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Trademark Appeal Case

使用商標の同一性と要部

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300642(T2008−300642/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2548658号商標(以下「本件商標」という。)は、「MICRO−TEX」の文字と「ミクロテックス」の文字を二段に横書きしてなり、昭和56年10月22日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年6月30日に設定登録され、その後、平成15年3月18日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、平成15年4月9日に、指定商品を第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換の登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中、『第5類 失禁用おしめ』、『第9類 事故防護用手袋』、『第10類 医療用手袋』、『第16類 紙製幼児用おしめ』、『第17類 絶縁手袋』、『第21類 家事用手袋』及び『第25類 被服』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、上記請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨述べた。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。

(1)使用の事実

被請求人は、以下のとおり、1997年ころから現在まで、指定商品の「被服」の範疇に属する商品である「作業用白衣」(以下「使用商品」という。)に本件商標を使用している。

ア 被請求人が製造した使用商品は、大阪市西区江戸堀二丁目1番27号に所在のアズワン株式会社(乙第1号証、以下「アズワン社」という。)が発行するカタログ等によって宣伝・広告され、アズワン社及びその代理店を通じて、最終的に全国の研究所や大学、企業の研究部署に販売されている。

(ア)乙第2号証は、アズワン社の発行する「研究用総合機器」2008年度のカタログ(2007年10月発行)であり、1621頁の右上に「ミクロテックスクリーンウェアー」が使用された使用商品が掲載されている。

(イ)乙第3号証は、アズワン社の発行する「研究用総合機器」2007年度のカタログ(2006年10月発行)であり、1554頁の下段に「ミクロテックスクリーンウェアー」及び「ミクロテックス」が使用された使用商品が掲載されている。

(ウ)乙第4号証は、アズワン社の発行する「研究用総合機器」2006年度のカタログ(2005年10月発行)であり、1548頁の上段に「ミクロテックスクリーンウェアー」及び「ミクロテックス」が使用された使用商品が掲載されている。

(エ)乙第5号証及び乙第6号証は、それぞれ1998年10月及び2003年11月に発行されたアズワン社のカタログであり、本件商標を使用した使用商品が掲載されており、これより、遅くとも1998年10月から本件商標が使用開始されたことがわかる(なお、乙第5号証に記載の社名は、アズワン社の旧社名である。)。

イ 使用商標について

(ア)「ミクロテックス」は、本件商標の片仮名文字部分の使用であり、また、本件商標の欧文字部分から生ずる「ミクロテックス」の称呼とも共通し、さらに、観念において変動を伴うものではないから、本件商標と社会通念上同一の商標である。

(イ)「ミクロテックスクリーンウェアー」について

「ミクロテックスクリーンウェアー」を構成する「クリーンウェアー」の文字部分は、「クリーンルーム等で使用する作業着」等を表す商品の普通名称であるから、「ミクロテックスクリーンウェアー」の要部は「ミクロテックス」の文字部分にあるといえる。そして、要部の「ミクロテックス」は、上記(ア)のとおり、本件商標と社会通念上同一の商標であるから、「ミクロテックスクリーンウェアー」は、本件商標と社会通念上同一の商標である。

ウ 指定商品について

使用商品は、本件請求に係る指定商品中の「第25類 被服」の範疇に属する商品である。

エ 前記アないしウによれば、被請求人は、本件商標と社会通念上同一の商標を使用商品について、アズワン社のカタログに掲載し、宣伝・広告を行なったことが明らかであり、かかる行為は、商標法第2条第3項第8号に規定する商標の使用行為に該当するものである。

オ 使用商品の譲渡について

(ア)乙第7号証は、アズワン社からの被請求人に対する2008年4月17日付け発注書である。上から4段落目の商品名に「ミクロテックス クリーンウェア」、注文数量「30」と記載されている。さらに、発注書の商品コードの「7−413−01」は、カタログに記載されている品番と合致する。

(イ)乙第8号証は、上記の発注書による発注を受けて、使用商品の納入後に被請求人がアズワン社に対して発行した2008年4月30日付けの「御請求書(控)」(写し)である。上から7段落目の商品が使用商品である。数量の欄に「30」と記載され、さらに、右方の「御注文No.」欄に記載の「8−135685−4」は、乙第7号証の発注番号と合致している。

(ウ)上記のとおり、本件審判の請求の登録前3年以内に、被請求人からアズワン社に使用商品の譲り渡しが行われていることから、本件商標を請求に係る指定商品について使用していることは明白である。

(2)むすび

以上のとおり、乙第1号証ないし乙第8号証によって、被請求人により本件商標をその請求に係る指定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用している事実は明らかである。

4 当審の判断

(1)乙第1号証ないし乙第4号証、乙第7号証及び乙第8号証によれば、以下の事実が認められる。

ア 大阪市西区江戸堀二丁目1番27号に所在のアズワン社は、事業内容を「研究用機器機材、看護・介護用品、その他科学機器の販売」とする会社である(乙第1号証)。

イ アズワン社の発行するカタログ「研究用総合機器 2008」(2007年10月発行、乙第2号証)、同「研究用総合機器 2007」(2006年10月発行、乙第3号証)、同「研究用総合機器 2006」(2005年10月発行、乙第4号証)には、品番「7−413−01」とする作業用白衣(使用商品)に、「ミクロテックスクリーンウェアー」及び「ミクロテックス」の各文字(ただし、2008年のカタログには「ミクロテックス」の文字はない。)が表示されている。

ウ アズワン社から被請求人に宛てた2008年4月17日付け「発注書」の4番目の項目には、「発注番号:8−135685−4」、「商品コード/商品名:7−413−01/ミクロテックス クリーンウェアー CR対応」と、また、「数量:30」、「指定納入日:8−4−24」と記載されている(乙第7号証)。

エ 被請求人からアズワン社に宛てた2008年4月30日付けの「御請求書(控)」の7番目の項目には、「月日:0422」、「商品名:エプロン(アズワン)KD−33800」、「数量:30」、「御注文No.:8−135685−4」などと記載されている(乙第8号証)。

(2)前記(1)で認定した事実によれば、商標権者(被請求人)は、本件審判の請求の登録(平成20年6月10日)前3年以内である2008年(平成20年)4月24日ころに、大阪市に所在のアズワン社に対し、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用した使用商品(作業用白衣)30着を納品したことを推認することができる。そして、使用商品は、本件請求に係る指定商品中の「第25類 被服」に含まれる商品ということができる。

してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品に含まれる「作業用白衣」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。

一方、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。

(3)むすび

以上のとおりであるから、本件商標の登録は、本件請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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