結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成8年審判第5344号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2268396号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和53年3月9日に登録出願され、「アイビーボルト」の文字を横書きしてなり、第7類「建築または構築専用ボルト」を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由および答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)本件商標は、請求人の調査によれば、その指定商品について継続して3年以上、日本国において、その商標権者により使用されておらず、また、本件商標の登録原簿(甲第2号証)には専用使用権もしくは通常使用権の設定登録も見られない。したがって、本件商標は、登録の取消しをまぬがれない。
請求人は本件審判の請求について、以下の利害関係を有するものである。請求人の登録出願に係る「アイビー」よりなり、第6類の「建築又は構築の金属製専用材料」を指定商品とする商願平6−84857号商標(甲第3号証)が、平成8年3月22日付にて本件商標に類似するという理由で拒絶理由通知(甲第4号証)を受けたものであるから、請求人は本件商標の登録を取り消すについて重大な利益を有するものである。
(2)被請求人の答弁に対し、次のように弁駁する。
被請求人は答弁書において、本件審判の請求の取消しの対象である本件商標を指定商品の「ボルト」について商標権者によって使用されているとして、乙第1号証のカタログを添付した。乙第1号証には、確かに「アイビーボルト」の名称が記載されており、1994年の印刷の表示と見られる番号が右下に記載されており、その用途として「建築用又は構築専用」と思われる記載がある。しかしながら、被請求人は、この乙第1号証のカタログについて、商標法第2条第3項第7号で定める「頒布する行為」がなされたかどうかを証明していない。一般に、カタログが作成されれば、関係取引先に広く頒布されるものであることについては、請求人としても、異論はないが、本件商標を付した乙第1号証のカタログは、本件の「審判事件答弁書」提出以前には、カタログ記載の商品を取り扱う関係業者に頒布された事実を請求人は発見できない。請求人は、建築及び土木用の金属製品を広く取り扱っており、被請求人とも、以前から取り引きをしている。また、乙第1号証に用途として記載している「建築用型枠」については、請求人は日本で最初に金属製コンクリート型枠を開発し、商品化して、現在も製造・販売しているものである。そのため、請求人は、被請求人のカタログを多数所持しているとともに、請求人の関係会社や取引先においても、同様に被請求人のカタログを多数所持している。
ところが、請求人及び請求人の関係する会社が所持しているカタログには、乙第1号証のカタログは存在せず、また、被請求人が発行して頒布した総合カタログである「製品案内」や「型枠編」などの各種の「工事別カタログ」にも本件商標はいっさい使用されていない。したがって、被請求人が主張する本件商標の使用証明として提出した乙第1号証は、真実発行されたものと認め難いものである。また、少なくとも頒布されたものであると認めることはできない。
以上、述べたとおり本件審判の請求についての被請求人の答弁書は理由のないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由および弁駁に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、請求人の主張中の「利害関係の有無」については請求人の主張を認める。
しかしながら、「使用の有無」については理由がないことについて詳述する。
本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者「岡部株式会社」によって指定商品について使用しているものである。 被請求人は、同時に添付した1994(平成6年)年1月作成のカタログに記載の通り、本件商標を指定商品の「ボルト」について商標権者によって使用されていることは容易に認識され得るところであり、且つ、明確な事実であることを主張する。
したがって、本件商標は本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により指定商品について使用されていないとはいえないから、商標法第50条には該当しないものであることは明らかである。
よって、本件商標は不使用の理由をもって取り消されるべきものではない。
(2)請求人の弁駁に対し、次のように答弁する。
請求人は、被請求人の主張及び提出証拠書類について、その事実関係が不明確であるから本件商標の使用とは認められず、したがって、被請求人の答弁は理由がないと主張しているものである。
被請求人の提出になる乙第1号証「カタログ」が請求人の所有する各種多様なカタログ類に存在しないから、該カタログは頒布行為がなされていないとの意見であろうと推察するところである。
被請求人は本件商標の商標登録を平成2年9月21日に登録したものの、実際に本件商標を使用開始した時期はカタログに記載した通り平成6年初めから被請求人の業務に係る商品「ボルト」について使用を開始したものである。そして、該商品が被請求人の業務内においては大量生産を要するものでもなく、又、大量流通商品とも言えず、一般に業界中に頒布広告するまでの商品とは認識できないものではあったが、一応カタログは製作し、特定の需要者との取引は行われているものである。
請求人が主張する被請求人のカタログの不持理由のみで、本件商標が不使用たる理由とはならない。
被請求人は、請求人の理解を深めるために乙第1号証に追加し、乙第2号証ないし乙第5号証を提出し、本件商標がその指定商品「ボルト」について、平成6年から商標権者により日本国内で使用されている事実を証するものとして、取引伝票等を補完する。
如上の被請求人の答弁理由及び乙各号証により、本件商標は明らかに使用されているものであるから、商標法第50条には該当せず、請求人の取消主張は理由のないものである。
よって、本件商標は不便用の理由をもって取り消されるべきものではない。
被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を総合勘案すれば、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に商品「ボルト」について使用していたものと認めることができる。
してみれば、本件商標は、被請求人により、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について使用されていたものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、平成8年法律第86号による改正前の商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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