sokuhyo

Trademark Appeal Case

品質表示か商標か

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−301185(T2008−301185/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4163020号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4163020号商標(以下「本件商標」という。)は、「スーパードライ」の片仮名文字を書してなり、平成8年3月21日に登録出願され、第7類「養鶏用の給餌・給水機(養鶏用ケージと一体成形されたものを含む。),養鶏用の集卵搬送機(養鶏用ケージと一体成形されたものを含む。),養鶏用の鶏糞搬送機(養鶏用ケージと一体成形されたものを含む。)」を指定商品として、平成10年7月3日に設定登録され、その後、平成20年2月5日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「結論同旨の審決を求める」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第15号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、商標登録原簿の記載より明らかなとおり、何人にも専用使用権又は通常使用権の設定の登録はなされていない。また、請求人は、本件商標が請求に係る指定商品について使用された事実については不知である。

したがって、被請求人において請求に係る指定商品に、本件商標の使用事実の証明がない限り、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

ア 被請求人が提出する乙第1号ないし第6号証は、被請求人のホームページであるが、いずれも2008年11月16日に出力されたものである。

一方、本件審判は平成20年9月16日に請求され、同年9月30日に予告登録されたものであるから、被請求人が立証すべきものは、前記予告登録以前の使用事実を明らかにしなければならないところである。

したがって、予告登録後の事実を示す乙第1号証ないし同第6号証をもっては、本件商標の使用事実は立証されていない。

しかし、百歩譲って、乙第1号ないし第6号証が、平成20年9月30日の予告登録以前の使用事実を明らかにしたものであると仮定して、請求人は、答弁書及び上申書の主張に対し、以下に弁駁するものである。

イ 被請求人のホームページは、「製品・システム」から「レイヤー設備機器」「ブロイラー設備機器」「養豚設備機器」「ガス輻射暖房」「無電源液体オートフィーダー」及び「ニップル・コンベア・フォッグ」の各フレームに展開されるホームページとなっている。

そして、「レイヤー設備機器」というフレームの中に本件商標を付した商品があると被請求人は述べるが、「ハイテムセコノブ」を除き、「レイヤー設備機器」として紹介されている「基幹機器」及び「関連機器」のいずれも、乙第5号証の表題フレームに表示された商標若しくは商品名が、個別商品のフレーム(甲第3号ないし第15号証)においても共通した表示となっているものである。

ウ しかし、「ハイテムセコノブ」のみについては、個別商品フレームに表題フレームには表示されていなかった本件商標「スーパードライ」が付記されている。つまり、表題と本文との表示が相違するものであって、本件商標を商標として使用するという統一的な意図が見えないことから、需要者は、乙第6号証に接しても、表示された「スーパードライ」を商標とは認識しないものである。

エ 次に、乙第6号証について、その第1頁の冒頭には、「次世代糞乾燥システム」「ハイテムセコノブ」及び「スーパードライ」とある。そして、「次世代糞乾燥システム」は、商品の説明をする文言であることはもちろんであるが、次行の「ハイテムセコノブ」と「スーパードライ」とは、その文字の大きさが2:1であって、なおかつ、後述の理由から、「スーパードライ」が商標とは、認識されないものである。

すなわち、乙第6号証によると、当該商品には、以下のメリットがあるとされている。

1.スーパードライ → 年間平均水分15%〜20%に

2.糞乾エアパイプ不要 → 糞乾電気代30%〜50%カット

衛生的(クリーン)、フィルター掃除不要

3.1万羽当り6分で充頃完了 → 除糞中に充填完了

4.シンプル → トラブルフリー、耐久性に優れる

5.無公害型 → 臭いが少ない、冬期除塵効果

オ 上記記述に対し、被請求人は、答弁書第4頁下から4行目で、「これは、『スーパードライ』を用いれば年間平均水分が15%〜20%になるまで鶏糞を乾燥させることができることを意味している。」と主張している。

しかし、「スーパードライ」が商標であるなら、「メリット」の項目に列挙することはあり得ないだけでなく、他の「糞乾エアパイプ不要」「1万羽当り6分で充填完了」「シンプル」及び「無公害型」といった利点を簡潔に述べた項目と並列に表示して、なおかつ、商標であることも到底あり得ない。

また、乙第6号証の「メリット」の項に続く「システムの概要」、乙第6号証第2頁第4行目には、「生糞は24時間で水分15%〜20%のスーパードライ乾糞になります。」。同第5行目には、「スーパードライセコノブ乾糞は、〜」と表示されている。

これら表示においても、被請求人は、「スーパードライ」を「とても乾いた」程の意味を表す表現として用いているのであって、つまり、被請求人の商品「ハイテムセコノブ」が鶏糞をとても乾燥させる商品であることを「スーパードライ」との文言で表現しているにすぎないものであって、乙第6号証における「スーパードライ」の表示は、到底商標としての使用には、至っていないものである。

ちなみに、乙第6号証中に表示された4箇所の「スーパードライ」の文言を「とても乾いた」に置き換えると被請求人商品を的確に説明することになることからしても、被請求人の「スーパードライ」という文言に対する認識がうかがい知れると共に、乙第6号証に接する需要者の認識が明らかになるものである。

カ さらに、乙第7号証ないし第11号証は、いずれも被請求人が発行した納品書であるが、第一に「スーパードライ」の文言が全く記載されていない。また、納品した内容であるが、「完工時金」「据付工事」「電源設備工事代」及び「電気工事」と記載されており、数量も「1式」とするものであるから、万一、本件商標が表示された納品書であったとしても、これらは、役務の提供に対する対価を求めて取り交わされた取引書類であって、本件のごとき商品商標の使用には当たらないものである。

キ いうまでもなく、被請求人が立証すべき点は、結果として本件商標が現実に商標として使用されていたかである。しかしながら、今般の答弁書においては、上記の点を何ら立証するものがない。したがって、乙第1号ないし第11号証によっては、本件商標を「養鶏用の鶏糞搬送機(養鶏用ケージと一体成形されたものを含む。)」について使用していることにはならず、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消しを免れ得ないものである。

3 被請求人の答弁

(1)答弁の趣旨

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める」と答弁し(平成20年11月19日付け提出の上申書を含む。)、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号ないし第11号証を提出した。

(2)答弁の理由

ア 被請求人会社は、2008年1月に会社名を「東洋システム株式会社」から「株式会社ハイテム」に改称しており、それに伴い、住所も「岐阜県各務原市金属団地97番地の4」から「岐阜県各務原市テクノプラザ二丁目10番地」へ移転している。

イ 被請求人会社は、2001年10月にフランスのユーロマチック社と提携し、次世代糞乾システム ハイテムセコノブの輸入発売を開始し、2007年11月から同製品の国内生産販売を開始しており、現在も同製品の生産販売を行っている。

ウ 乙第1号証は、被請求人会社のホームページのトップページを印刷したものである。

エ 乙第2号証は、乙第1号証における「会社プロファイル」をクリックした後にフレームの左側に表示されるページを印刷したものである。

オ 乙第3号証は、乙第2号証における「沿革」をクリックした後にフレームの右側に表示されるページを印刷したものである。同号証の第4/7頁にハイテムセコノブの輸入販売時期と国内生産販売とが記載されている。

この次世代糞乾システム ハイテムセコノブは、鶏舎の排気を利用して、鶏舎内の鶏の鶏糞を乾燥させるシステムである。鶏舎内では、鶏は、ケージの中に入れられており、鶏糞は、ケージの下方を通るコンベア上に落下するように構成されている。コンベア上に落下した鶏糞は、そのままコンベアで搬送され回収される。次世代糞乾システム ハイテムセコノブは、このコンベア上に落下した鶏糞を鶏舎の排気を利用して乾燥させるもので、被請求人会社は、次世代糞乾システム ハイテムセコノブに「スーパードライ」の名称を付して顧客に対して同商品の説明及び紹介を行っている。

カ 乙第4号証は、乙第1号証における「製品・システム」をクリックした後に表示されるページを印刷したものである。

キ 乙第5号証は、乙第4号証における「レイヤー設備機器」をクリックした後にフレームの左側に表示されるページを印刷したものである。

ク 乙第6号証は、乙第5号証における「ハイテムセコノブ」をクリックした後にフレームの右側に表示されるページを印刷したものである。同号証の第1頁に「次世代鶏糞乾燥システム ハイテムセコノブ スーパードライ」が表示されている。また、同頁のメリットの欄に「1.スーパードライ→年間平均水分15%〜20%に」と表示されている。これは、「スーパードライ」を用いれば、年間平均水分が15%〜20%になるまで鶏糞を乾燥させることができることを意味している。

さらに、同号証第10頁に乾燥した鶏糞の写真と共に「仕上がり乾糞水分15〜20%のスーパードライ鶏糞」と表示されている。これは、「スーパードライ」を用いた乾燥させた水分15〜20%の鶏糞を意味している。

更にまた、同号証第12頁の説明図その2の中に、「スーパードライ」を用いた乾燥させた水分15〜29%の鶏糞が「水分15〜20%スーパードライ鶏糞」と表示されている。

ケ 以上説明したように、被請求人は、2001年10月の輸入販売の開始から、2007年11月の国内生産販売を経て現在に至るまで、次世代糞乾システムを備えたハイテムセコノブの販売をする際に、同商品に「スーパードライ」の名称を用いて顧客に対して説明及び紹介を行っているものであり、「スーパードライ」は、被請求人会社が「次世代糞乾システム ハイテムセコノブ」の愛称として使用しているものである。

4 当審の判断

(1)商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録(本件の場合:平成20年10月2日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取り消しを免れないとされている。

そして、商標法第50条の適用上、「商品」というためには、市場において独立して商取引の対象として流通に供される物(商品)でなければならず、また、「商品についての登録商標の使用」があったというためには、当該商品の識別表示として同法第2条第3項、第4項所定の行為がされることを要するものというべきである(東京高裁、平成12(行ケ)第109号、平13年2月28日判決)。

(2)これを本件についてみるに、乙第1号ないし第6号証は、被請求人会社の2008年11月16日打ち出しの「被請求人会社のホームページ」の写しと認められるところ、乙第6号証の1頁目の上段には、「次世代糞乾システム」及び「ハイテムセコノブ スーパードライ」の文字、その中段には「1.スーパードライ」の文字が認められ、また、同2頁目の文章中にも、「スーパードライ」の文字があることは認められる。

しかし、同1頁目の上段に表された「次世代糞乾システム」及び「ハイテムセコノブ スーパードライ」の構成文字中の「スーパードライ」の文字部分は、太字ゴシック体で表された「ハイテムセコノブ」の文字に比べて、細く小さい文字で表されているものであるから、「次世代糞乾システム」である商品「ハイテムセコノブ」の特徴、効能を表示した付記的な部分(文字)として看取されるものと言わざるを得ず、これをもって、商標法上でいう商標としての使用とはいい得ないものである。

同じく、同中段の「1.スーパードライ」の文字も、青地白抜きのタイトル「メリット」の下に、「1.スーパードライ → 年間平均水分15%〜20%に」と記載されているものであるから、その記載方法から判断すれば、商品「ハイテムセコノブ」が有する1から5まであるメリットの1つ(効能)を記載しているにすぎず、商標法上でいう商標としての使用とは認められないものである。

同じく、同下段の青地白抜きのタイトル「システムの概要」の説明文中における、2頁目の「生糞は24時間で水分15〜20%のスーパードライ乾糞になります。」及び「スーパードライセコノブ乾糞は、農地還元、発行処理の・・・」との記載についても、その記載方法から判断すれば、上記と同様、商品「ハイテムセコノブ」の特徴、効能を記述的に表現したにすぎないものであり、商標法上でいう商標としての使用とは認められないものである。

(3)平成20年11月19日付け上申書に添付された乙第7号ないし第11号証は、本件審判請求の登録前3年以内の「納品書(控)」であるところ、そのいずれにも本件商標は示されていないことから、これをもって本件商標の使用があったとも認められない。

そして、これ以外に提出された証拠はない。

(4)以上のとおり、被請求人が提出した乙各号証を総合的に判断しても、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。

また、被請求人は、使用をしていないことについて正当な理由があると述べるものでもない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すべきである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。