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Trademark Appeal Case

機能名称の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900482(T2008−900482/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5164929号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5164929号商標(以下「本件商標」という。)は、「3ステージサイクロン」の文字を標準文字で表してなり、平成20年2月27日に登録出願、第7類「食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー」を指定商品として、同年8月21日に登録査定、同年9月5日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 申立ての理由の要点

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証(枝番号を含む。)を提出し、本件商標は、その指定商品については、商標法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立てた。

2 具体的理由

(1)本件商標は、「3ステージサイクロン」の標準文字からなる商標であって、第7類の商品「食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー」を指定商品とするものである。

本件商標は、「3ステージ」という言葉と、「サイクロン」という言葉を結合させたものと容易に認識できる。

(2)ここで、本件商標の後半部の「サイクロン」という言葉であるが、これは、英語「cyclone」の音訳と容易に解され、この英語は、機械用語としても使用され、「集塵器」「空気清浄機」「空気、水、その他の気体や液体から遠心力によって小さな固体を取り除く装置」を意味する普通名称である(甲第3号証)。

日刊工業新聞社発行のマグローヒル科学技術用語大辞典(1996年)によれば、「サイクロン/cyclone」とは、「遠心分離作用による円錐形状の空気清浄機」との説明がある(甲第4号証)。

また、特許出願においても、「Cyclone dust extractor(サイクロン式集塵機)」として、発明の名称としても使用されてきている(甲第10号証)。

また、「サイクロン」のカタカナ自体、我が国で、カタカナ語として定着しているものである。例えば、三省堂発行、コンサイスカタカナ語辞典(1995年12月20日発行)では、「サイクロン」を「遠心分離機の一種」と説明している(甲第13号証)。

(3)さらに、この「サイクロン」の言葉は、「サイクロン式の掃除機」を意味するものとして、広く我が国で現実に使用されてきている事実がある。

この事実を示すものとして、例えば、甲第5号証ないし甲第9号証を提出する。

甲第5号証は、独立行政法人「国民生活センター」のホームページより抽出したものであり、「サイクロン方式の掃除機」として、2000年度以降、2006年2月末までにそれに関して寄せられた相談内容を説明している。

また、甲第6号証は、検索エンジン「Google」を使用した「掃除機サイクロン」の言葉の検索結果であるが、申立人や商標権者以外の第三者も「サイクロン掃除機」(例えば、シャープ社)を製造販売している事実がわかる。

さらに、甲第7号証は、インターネット上でニュースを提供している(株)Impress watchのホームページからの抽出物であるが、その「現代家電の基礎用語」には、「第2回サイクロン式掃除機」という用語が取り上げられ、説明されている。ここでは、「サイクロン掃除機」とは、「掃除機が吸い込んだ空気を本体内部で旋回し、その遠心力でゴミと空気を分離して集塵する掃除機です。紙パックやフィルターでゴミをこし取る必要がなくなるため、」といった説明がなされ、また、申立人について、「サイクロン方式を開発したのは、イギリスのダイソン社の創業者であるジェームス・ダイソン氏。ダイソン社がサイクロン方式を採用した初の掃除機『DC01』を発売したのは1993年のことでした。」といった説明がある。さらに、日立や三菱電機製の「サイクロン方式の掃除機」も併せて解説している。

甲第8号証は、楽天のインターネットショッピングのホーム頁からの抽出物であるが、「シャープ」、「ナショナル」、「ツインバード」、「日立製作所」、「サンヨー電機」、「東芝」等々各社が、「サイクロン掃除機」を製造販売していることがわかる。

甲第9号証は、「東芝製」の「Quie/クワイエ」と名付けられた掃除機を説明紹介するホームページであるが、そこでは、「商品の分類」として、当該商品が、「サイクロン式掃除機」であると説明する。

このように、本件商標の含む「サイクロン」の言葉は、機械用語として、「集塵器」や「空気清浄機」を意味する普通名称であり、また、「掃除機」については、「サイクロン方式の掃除機」として、「遠心力を利用した掃除機」を意味するものとして、本件商標の登録時(2008年9月5日)のかなり前より、我が国で現実に使用され広く認識されてきた言葉である。

(4)次に、本件商標の前半部の「3ステージ」であるが、これは、「3 stage」の英語の音訳と容易に解されるものである(甲第2号証、甲第3号証)。「stage」は、「段階、局面」といった意味をもつ英語であり(同号証)、英語が広く普及した我が国にあってはこの英語自体よく知られたものというべきである。

よって、「3 stage」といえば、「3段階」程度の意味であることは容易に認識できるものというべきである。英語的にみても、「三段階」を英訳すれば、「three‐step」の言葉とともに、「three‐stage」の言葉が該当する(甲第2号証)。

また、「ステージ」のカタカナ自体、「段階、程度」を意味するカタカナ語としても我が国で定着し現実に使用されている(甲第13号証)。

このように、本件商標の「3ステージ」は、「3段階」程度の意味を容易に想起・観念させるものである。

(5)甲第9号証は、東芝製の「Quie/クワイエ」と名付けられたサイクロン式掃除機を紹介するものであるが、そこでは、本件商標「3ステージサイクロン」の言葉が使用されている。つまり、ここでは、「高速気流」、「強力気流」といった段階で、気流が調節できるサイクロン式掃除機として、「3ステージサイクロン」と説明するものであり、まさしくこれは、同掃除機の品質・機能を説明する言葉である。

(6)甲第12号証は、本件商標の指定商品とは分野を異にする自動車エンジンについての説明(本田技研工業株式会社のホームページ)であるが、「3ステージVTEC」として、同社製の乗用車「シビック」のエンジンを説明する。すなわち、「低・中・高速の3ステージで」という表現を用いて、そのエンジンの機能を説明している。

(7)英語的にみても、「Stage」は、「cyclone」の段階を示す用語として現実に使用されるものである。例えば、甲第11号証の書籍では、「Cyclone in Series」として、「primary,secondary,tertiary」の「stages」で、というように、「Cyclone」の程度を意味するため、「stage」の言葉が使用されている。

(8)以上のように、本件商標の前半部「3ステージ」は、三段階(低、中、高)といった、製品の「程度」、機能の「程度」を容易に観念・想起させる説明的言葉にすぎず、現実にも使用されている。

(9)このように、本件商標は、上記「3ステージ」と「サイクロン」の説明的言葉を単に結合させただけの言葉からなり、全体としても、単に、「3段階式のサイクロン集塵器、3段階式の空気清浄機、3段階式の掃除機」を意味するにすぎない言葉である。そして、その指定商品「電気掃除機」に使用される場合には、正に、その普通名称ないし品質表示に該当する。

また、本件商標は、上記指定商品以外に、「食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気ミキサー」を含むものであるが、これらに使用された場合には、商品の品質を誤認させるおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号ないし同第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第1号ないし同第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により取消されるべきである。

第3 当審の判断

本件商標は、上記のとおり、数字の「3」と「ステージサイクロン」の片仮名文字とを一連一体に標準文字で表してなるものであって、その構成中の「3」は数字の「3」を表し、「ステージ」が「舞台、演壇、段階」などの意味を有し、「サイクロン」が「インド洋・アラビア海・ベンガル湾で北緯6°から20°の間に発生する熱帯低気圧.遠心分離器の1種.流体を旋回させ、遠心力で異質分子を分離する.」の意味を有する(甲第13号証)としても、「3ステージサイクロン」の構成全体をもってしては、申立人の主張するように、「『3段階式のサイクロン集塵器、3段階式の空気清浄機、3段階式の掃除機』の意味を有するにすぎない言葉」とはいい難いものである。

そして、申立人の提出に係る甲第各号証を徴するも、これらの証拠における例は、英語「Stage」、「cyclone」の各語の意味を挙げるとともに、単独で「サイクロン」、「cyclone」の語が「掃除機」の一方式を示すものとする例として挙げ、また、本件商標の指定商品とは分野を異にする自動車エンジンに「3ステージ○○○」が用いられている例1件を挙げ、さらに、本件商標の商標権者自身が用いている使用例を挙げているものである。

そうすると、上記申立人の提出に係る甲各号証をもってしては、いまだ、本件商標は、その指定商品の普通名称を普通に用いられている方法で表示するものとはいえないし、また、商品の品質、効能等を普通に用いられている方法で表示するものともいえないというべきである。

してみれば、本件商標は、その構成文字全体をもって一種の造語を表したものとみるのが相当であるから、これをその指定商品中のいずれの商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号、同第3号、同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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