Trademark Appeal Case
周知商標の結合商標類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900027(T2009−900027/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5173427号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年9月18日に登録出願、第30類「茶,コーヒー及びココア」他、第1類ないし第3類、第6類ないし第8類、第11類、第14類、第16類、第20類ないし第22類、第24類、第26類、第28類、第32類、第34類及び第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年8月21日に登録査定され、同年10月17日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりである。
(1)登録第1563294号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和53年6月23日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年1月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回なされ、さらに、平成15年8月13日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4266715号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成9年10月24日に登録出願、第5類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月23日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4444047号商標(以下「引用商標3」という。)は、「RICOLA」の文字を標準文字で表してなり、平成11年8月5日に登録出願、第5類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年1月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは「引用各商標」という。
2 理由の要点
(1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する。
(2)具体的理由
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「RICOLAND」の欧文字を横書きに書した文字の上に図形を配してなり、その文字部分に呼応して「リコランド」の称呼を生じる。
引用商標1は、「リコラ/Ricola」の欧文字を2段書きに書してなり、引用商標2は「Ricola」、引用商標3は「Ricola」の欧文字をそれぞれ横書きに書してなるものであるから、引用各商標からは「リコラ」の称呼を生じる。
本件商標と引用各商標は、称呼は相違するものの、後述のように、引用各商標は我が国の需要者に広く認識されていることから、引用商標と同一の綴りである「RICOLA」と他の文字を結合した本件商標は、引用各商標と類似するものである。
また、本件商標の第30類の指定商品と引用各商標の指定商品とは、抵触する。
したがって、本件商標は、引用各商標と類似する商標であり、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号について
(ア)商標「Ricola」の周知性
商標「Ricola」を付したハーブキャンディー(以下「リコラキャンディー」という)は、1940年にスイス・ラウフェン市で製造・販売が開始され、ヨーロッパ各国で人気を博することとなった(甲第5号証ないし甲第13号証)。
日本においては、1972年から販売が開始され(甲第15号証)、テレビCM等を積極的に行った結果、我が国におけるハーブキャンディーの先駆的存在として需要者に知られることとなった。
現在、株式会社日食が輸入代理店として国内での販売を手がけているが、リコラキャンディーは、プラザスタイル、成城石井、明治屋、カルディコーヒー、ジュピターコーヒー、トモズ、紀伊国屋、ディーン&デルーカ、カルフール、大丸ピーコック、クィーンズ伊勢丹、ガーデンズ、プレッセ等全国の大手スーパーや百貨店輸入菓子グローサリーにおいて販売されている。
また、リコラキャンディーの販売数量及び売上高は甲第14号証に示すとおりであるが、販売個数にして90万個〜100万個、売上高も2億円以上となっている。
さらに、株式会社日食は、リコラキャンディーを同社の主力商品の一つとして販売しており、「Ricola」のパンフレットを作成・配布したり(甲第5号証、甲第6号証)、同社取扱商品のパンフレットに掲載するなどしてリコラキャンディーの販売に力を入れている(甲第7号証ないし甲第10号証)。
また、新聞・雑誌にも広告を掲載するなどして(甲第11号証ないし甲第13号証)販売促進に努めている。
上述のような営業・販売促進活動によって、商標「Ricola」は申立人の営業に係る商品として我が国の需要者によく知られることとなった。
(イ)混同のおそれ
上記のように、「Ricola」の商標は、申立人の営業に係る商品を表すものとして我が国の需要者によく知られている。
そして、本件商標「RICOLAND」は、申立人の営業に係る商品を表すものとして我が国の需要者に良く知られている「Ricola」と他の文字を結合してなる商標であるから、混同を生ずるおそれのあるものと推認して取り扱うべきである。
また、本件商標の指定商品である「茶,コーヒー及びココア」は、商標「Ricola」が用いられている「キャンディー(菓子)」と販売部門や需要者の範囲が一致する相互に関連の深い商品であるといえる。したがって、需要者間に周知と認められる商標「Ricola」と明らかに類似する本件商標を指定商品に使用すれば、申立人の業務に係る商品であると誤認混同を生じるおそれが極めて大きい。
(3)上記理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と「RICOLAND」の欧文字とからなるところ、その構成上、「RICOLAND」の欧文字部分も自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。
そして、「RICOLAND」の欧文字は、同書、同大、等間隔で書されており、これより生ずるものと認められる「リコランド」の称呼も格別冗長とはいえないものであって、無理なく一気一連に称呼し得るものであるから、該構成文字全体に相応して、「リコランド」の称呼を生ずる一体不可分の一種の造語を表したものとみるのが自然である。
他方、引用各商標は、別掲(2)、(3)及び上記第2に記載のとおり、「リコラ」の文字とややデサイン化した「Ricola」の文字、ややデサイン化した「Ricola」の文字、及び「RICOLA」の文字よりなるものであるから、これらよりは、「リコラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語というのが相当である。
そうとすれば、本件商標から生ずる称呼の「リコランド」と引用各商標から生ずる称呼の「リコラ」とは、その構成音数において明らかな差異を有し、音感、音調を異にするものであるから、称呼上十分区別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては比較できないものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用各商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る甲第5号証ないし甲第15号証を徴するも、本件商標とは、その印象を全く異にするものである。
そうすると、仮に、引用各商標が商品「キャンディー(菓子)」に使用され、需要者の間で広く認識されていたとしても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
3 まとめ
したがって、本件商標は、異議申立てに係る指定商品、第30類「茶,コーヒー及びココア」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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