出荷日」欄に「05/09/28」と記載されている。

(5)乙第5号証の2枚目の上部には、左から「望星サイエンス株式会社 御中」の文字、「発行年月日 06年08月20日」の文字、「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」の名称、住所、電話番号等が記載されている。

乙第5号証の2枚目には、「製品コード」欄に「S101000」と記載されている商品は、「製品名」欄に「エクスパンダブルスリーブ 100MMスリーブ」と記載され、「納入先」欄に「横浜総合病院」と記載され、「出荷日」欄に「06/07/28」と記載されている。

また、「製品コード」欄に「S100000」と記載されている商品は、「製品名」欄に「アクセスニードル 100MMスリーブ」と記載され、「納入先」欄に「横浜総合病院」と記載され、「出荷日」欄に「06/08/01」と記載されている。

(6)乙第5号証の3枚目の上部には、左から「株式会社福山医科 御中」の文字、「発行年月日 06年11月20日」の文字、「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」の名称、住所、電話番号等が記載されている。

乙第5号証の3枚目には、「製品コード」欄に「S101000」と記載されている商品は、「製品名」欄に「エクスパンダブルスリーブ 100MMスリーブ」と記載され、「納入先」欄に「塩田病院」と記載され、「出荷日」欄に「06/11/20」と記載されている。

(7)乙第5号証の4枚目の上部には、左から「セイコーメディカル株式会社 御中」の文字、「発行年月日 07年01月31日」の文字、「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」の名称、住所、電話番号等が記載されている。

乙第5号証の4枚目には、「製品コード」欄に「S100000」と記載されている商品は、「製品名」欄に「アクセスニードル 100MMスリーブ」と記載され、「納入先」欄に「日赤和歌山医療センター」と記載され、「出荷日」欄に「07/01/09」と記載されている。

(8)乙第5号証の5枚目の上部には、左から「有限会社いわしや盛田器械店 御中」の文字、「発行年月日 08年04月20日」の文字、「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」の名称、住所、電話番号等が記載されている。

乙第5号証の5枚目には、「製品コード」欄に「S100000」と記載されている商品は、「製品名」欄に「アクセスニードル 100MMスリーブ」と記載され、「納入先」欄に「埼玉医科大学病院」と記載され、「出荷日」欄に「08/03/24」と記載されている。

2 当審の判断

(1)商標の同一性について

乙第2号証において使用されている商標「STEP 100mmシリーズ」及び「STEP 70mmシリーズ」の文字中の「100mm」及び「70mm」の文字は、商品のサイズを表したものと認められ、「シリーズ」の文字は、「連続性を持つ一連のもの。」の意味を有し、指定商品を取り扱う業界において、姉妹品等同系列の一連の商品群、いわゆるシリーズものを表す言葉として、取引上一般に使用されている語であり、いずれも自他商品の識別標識としての機能を果たさない文字部分であるから、本件商標中、自他商品の識別標識としての機能を果たす文字部分は、「STEP」の文字部分にあるというべきである。

したがって、乙第2号証において使用されている商標「STEP 100mmシリーズ」及び「STEP 70mmシリーズ」と本件商標とは、いずれも「STEP」の文字より、「ステップ」の称呼及び「歩み。踏み段。」の観念を生ずるものであるから、社会通念上同一の商標と認めることができる。

(2)乙第3号証によれば、「アクセスニードル」及び「エクスパンダブルスリーブ」は、第10類「医療用機械器具」に属する商品と認めることができる。

(3)本件商標の使用時期について

乙第5号証に記載されている出荷日及び請求書の発行年月日は、いずれも本件審判の請求の登録前3年以内の日付と認めることができる。

(4)通常使用権者について

乙第4号証によれば、「タイコ インターナショナル リミテッド」が、商標権者である「イナーダイン インコーポレイテッド」の株式を購入することに合意したことを発表していることから、前者は、後者の株主又は関連会社と認めることができる。

乙第2号証及び乙第5号証に記載されている「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」は、「タイコ インターナショナル リミテッド」と「タイコ」の文字が同じことから、前者は、後者の日本法人又は関連会社と認めることができる。

してみれば、「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」と商標権者である「イナーダイン インコーポレイテッド」も関連会社と認めることができる。

そうとすれば、「タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社」は、本件商標の使用に関し黙示の使用許諾を認められた通常使用権者と推認することができる。

3 まとめ

乙第2号証ないし乙第5号証によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者が指定商品中「医療用機械器具」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたものと認めることができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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