sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−29117(T2008−29117/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「白衣,その他の洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成20年3月17日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は次のとおりである。

(1)登録第709065号商標(以下「引用商標1」という。)は、「モカ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和39年10月14日登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年6月4日に設定登録され、その後、同51年10月7日、同61年6月24日、平成8年8月29日及び同18年4月18日の4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに同年6月28日に指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

(2)登録第1524567号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおり「moka」の欧文字を横書きしてなり、昭和53年7月19日登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年7月30日に設定登録され、その後平成4年8月28日及び同14年4月2日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに同年8月21日に指定商品を第25類「被服」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

以下、これらをまとめていうときは「引用各商標」という。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「moca」の欧文字と「JAPAN」の欧文字とを横書きしてなるところ、構成中の「moca」の文字部分と「JAPAN」の文字部分とは、前者が大きな文字で書されているのに対し、後者が小さな文字で書されて文字の大きさが顕著に異なること、また前者がアーチ状に表されているのに対し、後者が横一直線に表されていてその構成が異なること、さらに前者と後者は小文字と大文字で書されている違いがあることから、「moca」と「JAPAN」の文字部分は、視覚上分離して看取されるものとみるのが相当である。

また、「moca」の文字部分が特定の意味合いを有しない造語と認められるのに対し、「JAPAN」の文字部分が「日本」を意味する平易な英語であって、これらが全体をもって特定の意味合いを生じるものであるともいえず、その他両者が常に一体不可分のものとして把握、理解されるとする特段の事情も見いだすことができないものであり、さらに後半の「JAPAN」の文字部分は、本願の指定商品との関係においては、日本製の商品であることを理解させるにすぎず、特に自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえない。

そうとすると、本願商標に接する取引者、需要者は、大きく顕著に表された「moca」の文字部分に着目して、該部分を自他商品の識別標識として捉え、該文字部分をもって取引に当たる場合もあるものというのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「モカジャパン」の称呼のほかに、該「moca」の文字部分に相応して「モカ」の称呼をも生ずるものである。そして、該文字部分は特定の意味を有する語ではないから一種の造語と認められる。

一方、引用商標1は、前記2のとおり「モカ」の片仮名文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「モカ」の称呼が生じるものである。

そして該語は、「アラビア半島南西部イエメン産のコーヒー豆。」(広辞苑第五版 株式会社岩波書店)の意味を有するものであるから、引用商標1は「モカ・コーヒー」の観念を生ずるものである。

また、引用商標2は、前記2のとおり「moka」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「モカ」の称呼が生じるものである。

そして該語は、フランス語で「モカ(コーヒー)、(菓子)モカケーキ」(小学館ロベール仏和辞典 株式会社小学館)の意味を有するものであるから、引用商標2は「モカ・コーヒー」の観念を生ずるものである。

してみれば、本願商標と引用各商標とは、外観において相違し、観念上は比較することができないものであるとしても、「モカ」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならず、本願商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれているものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

請求人(出願人)は、本願商標と引用各商標とは、外観上著しく相違し、また、本願商標が請求人の名称の「株式会社モカジャパン」の略称を欧文字で表したもので、よどみなく一連に「モカジャパン」とのみ称呼されるから引用各商標とは称呼上も相違し、かつ、観念上も請求人の業務主体としての「モカジャパン」を想起するものであるのに対して、引用各商標からは「モカ・コーヒー」の観念が生じるものであるから、観念上も著しく相違する商標である旨主張する。

しかしながら、本願商標が視覚上分離して看取され、該「moca」の文字部分も独立して自他商品の識別機能を有するものであって、該文字部分は格別特徴のあるデザインとはいえないから、本願商標と引用各商標とが外観上強い印象があるというような著しい差異があるとは認められない。また、本願商標が常に構成全体を一体不可分のものとしてのみ認識されるものとはいえないし、本願商標が請求人の略称であるとして取引者、需要者の間において広く知られていると認めるに足る証拠は何ら見いだせないものであるから、本願商標から請求人の業務主体としての「モカジャパン」の観念を想起するものとはいえない。

そして、引用商標1の「モカ」及び引用商標2の「moka」からは、それぞれ「モカ・コーヒー」の観念が生じるところ、該「モカ・コーヒー」が英語で「mocha」、フランス語で「moka」とそれぞれ表されるものであるとしても、「mocha」又は「moka」の語が常に正確に記憶されているとは限らないから、本願商標の「moca」の文字部分から生ずる「モカ」の称呼から「モカ・コーヒー」を想起し若しくは連想する場合もあり得るとみるのが相当であるから、両者は、観念上全く別異のものであるとまではいえない。

そうとすると、本願商標は、称呼上においては「モカ」の称呼を共通にする商標であって、観念上も全く別異のものともいいえず、その外観上の相違点が引用各商標との称呼の同一性と観念上の近似性を凌駕する程著しく相違するものとはいい難いものであり、その他本願の指定商品について、特殊な取引実情があるものとも認められないから、本願商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶及び連想等を総合して全体的に考察すると、相紛らわしい類似の商標というべきである。

さらに請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨も主張するが、該登録例は商標の構成において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断することは必ずしも適切とはいえない。

したがって、請求人の主張は採用することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。