Trademark Appeal Case
美肌計画の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−31608(T2008−31608/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「美肌計画」の文字を標準文字で表してなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年10月9日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定役務については、原審において、同20年10月20日付け提出の手続補正書により、第44類「美容,理容,爪の美容,着付け,栄養の指導,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,はり,美容・理容に関する情報の提供,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,入浴施設の提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『肌を美しくすること。また、美しい肌。』を意味する『美肌』の文字と、『物事を行うに当って、方法・手順などを考え企てること。また、その企ての内容。プラン。』を意味する『計画』の文字を連綴し、『美肌計画』の文字を標準文字で表してなるところ、該文字全体よりは『美しい肌にするためのプラン』程の意味合いを認識させるもので、例えばエステティック美容などでは美肌のための各種プランが専門家によって提案・施術されているものであるから、これを本願指定役務中例えば「美容,理容,美容・理容に関する情報の提供」など美肌作りに関連する役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、前記意味合いを認識するに止まり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年4月2日付けで証拠調べの結果を通知した。
4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)
前記3の証拠調べ通知に対し、請求人は、以下のように述べている。
「証拠調べ通知書」において示されているように、本願商標の「美肌計画」は、需要者にして「美しい肌にするための計画」との意味合いを生じさせる。一方、本願商標の指定役務は、「美しい髪になる」、「健康になる」、「疲れを取る」ための役務であって、直接的に「美肌になる」ための、例えばエステティック施術等の役務について使用されるものではなく、本願商標は、「美容、理容」等の役務の提供によって、間接的に美肌を獲得することを示唆、暗示するものである。したがって、「証拠調べ通知書」における各ウェブサイトの記載は、本願商標の自他役務識別性を否定するものではない。よって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「美肌計画」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成全体から、「美しい肌にするためのプラン(計画)」の意味を理解させるものであり、このことは、請求人も自認するところである。
そして、「美肌計画」の文字が、前記意味合いをもって、エステティック美容や脱毛、マッサージ、入浴施設の提供など美肌つくりに関連する役務の特徴を簡潔に表す語として、又は、当該役務の提供促進のための宣伝文句として使用されていることは、前記証拠調べ通知書において記載したとおりである。
そうとすると、本願商標「美肌計画」を、その指定役務中例えば「美容,あん摩・マッサージ及び指圧,美容・理容に関する情報の提供,入浴施設の提供」等美肌つくりに関連する役務、すなわち美しい肌をつくることを目的とする役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、美しい肌つくりをアピールするための端的なフレーズないし宣伝文句と認識、把握するにとどまるというべきであるから、本願商標は、全体として、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標といわざるを得ず、自他役務の識別標識としての機能を有する商標とは認識されないと判断するのが相当である。
また、本願商標を、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
なお、請求人は、本願商標の指定役務は、「美しい髪になる」、「健康になる」等の役務であって、直接的に「美肌になる」ための、例えばエステティック施術等の役務について使用されるものではなく、本願商標は、「美容、理容」等の役務の提供によって、間接的に美肌を獲得することを示唆、暗示するものである旨主張する。
しかしながら、本願指定役務中「美容」には、エステティック美容や脱毛も含まれると解されており(IPDL特許電子図書館「商品・役務名リスト」参照(http://www1.ipdl.inpit.go.jp/SH1/sh1j_search.cgi?TYPE=000=1245897368190))、それらの役務が、美肌になるためのものであることは、請求人も自認するところであり、さらに、本願指定役務には、前記のとおり美しい肌をつくることを目的とする役務が含まれていることからすると、本願商標は、「美肌になる」ための役務について使用するものといわざるを得ない。
そうとすると、本願商標をそれらの指定役務に使用するときは、美しい肌つくりをアピールするための宣伝文句としか認識し得ないこと、前記のとおりであるから、本願商標は、間接的に美肌を獲得することを示唆、暗示するという請求人の主張は採用することはできない。
また、請求人は、「美肌」の文字を含む登録商標を挙げて、本願商標もそれらと同様に登録されるべきである旨主張するが、請求人が挙げる登録例は、商標の具体的構成において、本願商標と事案を異にするものであり、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるから、それら登録例の存在によって、前記判断は何ら左右されないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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