結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−300513(T2008−300513/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2257249号商標(以下「本件商標」という。)は、「CINDERELLA」及び「シンデレラ」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和63年4月26日に登録出願、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として平成2年8月30日に設定登録され、その後、同12年3月14日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べた。
請求人は、本件商標を、その指定商品について継続して3年以上日本国内において使用していない。また、本件商標について専用使用権者は存在せず、通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
(1)商標法第50条第1項の審判にかかる本件審判において、被請求人が本件商標の取消を免れるためには、(a)被請求人又はその使用権者が、(b)平成17年5月16日から同20年5月15日までの間に、(c)その指定商品である旧第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および附属品」のいずれかについて、(d)本件商標を商標法第2条第3項各号のいずれかに規定する態様で「使用」していたことを証明しなければならない。
しかしながら、以下のとおり、被請求人の提出に係る乙第1ないし第4号証によっては、上記各要件について立証がなされたということはできない。
(2)乙第1号証の1及び2は、婦人靴の写真であり、乙第1号証の3は、被請求人の原宿店店舗(以下「ダイアナ原宿店」という。)の店舗外観及び売場の写真である。
確かに、乙第1号証の1及び2に示された婦人靴には、「Cinderella」の文字が表されている。
しかしながら、乙第1号証の1ないし3の写真は、いずれも平成20年7月2日に撮影されており、本件審判の予告登録日である同年5月16日より後に撮影されたものである。
したがって、乙第1号証の1ないし3は、本件商標が、「婦人靴」について、審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、被請求人により使用されてきたことを何ら証明するものではない。
(3)乙第2号証は、被請求人及びそのグループ会社の会社概要並びにウエブサイトのプリントアウトである。
しかしながら、上記会社概要及びウエブサイトのプリントアウトには、本件商標「CINDERELLA/シンデレラ」は、一切示されていない。
したがって、乙第2号証は、本件商標が、「婦人靴」について審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、被請求人により使用されてきたことを何ら証明するものではない。
(4)乙第3号証は、被請求人から株式会社高進製靴(以下「高進製靴」という。)に宛てた発注伝票の写しであり、乙第4号証は、高進製靴から被請求人に宛てた納品書の写しである。
乙第3号証の発注伝票の日付は、2007年(平成19年)9月10日であり、また、乙第4号証の納品書の日付は、平成19年10月15日であるから、いずれも本件審判請求の登録前3年以内の日付である。さらに、乙第3号証の発注伝票には、ブランド名として「シンデレラ」と示されており、乙第4号証の納品書には、品番店名の欄に「シンデレラ」の文字があり、また、「Cinderella」の文字も示されている。
しかしながら、高進製靴は、製靴メーカーであって、被請求人からの注文に応じて被請求人の靴を製造していると考えられるので、高進製靴は、被請求人にとっての需要者・取引者には該当しない。つまり、被請求人にとっての需要者又は取引者は、それぞれ消費者(婦人靴の購入者)又は婦人靴の小売店(婦人靴の販売店)である。
したがって、乙第3号証の発注伝票は、需要者・取引者に対して展示、頒布されたものではない。同様に、乙第4号証の納品書も、高進製靴から被請求人に対してのものであるので、当該納品書も、需要者・取引者に対して展示、頒布されたものではない。
よって、乙第3及び第4号証は、「商品に関する取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為」(商標法第2条第3項第8号)がなされたことを証明するものではない。
また、乙第4号証の納品書に示された商品が、乙第1号証の1及び2に示された、「Cinderella」の文字が表された婦人靴のことであるのか否かは、答弁書及び乙各号証からは一切明らかではない。
したがって、乙第4号証は、「商品に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第1号)がなされたことを証明するものではない。
(5)すなわち、被請求人は、本件審判において、本件商標を付した「婦人靴」が、需要者・取引者に対して販売されたことを示す証拠を一切提出していない。
(6)以上述べたとおり、被請求人によって提出された乙第1ないし第4号証によっては、本件商標が、審判請求の登録前3年以内に、被請求人によって「婦人靴」について使用されてきたという事実は何ら証明されていない。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
なお、実際に、本件商標が、審判請求の登録前3年以内に、被請求人によって「婦人靴」について使用されてきたというのであれば、請求人は、例えば、本件商標が表された「婦人靴」についての、被請求人が需要者(消費者)に発行した領収書等の証拠が提出されることを要求する。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第8号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)被請求人であるダイアナ株式会社は、昭和28年の設立当初より、婦人靴・ハンドバックを中心としたオリジナルブランドの商品企画・販売を行っており、現在では、首都圏を中心に全国75の店舗を展開している。
オリジナルブランド商品の販売の他に、海外有名ブランド商品の輸入・販売も行っており、また、近年は通販サイト「dianashoes.com」も開設し、オリジナル商品を中心とした商品販売を行っている(乙第2号証)。
(2)本件商標は、被請求人が販売する婦人靴のオリジナルブランド商標であり、1990年初旬、ダイアナ原宿店の地下一階売場でその使用(販売)が開始された。
本件商標が付された商品は、販売開始当初は、年間売上高約5,000万円を記録していたが、今日では、販売がやや低迷してきたため、定番商品のラインナップからははずされ、1年に2サイクル程度での継続した販売が行われている。
(3)乙第1号証の1及び2は、ダイアナ原宿店の売場に陳列されている婦人靴(以下「本件商品」という。)の写真であり、靴の中敷の中央部に「cinderella」の商標が明確に表記されている。
乙第1号証の3は、東京都渋谷区神宮前所在のダイアナ原宿店の店舗外観及び売場を示したものである。
(4)乙第3号証は、被請求人が、本件商品の製造を東京都荒川区南千住所在の高進製靴に依頼した際の発注伝票(2007年9月10日発行)の写しである。ここには、2007年9月10日の発注日付、納期2007年10月10日〜10月20日、商標(ブランド)「シンデレラ」、商品(クロ及びダークブラウンの靴)、数量50個、が示されている。
乙第4号証は、高進製靴が、被請求人に上記商品を納入した際の納品書の写しであり、商品の納入年月日である2007年10月15日、商標「シンデレラ、Cinderella」が記載されている。
(5)乙第5号証は、本件商品(商品番号TSC30273)が被請求人がオンラインショッピングサイトにおいて販売されていたことを示す資料であって、このプリントアウトは、2008年(平成20年)3月1日のものであり、商品の横の欄に日付が記されている。
オンラインショッピングサイトに掲載することは、商標法第2条第3項第2号に規定する「商品に標章を付したものを譲渡のために展示する行為」に該当するものである。ちなみに、現在は販売を終了したため、ウエブ上で閲覧することはできない。
(6)乙第6及び第7号証は、上記乙第5号証の本件商品の拡大写真である。インソールかかと部分に本件商標「Cinderella」が表されており、サイド部分に商品番号30273と販売商品のサイズ(23.5)が明示されている。
商品の外観及び商品番号より、乙第5号証の商品と乙第6及び第7号証の商品が同一であることは明白である。
(7)乙第8号証は、被請求人の基幹データベースより抽出した上記商品の販売データであり、当該データは、2008年3月1日から同年12月31日の間の販売記録を示すものである。
本件商標の記載はないが、商品番号TSC30273及びダイアナ原宿店のコード(010)が明示されており、婦人靴を取り扱う店舗においては、商標により販売管理を行うのではなく、商品の型番(商品番号)により管理することが通常であり、被請求人もこのような管理形態を採用しているものである。
してみれば、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づいて、その登録を取り消されるべきものではなく、本件審判の請求は成り立たない。
(1)乙第1号証の1ないし3は、ダイアナ原宿店において、本件審判の請求の登録後の平成20年7月2日に撮影された本件商品並びに被請求人の店舗外観及び売場の写真と認められるところ、該婦人靴の中敷の中央部に筆記体風の「Cinderella」の文字が表示されていることが認められるものであり、この「Cinderella」の文字は、本件商標と社会通念上同一といい得るものである。
(2)乙第3号証は、被請求人から高進製靴に宛てた2007年(平成19年)9月10日付けの発注伝票の写しであり、乙第4号証は、高進製靴から被請求人に宛てた平成19年10月15日付けの納品書の写しと認められる。
そして、上記発注伝票及び納品書は、本件審判の請求の登録前3年以内に発行されたものであり、これらに記載された「シンデレラ」又は「Cinderella」の文字は、本件商標と社会通念上同一といい得るものであるところ、当該発注伝票及び納品書は、靴の製造業者たる高進製靴が被請求人の注文に応じて商品を製造し納品したことを示すにすぎないものである。
(3)乙第5号証は、被請求人のオンラインショッピングサイトにおいて、本件商品が販売されていたことを示す資料であって、そこには、商品の外観及び商品番号より、乙第1号証の2、第6及び第7号証と同一の本件商品が掲載されており、商品の右横部には、「【2008年3月1日現在:在庫あり/限定商品です】」及び「商品番号 TSC30273」と記載されていることが認められる。
(4)乙第6及び第7号証は、上記乙第5号証の本件商品の拡大写真であり、インソールかかと部分に本件商標と社会通念上同一といい得る「Cinderella」が表示されており、サイド部分には商品番号としての「30−273」と商品のサイズとしての「23 1/2」が表示されている。
そして、オンラインショッピングサイトに商品を掲載することは、商標法第2条第3項第2号に規定する「商品に標章を付したものを譲渡のために展示する行為」に該当するものである。
以上によれば、被請求人は、本件商標の予告登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一といい得る「Cinderella」の文字からなる商標を「婦人靴」について使用していたものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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