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Trademark Appeal Case

著名「フローラ」と商標類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900274(T2008−900274/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5125749号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5125749号商標(以下「本件商標」という。)は,「フローラバッグ」の片仮名文字を標準文字により表してなり,平成19年8月23日に登録出願され,第18類「かばん類,手提げかばん,不織布製手提げかばん,不織布製手提げバッグ,袋物,不織布製袋物,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として平成20年4月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,登録異議の申立ての理由(要旨)を次のように主張し,甲第1号証ないし甲第390号証を提出した。

(1)本件商標は,申立人が商品(スカーフ,バック,被服等)に使用している「花柄模様」の名称を表し,「バック」について周知・著名となっている「フローラプリント」に類似するから,本件の指定商品中の「かばん類,手提げかばん」等のバックに類似する商品については,商標法第4条第1項第10号に該当する。

(2)本件商標は,これを第18類の指定商品に使用すると,「フローラプリント」の柄を使用した申立人の商品(靴,バック等)の総称として,申立人が使用し周知・著名となっている「THE FLORA COLLECTION」又は,「被服」について周知・著名となっている「FLORA/フローラ」(登録第4948781号商標)との関係において,出所混同を生ずるおそれがあるから,商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)商標権者は,「フローラプリント」の存在を知りながら,その顧客吸引力にフリーライドする等の目的で,これと類似する本件商標を出願し,登録を受けたから,本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由

商標権者に対し,平成21年3月13日付けで通知した取消理由の要旨は,次のとおりである。

(1)申立人の提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。

(ア)2006年6月5日発行の米国の雑誌「WWDMilestones」(甲第6号証)には,「グレース王妃が50年ほど前にミラノの申立人店舗に立ち寄った際に,その店舗のマネジャーRodolfoからプレゼント贈呈の申し出を受け,花柄のシルクのスカーフがよいと伝えたことから,複雑な色合いの模様がデザインされた。Rodolfoは,このとき誕生したFloraスカーフが,その後Gucciがアパレルビジネスに参入するきっかけとなり,Gucciブランドの中でもあこがれの商品ラインの1つに変貌し,Frida Giannini(Flora模様を2004年に復活させた人物)をアクセサリー・ディレクターから専任クリエイティブ・ディレクターへと駆り立てるようになるとは夢にも思っていなかった。」旨記述されている。

(イ)上記花柄の模様は,本国官庁をイタリア共和国として国際登録(第860517号)されている。ただし,我が国では未だ設定登録されていない(甲第4号証)。

(ウ)株式会社アクタスソリューションが2005年9月25日に発行した書籍「GUCCI Gから始めるスタイルアップ」(甲第7号証)には,その62及び63頁に見開きで「フローラルプリント」の表題の下に,花柄模様を付した各種バッグ,財布が掲載されると共に「このプリント柄は,モナコのレーニエ大公とグレース・ケリーの結婚式の引き出物として提供したスカーフを再現したもの。当時,スカーフの扱いがなかったグッチは,シルク職人たちの技術を集結させ,見事に大役を果たしました。」との説明文が付されている。

(エ)株式会社アシェット婦人画報社発行「30ANSトランタン」2005年2月号(甲第8号証)には,花柄模様を付したバッグ又は婦人靴の写真と共に大きく書された「GUCCI」の文字の下に「INTRODUCING THE FLORA COLLECTION」の文字を記載した広告が掲載されているほか,同様の広告は,同年2月から4月にかけて出版された「BAILA」,「Domani」,「madame FIGARO」,「GINZA」,「Grazia」,「家庭画報」,「Precious」,「ELLE」,「FRaU」等の女性向け各種雑誌に掲載されている(甲第9ないし第31号証)。

(オ)申立人の商品カタログ(甲第32号証)には,「the flora collection」として花柄模様を付した女性用靴が掲載されているほか,掲載商品の説明頁には,「ミディアムヒールスライド フローラキャンパス」,「ミディアムトート フローラキャンパス バンブーハンドル」,「ミディアムヒールパンプス フローラキャンパス」,「ミディアムホーボーバッグ フローラキャンパス ピストン式留め具」等の商品名が商品番号や価格と共に記載されている。

(カ)アメリカンエキスプレスのインターネットウェブページ(甲第34号証)には,「今しか入手できない限定品を,寛ぎのスペースでゆっくりと『GUCCI』ホリデーコレクション・ショッピング・ナイト」の見出の下に,「GUCCIホリデー・ショッピングのために製作されたユニセフプロジェクトを支援する15の限定商品をはじめ,2007年の春物ニューコレクションや,・・・・中でも『フローラ・ジョイ』は,グッチがモナコのグレース王妃のために1966年にデザインした『フローラ』プリントにシーズンならではのテイストを加えたもので,・・・」と記述され,花柄模様を付したバッグの写真が掲載されており,日時・会場として「2006年11月23日(木)19:00〜21:00」,「GUCCI銀座店」等が記載されている。

(キ)株式会社イングラムのインターネットウェブページ(甲第35号証)には,「5:GUCCIがユニセフのための限定コレクションを販売!」の見出の下に,「・・・その気になるコレクションは,1966年にモナコのグレース王妃のためにデザインされたフローラ・プリントをベースに作られたフローラ・ジョイを人気モデルのPositanoやPelhamに落とし込んだもの。・・・」と記述され,花柄模様を付したバッグの写真が掲載されている。

(ク)株式会社小学館発行「Domani」2007年2月号(甲第36号証)には,数頁にわたって申立人の業務に係る花柄模様を用いた婦人服,婦人靴,バッグ等の写真が掲載され,商品説明として「・・・鮮やかなフローラプリント・・・。」,「フローラプリントのかわいらしさと,素材のリッチ感。」,「ジャケットの襟裏に潜むフローラプリント。」,「かつて”グッチ”がグレース王妃のためにデザインしたという軽やかなフローラプリント」,「白のキャンバスに刺しゅうされた繊細なフローラ・・・カジュアルとリッチのバランスが・・・」,「華やかなフローラ刺しゅう」等の記述がされている。

(ケ)申立人の「spring summer collection 2007」と題する商品カタログ(甲第37号証)には,花柄模様を付したバッグ,婦人服等の写真が掲載され,商品名として「フローララージオーバーバッグ」,「フローラウェッジソールサンダル」等と記載されている。

(コ)インターネットのGoogle検索サイトにおける「フローラプリント バッグ」のキーワード検索では約18,800件がヒットし,同じく「フローラコレクション バッグ」のキーワード検索では約26,500件がヒットし,それらの多くは申立人の商品に係るものであり,それらウェブサイトにおいては花柄模様を付したバッグの写真と共に「1956年,グレース・ケリーの結婚式の引き出物としてグッチがプロデュースしたスカーフの柄『フローラ』。そのフローラプリントのヴィンテージバッグです。」等の記述がされているものや「『フローラ』とは,モナコ王妃となったハリウッド女優『グレース・ケリー』の結婚式の引き出物としてデザインされた,GUCCIオリジナルの花柄プリントのことです。」等の記述がされているもの,花柄模様を付した財布の写真と共に「フローラコレクション長財布」,「あの限定フローラコレクションが入荷!」等の記述がされているものがある(甲第38及び第39号証)。

(2)上記(1)の認定事実を総合すると,花,植物及び虫をモチーフにした複雑な色合いの花柄模様(以下「使用標章」という。)は,「フローラプリント」又は「フローラ」と呼ばれ,また,使用標章を用いたバッグ等の一群の商品は「FLORA COLLECTION」と称され,申立人の業務に係るバッグ,婦人靴等を表示するものとして,本件商標の登録出願時には既に取引者,需要者の間に広く認識されていたものというべきであり,その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものと認められる。

(3)他方,本件商標は,前記1のとおりの構成からなるところ,その構成中の「バッグ」の文字が指定商品を表す普通名詞であることから,「フローラ」と「バッグ」の2語からなるものと認識し理解され,かつ,「フローラ」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部として認識し把握されるものというべきである。そして,該「フローラ」の文字は上記(2)の「フローラプリント」,「フローラ」又は「FLORA COLLECTION」の一部又は全部と一致するものである。

また,本件の指定商品は,使用標章が使用されているバッグ,財布,婦人靴等とは,いずれもファッション関連商品という意味において密接な関係を有するものといえる。

(4)以上を総合すると,本件商標をその指定商品に使用した場合には,これに接する取引者,需要者は,その構成中の「フローラ」の文字部分に注目し,周知著名となっている使用標章ないしは申立人を連想,想起し,該商品が申立人又は同人と経済的,組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く,その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから,その登録を取り消すべきものである。

4 商標権者の意見

商標権者は,上記3の取消理由に対し,指定した期間内に意見を述べていない。

5 当審の判断

上記3の取消理由は,妥当なものであるから,本件商標の登録は,商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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