Trademark Appeal Case
商標の称呼・外観類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−685005(T2007−685005/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第872218号商標(以下「本件商標」という。)は,「MEDONIC」の欧文字からなり,2005年(平成17年)5月25日を国際登録の日とし,第10類「Surgical,medical and veterinary apparatus,instruments and devices including automatic blood−cell counters and hematology systems;parts and fittings for the above−mentioned goods included in this class.」を指定商品として,平成19年5月11日に設定登録されたものある。
2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用し,その商標権が現に有効に存続ている登録商標は,以下のとおりである。
(1)登録商標第994650号(以下,「引用商標1」という)
商標の構成:MEDTRONIC
登録出願日:昭和44年9月9日
設定登録日:昭和48年1月20日
書換登録日:平成16年4月14日
指定商品 :第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録商標第1728102号(以下,「引用商標2」という)
商標の構成:別掲(1)
登録出願日:昭和55年9月5日
設定登録日:昭和59年11月27日
書換登録日:平成17年6月15日
指定商品 :第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録商標第1994431号(以下,「引用商標3」という)
商標の構成:メドトロニック
登録出願日:昭和58年4月20日
設定登録日:平成62年10月27日
書換登録日:平成20年2月6日
指定商品 :第9類及び第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録商標第1994432号(以下,「引用商標4」という)
商標の構成:別掲(2)
登録出願日:昭和58年4月20日
設定登録日:昭和62年10月27日
書換登録日:平成20年2月6日
指定商品 :第9類及び第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(5)登録商標第4230909号(以下,「引用商標5」という)
商標の構成:別掲(3)
登録出願日:平成8年4月30日
設定登録日:平成11年1月14日
更新登録日:平成20年11月18日
指定商品 :第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(6)登録商標第4319051号(以下,「引用商標6」という)
商標の構成:MEDTRONIC KAPPA VPP
登録出願日:平成10年7月31日
設定登録日:平成11年9月24日
指定商品 :第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(7)登録商標第4434873号(以下,「引用商標7」という)
商標の構成:別掲(4)
登録出願日:平成11年5月4日
設定登録日:平成12年11月24日
指定商品・役務:第9類,第10類,第37類及び第42類に属する商標登録原簿記のとおりの商品及び役務
(8)登録商標第4434874号(以下,「引用商標8」という)
商標の構成:Medtronic
登録出願日:平成11年5月4日
設定登録日:平成12年11月24日
指定商品・役務:第9類,第10類,第37類及び第42類に属する商標登録原簿記のとおりの商品及び役務
以下,これらをまとめていうときには「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし同第84号証及び参考資料1及び2を提出した。
本件商標は,引用商標に類似する。また,申立人商標はハウスマークとして使用された結果,我が国において本件商標の先願権発生日以前に著名となっていたところ,本件商標は,申立人商標を付した商品との関係で出所の混同を生ずるおそれがある。
さらに,本件商標は,申立人商品を表示するものとして日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されている申立人商標と類似し,不正の目的をもって使用されるものである。
また,本件商標は,公正な競業秩序を乱す点で,公序良俗に反する。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同第15号,同第19号及び同第7号に該当するものであるから,その登録を取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,前記のとおり「MEDONIC」の欧文字からなるから,当該文字に相応し,「メドニック」の称呼を生ずるものであって,特定の語義を有しない造語を表したものとみるのが自然である。
他方,引用商標は,前記のとおり,「MEDTRONIC」,「Medtronic」又は「メドトロニック」のいずれかの文字,もしくは,これらのいずれかの文字に,図形又は他の文字を付加した構成からなるものであって,いずれも構成中の「MEDTRONIC」,「Medtronic」又は「メドトロニック」の文字部分が,独立して自他商品の識別機能を発揮するものといえるから,引用商標は,当該文字部分に相応し,「メドトロニック」の称呼を生ずるものである。そして,これらの「メドトロニック」の称呼を生ずる文字部分及びこれらの文字に図形又は他の文字を付加した全体構成からは,いずれも特定の観念を生ずるとはいえない。
そこで,本件商標から生ずる「メドニック」の称呼と引用商標から生ずる「メドトロニック」の称呼を比較すると,両称呼は,「ト」「ロ」の音の有無に差異を有するものである。そして,その差異音である「ト」の音は,破裂音である無声子音(t)と母音(o)が結した音であり,同じく,「ロ」の音は,弾音である(r)と母音(o)が結合した音であるから,共に明瞭に発音・聴取され得る音といえる。加えて,「メドトロニック」と全体を一連に称呼するときには,「トロ」の音の前後で一呼吸おかれ,「メド」「トロ」「ニック」と,それぞれの部分が明瞭に発音されるものといえる。
そうすると,本件商標と引用商標とは,「ト」「ロ」の音の有無が全体の称呼に及ぼす影響が極めて大きく,明瞭に聴別し得るものである。
また,本件商標と引用商標の外観を比較すると,「MEDONIC」の文字からなる本件商標と「MEDTRONIC」,「Medtronic」又は「メドトロニック」の各文字に図形又は他の文字を付加した構成からなる引用商標2及び引用商標4ないし7とは,全体の外観において判然と区別し得るものである。そして,文字のみからなる引用商標1,3及び8との比較においても,本件商標と引用商標3とは,欧文字と片仮名文字との文字表示の相違があり,引用商標1,8にしも,「TR」又は「tr」の有無の相違から,明らかに区別し得るものである。
さらに,本件商標と引用商標は,いずれも特定の観念を生ずるものではないから,観念上比較することもできない。
してみれば,本件商標と引用商標は,その外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号には該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号,同19号及び同第7号について
申立人の提出に係る証拠によれば,申立人は,1949年に設立された米国法人で,120カ国以上に製造施設,営業所,研究施設等を構える医療機器関連の企業であり,我が国においても,1975年設立の日本メドトロニック株式会社や1996年設立のメドトロニック ソファモア ダネック株式会社を通じて事業展開を行っていること,申立人は,2001年において,世界の医療機器大手メーカーの5位にランキングされ,また,日本メドトロニック株式会社が日本の医療機器企業の主要第50社の一にあげられていること(甲第32号証「財団法人国民経済研究協会発行の調査報告書」),申立人の取り扱いに係る商品の世界又は日本における市場規模及びシェアは,「埋込式除細動器」が,世界市場において(2002年),売上高10.41億ドル,シェア47.3%,「心臓ペースメーカ」が,日本市場において(2003年),売上高166億円,シェア34.7%を占めていること(甲第34号証「特許技術動向調査報告書」),「MEDTRONIC」,「Medtroic」又は「メドトロニック」(以下「使用商標」という)の各文字は,申立人及び日本メドトロニック株式会社の名称の一部であって,申立人がその取り扱いに係る商品やパンフレット等に使用すると共に,日本経済新聞や日経産業新聞等の新聞や医療関連の雑誌等に紹介されていること,などが認められる。
そうとすると,使用商標は,本件商標の登録出願時において,申立人の業務に係る商品(「埋込式除細動器」,「心臓ペースメーカ」等)を表示する商標として,我が国及び外国,特に米国における医療業界の取引者・需要者の間に,相当程度,認識されていたものということができる。
しかしながら,本件商標は,前記(1)のとおり,引用商標とは明らかに区別し得る別異の商標であるから,使用商標の著名性を考慮するとしても,本件商標をその指定商品に使用したときに,これに接する取引者・需要者が,申立人又は使用商標を連想又は想起するとはいいがたく,その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく,商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
さらに,本件商標は,引用商標とは別異の商標であるから,不正の目的をもって使用するものとはいえず,また,その商標が剽窃的な目的をもって採択・出願されたということもできないから,公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標ともいえない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号,同19号及び同第7号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,登録異議の申立てに係る指定商品について,商標第4条第1項第11号,同第15号,同第19号及び同第7号に違反してなされたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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