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Trademark Appeal Case

著名商標と同一の登録

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900476(T2008−900476/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5162750号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5162750号商標(以下「本件商標」という。)は、「FortiClient」の文字を標準文字で表してなり、平成19年12月28日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同20年8月8日に登録査定、同年8月29日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 理由の要点

本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって、その登録を取り消されるべきである。

2 引用商標の著名性

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)の概要

申立人「フォーティネット インコーポレイテッド」(以下「フォーティネット」という場合がある。)は、「Ken Xie」(以下「Xie」という。)により2000年に創立された。XieはNetScreenの創立者で、同社の社長兼CEOを務めた。後にNetScreenはJuniperに譲渡され、現在、フォーティネットを率いるのは、ネットワーキングとセキュリティの分野で実績を積み重ねてきた経営陣である。業界においてフォーティネットは、株式非公開のネットワークセキュリティ企業として確固たる地位を占めており、主要なベンチャーキャピタルから1億ドル超の資金調達に成功していることが、それを裏付けている。

申立人が他社に先駆けて開発し、トップシェアを維持している複合型脅威対応のセキュリティシステムは、企業におけるセキュアな通信を実現するだけでなく、セキュリティ、性能、TCO(総所有コスト)という3つのポイントで、望みうる最高レベルの製品となっている。数々の受賞歴に輝くフォーティネットのセキュリティシステムとサブスクリプションサービスは、2万社を越える世界の顧客のネットワークを脅威から防御している。その中には世界屈指の通信事業者、サービスプロバイダ、そのほか大小さまざまな規模の企業が含まれている。

日本においてもその子会社であるフォーティネットジャパン株式会社を設立し、積極的な販売を行なっている。

(2)申立人の商標「FortiC1ient」の使用

ア 申立人は「FortiClient」(以下「引用商標」という。)の付したネットワークのセキュリティ用のソフトウェアを販売し今日に至っている。

申立人は、ここに引用商標の使用を示す証拠方法を提出する。

「フォーティネットジャパン株式会社プレスリリースのリスト」(甲第2号証)中に以下の記述がある。

(ア)Fortinet社、新しいFortiClientホストセキュリティソリューンョンにより、セキュリティ技術をリモート端末にも拡大」の見出しの下、「Fortinet社は本日、FortiClient(語尾の上部に「TM」の文字が付されている。以下「/TM」と表記する。)ホストセキュリティソフトウェアの投入により、統合型セキュリティ技術のメリットを、PCなどのリモート端末にも拡大していく計画を発表しました。(2004年3月31日)

(イ)レストランチェーンRoy’s Fortinet社の費用効果の高いWANセキュリティ・ソリューションを採用

Fortinet社は本日、有名シェフRoy’s Yamaguchi氏が創業したレストランチェーンRoy’sが、ハワイ諸島の6店舗を結ぶWANを保護するためにFortinet社のFortiGateアンチウイルスファイアウォール・プラットフォームを、各店舗間および巡回従業員に安全かつ手ごろなリモートアクセスを提供するためにFortiClientホストセキュリティ・ソフトウェアを、それぞれ採用したことを発表しました。(2004年10月20日)

(ウ)フォーティネット、W32/Bagle.CJ−mmウイルスに対応

フォーティネットは本日、FortiGate/TM統合セキュリティアプライアンス、FortiMail/TMセキュアメッセージングシステム、FortiClient/TM Host Securityソフトウェアの3製品が、W32/Bagle.CJ−mm(別名W32/Mitglieder.FE)ウイルスに対応したと発表しました。(2005年9月19日)

(エ)フォーティネット社、アンチウイルスでICSA認定を取得

フォーティネット社は本日、ソフトウェア製品であるFortiClient/TM Host Securityが、ICSA認定(Antivirus CleaningとDesktop Antivirus Detection)を取得したと発表しました。フォーティネット社のクライアント・ソリューンョンが、「WildList」で公表されたウイルスはもちろん、その他のウイルスの感染から、ホストであるパソコンやサーバを保護できたことを立証しています。(2005年9月1日)

(オ)フォーティネット社、W32/Dumador.DH−trウイルスに対応

フォーティネット社は本日、FortiGate/TM統合セキュリティアプライアンス、FortiMailセキュアメッセージングシステム、FortiClient/TM Host Securityソフトウェアの3製品がW32/Dumador.DH−trに対応したと発表しました。W32/Dumador.DH−trは、Windowsプラットフォームをターゲットにして、重要な個人情報をスパイウエアやキーロガーで収集しHTTPプロトコル経由で盗み出すトロイの木馬型ウイルスです。(2005年8月11日)

(カ)フォーティネット社、フィッシング詐欺HTML/Ebay−pHishに対応

フォーティネット社は本日、同社のFortiGate/TM統合セキュリティアプライアンス、FortiMail/TMセキュアメッセージングシステム、FortiClient/TM Host Securityソフトウェアの3製品が、新種のフィッシング詐欺HTML/Ebay−phishに対応できたと発表しました。初めてHTML/Ebay−phishを見つけたのは、イスラエルのフォーティネット社でした。最初の発見から 2時間で1万2000件、同日だけで4万6902件も検知しました。(2005年7月22日)

(キ)フォーティネット社、Soberウイルスの新亜種W32/Sober.M−mmに対応

フォーティネット社は本日、同社のセキュリティ製品FortiGate/TMシステムおよびFortiClient Host Securityソフトウェアが、Soberウイルスの最新亜種W32/Sober.M−mm(別名Sober.L)に対応したことを発表しました。(2005年3月7日)

(ク)フォーティネット社のFortiClient ソフトウェア、権威あるウイルス関連情報誌Virus Bulletinによる「VB 100%認定」を取得

フォーティネット社は本日、FortiClient Host Securityソフトウェアが、その卓越したウイルス検知能力によって、Virus Bulletin誌、の「Virus Bulletin 100%」認定を受けたことを発表しました。(2005年3月1日)

(ケ)フォーティネットのFortiClientが8度目のVirus Bulletin(VB)100%賞を受賞

フォーティネットは本日、同社のクライアントセキュリティソフトウェアFortiClient/TMが、その強固なアンチウイルス機能を評価され、8度目のVirus Bulletin(VB)100%賞を受賞したことを発表しました。(2008年2月14日)

これらの記事から2004年から引用商標が使用されており、数多くの賞を受賞した高品質のソフトウェアとして取引分野では高く評価されてきたことがわかる。

イ 「株式会社データコントール‐FortiGate/ニュースの打ち出し」(甲第3号証)

この中で「FortiClient 16F1000」、「FortiClient 16F1001」、「FortiClient 16F1002」、「FortiClient 16F1003」、「FortiClient 16F1004」、「FortiClient 16F1005」の小売価格が述べられている。

この資料は「Copyright(C)2004」の記述があることから、2004年に発行されたことがわかる。

ウ 「CNET Japan」(甲第4号証)

「FortiClient」が米国その他の国で登録されている旨及び「FortiClient」の宣伝広告がされている。

エ 「Enterprise Watchの打ち出し 他ベンダのログデータも分析できるレポーティングツール」(甲第5号証)

申立人のマーケティング担当者とのインタービューが掲載されており、その中に「FortiClient」についての記述がある。このインタビュー記事の最後に(真実井宣崇2004/7/02:20:18)となっているから、この記事が2004年7月2日のものであることがわかる。また、「Copyright(C)2004」の記載から少なくともこの記事が2004年のものであることは明らかである。

オ 「ASCII24の打ち出し 米フォーティネット・マーケティング担当者インタビュー」(甲第6号証)

「エンドポイント、つまりクライアントのセキュリティー対策“FortiClient”(現在β版)」と言及がされている。その日付が2004年7月15日となっている。また、申立人及びその子会社が2004年7月15日に幕張メッセで開催された展示会に自己の商品を展示したことが述べられている。

カ 「NetWave その他のFortiGateファミリー」(甲第7号証)

「FortiClient」についての言及がされている。その中で「Copy Right 2005」の記述があることから、この資料が2005年に頒布されたことは明らかである。

キ 「NETWORK MAGAZINE 2007年4月号」(甲第8号証)

この雑誌中で「FortiClient」についての言及がされている。

この雑誌はその内容から専ら本件商標の指定商品の需要者を対象にしていることは明らかである。

ク 「売上表」(甲第9号証)

ケ 「富士通サポート&サポート株式会社から図研ネットウェイブ株式会社宛注文書」(甲第10号証)

この注文書から2004年5月24日当時に「FortiClient」が使用されていたことは明らかである。図研ネットウェイブ株式会社は申立人の商品の販売元である。

コ 「フォーティネットジャパン株式会社パンフレット2006年」(甲第11号証)

この中で「FortiClient」についての言及がされている。同パンフレットには「Copyright 2006Fortinet」の記述があることから、2006年のものであることは明らかである。

サ 「FortiGateパンフレット」(甲第12号証)

この中で「FortiClient」についての言及がされている。

シ 「フォーティネットジャパン株式会社パンフレット」(甲第13号証)

この中で「FortiClient」が紹介されている。

ス 「英文パンフレット」(甲第14号証)

セ 「フォーティネットジャパン株式会社のFortiClientのホームページの打ち出し」(甲第15号証)

(3)上記証拠方法の多くがインターネットのホームページによるものであるが、今日のインターネットの普及度からすれば、インターネットを通じての事象の浸透度は新聞、雑誌、テレビ等のマスメディアによるものと変わらないようになっている。インターネットを通じて毎日のように情報を入手することは21世紀になって日常的なものとなっているといえる。特に、本件の指定商品中でもコンピュータシステムやネットワークの分野では他の分野に比べ、インターネットに精通しているものであり、インターネットの利用度は他の取引分野に比べ圧倒的に大きい。そして、新聞、雑誌、テレビ等のマスメディアよりも商品の宣伝広告や商品の紹介並びに商品情報の入手をインターネットを通じて行なうことが多い。これらの事実は特許庁においても顕著な事実であると思われる。

ここで提出された証拠方法からして、引用商標は2004年から遅くとも日本で紹介されていたことは明らかである。そして、インターネットを通じて引用商標が頻繁に取り上げられ、申立人が日本に子会社を設立して今日まで不断に販売活動を行なっていたことからすれば、本件商標が出願された平成19年12月28日時点では引用商標は既に周知著名なものとなっていたと考えられる。

3 商標法第4条第1項第10号

引用商標が使用されてきた商品「ソフトウェア」と本件商標の指定商品とが抵触することは明らかある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるといえる。

4 商標法第4条第1項第15号

本件商標の指定商品と引用商標が使用されてきた商品「ソフトウェア」とは極めて密接なる関係のある商品である。そして、引用商標は全体としては何らの観念をも有しない造語であり、申立人の商標以外に何らの意味をも有しないものである。したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合には当該商品が申立人ないしは同人と資本的関係のある者の業務に係るものであるとその出所の混同を生じるは必定である。

とりわけ、以下に述べる本件における事情に鑑みれば、なお一層出所の混同を生じるおそれが高い。

本件商標と引用商標は全く同一の商標である。同一の取引分野において、二つの語を組み合わせてなる商標が偶然に全く別の者によって採択使用されるとは到底考えられない。むしろ、同一の者によって採択使用されているものであると捉えるのが自然である。これまで述べてきたことから明らかなように、本件商標の指定商品の需要者が、引用商標が遅くとも2004年から使用されておりインターネット上、取り上げられてきたことに鑑みれば、「ソフトウェア」に使用された引用商標を目にしたことは疑いようもない。

加えて、申立人は「Forti○○○」なる商標を数多く使用しており、その中には「FortiGate」のような極めて著名なものも含まれている。したがって、需要者の間には「Forti○○○」なる商標が申立人のものであるとの認識が定着しているといえる。そのため、需要者は「Forti○○○」なる商標を申立人のシリーズ商標の一つと捉えるものである。

そして、本件商標の指定商品であるコンピューターやルーター等の機器と引用商標が使用された「ソフトウェア」とは同じ者によって同じ場所で用いられるものである。

以上のことからして、引用商標と構成文字までもが全く同じ本件商標が使用されていれば、誰もが当該商品が申立人ないしは同人と資本的関係のある者の業務に係るものであると誤認してしまう。

であるとすれば、仮に、引用商標の周知著名度がさほど高いものではないとしても出所の混同は生じるものといえる。逆に言えば、本件においては出所の混同の度合いが極めて大きいのである。

現実の取引においては、問題となる商標の周知著名度のみによって出所の混同が生じるか否かが決まるものではなく、問題となる二つの商標の類似の程度、問題となる商標が使用される商品が同じ場所で同時に使用される等の事情によって決まるものである。商標が同一である場合には類似の場合に比べ出所の混同を生じる可能性は極めて高いものとなることは取引の経験則上明らかである。

商標法第4条第1項第15号の規定が現実の取引における出所の混同を防止する趣旨である以上、その適用にあたっては問題となる商標の周知著名度のみならず、二つの商標の類似の程度及び商品についての事情をも勘案すべきである。

以上述べたことからして、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるといわざるを得ない。

5 商標法第4条第1項第19号

引用商標は造語であり、「Forti」の部分は申立人の名称の「Fortinet」の前半部分から採ったものであることは容易に理解できる。引用商標はこれに「Client」を組み合わせたものである。しかるに、本件商標の登録名義人が引用商標とその大文字小文字まで完全に一致する本件商標「FortiClient」を敢えて採択する理由は何ら見出せなかった。少なくとも出願前5年前から使用されてきた商標と全く同じ商標が同じ取引分野でしかも造語からなるにもかかわらず、たまたま採択されることは考え難い。

本件商標は不正の目的をもって使用されると考えるのが自然である。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるといわざるを得ない。

6 商標法第4条第1項第7号

商標は採択行為であったとしても、商道徳に反して商標を採択されることは許されるものではい。これまで、述べてきたことから明らかなように、引用商標は日本において2004年から申立人がその日本の子会社を通じて不断に使用し続けてきた。そして、引用商標が申立人の名称の一部と他の語を組み合わせてなるものである点及び大文字小文字まで完全に一致する点で、本件商標がたまたま一致したものとは考え難い。少なくとも、本件商標は少なくとも引用商標を知った上で採択されたと考えるが自然である。

引用商標が5年にわたって使用されてきたというから当該商標がある程度の顧客吸引力を有する財産的価値あるものといえる。しかるに、引用商標が登録されていないことを奇貨として第三者がこれを自己の商標として採択登録することは商道徳に反するものである。

商標法第4条第1項第7号の「公の秩序」には取引の秩序を維持する商標法の趣旨からして商道徳も含まれると解すべきである。したがって、商道徳に反して採択登録された本件商標は商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであるといえる。

7 まとめ

以上述べた如く、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 本件商標が、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当するというためには、商標登録出願の時にも当該各号に該当しななければならない(同法第4条第3項)。

甲第4号証は、第1葉目において、「最終更新時刻:2009年2月24日(火)23時18分」と記載されている。

甲第7号証は、第7葉目において、「2008年8月」と記載されている。

甲第12号証は、第8葉目において、「2008年5月」と記載されている。

甲第15号証は、第2葉目において、「円の中にCの文字を表した記号 2009 FORTINET INC.ALL RIGHTS RESERVED」旨記載されており、「円の中にCの文字を表した記号」は著作権を、「2009」の文字は、2009年をそれぞれ表したものと認められる。

上記の甲各号証は、本件商標の登録出願の時より後に作成されたものであるから、これらの証拠をもって、本件商標が、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当するということはできないものである。

2 引用商標「FortiClient」の周知・著名性について

甲第2号証は、申立人の子会社であるフォーティネットジャパン株式会社のプレスリリース(報道機関向けに発表された資料)の写しと認められる。

甲第3号証は、ホームページの写しと認められる。

甲第5号証及び甲第6号証は、インターネットによる申立人及びフォーティネットジャパン株式会社の業務についての紹介の写しと認められる。

甲第8号証は、雑誌「ネットワークマガジン」の写しと認められるところ、同誌の発行部数が明らかではない。

甲第9号証は、「売上表」の写しと認められるところ、単位が記載されていなものである。

甲第10号証は、「注文書」の写しと認められるところ、富士通サポート&サービス株式会社が、図研ネットウェイブ株式会社に対し、型番「FH−1−ZNW」の品名「FORTICLIENT」を2個発注している。

甲第11号証は、フォーティネットジャパン株式会社の商品を紹介したパンフレットの写しと認められるところ、発行年月日が不明である。

甲第13号証は、申立人及びフォーティネットジャパン株式会社の業務を紹介したパンフレットの写しと認められる。

甲第14号証は、「英文パンフレット」の写しと認められる。

申立人提出に係る甲各号証を徴すると、申立人は、ネットワークのセキュリティ用のソフトウェアに引用商標「FortiClient」を使用していることは認められるものの、その使用頻度は決して多いとはいえないものであるから、これらの証拠では、本件商標の登録出願時及び登録査定時において既に、申立人が、ネットワークのセキュリティ用のソフトウェアに使用する商標として、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識され、周知・著名性を獲得するに至っていたとは認め難いものである。

3 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

引用商標は、上記認定のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において既に申立人がネットワークのセキュリティ用のソフトウェアに使用する商標として、需要者の間に広く認識されるに至っていたものとはいい難いものである。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しないものである。

また、本件商標に接する需要者等が、直ちに申立人のネットワークのセキュリティ用のソフトウェア、あるいは申立人又は同人の子会社フォーティネットジャパン株式会社であることを想起するとはいい難いことから、本件商標をその指定商品に使用しても、申立人、又は同人と関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるとはいえないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。

4 商標法第4条第1項第19号及び同第7号について

上記1のとおり、引用商標は、申立人がネットワークのセキュリティ用のソフトウェアに使用する商標として、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識され、周知・著名性を獲得するに至っていたとはいい難いものであるし、また、甲各号証によって、商標権者が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものであると認めることができない。

そうとすれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しないものである。

さらに、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標でもなく、かつ国際社会における信義に反するものともいえないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しないものである。

5 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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