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Trademark Appeal Case

商標周知性の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900223(T2008−900223/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5114869号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5114869号商標(以下「本件商標」という。)は、「アースクリーン」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成19年4月10日に登録出願、第3類「洗剤,せっけん類」を指定商品として、同20年2月29日に設定登録されたものである。

2 本件登録異議の申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第79号証を提出した。

申立人は、少なくとも平成12年初め頃より現在に至るまで「油脂二次汚染防止洗浄剤」に「アースクリーン」なる片仮名文字を横書きしてなる商標(以下「引用商標」という。)を使用し、引用商標は、本件商標の出願時及び登録査定時において、需要者間に広く認識された商標、いわゆる周知商標としての地位を獲得していた。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)申立人は、引用商標は、申立人が「油脂二次汚染防止洗浄剤」に使用し需要者の間に広く知られていたものになっているとして、証拠を提出しているので、該証拠について検討する。

(ア)甲第4号証の1及び甲第4号証の2は、申立人である日本バイタライト販売株式会社の商品カタログであり、該カタログに引用商標を使用した油脂二次汚染防止洗浄剤(以下「使用商品」という。)が掲載されていることが認められる。しかしながら、該カタログの配布数、配布場所等は不明であり、かつ、作成日等の記載がないから、使用時期も不明である。

甲第71号証ないし甲第73号証は、使用商品に係る日本バイタライト販売株式会社を販売元等とするチラシであるが、その使用時期、配布枚数、配布場所等は不明である。なお、甲第73号証には、申立人の名称及びホームページのアドレスの記載があるものの申立人の所在及び電話番号の記載はない。

甲第74号証は、平成13年2月23日付けの株式会社ナカモトの各営業所宛の使用商品に関する案内であるが、一取引会社内の営業所向けの案内であって、不特定多数に送られたものではない。

(イ)甲第8号証は、商品ラベルであり、甲第9号証は、外装容器の企画書であり、甲第12号証及び甲第13号証は、商品ラベルの版下であるところ、商品の出所を表示するものとして「日本バイタライト販売株式会社」の表示があることが認められる。

(ウ)甲第10号証は、平成12年10月4日付け日刊燃料油脂新聞であり、仙台発の記事として日本バイタライト販売環境開発部仙台営業所が使用商品「アースクリーン」を福島の業者と開発し、平成12年度から本格的に販売を開始した旨の記事が掲載されている。また、甲第11号証は、平成13年5月2日付け日刊燃料油脂新聞であり、仙台発の記事として、日本バイタライト販売開発部東北営業所が発売している使用商品「アースクリーン」に関する記事が掲載されている。

また、甲第70号証は、日本衛生指導協会発行の平成13年1月25日付け「保健衛生広報」であり、環境衛生関連商品情報として、使用商品「アースクリーン」が紹介され、「日本バイタライト販売株式会社」の表示及び環境開発部のホームページのアドレス、東京地区、東日本地区、西日本地区の住所、担当者氏名、連絡先電話番号、メールアドレスの記載がある。

(エ)甲第26号証、甲第28号証、甲第47号証ないし甲第51号証、甲第53号証、甲第55号証及び甲第56号証は、平成12年から平成18年にかけての使用商品の注文書、納品書等であるが、これらの証拠によっては、当該期間に10件ほどの取引があったことが認められるにすぎず、また、それぞれの取引内容も多いものとはいえない。

さらに、甲第27号証、甲第29号証ないし甲第46号証、甲第52号証、甲第54号証及び甲第75号証ないし甲第77号証は、上記期間の使用商品の問い合わせ、見積書、記念セール等の企画の提案書等である。

(オ)甲第57号証ないし甲第59号証は、平成18年5月から7月度の東北バイタライト株式会社の売上げ統計表であり、当該各月に使用商品に関し、月450万円から630万円程度の売上げがあったことが認められる。

甲第60号証ないし甲第65号証は、平成18年11月から平成19年4月度の申立人の東北出張所の「アースクリーン販売報告書」と認められるところ、当該各月に使用商品に関し、月120万円から340万円程度の売上げがあったことは認められる。

(カ)甲第66号証ないし甲第69号証は、平成15年度から平成17年度の使用商品の納入先リストとするものであるが、その納入先には、市役所や消防署などの地方自治体、ガソリンスタンドの経営会社、自動車販売会社、リース会社、食品会社などが記載されている。

その他、引用商標の周知性を立証する証拠は見当たらない。

(2)以上によれば、申立人会社の環境開発部の仙台(東北)営業所が中心となり平成12年頃から引用商標を使用する使用商品の販売を開始し、使用商品のラベル等には、申立人の名称が表示されていたことが認められる。

しかしながら、使用商品の需要者は、油脂を取り扱う広範な企業、地方自治体であると認められるところ、申立人の納入先は、それほど多いとはいえず、提出する平成12年から平成18年の取引の事実を示す証拠も約6年間としては極めて少なく、販売額も販売開始から6年が経過した平成18年5月頃であっても月450万円から630万円程度であって、油脂洗浄という用途からすると決して多いとはいえない。また、使用商品が新聞等に数回取り上げられたことはあることは認められるものの、使用商品が掲載されたチラシやカタログが作成されたことは認め得るとしてもその配布実態等は不明である。

そうとすると、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認めることはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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