結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−300622(T2008−300622/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4262085号商標(以下「本件商標」という。)は、「DSR」の欧文字を横書きしてなり、平成7年6月16日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同11年4月16日に設定登録、その後、同21年2月10日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品のうち「電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
(1)乙第1号証は、被請求人の商品に係るサービスマニュアル(以下「マニュアル」という。)である。同マニュアルは、デジタルビデオカセットレコーダに係るマニュアルである(同マニュアル3ページ参照)。そして、デジタルビデオカセットレコーダは、「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品であるので、審判請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」とは、非類似の商品である。
したがって、「DSR」は、「電子応用機械器具及びその部品」ではなく、「電気通信機械器具」について使用されているものである。
(2)乙第2号証として提出された証拠中に「DVCAM for DSR−1500」の表記が認められる。
被請求人は、上記表記を根拠に本件商標が審判請求に係る指定商品に使用されていると主張している。
しかしながら、上記表記は、「DSR−1500用のDVCAM」という内容を示すものである。そして、上記表記中の「DVCAM」は、被請求人が開発した業務用ビデオフォーマットを指すものと考える(甲第2号証)。
このことから「DVCAM for DSR−1500」は、自他商品識別標識として使用されているというより、乙第2号証に係る商品(以下「乙第2号証商品」という。)が電気通信機械器具(DSR−1500)に使用されるということを示す標識と考える。
したがって、乙第1号証及び乙第2号証によっては、本件商標が審判請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に使用されていることは、証明されていない。
(3)商標は、市場において自他商品を識別するための標識であるが、乙第2号証商品は、それ自体市場で販売されていない。
すなわち、乙第2号証商品は、製造段階でデジタルビデオカセットレコーダに組み込まれ、それ自体は、市場では流通していないと考える。「for DSR−1500」は、製品の製造において、乙第2号証商品(構成部品)の組み込み先の製品(完成品)を間違えないために記載された文字と考える。被請求人は、「DSR」の文字を付した多くの製品を製造しているので、部品の組み込み先を明示し、正しい組み込み先に装着する手段を講じる必要は、高い(甲第2号証)。
被請求人は、乙第2号証商品も市場において流通していると主張するかもしれない。
しかしながら、請求人としては、乙第2号証商品の出所を表示し、自他商品識別機能を発揮する部分は、同商品の左上に記載されている欧文字「SONY」の文字部分であると考える。
(4)まとめ
以上述べたとおり、被請求人の提出した書類によっては、本件商標が、審判請求に係る指定商品に、使用されていることは、証明されていない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
本件商標は、審判請求人が取消しを請求している指定商品第9類「電子応用機械器具及びその部品」に該当する「CPUを搭載した基板」について使用している(乙第1号証及び乙第2号証)。
したがって、本件商標は、審判被請求人により日本国内において、過去3年以内に使用されたことが確認されているものであるので、本件審判請求は、棄却されるべきものと考える。
商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録(本件の場合、平成20年(2008年)6月3日)前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
被請求人の提出に係る乙各号証をみるに、乙第1号証は、被請求人発行のサービスマニュアル「SONY DIGITAL VIDEOCASSETTE RECORDER/DSR−2000A 2006.9 08」の写しとするものであるが、表紙には「DSR−2000A」、「DVCAM」の文字が記載されたデジタルビデオカセットレコーダに係るマニュアルであるから、使用商品「DSR−2000A」は、第9類「電気通信機械器具」に属する商品「デジタルビデオカセットレコーダ」についての使用であるといえる。
他方、該マニュアル中に、使用商品が内蔵されている基板上にCPUを搭載されている旨の記載があるとしても、その基板もしくはCPUについて、本件商標が使用されているものとは言えないことから、取消請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品の使用であるとは、いないところである。
なお、当該マニュアルの発行日付は、最終頁の「2006.9.08」の記載からみて、「2006年9月8日」と認められるから、本件審判の請求の登録日前3年以内のものと認められる。
また、乙第2号証は、「CPUボードの画像」とするものであるが、これには、日付の記載が確認できず、また、該CPUボード上には、左上部に小さく、縦長で「SONY」の文字が印刷され、右側中央に、長方形の白色の輪郭線枠内に「DVCAM/for DSR−1500」の記載がある。
そうとすれば、乙第1号証と乙第2号証とは、「SONY」「DVCAM」及び「DSR」が符合するから、「DV規格をベースにソニーが開発した業務用ビデオフォーマット」(甲第2号証)に係わる商品であることが認められる。
そして、乙第2号証には、該CPUボード上に記載されている「DVCAM for DSR−1500」から、この写真に表示されている「CPUボード」は、「DV規格をベースにソニーが開発した業務用ビデオフォーマット」(甲第2号証)の「ビデオカメラ、ビデオレコーダー等」(DSRシリーズ商品)に使用されるCPUボードであると見ることができる。
してみれば、乙第2号証に表示された商品は、「電気通信機械器具」(すなわち、その部品又は附属品)である。
そして、これ以外に提出されている証拠はない。
したがって、本件商標は、「電気通信機械器具」の範疇に属する「デジタルビデオカセットレコーダ」及び「業務用ビデオカメラ、レコーダー」に使用をしているということができるとしても、請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品に使用しているとはいえない。
なお、使用商標は、上記のとおり、「DSR−2000A」及び「DSR−1500」であるが、各構成文字中の「−2000A」及び「−1500」の文字は、商品の品番、型番等を表す記号、符号と認められるから、自他商品の識別標識としての機能を果たす文字ということはできないものである。
してみれば、「DSR−2000A」及び「DSR−1500」の各文字中、商標としての機能を果たす部分は、「DSR」の文字にあるというべきである。
そうとすれば、本件商標「DSR」と使用商標とは、社会通念上同一と認められる商標ということができる。
以上の事実によれば、被請求人提出の証拠によっては、本件商標を「電気通信機械器具」について使用していると言い得ても、本件請求に係る指定商品、第9類「電子応用機械器具及びその部品」についての本件商標の使用は、これを立証していないものといわざるを得ない。
また、被請求人は、使用をしていないことについて正当な理由があると述べるものでもない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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