sokuhyo

Trademark Appeal Case

周知商標とG文字の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900483(T2008−900483/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5163811号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5163811号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成20年1月31日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,写真機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池,充電器」を指定商品として、同年9月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、次の登録商標及び標章を引用している。そして、それら5件の登録商標は何れも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4224865号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成8年12月12日に登録出願、第14類「時計」を指定商品として、同10年12月25日に設定登録、その後、同21年1月6日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)登録第4819161号商標は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成16年5月21日に登録出願、第6類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年11月19日に設定登録されたものである。

(3)登録第4838401号商標は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成16年7月14日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年2月10日に設定登録されたものである。

(4)国際登録第869613号商標は、別掲(5)のとおりの構成からなり、第9類、第18類及び第25類に属する国際登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2005年6月3日イタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2005年8月16日に国際登録、平成19年4月13日に設定登録されたものである。

(5)国際登録第940491号商標は、別掲(6)のとおりの構成からなり、第3類、第9類、第14類、第18類、第24類及び第25類に属する国際登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2007年7月4日イタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2007年8月27日に国際登録、平成21年3月6日に設定登録されたものである。

(6)甲第3号証に示された、ベルト用バックル、指輪、時計、財布の当該商品についてデザイン的に用いられ、それ自体がデザンイン化された欧文字「G」からなる標章。

(以下、(1)ないし(6)をまとめて、「引用商標等」という。)

3 本件登録異議の申立ての理由(要点)

本件商標は、申立人が所有する周知、著名な引用商標等と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨主張し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

(1)申立人は、いわゆる“GUCCI”として、“LOUIS VUITTON”“BVLGARI”等とともにヨーロッパの有名な一流ブランドとして、我が国をはじめとして世界的に販売され、有名であることは、周知の事実である。“GUCCI”の創始者である“GUCCIO GUCCI(グツチオ グッチ)”のイニシャルである“GG”のデザイン化された種々のマークが日本国でも多数登録されている。これらのデザイン化された商標は、“GUCCI”の“GG”シリーズ”として“携帯用ストラップ、バッグ、婦人靴(バレーシューズ型、スニーカー)、財布、スカーフ、ケース、婦人用サンダル、指輪、ネックレス等のアクセサリー、時計バンド、“等多数の商品に使用されているが、この“GG”シリーズ”の一環としで“Gシリーズ”があり、この“Gシリーズ”の“G”のマークも日本国で種々のデザインにデザイン化され、登録されている。これらのデザイン化された“G”の商標は、“GG”の商標と同様に、いわゆる“GUCCI”のイニシャルであるが、“GUCCI”のホームページから分かるように、ベルト、時計(時計の外枠がGの型になっている。)等に使用されており、“GUCCI”の“Gシリーズ”として世界的に使用されている。このように“GG”及び“G”の文字商標は、“GUCCI”のイニシャルとして日本のみならず世界的に使用、登録されている周知・著名商標である。

(2)これに対し、本件商標は、赤の三角形と、赤のほぼ長方形と、そのほぼ長方形の内にGのほぼ四角形を有し、そのほぼ四角形の内にGの文字一字があるだけであり、このような図形自体は、ありふれたものであるから、“G”の文字が類否の判断の対象となる。また、“G”の文字は、申立人の“G”シリーズのロゴマークの一環(一種類)として認識、把握されるおそれがあり、市場に商品が出まわった場合、申立人の“Gシリーズ”の商品と誤認、混同を生じるおそれがある。さらに、申立人の商品は、世界的に販売、使用されており、“G”のロゴマーク、“GG”のロゴマークは、“GUCCI”ブランドマークとして我が国のみならず世界的に認識されており、“G”の文字一字だけの場合は、“GUCCI”の“G”のロゴマークの一環として認識され、把握されるおそれがあり、“GUCCI”以外に登録されるべきではない。そして、本件商標の図形の部分からは、特に称呼・観念は生じないから、本件商標からは、“G”の文字自体から称呼・観念が生じ、すなわち、「ジイ」の称呼、“アルファベットの G”の観念が生じる。

(3)してみると、本件商標と申立人の引用商標等とは、称呼・観念において同一であり、類似の商標であって、誤認混同を生じさせる。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)のとおり、頂点を左に向けた小さな三角形を左側に配し、その右側に、一辺がやや湾曲した横長長方形をその三角形よりも大きく表し、さらに、その横長長方形の湾曲した辺の内側に、白抜きした角丸四角形の中央に、普通に用いられる書体で表された欧文字「G」を配した構成からなり、それら三角形、横長長方形及び欧文字は、同一の赤い色彩が施されているものである。

そして、本件商標は、たとえ、その構成中に、「G」の欧文字を有するとしても、係る構成においては、これに接する取引者、需要者は、同じ色彩で表された図形中から、通常用いられる書体で表された「G」の文字部分を、殊更、分離、抽出して取引に当たるというよりも、むしろ、その構成全体が、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当である。

そうとすると、本件商標は、「ジー」の称呼及びアルファベット「G」の観念はもとより、特定の称呼及び観念を生じないものといわなければならない。

一方、引用商標等のうち(1)ないし(5)の各登録商標は、別掲(2)ないし(6)に示したとおりの構成からなるところ、本件商標と前記各登録商標との類否について検討するに、両者は、称呼、観念においては、本件商標は特定の称呼及び観念が生じないことから、また、外観においては、その構成上顕著な差異を有していることから、本件商標と前記各登録商標とは、外観、称呼、観念の何れの点よりみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

加えて、引用商標等のうち(1)ないし(3)の各登録商標の指定商品は、本件商標のそれとは、非類似の商品である。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

本件商標と、引用商標等のうち(1)ないし(5)の各登録商標とは、前記(1)のとおり、非類似の商標である。

さらに、本件商標と、引用商標等のうち(6)の標章との類否についてみるに、本件商標は、その構成全体が一体不可分のものとして、認識、把握されるものであること前記(1)のとおりであるから、デザイン化された欧文字「G」からなる標章とは、その構成態様において明らかな差異を有し、異なる印象を受けるものである。

してみれば、本件商標と引用商標等とは、十分に区別し得る全く別異のものといわなければならず、また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、申立人の業務に係る「Gシリーズ」の商品又は「GUCCI」の「G」のロゴマークの一種類と連想又は想起するものとは認められず、また、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれもないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものではない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当するものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。