Trademark Appeal Case
複合商標の称呼・観念類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900030(T2009−900030/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5173759号商標(以下「本件商標」という。)は、「IT−Guardians」の文字を標準文字で表してなり、平成19年3月7日に登録出願、第9類及び第42類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年9月9日に登録査定、同年10月17日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4644761号商標(以下「引用商標」という。)は、「GUARDIAN」の欧文字と「ガーディアン」の片仮名文字とを二段に書してなり、平成13年3月16日に登録出願、第19類「合わせ板ガラス,装飾ガラス,発光ガラス,放射線遮断ガラス,強化ガラス,その他の建築用ガラス」、第20類「鏡,家具,額縁」及び第21類「家具用ガラス,額縁用ガラス,その他のガラス基礎製品(建築用のものを除く。)」を指定商品として、同15年2月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 本件登録異議申立ての理由(要点)
本件商標は、申立人が所有する広く一般に知られている引用商標と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨主張し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標「IT−Guardians」は、「―(ハイフン)」により分離して看取され、識別力を有する「Guardians」をもって取引に供される。該文字と、引用商標「GUARDIAN」及び「ガーディアン」とは、複数形か単数形の相違でしかなく、外観、称呼及び観念のいずれもが近似する。よって、本件商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、指定商品も類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人が商品「建築用ガラス,家具用ガラス,額縁用ガラス,その他のガラス基礎製品(建築用のものを除く。)」について使用し、取引者、需要者間に広く知られて認識されている商標であるから、これと類似する本件商標がその指定商品中「加工ガラス(建築用のものを除く。)」に使用した場合には、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「IT−Guardians」の文字を、同じ書体、同じ間隔により外観上まとまりよく標準文字で表されてなるものである。
そして、その構成中「IT」の文字は、「情報技術」の意味を有する文字として広く一般に使用されており、また、「Guardians」の文字は、「保護者、管理者」等(「小学館ランダムハウス英和大辞典〈特装版〉」株式会社小学館発行)の意味を有する英語「guardian」の複数形であることから、全体として「情報技術の管理者(達)」程の意味合いを認識させるものであり、また、構成文字全体に相応して生じる「アイティーガーディアンズ」の称呼も、やや冗長ではあるものの、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、本件商標は、その構成全体をもって、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
そうとすると、本件商標は、「アイティーガーディアンズ」のみの称呼を生じ、かつ、「情報技術の管理者(達)」程の意味合い(観念)を認識させるものといわなければならない。
他方、引用商標は、「GUARDIAN」の欧文字と、「ガーディアン」の片仮名文字とを二段に書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ガーディアン」の称呼を生じ、かつ、「保護者、管理者」等の意味合い(観念)を認識させるものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、外観においては、それぞれの構成は前記のとおりであり、その構成上顕著な差異を有し、また、称呼においては、それぞれから生じる「アイティーガーディアンズ」と、「ガーディアン」の比較において、語頭における「アイティー」及び語尾における「ズ」の有無という明確な差異により、十分に聴別し得るものである。
さらに、観念においても、両商標は「情報技術の管理者(達)」と「保護者、管理者」という程の意味合いを認識させるものであるから、相紛れるおそれのないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点よりみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標が取引者、需要者に広く認識されている商標である旨主張し、甲第3号証ないし甲第7号証を提出しているので、これについて検討する。
ア 請求人が提出した上述の甲各号証によれば、次の事実が認められる。
(ア)甲第3号証は、申立人のホームページの写しであり、その左上部に「GUARDIAN」の文字及び本文には「ガーディアン・ジャパン・リミテッドは、ガーディアン・インダストリーズ社による100%出資の会社です。米国本社ガーディアン・インダストリーズ社は、ミシガン州アーバンヒルズを本拠地とし、産業用及び住宅建設用フロートガラス、加工ガラスを生産する世界最大級のガラスメーカーです。当社は、日本市場において10年以上の実績を持ち、常に高品質なガラスを提供し続けています。」の記載がある。
また、「沿革」の項に、「1990年(平成2年)日本の販売拠点としてガーディアン・ジャパン・リミテッド開設。」、「製品情報」の項に、「鏡、フロート板ガラス」等とそれぞれ表示され、さらに、各頁の右下には「2009/04/16」と記載されている。
(イ)甲第4号証は、申立人のパンフレットの写しであり、表紙には「GURADIANJAPAN」及び「ガーディアン・ジャパン・リミテッド」の文字が記載され、3頁には、「ガーディアン・ジャパン・リミテッドは、日本の市場に於いて、10年以上にわたり、ガーディアン社の高品質なガラスを安定的に提供し続けています。」と記載されている。
(ウ)甲第5号証は申立人の製品案内の写し、甲第6号証は申立人の製品カタログの写し及び甲第7号証は申立人の建築用ガラスのカタログの写しであり、それらには、各種ガラス製品の紹介や規格等の記載があり、また、表紙、裏表紙等には、「GURADIANJAPAN」、「ガーディアン・ジャパン・リミテッド」、「GURADIAN」及び「ガーディアン」の文字が記載されている。
なお、甲第7号証の最終頁の下段には「C(「C」は丸付き)1992年、ガーディアン・インダストリーズ・コーポレーション社版権保有USAにて印刷、GUA4−16 5M 5/94」と記載されている。
イ 前記事実からすれば、申立人は、米国ミシガン州を本拠地とする、産業用及び住宅建設用フロートガラス、加工ガラスの生産を行うガーディアン・インダストリーズ社の100%出資の会社で、1990年に日本の販売拠点として開設され、ガーディアン・インダストリーズ社の製品を我が国において10年以上提供しているものと認められる。
しかしながら、甲第3号証は、本件商標の登録出願日及び登録査定日以降の2009年4月16日にプリントされたものであり、また、甲第4号証ないし甲第7号証は、それらの発行年月日を確認することができないものである。
なお、甲第7号証は、最終頁の下段の記載から発行年が1992年以降と推認されるものの、甲各号証には、例えば、商標の使用開始時期及び使用期間、商品の生産量及び売上高等の周知、著名性を裏付ける具体的な証左が何ら示されていないものである。
そうとすれば、引用商標は、本件商標の登録出願の時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されている商標であったとは到底認めることはできない。
ウ してみれば、引用商標は、取引者、需要者に広く認識されている商標であるとは認められず、また、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であること上述(1)のとおりであるから、本件商標は、これをその指定商品中「加工ガラス(建築用のものを除く。)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、申立人の業務に係る商品を連想又は想起するものとは認められず、さらに、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。