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Trademark Appeal Case

商標・役務の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−6682(T2009−6682/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類、第37類、第39類、第41類、第42類、第43類、第44類及び第45類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年10月30日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同20年11月11日付け手続補正書により、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,求人情報の提供」、第37類「自動車の修理又は整備及びこれらに関する情報の提供,自動車の修理又は整備の媒介・取次ぎ又は手配」、第39類「車両による輸送,故障車両又は事故車両の輸送の手配,自動車の貸与の仲介又は取次ぎ」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催に関する情報の提供,電子出版物の提供,映画の上映・制作又は配給に関する情報の提供,演芸の上演・演劇の演出又は上演・音楽の演奏に関する情報の提供,スポーツの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)に関する情報の提供」、第42類「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」、第43類「宿泊施設の提供に関する情報の提供,動物の宿泊施設の提供に関する情報の提供,保育所における乳幼児の保育に関する情報の提供,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。)に関する情報の提供」、第44類「入浴施設の提供に関する情報の提供,庭園又は花壇の手入れ・庭園樹の植樹・肥料の散布に関する情報の提供,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。)に関する情報の提供,あん摩・マッサージ及び指圧に関する情報の提供,カイロプラクティック・きゅう・柔道整復・はりに関する情報の提供,医療情報の提供,栄養の指導」及び第45類「ファッション情報の提供,新聞記事情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介に関する情報の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供に関する情報の提供,施設の警備又は身辺の警備に関する情報の提供,個人の身元又は行動に関する調査,占い又は身の上相談に関する情報の提供」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、登録第4065913号商標(以下「引用商標1」という。)、登録第4742896号商標(以下「引用商標2」という。)及び登録第5133968号商標(以下「引用商標3」という。)(なお、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。)と類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

そして、引用商標1は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成7年4月28日に登録出願、第42類「パーソナルコンピューター用ゲームプログラムの設計・作成,業務用テレビゲーム機用ゲームプログラムの設計・作成,家庭用テレビゲームおもちゃのコンピュータープログラムの設計・作成,コンピューターグラフィックス用プログラムの設計・作成,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守の助言,電子計算機のプログラムの操作マニュアルの作成,デザインの考案,建築物の設計,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,写真の撮影,求人情報の提供,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を指定役務として、同9年10月9日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

また、引用商標2は、「ELFシステム」の文字を横書きにしてなり、平成15年5月19日に登録出願、第39類「貨物運搬用容器の貸与,台車の貸与,花運搬用容器の貸与,鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,自動車の運転の代行,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,水の供給,倉庫の提供,駐車場の提供,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,金庫の貸与,家庭用冷凍冷蔵庫の貸与,家庭用冷凍庫の貸与,冷凍機械器具の貸与 」を指定役務として、同16年1月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

さらに、引用商標3は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成19年3月28日に登録出願、第1類「自動車燃料用添加剤・潤滑剤用添加剤・燃料用添加剤(化学品に属するものに限る。),不凍剤,油圧回路液・トランスミッション液,ブレーキ液」、第4類「石油(精製されたものであるか否かを問わない。),固体燃料・液体燃料・気体燃料,自動車用燃料,レーシングカー用燃料,天然ガス・石油ガス・液化石油ガス,潤滑剤,工業用油・工業用油脂,自動車燃料・燃料及び潤滑剤用添加剤(化学品を除く。),燃料」、第25類「被服,履物,帽子,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,ティーシャツ,スウェットシャツ,スウェットパンツ,綿製のシャツ,セーター,下着,ジャケット,パンツ,スカーフ,ベルト」及び第37類「ガソリンスタンドにおける自動車・二輪自動車などの整備,乗物及びそれらの部品の整備・洗浄及び修理,ガソリンスタンドにおける自動車・二輪自動車などの整備(燃料補給作業・修理),自動車のエンジンオイルの交換,自動車用エンジンの修理・整備または保守,モーターの修理または保守,航空機・自動車・二輪自動車のタイヤの交換及び修理」を指定役務として、同20年5月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標1との類否について

本願商標は、別掲1のとおり、黒地の隅丸正方形(以下、「黒地図形」という。)内に「ELF」(「E」の文字は、他の文字に比して大きく書されている。以下同じ。)の欧文字を白抜きで書し、黒地図形の右横に太字で「サポート」の片仮名文字を横書きにし、黒地図形の右上部分から、右下部分にかかけて、「サポート」の文字を囲むように、隅丸の長方形状の輪郭図形(以下、「囲み図形」という。)を配してなるものである。

しかして、本願商標は、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、「黒地図形」、「囲み図形」(以下、これらをまとめていうときは「図形」という。)、「ELF」及び「サポート」の文字を常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。

また、本願商標構成中の「ELF」及び「サポート」の文字が、一連でなんらかの特定の意味合いを看取させる等、これを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとするべき特段の事情も認められない。

そして、「ELF」及び「サポート」の文字は、その文字の種類、大きさ等、その構成態様が異なることに加え、「ELF」の文字は、黒地図形内に白抜きされた構成から、特に、看者の目を惹きやすい部分であると認められ、視覚上、分離して認識し、把握される場合があるとみるのが自然である。

さらに、「サポート」は、「支えること。支持。支援。助け」(広辞苑第六版)を意味し、「支援サービス」や「助言サービス」等について、普通に使用されているものであることから、本願商標の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有しない、あるいは有するとしても、非常に弱いものと認識されるものである。

してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、「ELF」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

したがって、本願商標は、構成文字全体に相応した「エルフサポート」の一連の称呼のほか、「ELF」の文字部分に相応した「エルフ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。

他方、引用商標1は、別掲2のとおり、ややデザイン化された「elf」(「e」は、アクサンテギュが付されている。以下同じ。)の文字よりなるところ、かかる構成態様においては、「elf」の文字を十分認識できるものであるから、該文字部分に相応した「エルフ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。

してみれば、本願商標と引用商標1は、外観において相違し、観念については比較できないとしても、「エルフ」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、本願商標の指定役務は、引用商標1の指定役務と同一または類似する役務を含むものと認められる。

(2)本願商標と引用商標2との類否について

本願商標は、上記(1)の認定のとおり、「エルフ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。

他方、引用商標2は、「ELFシステム」の文字を横書きにしてなるところ、構成前半の「ELF」の文字部分は欧文字で、構成後半の「システム」の文字部分は片仮名文字で書されており、それぞれの文字の種類が異なるため、視覚上分離して観察されるとみるのが相当である。

また、「ELFシステム」の文字全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。

してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標2に接する取引者、需要者は、構成前半の「ELF」の文字部分に印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

したがって、引用商標2は、構成文字全体に相応した「エルフシステム」の一連の称呼のほか、「ELF」の文字部分に相応した「エルフ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。

してみれば、本願商標と引用商標2は、外観において相違し、観念については比較できないとしても、「エルフ」の称呼を共通にする類似の商標であり、本願商標の指定役務は、引用商標2の指定役務と同一または類似する役務を含むものと認められる。

(3)本願商標と引用商標3との類否について

本願商標は、上記(1)の認定のとおり、本願商標は、「エルフ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。

他方、引用商標3は、別掲3のとおり、黒地の長方形図形内に、白抜きで「elf」の欧文字を書し、「elf」の文字の右側に、左に青色のグラデーションが施された図形と右に赤色のグラデーションが施された図形を互いに重ねた図形を配し、さらに、「elf」の文字の下に、白色から青色に変色するアンダーラインを配してなるものである。

しかして、引用商標3の構成中の「elf」の文字と図形部分が、全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、これを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。

また、「elf」の文字部分は、黒地長方形内に白抜きされ、さらに、「elf」の下のアンダーラインを配してなることから、看者の目を惹きやすい部分であると認められるものであり、視覚上、分離して認識し、把握される場合があるとみるのが自然である。

してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標3に接する取引者、需要者は、「elf」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

したがって、引用商標3は、「elf」の文字部分に相応した「エルフ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。

してみれば、本願商標と引用商標3は、外観において相違し、観念については比較できないとしても、「エルフ」の称呼を共通にする類似の商標であり、本願商標の指定役務は、引用商標3の指定役務と同一または類似する役務を含むものと認められる。

(4)請求人(出願人)の主張

請求人(出願人)(以下「請求人」という。)は、平成21年3月30日付けの審判請求書において、資料1及び2を提出し、「本願商標は、請求人の製造・販売に係る著名な小型トラック『ELF』の顧客向けのユーザーサポートサービスに対して使用される商標である。本願商標の性質上、本願商標から『サポート』を除いて『ELF』のみとして使用するのは極めて不自然であり、『ELFサポート』と一連に使用されて初めて意味のある商標といえるものである。そして、請求人は、『ELF』の顧客に対する多彩なユーザーサポートサービスに対して、一連の『ELFサポート』として使用している。したがって、本願商標は、その使用する役務との関係からも一連一体の商標というべきである。」旨主張する。

そこで、請求人が提出した前記資料1及び2を見るに、資料1は、「ELFサポート|自家用エルフ1ナンバー・4ナンバー車限定の会員サービス」のウェブサイトの抜粋で、「ELFサポートは、小型トラック・エルフをお使いの皆さまを対象にした、ユーザーサポートサービスです。入会費や年会費などはすべて無料で、延長保証や各種サービスをご提供します。これからエルフをご購入される方も、すでにエルフをご使用になられている方も、ぜひELFサポートにご入会ください。」と記載されているものである。

また、資料2は、「エルフサポートクラブオフオフ」のウェブページであり、「会員の皆さまには、宿泊施設をはじめさまざまなサービスを優待利用できる『ELFサポート クラブオフ』をご利用いただけます。このサービスは、会員さまご本人のご利用はいうまでもなく、会員の方のお申し込みで従業員の皆さまもご利用いただけます。」と記載されているものである。

しかしながら、提出された証拠資料において、「ELFサポート」等の文字が使用されている事実は認められるものの、本願商標を、常に一体不可分のものとして捉えなければならない特段の事情等について、立証されているとは認められないものである。

さらに、「本願商標は、小型トラック『ELF』の顧客向けのユーザーサポートサービスに使用される」とする請求人の主張は、本願商標構成中の「サポート」の文字が、「顧客向けのユーザーサポートサービス」を表示するものであることを述べるものであり、「サポート」の文字が、自他役務の識別標識としての機能を有さない、あるいは、有するにしても非常に弱いものであることを、自ら主張しているものと判断するのが相当である。

そして、本願商標が、その構成中の「ELF」の文字部分のみを捉えて取引される場合があることは、上記(1)で認定したとおりである。

したがって、請求人の提出した証拠資料によっては、「本願商標は、その使用する役務との関係からも一連一体の商標というべきである。」とする請求人の主張は、採用できない。

その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

(5)結論

以上よりすれば、本願商標と引用各商標は、外観において相違し、観念については比較することができないとしても、「エルフ」の称呼を同じくする類似の商標というべきであり、本願商標の指定役務は、引用各商標の指定役務と同一または類似する役務を含むものである。

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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