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Trademark Appeal Case

称呼類似性と語尾の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900256(T2008−900256/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5121813号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5121813号商標(以下「本件商標」という。)は、「NEXTRA ネクストラ」の文字を標準文字で表してなり、平成19年6月28日に登録出願、第23類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年3月4日に登録査定、同年3月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)「NEXT」商標の周知・著名性について

登録異議申立人ネクスト・グループ・ピーエルシー(以下「申立人」という。)は、1981年に設立されたイギリス国の法人であって、婦人用・紳士用・子供用被服、靴、アクセサリーを主に扱っており、「NEXT」の文字からなる商標(以下、後記、登録第2272315号商標である「ネクスト」の文字からなる商標を含め「引用商標」という。)をオリジナルブランドとして用いている。現在ではイギリス国内に380以上の店舗を構え、海外にも約80の店舗を有しており、イギリスで最大のチェーン店の1つである。

我が国においては、都内、仙台、福島、川崎、横浜、静岡、京都、大阪、広島、高松、福岡等に21店舗を有している。ちなみに、申立人は、「NEXT」及び「ネクスト」ブランドについて、本件商標の指定商品と関連する分野において、登録第2272314号商標(「NEXT」の欧文字からなる商標)、同第2272315号商標(「ネクスト」の片仮名文字からなる商標)及び同第4845247号商標(「NEXT」の欧文字からなる商標)を有している。

申立人グループの総収入は、2007年には6600億円となっており、このような巨大グループである申立人が、そのオリジナルブランドとして用いている「NEXT」は、遅くとも本件商標の出願日までには、イギリスのみならず我が国においても著名性を獲得しているものである(甲第3号証ないし甲第16号証)。

(2)出所混同のおそれについて

本件商標は、周知・著名な引用商標「NEXT」「ネクスト」をそっくりそのまま取り込んだ「NEXTRA ネクストラ」の構成からなるものであり、引用商標が現実に使用され、著名性を取得している商品と関連性を有する商品が多く含まれている。

そうとすれば、「NEXT」には、多大な業務上の信用が化体しているものであるから、本件商標がその指定商品について使用された場合には、需要者は、その「NEXT」「ネクスト」の部分に注意を惹かれ、申立人の業務に係る製品あるいは申立人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る製品であるかのように誤認混同を生じさせるおそれが存するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、前記したとおり、「NEXTRA」の欧文字と「ネクストラ」の片仮名文字とを一文字分の間隔をあけて一連に書してなるところ、「ネクストラ」の片仮名文字は、欧文字の読みを表したものとみるのが自然であるから、これより「ネクストラ」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標は、「NEXT」の欧文字又は「ネクスト」の片仮名文字を書してなるものであるから、いずれも該文字に相応して「ネクスト」の称呼を生ずるものである。

そこで、この両称呼を比較するに、両称呼の差異は、語尾における「ラ」の音の有無の差異のみではあるが、「ラ」の音は、開放母音である「a」の音を伴うため、明瞭に聴取され得るものということができる。

そうとすれば、この「ラ」の音の有無の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、全体としても5音対4音という比較的短い音構成であることともあいまって、これらをそれぞれ一連に称呼するも、その語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。

また、両商標は、前記した構成からなるものであるから、全体の外観において明らかな差異を有するばかりでなく、それぞれの欧文字部分や片仮名文字部分のみを比較してみても、「RA」や「ラ」の文字の有無の差異から充分に区別し得るものであり、さらに、本件商標は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、観念においては比較すべくもない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る甲各号証によれば、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品「婦人用・紳士用・子供用被服、靴」等を表示する商標として使用されていた事実は認められるとしても、上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、「NEXT」(ネクスト)の語は、我が国においても、「次の、今度の」等の意味を表す英語(外来語)として広く一般に理解、認識されている成語であるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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