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Trademark Appeal Case

「リッチ」商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90349(T2005−90349/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4863872号商標の指定商品中、第3類「シャンプー,化粧せっけん,シャワー用ジェル状のせっけん,ひげそり用せっけん,その他のせっけん類,エッセンシャルオイル,におい袋,香木,その他の香料類,バブルバス,バスフォーム,バスソルト,バスオイル,その他の浴用化粧品,ジェル状整髪料,ヘアワックス,毛髪用ウェーブ剤,ヘアローション,その他の頭髪用化粧品,香水類,オーデコロン,ひげそり後用ローション,ひげそり後用バーム,その他のひげそり用化粧品,制汗用化粧品,身体防臭用化粧品,ネイルエナメル,ネイルポリッシュ,ネイルエナメル除去剤,メイクアップおとし剤,脱毛剤,パック用化粧料,その他のメイクアップ用化粧品,タルカムパウダー,その他の化粧品,歯用洗浄剤(医療用のものを除く。),口内洗浄剤(医療用のものを除く。),練り歯磨き,その他の歯磨き」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品、第3類「紙やすり,人造軽石,化粧用脱脂綿,靴クリーム,靴墨」についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4863872号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)の構成よりなり、平成16年5月11日に登録出願、第3類「シャンプー,化粧せっけん,シャワー用ジェル状のせっけん,ひげそり用せっけん,その他のせっけん類,エッセンシャルオイル,におい袋,香木,その他の香料類,バブルバス,バスフォーム,バスソルト,バスオイル,その他の浴用化粧品,ジェル状整髪料,ヘアワックス,毛髪用ウェーブ剤,ヘアローション,その他の頭髪用化粧品,香水類,オーデコロン,ひげそり後用ローション,ひげそり後用バーム,その他のひげそり用化粧品,制汗用化粧品,身体防臭用化粧品,ネイルエナメル,ネイルポリッシュ,ネイルエナメル除去剤,メイクアップおとし剤,脱毛剤,パック用化粧料,その他のメイクアップ用化粧品,タルカムパウダー,その他の化粧品,歯用洗浄剤(医療用のものを除く。),口内洗浄剤(医療用のものを除く。),練り歯磨き,その他の歯磨き,紙やすり,人造軽石,化粧用脱脂綿,靴クリーム,靴墨」の外、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年3月29日に登録査定、同年5月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、次の(1)ないし(5)であり、商標法第43条の9の規定に基づき、当審において引用する登録商標は、次の(6)である(以下、(1)ないし(6)の登録商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。

(1)登録第510889号商標(以下「引用商標1」という。)は、「リッチ」の片仮名文字を縦書きしてなり、昭和31年3月12日に登録出願、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品として、同32年12月4日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、平成20年7月30日に、第3類「香料類(薫料・香精・天然じゃ香・芳香油を除く。),吸香,におい袋,香水類,フケ取り香水,香水,人造じゃ香,香油,髪膏,おしろい,化粧下 」とする書換登録がなされたものである。

(2)登録第530017号商標−1(以下「引用商標2」という。)は、「リッチ」の片仮名文字を縦書きしてなり、昭和33年2月20日に登録出願、第5類「歯磨及び他類に属しない洗料」を指定商品として、同33年11月17日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、同56年8月17日に本件商標に係る商標権の分割移転登録がされ、第5類「歯磨及び他類に属しない洗料、但し、歯磨を除く」となったものである。

(3)登録第530500号商標(以下「引用商標3」という。)は、「リッチ」の片仮名文字を縦書きしてなり、昭和33年2月20日に登録出願、第4類「石鹸」を指定商品として、同年11月25日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(4)登録第705500号商標(以下「引用商標4」という。)は、「RICH」の欧文字を横書きしてなり、昭和37年11月14日に登録出願、第4類「化粧品、香料類」を指定商品として、同41年4月28日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、平成18年12月20日に、第3類「化粧品,香料類」とする書換登録がなされたものである。

(5)登録第1373980号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおり、楕円の輪郭内に花と思しき図形を描き、当該図形の下に「リッチ」の片仮名文字を横書きしてなるものであり、昭和50年5月16日に登録出願、第4類「せつけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、同54年2月27日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、昭和56年6月8日に、指定商品中の一部「歯みがき」を放棄した旨の登録がなされたものである。

(6)登録第2706187号商標(以下「引用商標6」という。)は、「リッチ」の片仮名文字及び「RICH」の欧文字を2段に横書きしてなり、平成1年8月25日に登録出願、第4類「歯みがき」を指定商品として、同7年4月28日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、同16年12月1日に、第3類「歯磨き」とする書換登録がなされたものである。

第3 登録異議申立の理由の要旨

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「本件商標は、引用商標1ないし引用商標5と商標が類似し、その指定商品も抵触するから、商標法第4条第1項第11号に該当し、その指定商品中、第3類の指定商品については取り消されるべきである。」旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番を含む)を提出している。

第4 本件商標に対する取消理由通知

(1)当審において、商標権者に対して、平成18年5月9日、同19年9月14日及び同20年9月9日の3回に亘り取消理由を通知し、それぞれ期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、当該取消理由の要旨は次のとおりである。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標と引用商標との類否

本件商標は、別掲(1)のとおり「RICH」の欧文字と「JOHN RICHMOND」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、上段に書されている「RICH」の文字部分は、下段に書されている「JOHN RICHMOND」の文字部分に比べて、太字をもって「JOHN RICHMOND」の文字の約3倍の大きさで大きく表されているものであって、視覚上、明瞭に、「RICH」と「JOHN RICHMOND」とに分離して看取されるものである。

また、本件商標は、その構成文字全体をもって称呼した場合には「リッチジョンリッチモンド」の称呼を生ずるものであるが、やや冗長であるといわざるを得ないから、簡易迅速を旨とする商取引においては、「リッチ」と略称され称呼される場合も決して少なくないというべきである。

さらに、「RICH JOHN RICHMOND」から特定の観念が生ずるとも認めがたいばかりでなく、「RICH JOHN RICHMOND」の文字を一連一体のものとして把握しなければならないとする理由も見いだし難い。

そして、「RICH」の語は、「金持ちの、裕福な」等の意味を表す英語として広く知られている語であり、指定商品中の第3類の指定商品との関係において、直ちに商品の品質等を表したものともいえないから、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ると認められるものである。

そうとすれば、本件商標に接する取引者・需要者は、大きく顕著に表されている「RICH」の文字のみを捉えて取引に当たる場合も決して少なくないものというべきであるから、本件商標からは、その構成文字全体に相応する称呼を生ずるとともに、「RICH」の文字に相応する「リッチ」の称呼を生じ、「金持ちの、裕福な」等の観念を生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標は、それぞれ、上記第2で述べた構成からなるものであるから、その構成文字中「リッチ」及び「RICH」の文字部分に相応して、「リッチ」の称呼を生じ、「金持ちの、裕福な」等の観念を生ずるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、「リッチ」の称呼及び「金持ちの、裕福な」等の観念を共通にする称呼上及び観念上類似する商標である。

また、外観についてみるに、本件商標の構成中「RICH」の欧文字部分と引用商標4「RICH」及び引用商標6の構成中「RICH」の欧文字部分は、ともに大文字であり、また、アルファベットの順番も同じくするものであるから、外観上類似する商標である。

してみれば、本件商標と引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5とは、外観上の差異を考慮したとしても、「リッチ」の称呼及び「金持ちの、裕福な」等の観念を共通にする類似する商標である。

また、 本件商標と引用商標4及び引用商標6とは、外観、称呼及び観念のいずれもが類似する商標である。

そして、本件商標の指定商品中の第3類「シャンプー,化粧せっけん,シャワー用ジェル状のせっけん,ひげそり用せっけん,その他のせっけん類,エッセンシャルオイル,におい袋,香木,その他の香料類,バブルバス,バスフォーム,バスソルト,バスオイル,その他の浴用化粧品,ジェル状整髪料,ヘアワックス,毛髪用ウェーブ剤,ヘアローション,その他の頭髪用化粧品,香水類,オーデコロン,ひげそり後用ローション,ひげそり後用バーム,その他のひげそり用化粧品,制汗用化粧品,身体防臭用化粧品,ネイルエナメル,ネイルポリッシュ,ネイルエナメル除去剤,メイクアップおとし剤,脱毛剤,パック用化粧料,その他のメイクアップ用化粧品,タルカムパウダー,その他の化粧品,歯用洗浄剤(医療用のものを除く。),口内洗浄剤(医療用のものを除く。),練り歯磨き,その他の歯磨き」と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品と認められる。

(2)むすび

したがって、本件商標の指定商品中、第3類「シャンプー,化粧せっけん,シャワー用ジェル状のせっけん,ひげそり用せっけん,その他のせっけん類,エッセンシャルオイル,におい袋,香木,その他の香料類,バブルバス,バスフォーム,バスソルト,バスオイル,その他の浴用化粧品,ジェル状整髪料,ヘアワックス,毛髪用ウェーブ剤,ヘアローション,その他の頭髪用化粧品,香水類,オーデコロン,ひげそり後用ローション,ひげそり後用バーム,その他のひげそり用化粧品,制汗用化粧品,身体防臭用化粧品,ネイルエナメル,ネイルポリッシュ,ネイルエナメル除去剤,メイクアップおとし剤,脱毛剤,パック用化粧料,その他のメイクアップ用化粧品,タルカムパウダー,その他の化粧品,歯用洗浄剤(医療用のものを除く。),口内洗浄剤(医療用のものを除く。),練り歯磨き,その他の歯磨き」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

第5 当審の判断

1 本件商標についてした取消理由の通知(上記第4)は妥当であって、指定商品中、第3類「シャンプー,化粧せっけん,シャワー用ジェル状のせっけん,ひげそり用せっけん,その他のせっけん類,エッセンシャルオイル,におい袋,香木,その他の香料類,バブルバス,バスフォーム,バスソルト,バスオイル,その他の浴用化粧品,ジェル状整髪料,ヘアワックス,毛髪用ウェーブ剤,ヘアローション,その他の頭髪用化粧品,香水類,オーデコロン,ひげそり後用ローション,ひげそり後用バーム,その他のひげそり用化粧品,制汗用化粧品,身体防臭用化粧品,ネイルエナメル,ネイルポリッシュ,ネイルエナメル除去剤,メイクアップおとし剤,脱毛剤,パック用化粧料,その他のメイクアップ用化粧品,タルカムパウダー,その他の化粧品,歯用洗浄剤(医療用のものを除く。),口内洗浄剤(医療用のものを除く。),練り歯磨き,その他の歯磨き」(注:申立人の取り消しに係る指定商品中には、「その他の毛髪用化粧品」の記載があるが、これは、「その他の頭髪用化粧品」と実質的に同一の商品と認められるから、該表示の商品として判断した。)についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ないものであり、これを論駁する平成18年8月18日、同19年12月27日及び同20年12月19日付けの商標権者の意見は以下のとおり採用することができない。

2 商標権者の意見(要旨)

(1)商標権者は、「本件商標と引用商標4及び引用商標6とは外観上非類似である。」旨主張する。

本願商標の構成についてみると,本願商標は2段に分かれた欧文字からなり、上段に「RICH」と大書されているのに対して、下段は、これよりも3分の1の大きさで、小さく「JOHN RICHMOND」と書されているものである。

本願商標のかかる構成からすると、本願商標において、「RICH」の文字部分が、「JOHN RICHMOND」に比して顕著に際立った特徴を有する構成部分であることは一見して明らかである。

かかる顕著な構成上の特徴に照らすと、「RICH」の部分が本願商標に接する取引者及び需要者に対して最も強く訴える部分、すなわち本願商標の要部であることは明らかであるというべきである。

そうすると、本願商標に接する取引者,需要者は、「RICH」の部分の文字によって当該商品の出所が原告であることを識別し、「RICH」によって個々の商品の識別を行うであろうことも容易に推認可能であって,本件全証拠を検討してもこの推認を左右するに足りる証拠はない。

したがって,本願商標を個々の商品に付して使用した場合,「RICH」の部分と「JOHN RICHMOND」の部分が,一体不可分の関係にあるものといえないことは明らかである。

そして、本件商標の構成中「RICH」の欧文字部分と引用商標4「RICH」の欧文字及び引用商標6の構成中「RICH」の欧文字部分は、ともに大文字であり、また、アルファベットの順番も同じくするものであるから、外観上類似する商標である。

したがって、この点についての商標権者の意見は採用しない。

(2)商標権者は、「本件商標からは、『リッチジョンリッチモンド』の称呼を生ずる。」旨主張する。

しかしながら、「リッチジョンリッチモンド」の称呼は、やや冗長であるといわざるを得ないから、簡易迅速を旨とする商取引においては、「リッチ」と略称され称呼される場合も決して少なくないというべきである。

したがって、この点についての商標権者の意見は採用しない。

(3)商標権者は、「『リッチ』、『RICH』のみからなる引用商標は、第3類の一部の商品においては、商標としてより、むしろ品質表示として認識されており、識別標識としての機能に疑いがある。」旨主張する。

しかしながら、「リッチ」及び「RICH」の語に「豊富である」の意味があるとしても、「リッチ」及び「RICH」の語のみでは、何が豊富であるのか不明確である。

してみれば、「リッチ」及び「RICH」の語のみで、第3類の一部の商品において品質を表示するものとして使用されているとはいえない。

また、「リッチ」及び「RICH」の語のみで、第3類の一部の商品に品質を表示するものとして実際に使用されいるとする証拠も見いだせない。

したがって、この点についての商標権者の意見は採用しない。

(4)商標権者は、「本件商標からは、『ジョンリッチモンド』の観念を生ずる。」旨主張する。

しかしながら、「RICH」の文字の部分が品質表示として使用されているとは認められないことは、上記(3)で述べたとおりであるから、本件商標構成中、大きく顕著に表されている「RICH」の文字の部分から「金持ちの、裕福な」等の観念を生ずるというべきである。

(5)商標権者は、過去の登録例を挙げて本件商標も登録要件を満たす旨意見を述べているが、これらの登録例と本件商標とは事案を異にするものであるから、商標権者の意見を採用することはできない。

3 結語

以上のとおりであるから、本件商標の登録は、請求に係る指定商品中、第3類「シャンプー,化粧せっけん,シャワー用ジェル状のせっけん,ひげそり用せっけん,その他のせっけん類,エッセンシャルオイル,におい袋,香木,その他の香料類,バブルバス,バスフォーム,バスソルト,バスオイル,その他の浴用化粧品,ジェル状整髪料,ヘアワックス,毛髪用ウェーブ剤,ヘアローション,その他の頭髪用化粧品,香水類,オーデコロン,ひげそり後用ローション,ひげそり後用バーム,その他のひげそり用化粧品,制汗用化粧品,身体防臭用化粧品,ネイルエナメル,ネイルポリッシュ,ネイルエナメル除去剤,メイクアップおとし剤,脱毛剤,パック用化粧料,その他のメイクアップ用化粧品,タルカムパウダー,その他の化粧品,歯用洗浄剤(医療用のものを除く。),口内洗浄剤(医療用のものを除く。),練り歯磨き,その他の歯磨き」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとする。

しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品、第3類「紙やすり,人造軽石,化粧用脱脂綿,靴クリーム,靴墨」については、引用商標の指定商品と非類似の商品であると認められ、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたということはできないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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