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Trademark Appeal Case

周知商標の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900489(T2008−900489/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5165592号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5165592号商標(以下「本件商標」という。)は,「FOX」の欧文字を標準文字で表してなり,平成18年10月23日に登録出願,第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品として,同20年9月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要点)

登録異議申立人「フォックス ファクトリー,インコーポレイテッド」(以下「申立人」という。)は,申立人の使用に係る商標として,別掲(1)及び(2)のとおりの構成からなる標章を引用している(以下「引用各標章」という。)。

そして,申立人は,1974年にアメリカにおいて,マウンテンバイクを始めとする,オフロードカー,モトクロスバイク及びスノーモービル用のサスペンションブランドとして「FOX Racing Shox(フォックス レーシング ショックス)」を創設し,サスペンションユニットとしてフルサスペンションが出始めの頃から,30年以上一貫して,高性能なサスペンション製品を開発してきた。現在,申立人のブランド「FOX Racing Shox(フォックス レーシング ショックス)」又は「FOX」は,サスペンションの世界的なブランドとして認知されるに至っている。

また,我が国においては,この「FOX Racmg shox(フォックス レーシング ショックス)」又は「FOX」ブランドのサスペンションが装着されたバイクが,1990年代中頃より販売され,申立人は1999年に「有限会社マムアンドポップ」と輸入総代理店の契約を結び,勢力的に販売・広告活動をすすめてきた旨述べて,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第15号及び同第19号に該当するものであるから,その登録は取り消されるべきであると申し立て,各申立根拠条項について以下のように主張し,証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第10号について

本件商標の登録出願日である平成18年10月23日における引用各標章の周知・著名性を考慮すれば,それぞれの構成文字に相応して,本件商標と共通の「フォックス」との称呼及び「きつね」との観念が生じるものである。そのため,本件商標は,引用各標章と類似する。また,本件商標の指定商品中「陸上の乗物用機械要素」は,申立人が引用各標章を使用する商品と同一又は類似するものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用各標章は,前記のとおり,本件商標の登録出願日以前に,申立人の製造,販売する商品の出所表示として,周知,著名なものとなっていたものである。そのため,本件商標が指定商品ついて使用された場合,これに接する需要者,取引者は,当該商品が恰も申立人の業務に係る商品であるか,あるいは,申立人と組織的・経済的に何らかの関係にあるものの業務に係る商品であるかの如く誤認し,商品の出所について混同するおそれがある。

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は,周知,著名な引用各標章と類似し,また,本件商標の登録出願は,商標権者のモトクロスライダーチームと申立人の兄弟会社とパートナー関係を結ぶ直前に行われており,商標権者は申立人の製品を知っていたと考えるのが自然であるから,本件商標は,外国において周知な他人の商標と類似の商標について,我が国で登録されていないことを奇貨として,先取りすることを意図した「不正の目的」に基づく登録出願であると推論せざるを得ない。

3 当審の判断

(1)引用各標章について

申立人は,1974年にアメリカにおいて設立して以来,引用各標章を「サスペンション」などについて使用し,遅くとも本件商標の登録出願日当時においては,引用各標章は,需要者間において世界的ブランドとして周知・著名性を獲得している旨主張し証拠を提出している。

しかしながら,申立人の提出した証拠によれば,申立人が引用各標章を自転車のサスペンションに使用していることは認められるものの,本件商標の登録出願前における我が国においての紹介や広告は,2002年10月19日,2004年5月10日及び2006年5月10日の各発行日のマウンテンバイクに係る雑誌(甲第7号証ないし甲第9号証)への掲載のみであり,1999年に申立人が「有限会社マムアンドポップ」と輸入総代理店の契約を結び,勢力的に販売・広告活動をすすめてきた旨を述べるところの状況は明らかでなく,また,その具体的な広告の費用,回数及び期間などが不明である。そして,それ以外の2006年12月号と思われるフリーマガジンやウェブページなどの甲各号証は,いずれも本件商標の登録出願日以降のものである。

さらに,日本国内はもとより,アメリカを含め日本国外における申立人製品の販売量や広告宣伝実績などの状況も示されていない。

以上のとおり,提出された証拠によっては,引用各標章が本件商標の登録出願時において,申立人の業務に係る「サスペンション」などを表示する商標として日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

(2)申立て根拠条項の該当性について

前記(1)のとおり,引用各標章は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標ではないから,たとえ,これが本件商標と類似するところがあるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。

そして,商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する需要者が申立人の使用に係る引用各標章を連想又は想起させるものとはいえず,その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く,その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ではないから,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

さらに,前記(1)のとおり,引用各標章は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,日本国内のみならず外国における需要者の間に広く認識されていた商標ではないこと,また,商標権者は,「FOX」の欧文字からなり,第12類「輸送機械器具,その部品及び付属品(他の類に属するものをのぞく)」を指定商品とする登録第1915566号商標(平成18年11月27日に存続期間満了)の商標権者であったこと,加えて,本件商標が「不正の目的」に基づく登録出願であることを具体的に示す証左もないことなどを総合すれば,本件商標は,引用各標章と類似するところがあるとしても,不正の目的をもって使用するものではなく,商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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