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Trademark Appeal Case

「防災学」の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−25725(T2008−25725/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「防災学検定」の文字を標準文字で表してなり、第16類「印刷物」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧」を指定商品及び指定役務として、平成19年12月17日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同20年7月11日付け手続補正書、当審における同年10月7日付け手続補正書により、最終的に、第16類「定期刊行物」及び第41類「災害を防止するための学識に関する検定試験のための知識の教授,災害を防止するための学識に関する検定試験のためのセミナーの企画・運営又は開催,災害を防止するための学識に関する検定試験に関する電子出版物の提供,災害を防止するための学識に関する検定試験に関する図書及び記録の供覧」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「『災害を防止すること』の意味の『防災』、『まなぶこと。まなび得たもの。体系化された知識。』の意味の『学』、及び『一定の基準に照らして検査し、合格・不合格・価値・資格などを決定すること。検定試験の略。』の意味の『検定』の文字を標準文字で一連に『防災学検定』と表してなるが、構成中の『防災学』も災害を防止するための学問という意味合いで、大学や研究室、その出版本においても使用されており、全体としても『災害を防止するための学識に関する検定試験』としてのみ直ちに理解させるものであるから、これを、本願指定商品・役務中、上記意味合いに相応する商品・役務、例えば『災害を防止するための学識に関する検定試験に関する書籍・参考書』『災害を防止するための学識に関する検定試験に関する電子書籍・参考書の提供・図書及び記録の供覧』『災害を防止するための学識に関する検定試験のための知識の教授・試験の実施・セミナーの企画・運営又は開催』に使用した場合、商品の品質、役務の内容・質を表示したものと認識されるにすぎない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「防災学検定」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「防災」の文字は、「災害を防止すること。」の意味を有する良く知られた語であり、また、「学」、「検定」の文字は、それぞれ「まなぶこと」、「検定試験の略。」(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を意味する親しまれた語であるから、これらの語を一連に書してなる本願商標の構成全体からは、「災害を防止するための学識に関する検定試験」というほどの意味合いが、さほどの困難をともなわずに把握し得るものと認められる。

ところで、「検定(試験)」については、就職・転職等の有利性や、技術能力の向上や自己啓発を目指す等の目的に応じて、国家・公的・民間を問わず各種資格が注目され、その資格認定のための試験が多数実施されている実状が認められるところである。

そして、「防災学」の語に関しては、確かに該語が辞書等に掲載されている事例はないものの、防災についての知識を習得することを目的とする学問の一環として「防災学」の語が使用されていることは、例えば、以下の新聞記事及びインターネット情報からも裏付けられるところである。

(1)2008年8月27日付け毎日新聞地方版/京都22頁には、「文化遺産

防災学

:文科省採択プログラム 歴史都市守れ...立命館大に推進拠点/京都」の見出しの下、「08年度の文部科学省グローバルCOEプログラムに採択された『歴史都市を守る[文化遺産

防災学

]推進拠点』が、立命館大(中京区)に設置された。23日に北区の同大学衣笠キャンパスであった記念イベントで、リーダーの大窪健之・同大学大学院理工学研究科教授は『防災と文化財保存を一体としてとらえ、都市計画や景観保全、コミュニティー再生も考慮した新しい防災対策を考えたい』と展望を述べた。」との記載がある。

(2)2008年8月26日付け読売新聞東京朝刊13頁には、「[緩話急題]地震研究と防災 『できないこと』理解すべきだ」の見出しの下、「日本地震学会の主催する『住民地震セミナー』が先月末、岩手・宮城内陸地震の震源に近い宮城県栗原市と岩手県一関市であった。・・中略・・防災に資する『技術』もそうだ。揺れの前に警告する『緊急地震速報』は、不発や誤差で評判は芳しくない。しかし、先ごろ開かれた緊急地震速報の企業・自治体担当者向け講習会で、

防災学

者は強調した。『間に合わないから役に立たない、ではなく、揺れまで5秒なら、その5秒で何ができるか事前に考えることが大切です。』」との記載がある。

(3)2008年3月16日付け朝日新聞東京朝刊28頁には、「(落第忍者乱太郎の学問のススメ)防災について、勉強しなくちゃダメ?」の見出しの下、「乱太郎 ほかの学校では、どんなことを勉強しているのかな。A 例えば三重県では、04年度から毎年度、30校前後の小中高校が『防災教育推進校』に指定されている。1944年の東南海地震で津波を体験したおじいちゃん、おばあちゃんに話を聞いたり、保護者や地域の人と一緒に街を歩いて地震や津波が起きたら危険な場所、安全な場所を書き込む『防災マップ』をつくったりしています。兵庫県の県立舞子高校は体験学習に重きを置く防災教育専門の『環境

防災学

科』があり、防災活動の担い手を育てています。」との記載がある。

(4)2006年12月12日付け日刊工業新聞31頁には、「京都大学防災研究所、19−21日に防災シンポジウム」の見出しの下、「京都大学防災研究所は19−21日の3日間、東京・内幸町の帝国ホテル東京で21世紀COEプログラム『災害学理の究明と

防災学

の構築』を総括するシンポジウムを開く。19、20の両日は英語で講演(同時通訳あり)。河田惠昭・京大防災研所長による講演などがある。」との記載がある。

(5)2001年4月25日付け日本経済新聞地方経済面 (兵庫) 46頁には、「神戸安全ネット会議、37社参加し発足。」の見出しの下、「産学官が連携して災害や事件・事故の際の危機管理のあり方を探る『神戸安全ネット会議』が二十四日発足した。阪神大震災の教訓を生かそうと神戸市が組織化を働きかけてきたもので、市内に本社・事務所を置く三十七社が参加。役所と企業間の緊急時の情報共有の流れを確立するほか、『企業

防災学

』という新たな分野の学問も研究する。・・中略・・今後、毎月一回程度開く幹事会で具体的な情報伝達・共有システム整備の内容を詰めていく。また京都大学防災研究所の林春男教授と企業を中心に

防災学

を体系化し、成果を全国発信していく考えだ。」との記載がある。

(6)2000年1月15日付け日本経済新聞大阪朝刊 (社会面)16頁には、「震災の経験体系化、大学で『防災』学ぼう―神大、教養科目に、静岡の私大には学部。」の見出しの下、「阪神大震災を教訓に、大学で体系的に『防災』を学ぼう―。今春開校する富士常葉大学(静岡県富士市)に『環境

防災学

部』が、神戸大学(神戸市)には『都市

防災学

』をテーマにした教養科目が、来年度から登場する。どちらも理工系だけではない学際的な内容で、全国でも初めての取り組み。関係者は『災害に強い社会を作るには、まず人材を育てることが必要』と若い力に期待している。」との記載がある。

(7)1999年4月25日付け日本経済新聞朝刊34頁には、「自然災害情報の研究学会を発足、被害防止へ学者ら。」の見出しの下、「地震や台風による土砂崩れといった自然災害からの被害を未然に防ぐため、効果的な災害情報のあり方を研究する日本災害情報学会の設立総会が二十四日、東京で開かれた。この日は、地震や

防災学

者、行政関係者ら約百五十人が出席した。阪神大震災を契機に、全国の防災情報システムが見直され、災害情報への関心が高まった。」との記載がある。

(8)1996年7月18日付け日本経済新聞地方経済面 (兵庫)46頁には、「近畿地建と9自治体、『阪神疎水』で検討委―今年度中にもルート確定。」の見出しの下、「神戸市や西宮市内の河川に、淀川の水を放流しようという『阪神疎水構想』が動き出す。近畿地方建設局は兵庫県、大阪府のほか、周辺の七市を集めた『広域連絡検討委員会』(仮称)を設置、二十四日に初会合を開く。・・中略・・委員会では、計画ルート周辺地域の環境調査を実施すると同時に、河川工学や

防災学

専門の学識者らを集めた委員会を設置し、今年度中にも疎水ルートを確定する。」との記載がある。

(9)愛媛大学農学部地域環境工学専門教育コースのホームページ(http://web.agr.ehime-u.ac.jp/~chiiki/)には、「地域環境工学専門教育コースとは!」の見出しの下、「地域環境工学コースでは、このような目的を達成するため、1地域

防災学

,2ジオフロント,3施設基盤学・・中略・・の7教育分野をもうけて、水や土、川や海、ダムやため池などの計画・設計・保全・管理に関する専門的な教育・研究を行っています。」の記載がある。

(10)東北学院大学地域構想学科のホームページ(http://www.tohoku-gakuin.ac.jp/gakubu/kyoyo/dbn06.shtml)には、「本学科の教育/制度・方針」の見出しの下、「3つの領域」として、「学科概要のページで示したように、地域構想学科では3つの領域の勉強ができます。 1.『人と自然とのかかわり』領域:気候学、地形学、植物生態学、

防災学

など」の記載がある。

(11)富士常葉大学のホームページ(http://www.fuji-tokoha-u.ac.jp/index_pc.php)には、「環境

防災学

部」が掲載されている。

また、一般的に「知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」の役務に関しては、需要者が受験を希望する検定試験の名称、あるいは当該試験によって取得可能な資格の名称などを、「○○検定講座」「○○検定セミナー」というように、教育の場におけるカリキュラムや各種講座やセミナーの名称を冠して、その提供される役務の内容の表示とすることがしばしば行われているところである。

してみれば、本願商標を、その指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、提供に係る役務が「災害を防止するための学識に関する検定試験」に関するものであること、すなわち、該役務の質(内容)を表示したものとして認識するにとどまり、これをもって自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務について、前記1のとおり補正された結果、商品の品質、役務の質について誤認を生じさせるおそれはないものと認められるから、商標法第4条第1項第16号に該当しないものになったとしても、上記認定のとおり、同法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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