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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900446(T2008−900446/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5157612号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5157612号商標(以下、「本件商標」という。)は、「AVADIS」の文字を標準文字で書してなり、平成19年10月1日登録出願、第9類及び第16類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同20年8月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が引用する国際登録第907182号商標(以下「引用商標」という。)は、「ADVANTIS」の文字を書してなり、2006年10月31日に国際登録され、第9類、第16類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年5月30日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)商標の類似

本件商標と引用商標は、何れも特定の観念を生じさせることのない造語商標と認められ、かつ主体部をなす語幹の部分「AVA」及び「ADVAN」を対比すると、本件商標は、引用商標の第2字目の「D」及び第5字目の「N」を欠くものであるが、これらは弱音であり、強く発声される「A」及び「VA」の部分を同じくするものである。

また、語尾の部分「DIS」及び「TIS」の部分は、発声上、弱音である上、濁音と清音の微差にすぎず、外観の点でも「IS」の部分を共通としている。

したがって、両商標は外観、称呼及び観念の点で、相類似するものと認められる。

以下、特に称呼の類似について詳細に述べる。

本件商標と引用商標の称呼上の相違点は、語頭の「ア」と「アド」、語央の「ヴァ」と「ヴァン」、語尾の「ディス」と「ティス」の差異である。

語頭の「ア」と「アド」について言えば、後者の「ド」音は「do」ではなく「d」と弱く発声される。

語央の「ヴァ」と「ヴァン」においても、後者の「ン」音は母音を伴わない子音のみの音であるので、暖味にしか発音されない。

「ディス」と「ティス」はいずれも語尾の部分であり、濁音と清音の微差にすぎない。

両商標において強く明瞭に発声されるのは、語頭の「ア」音と、語央の「ヴァ」音である。

してみれば、時と所を異にして、両商標が称呼され、聴覚されるときに聴者に与える称呼の全体的印象(音感)から、両商標の称呼は互いに相紛れるおそれがあると認められるものである。

(2)商品の類似

本件商標の指定商品中、第9類「薬品発見のための研究・金融リスクの評価及びモデル作成・電気通信ネットワークデータの分析・ヘルスケア事業者の能力分析・定量的構造活性相関のモデル化に使用するためのコンピュータ用記録媒体に記録されたコンピュータデータベース用コンピュータプログラム,データマイニング及び予測モデル作成の分野におけるデータベースの管理に使用されるコンピュータソフトウエア,強力なマイニングアルゴリズムと検索を容易化するデータの表示を結合するワークフローを自動化するためのコンピュータプログラム,直感的かつ使用しやすいフレームワークにおいてアルゴリズミックな視覚による調査技術を提供するためのコンピュータプログラム,サポートベクターマシン・ニューラルネットワーク・ディシジョンツリー・データ正規化・3次元インタラクティブビューを含むビジュアライゼーションを伴うマルチプルクラスタリング及び予測モデル作成のためのコンピュータプログラム,マイクロアレイ遺伝子発現及び臨床前データマイニングのためのコンピュータプログラム,マイクロアレイ遺伝子発現及び臨床前データマイニングのためのコンピュータデータベース用のコンピュータプログラム,生物情報学・データマイニング・予測モデル作成等の分野における教育・訓練の分野におけるコンピュータプログラム,その他の電子計算機用プログラム」は要するに押し並べて「computer programs」であるから、これらは引用商標の指定商品中、第9類「recorded computer programs but not including computer programs for creating,generating,reproducing and printing fonts and typefaces」と同一若しくは類似の商品と認められる。

また、本件商標の指定商品中、第9類「その他の電子応用機械器具及びその部品」は引用商標の指定商品中、第9類「calculating machines and data processing equipments and computers」と同ー又は類似する商品であると認められる。

さらに、本件商標の指定商品中、第9類「コンピュータソフトウエア・マニュアル・書籍・書類・質問等を記憶させたコンパクトディスク」中のマニュアルは、引用商標の指定商品中、第16類「Manuals for computer programs」に該当するものであり、これらを販売するときは、当然当該電子マニュアルを何らかの記録媒体に記録しユーザーの利用に供するものである。この場合の取引の対象物は当該コンピュータプログラム用マニュアルに外ならず、記録媒体は商品の単なる包装若しくは担体のような物にすぎない。

したがって、これらの商品も、引用商標の指定商品中、第16類「Manuals for computer programs」と同一又は類似のものと認められる。

加えて、本件商標指定商品中、第16類「コンピュータソフトウエアとともに販売されるコンピュータソフトウエアに関するハンドブック,コンピュータソフトウエアとともに販売される取扱い説明書及びマニュアル,コンピュータソフトウエア・コンピュータソフトウエア用プログラム・データ処理用プログラムの分野におけるカタログ(印刷されたもの),データマイニング・ビジュアライゼーション・予測モデル作成・データ管理に関するコンピュータソフトウエア用の操作マニュアル,コンピュータソフトウエア用プログラムの開発に使用するユーザーマニュアル及び関連印刷物,コンピュータソフトウエア用プログラムの計画に使用するユーザーマニュアル及び関連印刷物,コンピュータソフトウエアに関連する書籍及びマニュアル(印刷されたもの),コンピュータグラフィックスソフトウエアに関連するマニュアル(印刷されたもの),生物情報学・データマイニング・予測モデル作成等の分野における教育・訓練の分野におけるコンピュータプログラムを内容とする印刷物」は要するにコンピュータプログラムのためのマニュアルであり、引用商標の指定商品中、第16類「Manuals for computer programs」に該当するものである。

(3)むすび

本件商標は、引用商標と、外観、称呼及び観念において類似するものであり、かつその指定商品と同一又は類似する商品について使用されるものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、同法第43条の2第1号の規定により、その指定商品中別掲の商品について、取り消されるべきものである。

4 当審の判断

本件商標と引用商標との類否について検討する。

本件商標は、「AVADIS」の欧文字を標準文字で書してなるところ、特定の意味を有しない造語と認められるから、その構成文字に相応して「アバディス」の称呼を生ずるが、観念を生じない。

他方、引用商標は、「ADVANTIS」の欧文字を書してなるところ、特定の意味を有しない造語と認められるから、その構成文字に相応して「アドバンティス」の称呼を生ずるが、観念を生じない。

本件商標と引用商標とは、外観において、前者には「N」及び「T」の文字がないのに対し後者はこれらの文字を有すること、「D」の文字が前者は第4文字目に配されているのに対し後者は第2文字目に配されており配置位置が異なるという差異を有することから、需要者として通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないというべきである。

次に、本件商標より生ずる称呼「アバディス」と引用商標より生ずる称呼「アドバンティス」とを比較すると、前者が4音よりなるのに対し後者が6音よりなり、「ア」「バ」「ス」の3音を共通にしているが、「ド」の有無、「バ」と「バン」及び「ディ」と「ティ」の響きの強い濁音3音に関して異なっていることに加え、前者が一気に称呼されるのに対し後者は中間に前舌面を軟口蓋前部に押しあてて有声の気息を鼻から洩らして発する鼻音の「ン」の音を有するため、「アドバン」で詰まったようになった後「ティス」と称呼されることを併せ考慮すると、両商標は、明確に聴別し得るというのが相当である。

そして、両商標は、ともに造語であるから、観念において比較することができない。

したがって、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

以上のとおり、本件商標の登録は、指定商品中「別掲の商品」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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