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Trademark Appeal Case

結合商標の使用同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−301501(T2007−301501/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3028897号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3028897号商標(以下「本件商標」という。)は、「BAMBI」の欧文字と「バンビ」の片仮名文字とを二段に横書してなり、平成4年5月19日に登録出願、第28類「卓球用具,その他の運動用具」を指定商品として、同7年3月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。

1 請求の理由

被請求人は、本件商標をその指定商品「卓球用具,その他の運動用具」について、継続して3年以上日本国内において使用していない。

また、本件商標の指定商品「卓球用具,その他の運動用具」について専用使用権者は存在せず、また、通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものである。

2 答弁書に対する弁駁

(1)被請求人によって提出された各乙号証によっては、本件取消請求に係る商品「卓球用具,その他の運動用具」についての本件商標の使用は、なんら証明されていない。

(2)各乙号証の検討

まず、乙第1号証ないし乙第3号証が、本件審判の請求の登録前三年前に、日本国内において発行された製品カタログであること、同カタログ中において、被請求人が標章「ハノーバーバンビ/HANNOVER BAMBI」を商品「卓球台」について使用していること、商品「卓球台」が本件取消請求に係る「卓球用具,その他の運動用具」の範疇に属することは、請求人も争わない。

しかしながら、以下に述べるとおり、乙各号証によっては、被請求人が本件商標を指定商品「卓球用具,その他の運動用具」について使用しているということはできない。

ア 本件商標と使用標章の非同一性

乙第1号証ないし乙第3号証において、被請求人は「ハノーバーバンビ/HANNOVER BAMBI」という一連一体の標章を表示しているものの、「BAMBI」あるいは「バンビ」単独からなる標章を表示している事実はない。よって、まず、本件商標と使用標章の同一性について、以下のとおり考察する。

本件商標の構成は、欧文字「BAMBI」及びカタカナ文字「バンビ」を二段に横書きした構成であり、本件商標からは、その構成中のカタカナ文字の発音に従い「バンビ」の称呼が生じる。また、「BAMBI/バンビ」は、特定の意味合いを有する語ではないが、請求人の制作に係る著名なアニメーション映画のタイトル・キャラクターの名称、あるいは、単なる人名を想起させ得る言葉である。

他方、被請求人が使用している標章は、カタカナ文字「ハノーバーバンビ」を、あるいは欧文字「HANNOVER BAMBI」を、同じ大きさ・同じ書体・等しい間隔で、一連に横書きした構成からなるものである。しかして、被請求人が使用している標章は、常に一体的な結合商標としてのみ認識されるものであって、同商標からは「ハノーバーバンビ」の称呼のみが生じる。なお、「ハノーバーバンビ」も、特定の意味合いを有する言葉ではない。

以上の考察のとおり、本件商標「BAMBI/バンビ」と、被請求人が使用している標章「ハノーバーバンビ/HANNOVER BAMBI」とは、そもそも、外観・称呼・観念のいずれにおいても、著しく異なるものであって、これらを同一の標章ということはできない。

よって、被請求人が、本件請求に係る商品「卓球用具,その他の運動用具」について、本件商標を使用していたということはできない。

イ 本件商標と被請求人が使用している標章の社会通念上の同一性

答弁書において、被請求人は、「『ハノーバーバンビ』及び『HANNOVER−BAMBI』中の『ハノーバー』及び『HANNOVER』の文字は、被請求人が販売している商品『卓球台』の一種類であるハノーバーシリーズのものであることを表すものであり、商取引においては『バンビ』及び『BAMBI』として認識されているものである」、と主張している。

たしかに、乙第1号証ないし乙第3号証には、例えば、「UD−ハノーバー」「ハノーバーL20」「ハノーバーK25」のように、「ハノーバーシリーズ」の製品(卓球台)として、種々のものが掲載されている。しかしながら、「ハノーバー」に付加されている文字「UD」「L20」「K25」は、いずれも型番・品番としての態様にすぎず、経験則上当該部分のみが商標として認識されるとは到底いえない。よって、これら標章は、「UD−ハノーバー」 「ハノーバーL20」 「ハノーバーK25」のように全体として一体的な商標として認識されるか、あるいは、「ハノーバー(HANNOVER)」が商標の要部として認識されるに止まるものである。

しかして、被請求人が使用している標章「ハノーバーバンビ/HANNOVER BAMBI」も同様に、一体的な商標として認識されるか、あるいは、「ハノーバー」が商標の要部として認識されるに止まるものである。なぜなら、被請求人が使用している標章の構成中、「BAMBI/バンビ」は、以下で詳細に述べるとおり、我が国の卓球業界において、単に「卓球用具(卓球台)」の用途(製品の対象年齢)を表示するにすぎないものであり、前記の「UD」「L20」「K25」と同様に、それ単独では商標として認識され得ないからである。

まず、顕著な事実として、スポーツの世界においては、その競技大会(種目)を「大人の部」と「子供の部」のように年齢ごとに分けるということが頻繁におこなわれている。しかるところ、卓球に関しても同様に、その競技大会(種目)は、年齢別にそれぞれ設けられており、「子供の部」に関しては、「財団法人日本卓球協会」が主催する正式な競技大会及びその他のどの競技大会においても、競技者の年齢を3つに分けて、それぞれの種目が設けられている。そして、小学6年生以下の競技者を「ホープス」、小学4年生以下の競技者を「カブ」、小学2年生以下の競技者を「バンビ」と指称し、それぞれのレベルで競技がおこなわれている(甲第2号証ないし甲第6号証)。

つまり、卓球業界においては、「バンビ(BAMBI)」は、「小学2年生以下の競技者」を指称する業界専用語として、一般に使用されている言葉であり、甲第2号証ないし甲第6号証が示す競技大会の開催地をみれば分かるように、全国的に広く使用されている言葉である。そして、当該競技者を対象とする製品には「バンビ用」という表示が付されているのが実情であり(甲第7号証及び甲第8号証)、被請求人も、実際に、乙第1号証において、製品「ハノーバーバンビ」の写真の上方部に「高低調節機能付(H760mm・H660mm)/対象:カブ・バンビ兼用台」と表示している。

よって、当該「カブ・バンビ兼用台」という言葉からも、被請求人の販売に係る製品「ハノーバーバンビ/HANNOVER BAMBI」が「バンビ(小学2年生以下)」用のものであって、被請求人が使用している標章の構成中「バンビ/BAMBI」が、「卓球台」の用途(対象年齢)を表示するにすぎないことは明らかである。

なお、「バンビ専用」の製品以外に、「ホープ(小学6年生以下)専用」や「カブ(小学4年生以下)専用」の製品が存在しないのは、特に幼い競技者からなる「バンビ」の部に限って、卓球台の高さが66cmに設定されており、それ以外の競技者が使用する卓球台の高さはすべて一律の高さ(76cm)とされているからである(甲第2号証ないし甲第6号証)。

以上のとおり、卓球業界において、「BAMBI/バンビ」は、「小学2年生以下」の競技者を指称する言葉であり、特別にその競技者用の卓球台の高さ(66cm)が存在することから、商品「卓球台」の用途(対象年齢)を表示するものとして認識され、また、実際に不特定多数の者によって使用されているものである。

よって、標章「BAMBI/バンビ」に接した卓球用具の販売者あるいは卓球の競技者は普通、これを商標ではなく単に商品の用途(製品の対象年齢)表示として認識するというのが自然であるから、被請求人が使用している標章「ハノーバーバンビ/HANNOVER BAMBI」は、これが「卓球台」に使用された場合、全体として一体的な商標として認識されるか、あるいは、「ハノーバー」が商標の要部として認識されるに止まるものである。

したがって、被請求人が使用している商標は、「ハノーバーバンビ/HANNOVER BAMBI」あるいは「 ハノーバー/HANNOVER」であって、かかる事実をもって、被請求人が本件商標「BAMBI/バンビ」を商品「卓球台」について使用しているということはいえない。

3 以上述べてきたように、被請求人によって提出された上記各乙号証によっては、本件請求に係る商品「卓球用具,その他の運動用具」についての本件商標の使用事実は何ら証明されていないから、本件商標は、その指定商品「卓球用具,その他の運動用具」について取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

1 被請求人は、本件商標を乙第1号証ないし乙第3号証に示す如く、その指定商品中の「卓球用具」の範疇に属する商品「卓球台」について使用している。

乙第1証は、被請求人が、2005年12月に作成し、「学校体育・体育館用 カタログ 2006〜2007」として、発行したカタログである。

乙第2号証は、被請求人が、2006年1月現在として発行した商品総合カタログ「2006 Nittaku Table Tennis Catalog」である。

乙第3号証は、被請求人が、2007年1月現在として発行した商品総合カタログ「2007 Nittaku Table Tennis Catalog」である。

乙第1証には、商品「卓球台」について、ハノーバーシリーズ セパレート式高低調節機能付タイプとして「ハノーバーバンビ」及び「HANNOVER BAMBI」の商標が明確に表示されている。

また、乙第2証及び乙第3号証には、商品「テーブル(卓球台)」の頁のテーブル価格表に品名として「ハノーバーバンビ」及び「HANNOVER−BAMBI」の商標が明確に表示されている。

これら乙第1号証ないし乙第3号証に表示されている「ハノーバーバンビ」及び「HANNOVER−BAMBI」中の「ハノーバー」及び「HANNOVER」の文字は、被請求人が販売している商品「卓球台」の一種類であるハノーバーシリーズのものであることを表すものであり、商取引においては「バンビ」及び「BAMBI」として認識されているものであり、これらの表示態様は、本件商標と社会通念上同一と認められる態様よりなるものである。

したがって、乙第1号証ないし乙第3号証における使用は、本件商標の使用に係るものである。

2 以上の事実から被請求人が、本件商標を継続して過去3年以内に使用していることが明らかであり、本件商標が商標法第50条の規定により取り消される理由はない。

第4 当審の判断

被請求人が本件商標の使用であるとして提出した乙各号証について判断する。

先ず、乙第1号証は、日本卓球株式会社(商標権者)発行の「学校体育・体育館用/カタログ/2006〜2007」と表題されたカタログであり、その卓球台の見出しの「ハノーバーシリーズ セパレート式高低調節機能付タイプ」の項に、「高低調節機能付(H760mm・H660mm調節)/対象:カブ・バンビ兼用台」と上部の左右に記述され、その下にそれぞれ「卓球台」の写真が掲載され、その右側の卓球台の写真の下部に「UD ハノーバーバンビ/UD HANNOVER BAMBI」と表示されている。

また、乙第2号証は「2006 Nittaku/Table Tennis Catalog」、乙第3号証は「2007 Nittaku/Table Tennis Catalog」と表題された、日本卓球株式会社(商標権者)発行のカタログであり、それぞれの31頁の「卓球台・ロボット・その他」の見出し中「OTHERS/テーブル」の頁の「テーブル価格表」には、「Art.No.」として「NT−3205」、「品名」として「UD−ハノーバーバンビ/UD−HANNOVER−BAMBI」と表示されている。

以上のとおり、被請求人(商標権者)は、商品「卓球台」について、商標「UD ハノーバーバンビ/UD HANNOVER BAMBI」又は「UD−ハノーバーバンビ/UD−HANNOVER−BAMBI」(以下「使用商標」という。)を2006年及び2007年の商品カタログについて使用しており、該カタログを日本国内において頒布していたものと推認し得るものである。

ところで、商標登録の取消しの審判にあっては、商標法第50条第1項において、登録商標の使用と認める商標は、「当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」とされ、その具体的な例として「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標」が明記されている。

そこで、使用商標が、本件商標と社会通念上同一か否かについて判断するに、請求人が弁駁書と共に提出した甲第2号証ないし甲第8号証によれば、商品「卓球台」が使用される全日本卓球選手権大会等において、「バンビ」又は「BAMBI」の表示は、「ホープス・カブ・バンビの部」、「バンビ男子シングルス(2年生以下)」、「バンビ女子シングルス(2年生以下)」、「卓球台の高さは、バンビのみ66cmを使用する。」、「通常用とバンビ用」、「カブ・バンビ兼用」及び「対象:カブ・バンビ兼用台」等、卓球競技種目の区分として競技者の年齢が小学2年生以下を表す場合に「バンビ」又は「BAMBI」の表示が用いられ、また、商品「卓球台」においても、小学2年生以下の競技種目用の卓球台について「バンビ」又は「BAMBI」の表示が用いられている事情が認められる。

そうすると、使用商標は、その構成中の「バンビ」及び「BAMBI」が、商品「卓球台」との関係においては、競技種目用の卓球台の用途表示として認識され、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る部分とは言い難たいものであるから、使用商標は、その構成文字全体、又は商品の記号・符号の一類型として用いられるアルファベット文字の「UD」を除く「ハノーバーバンビ」、「HANNOVER BAMBI」及び「HANNOVER−BAMBI」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというべきである。

してみれば、使用商標は、「BAMBI」及び「バンビ」からなる本件商標とは、その書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標とはいえないものであり、かつ、同一の称呼及び観念を生ずる商標でないことは明らかである。

そうとすれば、本件商標と使用商標とは、商標法第50条第1項で規定する社会通念上同一の商標と認めることはできない。

その他、本件商標をその指定商品に使用していると認めるに足る証拠の提出はない。

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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