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Trademark Appeal Case

ブレミッシュバームの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2008−890134(T2008−890134/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5142224号の指定商品中「化粧品」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件審判請求に係る登録第5142224号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「B・B」とこれに比して小さく「BLEMISH BALM」の文字とを二段横書きしてなり、平成19年11月21日に登録出願、第3類「化粧品、せっけん類」を指定商品として、同20年4月25日に登録査定、同年6月20日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする、との審決を求めその理由及び弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。但し、枝番号の全てを引用する場合は、その枝番号の記載を省略する。)を提出している。

1 請求の理由

本件商標は、その出願時及び査定時において、「第3類 化粧品、せっけん類」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当したものであり、その登録は無効とされるべきものである。

(1)「BLEMISH BALM」の語について

(ア)「BLEMISH」の語は、「傷、染み、欠点、汚点、欠陥」などを意味する英単語であり、本件商標の指定商品との関係では商品の用途、効能を示す品質表示語である(甲第2号証の1)。

また、「BALM」の語についても、「香油、鎮静薬、軟膏」などを意味する英単語であり、本件商標の指定商品との関係では商品の形状を示す品質表示語である(甲第2号証の2)。

したがって、これら品質表示語を結合したに過ぎない「BLEMISH BALM」の語は、本件商標の指定商品「第3類 化粧品、せっけん類」との関係では、商品の効能、用途、形状を示す品質表示語であって自他商品の識別標識として機能しないものと判断するのが相当である。

(イ)また、「BLEMISH BALM」の語は、「ファンデーション、メイクアップベース、スキンケアなどの複数の効能を併せ持つ多機能化粧クリーム」を意味する「BB CREAM」と同義の語として理解され、国内でも同意味合いの品質表示語として理解されているものである。

これに関し、以下の(a)ないし(p)に挙げるように、本件商標の登録査定がなされた2008年4月25日以前において「Blemish Balm」の語を特定の化粧品ジャンルを示す品質表示語として使用している事例が多数存在しているところであって、これらの事情より該語は、本件商標が登録の時点において、この種商品の取引者・需要者には品質表示語であると理解されていたものとするのが相当である。

(a)甲第3号証の1は、「株式会社富士経済」が発行する「富士経済マーケティングレポート化粧品・トイレタリーシリーズ」(以下「富士経済マーケティングレポート」という。)の2008年8月15日号の第2頁及び第12頁ないし第20頁である。

表紙において「2008年のミネラルファンデーション/BBクリームの市場動向調査」とのタイトルが付されており、第2頁の「調査30ポイント」の項では、

「17.BBクリームはもともとドイツ製で整形手術やピーリング後のケア兼ベースメイクが可能な高級メディカルクリーム“ブレミッシュ・バーム”として知られており、韓国では1980年代より一部ルートで流通していた。」

「18.その後2000年代には芸能人の愛用品として一般に知られるようになり、2006年にハンスキン社が低価格の“BBクリーム”として発売したことで一気に需要を獲得、ブームを経て市場へと定着している。」

「19.日本へは韓国の大ヒットを受け、2007年後半に韓国製BBクリームの輸入や国内メーカーによる販売が始まっていたものの、一般消費者間の認知を向上させるきっかけがなく、一部での流通に留まっていた。」

「20.2008年1月にTVバラエティ番組で著名メイクアップアーティストのIKKOがBBクリームを紹介したことで一気にBBクリームへの認知が高まり、BBクリームは大きく需要を獲得した。」などの記載がある。

(b)甲第3号証の2のウェブサイト「Konest」では、「『BB』は、Blemish Balmの略称。ブレミッシュ(欠点・傷)を補うバームということです。」との記載がある。また、当該サイトは、その最終更新日が「07.05.21」とされているので、2007年5月21日には、「Blemish Balm」の語が使用されていた。

(c)甲第3号証の3のウェブサイト「Japan Mail Media」においても「BBクリームとは、ブレミッシュバルム(Blemish Balm)の略で...」のように記載されている。また、当該記事の「配信日」が「2007‐06‐29」とあることより、2007年6月29日に配信されたことが解る。

(d)甲第3号証の4は、光文社発行の女性雑誌「女性自身」の2007年8月7日発行号の第160頁ないし第161頁であって「韓国で空前の大ヒット/芸能人クリーム 初上陸/BBクリーム」とのタイトルの下に紹介記事が掲載されており、「いま韓国で爆発的に売れているクリームがある。それがこのBBクリーム。『BB』はBlemish Balmの略。Blemish(欠点、傷)を補うバームという意味。」のように記載されている。

(e)甲第3号証の5は、同上女性誌の2007年8月21・28日合併号の一部であり、それに前記同様の記載がされている。

(f)甲第3号証の6のウェブページ(ブログ)において「今年韓国で爆発的に売れて知らない人はいないとまで言われているBBクリーム。『BB』はBlemish Balmの略称。Blemish(欠点、傷)を補うバームということです。」のように記載されている。また、当該ブログには「2007.10.21」とあることより、2007年10月21日にこの記事がアップロードされたことが解る。

(g)甲第3号証の7は、有限会社エイチ・シー・ビー発行の韓流カルチャー情報雑誌「HOT CHILIPAPER」の2007年第43号(2007年11月15日付発行号)の第111頁であって「はるな愛のビューティー・コリアン・レポート」とのタイトルの記事において「『BBクリーム』って何?という方が日本では多いかと思います。Blemish(欠点、傷)、Balm(バーム、軟膏)の略称で、ピーリングやフォトフェイシャルなどの施術を受けた後の肌は刺激に弱く、それを保護し、炎症を鎮め、見た目にもカバーできることを目的として作られたものだそう。」と紹介されている。

(h)甲第3号証の8は、サムスン経済研究所が日本語にて発行している「CEO Information」の2007年12月17日発行号であり、これは韓国でのトレンド情報を日本国内に紹介するものであるが、第1頁では「2007年10大ヒット商品の選定」とのタイトルの下、2007年の10大ヒット商品の選定結果が記載されており、「第9位 BB(Blemish Balm)クリーム:肌の欠点を補うための機能性化粧品」と紹介されている。

また、第9頁では「9.BB(Blemish Balm)クリーム」とのタイトルの下「BBクリームは、当初、皮膚科(エステ)でピーリングなどの治療を受けた後、敏感になった肌を落ち着かせ、再生を助けるために開発された製品である。しかし、肌の欠点を補ううえ、紫外線の遮断、美白効果が得られるなど多様な機能が追加され、スキンケアに感心の高い多様な年齢層の女性から人気を集め、インターネットショッピングやTVショッピングなどによる販売が急増している。」と紹介されている。

(i)甲第3号証の9のウェブサイト「OS Commerce +mobile」では、「先日(2008/01/15)日本TVで放送された『おネエ★MANS』で韓国でのショッピング情報の中で、韓国コスメの『マジックBBクリーム』がメインレポーターのイッコーさんにより紹介されました。」、「韓国では『芸能人化粧品』とも呼ばれるBBクリームの正式名称は『ブラミッシュバーム(Blemish Balm)』だそうです。」との記載がある。また、「登録日:2008年1月21日」の記載より、当該記事が2008年1月21日にアップロードされたものであることが解る。

(j)甲第3号証の10は、前出女性誌「女性自身」の2008年1月22日号の第136頁ないし第137頁であり、そこに前記同様の記載がされている。

(k)甲第3号証の11のウェブページ「So-netブログ」中の「TV ONAIR」と題されるサイトにおいて「BBマジッククリーム〜ラジかるッ[日本テレビ]」、「【オンエア情報】/・08‐1‐24(木)09:55〜」と放送の事実を紹介していると共に、「“BB”は、Blemish(欠点・傷)、Balm(いやす)という意味。」のように紹介している。

(l)甲第3号証の12のウェブページ「OhmyNews」では「韓国で話題のBBクリーム、日本女性を魅了」とのタイトルの下「BBとはBlemish Balmの略。つまり、傷や欠落(ブレミッシュ)を補うバームのことで、もともとは美容整形外科や皮膚科で使用されていた処方医薬品でした。」のように紹介されている。また、この記事の冒頭には「山崎裕子(2008‐01‐28 16:30)」との記載があることから、同人によって、2008年1月28日の16:30に記事がアップロードされたものであることが解る。

(m)甲第3号証の13は、前出女性誌「女性自身」の2008年2月12日号の第156頁であり、そこに前記同様の記載がされている。

(n)甲第3号証の14は、主婦と生活社発行の女性雑誌「週刊女性」の2008年3月25日号の第199頁であって「週刊女性が見つけたCATCH UP NEW」とのタイトルの下に「韓国の有名芸能人に大人気/多機能化粧品/BBクリーム」、「『BB』とはBlemish Balmの略で、“Blemish(欠点、傷)を補う“という意味があります。」のように記載している。

(o)甲第3号証の15は、前出女性誌「女性自身」の2008年3月11日号の第152頁であり、そこに前記同様の記載がされている。

(p)甲第3号証の16は、小学館発行の女性雑誌「女性セブン」の2008年3月27日号の第158頁、第159頁及び第163頁であって、第158頁及び第159頁では「ウワサの/「BBクリーム」で/センオル[すっぴん]美人に/挑戦」との大きな見出しの下「ユンソナ(左)もお気に入りだったBBクリームはIKKOの太鼓判もあって大ブレイク!」、「そもそも『BBクリーム』の“BB”はブレミッシュバーム(Blemish Balm:欠点や傷を補うバーム)の略称で、もともとは、美容外科でピーリングやレーザー治療などを行った後の肌を保護する目的で開発されたもの。」と紹介されている。

(ウ)甲第4号証の1は、欧州共同体商標意匠庁において1998年11月26日になされた商標登録出願「Blemish Balm」に関する資料であって、その指定商品を「Cosmetics.(化粧品)」とするものであるが「Description(記述的)」との理由で拒絶されている。

また、甲第4号証の2は、ドイツ連邦共和国において1998年3月17日にされた商標登録出願「BLEMISH BALM」に関する資料であって、その指定商品を「Kosmetika(化粧品)」とするものであるが「Beshreibende(記述的)」との理由で拒絶されている。

(2)「B・B」の語について

「B・B」の語は、上記「BLEMISH BALM」の略語として親しまれているという事実がある。

このことは、上記甲第3号証の1ないし16において、「BBはBlemish Balmの略」との説明に照らしても理解される。

(3)本件商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当することについて

(ア)上記「(1)(ア)」及び「(2)」にて述べたとおり、本件商標は、その査定時において自他商品の識別標識として機能しない「BLEMISH BALM」の語と「B・B」の語とを、普通に用いられる態様の域を出ない態様にて上下二段に配したものである。

したがって、本願商標は、全体としてみても「傷(欠点、染み)を保護する効能を有する化粧品・せっけん類」との関係では自他商品の識別標識として機能しないものであり、その余の化粧品・せっけん類との関係では商品の品質の誤認を生じるおそれのあるものと判断するのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。

(イ)また、上記「(1)(イ)」で述べたように、「BLEMISH BALM」の語は、本件商標の査定時において既に「ファンデーション、メイクアップベース、スキンケアなどの複数の効能を併せ持つ多機能化粧クリーム」程の意味で親しまれている「BBクリーム」と同義の語として理解されており、「B・B」の文字部分も当該「BLEMISH BALM」の略称であると理解されていたものである。

したがって、本件商標も、その指定商品中「ファンデーション、メイクアップベース、スキンケアなどの複数の効能を併せ持つ多機能化粧クリーム」との関係では商標法第3条第1項第3号に該当し、その余の指定商品との関係では同法第4条第1項第16号の規定に該当するものと判断するのが相当である。

2 答弁に対する弁駁

被請求人が答弁書において述べているところは、いずれも失当であり、本件商標が商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当しないとするに足るものとはいい得ない。

(1)被請求人の「B・B」の語は「HANBIBI」の略称であり、「B・B」と「BLEMISH BALM」の語とは全体として一体不可分であるとの主張は、その構成文字の大きさに差異があり、外観上不可分一体にのみ看取されるものとはいい得ない。

また、「B・B」の文字部分が、「HANBIBI」の略称であるとの主張についても、看者が当該意味合いを理解し得る程度に周知・著名なものともいい難く、かつ、当該主張を認めるに足る証拠資料が提出されていない。

(2)被請求人は、請求人がドイツでの登録例を上げていると主張するが、当該資料(甲第4号証の2)はドイツでの「拒絶事例」である。

また、被請求人は、ドイツのSHCRMMEK社が韓国で「BLEMISH BALM」を登録していることを述べつつ、本件商標はこれに「B・B」を付けくわえているから識別力があると述べているが、「BBクリーム」の略称として理解されるものと見るのが自然である。

さらに、被請求人は、2007年11月の出願時においてはまったく知られていなかったと主張するが、商標法第3条第1項各号の判断基準時は査定時であることに照らせば、当該主張も失当である。

(3)本件商標について被請求人が考案した商標であると述べているが、客観的にみて、品質表示語を組み合わせたに過ぎず、かつ、独占適応性もないものであることは、請求書において述べているとおりである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、と答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証(枝番号を含む。但し、枝番号の全てを引用する場合は、その枝番号の記載を省略する。)を提出している。

1 請求に対する答弁

(1)本件商標の構成等について

(ア)本件商標は、別掲のとおり、上段は「B・B」、下段は「BLEMISH BALM」と構成され、相互補完的な組み合わせの商標であり、分離し判断はできない。

(イ)そして、「B・B」の表示は、「BLEMISH BALM」の略であり、同時に被請求人のサイトの名前の「HANBIBI」の意味の省略でもある。また、「HANBIBI」は、韓国を表す意味の韓の韓国語の発音のままの英字の「HAN」に英語の文字の「BIBI」の略の「B・B」であり、発音の「ビイビイー」は日本語の美しいという「美々」の意味を含んだ造語である。

(ウ)乙第1号証の1ないし4(「商標出願・登録情報検索(詳細画面)」)により、本件商標の「B・B」の意味は、「HANBIBI」の意味があることが証明できる。

そして、商標出願2008−75846(乙第1号証の1)、商標出願2008−50281(乙第1号証の2)が、同じ商標であれば、商標出願2008−50293(乙第1号証の4)のように3回も、同じ意味を重ね表示、出願する必要はない。

また、商標登録5181439号(乙第1号証の3)で登録商標が「B・B\BLEMISH BALM」であることが証明できる。

さらに、乙第2号証では2008年5月11日に書いたブログの内容でも「HANBIBI」の意味を含んだことが確認できる。

(エ)小括

そうすると、本件商標は、構成文字全体をもって一体不可分の一種の造語を表したものとして認識し把握されるとみるのが相当であって、これに接する需要者が何人かの業務に関わる商品であることを認識することができない商標とはいえず識別標識としての機能を得るものである。

(2)請求人の主張等について

請求人は、本件商標構成中の一部を取り、「BLEMISH BALM」の表記を品質表示に該当するとし、化粧品のカテゴリーの表示として、甲第3号証の1ないし16までの各証拠を提示している。

(ア)しかし、「BLEMISH BALM」とは元々はドイツの化粧品会社の商品の名前の一つであり、まるで化粧品のカテゴリーのように最近なっているが化粧品業界のカテゴリーの分類としては存在しない。

(イ)上記(1)のとおり、本件商標は分離し判断できないし、「B・B BLEMISH BALM」という熟語が日本語に存在するものでなく、いわば二段に分け表示した造語であり、品質の属性を表すものとして一般的に使われている言葉ではない。

(ウ)請求人は、「BB」と「BLEMISH BALM」が同様であり、品質を表す品質語であるとし、そして、ドイツの例を挙げ同国で商標登録になってない証拠を提出していることで本件商標が無効と主張している。

しかし、「B.B BLEMISH BALM」と「BLEMISH BALM」を比べると明らかに違うし、韓国では「BLEMISH BALM」という登録商標は存在する(乙第3号証)。それに「Blemish Balm」の表示を含んだ商標が多数韓国では登録商標になっており、商標登録原簿の証拠を提示する。

そうすると、日本でも商標登録できるという証拠にもなり、「BLEMISH BALM」が品質語に類似しているが本件商標は「B・B」を付け加えることで識別力があることになる。

(エ)また、国内でも同様に、同意味合いの品質表示語として理解されているとの主張であるが、2007年11月の本件商標登録出願時にはまったく知られていない。今も品質表示語として慣用化されていないし、理解されているとはいえない。この点を乙第5号証の「商標出願・登録情報検索(詳細画面)」に係る不服2008−7765の登録審決で証明できる。

(オ)「BBクリーム」とは韓国式、素肌化粧法のことであって、化粧の下地とファンデーションを別々に塗ると化粧が厚くなり、素肌にみえないので下地とファンデーションを一本化し、化粧を厚くならないように使用する韓国の素肌化粧用の商品である。

請求人が輸入販売している韓国のハンスキン社も「BB CREAM」に関し、韓国では商標権者でもないし、韓国のどの会社も商標権を持っていない。

(3)韓国の化粧品の日本進出の概略と「BB クリーム」との関係について

(ア)被請求人は、2002年設立、韓国の化粧品の専門会社であり、「HANBIBI」の販売サイト(乙第8号証)は2007年4月18日に「BB クリーム」専門会社として開設し営業した。

富士経済マーケティングレポートの14頁の「2)メーカー・販売元シェア」の「○内に1」のメビウスソリューション社の「AVID パーフェクト BB クリーム」よりも被請求人は先に「BB BLEMISH BALM CREAM」を先駆けて日本で販売をしていた。

(イ)「BBクリーム」販売当時の現況としては、2008年の1月14日までは人気がなく販売できなかった。当該商品を知る消費者がなく全然売れない時期であり当時は、販売会社は、a)被請求人「HANBIBI BB」、b)株式会社メビウスソリューション「AVID PERFECT BB」及びc)株式会社ティーアール「COSTREE BB」の3社しかいなかった。

なお、有限会社タッチはハンスキン社の「BB」を個人輸入代行で国内の在庫販売ではなく、韓国から消費者に直接、送ったので除く、また、同社の陳述書(甲第9号証)では、輸入が2006年1月3日からと書いているが「HANSKIN.JP」のドメインの取得は2007年11月21日になっている(乙第9号証)、これはハンスキン社の「BBクリーム」を販売した開始の証明になる。

(ウ)「BBクリーム」という商品が人気になったきっかけとして請求人は、富士経済マーケティングレポートの2項の記載と2008年1月15日夕方のテレビ放映(甲第7号証)で、IKKOというタレントが韓国の「BBクリーム」を紹介したことによる旨述べている。

しかし、その取材は、ソウル市内の明洞にある店の紹介と案内であり、紹介した商品は韓国内での販売になる「ETUDE MAGIC BB」という商品であって、その当時、日本では被請求人以外は販売していなかったために、被請求人に注文が集中し、韓国語表示の商品パッケージをそのまま日本語に変えず販売していた。その市場占有率は、2008年3月まで70%を上回る結果になった。

(エ)その後、テレビの紹介のこともあり、日本の会社が「BBクリーム」の販売のために韓国から輸入し、次々と駆け込むように参入して来た。

その会社の名前と商品名は、富士経済マーケティングレポートの20頁にあり、そのリストの商品の出荷日を見ると2007年7月より遅く、すべて被請求人より後で販売を開始した会社であって、被請求人が当時、先頭の会社であった証拠である。

また、日本国内の会社は、「BBクリーム」という商品を韓国側が説明するまま、翻訳し確認もしないまま「BB CREAM」とは「BLEMISH BALM」との説明を載せ、その意味が日本に広がるようになった。

(4)「BBクリーム」という商品の定義について

(ア)「BLEMISH BALM」の名前の由来は、最初はドイツ国からの商品であって、当時は販売していた商品名は「BLEMISH BALM」であり「BB CREAM」ではなかった。そして、「BLEMISH BALM」は、化粧品のカテゴリーではなく商品名であり、また、「BB CREAM」という商品名の名前の生まれは2006年から韓国である。

(イ)富士経済マーケティングレポートの説明には、ドイツの「BLEMISH BALM」は成型後、美容成型後、施術後、肌再生の肌に使用されると定義する。

また、韓国製の「BBクリーム」はファンデーションとメイクアップベースを混ぜてそれに紫外線の「UV CARE」をいれ、これらを別々に塗ると化粧が厚くなるので一本化にしたファンデーションの種類である旨の記載、そして、その定義に韓国で製造されている物のみを対象にすると、書いている。

そうすると、韓国製の「BBクリーム」の発想は、確かにドイツの「BLEMISH BALM」から派生した商品であり、商品によっては同様の商品とはいえない部分も存在する。

(5)甲各号証について

甲第3号証の2から甲第6号証の7までの証拠は「BBクリーム」の由来を書いているだけで韓国製「BBクリーム」の品質語の証拠にならない。

この証拠は商売上の販売目的の説明書であり、「BBクリーム」を日本に輸出する韓国会社の説明を聞き、そのまま、検証せず日本語に翻訳して雑誌の広告に載せているだけであるから、公的の証明の資料とはいえない。

そして「konest」(甲第3号証の2)と「JAPAN MAIL MEDIA」(甲第3号証の3)は、韓国に来る日本人観光客のための韓国市場に関する海外発信のサイトであり国内の市場の説明でない。

また、富士経済マーケティングレポートの2頁の19番に、本件商標出願の2007年の後半まで、日本でも無知に近く認知性がなかったと証明している。

(6)「BB」の語について

請求人は「BB」だけの語は、自他商品の識別標識として機能し得ないと説明し、登録ができないから無効であるとしているが、既に第3類「化粧品」中、「BB」だけの登録商標も存在する。

また、「BBクリーム」商標は、2007年4月27日に出願され、2008年10月10日に登録第5172928号商標として設定登録されている。

(7)結論

以上のとおり、本件商標「B・B BLEMISH BALM」という二段構成の商標の表示は、被請求人が考え出した考案であり、先出願し、権利になったものであって、かつ、韓国でもドイツでも世界のどの国も、当該表示した登録商標は存在しない正当な商標権である。

したがって、本件商標は、無効にされる理由が存在しない。

2 弁駁に対する第2答弁

(1)本件商標は、構成文字全体を持って一体不可分の一種の造語を表したものとして認識し把握されるとみるのが相当である。

(2)ドイツでの1998年の出願商標は、「BLEMISH BALM」であり、「BB/BLEMISH BALM」ではない。ドイツでも「BB/BLEMISH BALM」として出願したら、登録になった事例である。

「BB」の語は、造語で2006年9月頃、韓国で使い始めたことであり、ドイツの会社の出願の時、1998年には存在しなった新造語でありドイツの出願とは関係ない。

(3)「BB」の文字部分は 株式会社ディーアールの商標出願の不服2008−7766号の事件(乙第6号証)の証拠から、直ちに商品の規格、形式、品番等に用いられる記号又は符号の一類型として認識されるものということはできないとする証拠がある。

(4)「BB CREAM」と「BLEMISH BALM」は、答弁書に書いているように「BB CREAM」の意味が「BLEMISH BALM」から派生したものの商標自体も同じではない。

「BB CREAM」に関し、韓国では商標権の権利者もないし、韓国ではどの会社も商標権を持っていない理由は、韓国でも請求人の主張のとおり英文の2文字だけでは登録ができなかったからである。

しかし、本件商標は、「BB」の2文字ではなく「BB/BLEMISH BALM」の表示である。

それに、韓国でも乙第3号証の1及び2から見るように、「BLEMISH BALM」は、登録され登録商標になっている証拠がある。

請求人の主張によって判断したら「BLEMISH BALM」と「BB CREAM」が同じであれば、請求人の商品の韓国会社は、「BLEMISH BALM」の韓国国内の登録商標を侵害していることになる。

甲第8号証の商品もすべて、韓国産の「BB」の表示の商品、すべてが韓国国内の登録商標の侵害をしていることになる。

請求人の韓国会社のハンスキン社は、韓国の「BLEMISH BALM」の商標権者に使用許可を得ていないのであれば、「BLEMISH BALM」の商標が「BB CREAM」だけ表示し韓国では、「BLEMISH BALM」という表示がない限り、「BLEMISH BALM」の韓国の商標権者も「BB CREAM」の商標に権利が及ばないからである。

日本では、本件商標は「BLEMISH BALM」だけではなく「BB」と表示があるので「BB」だけの表示の場合でも「blemish balm」の意味を含んでいれば本件商標の侵害になる。

(5)株式会社ディーアールの出願商標と被請求人の登録商標の構成態様が違うし、株式会社ディーアールは、「BB CREAM」の文字だけであるが、本件商標は「BB/BLEMISH BALM」である。

(6)TV放送が本件商標の査定日よりも前であることは書いているが番組の内容は韓国の現地の取材であるし、登録査定の3ヶ月前で一回のみ放送したことが商標登録の査定には何も関係がなく影響は存在しない。

(7)富士経済マーケティングレポートは、公的な組織ではなく私的な組織であるし、レポートの内容を否定する訳ではないが調査の範囲により、レポートの内容は違ってくる。

甲第3号証の1には、レポートの14頁の上部に「2.BBクリーム市場」の欄に、「本稿では、韓国化粧品メーカの日本法人、または正規代理店を通じて日本に輸入されている商品のみを市場算出の対象とし、並行輸入などの販売は実績に含まない。」と限定があるレポートである。それに被請求人が株式会社富士経済に抗議をし調査範囲に当社が漏れていたことの確認をした。

甲第5号証には、有限会社タッチが韓国のハンスキン社と契約をしているということは正規代理店になったにも関わらず甲第3号証の1に有限会社タッチが出てこない。

これは調査に漏れがあったことの証明になるか甲第5号証の陳述書の内容が事実ではない可能性が高い。

甲第3号証の1(18頁)には、請求人の韓国会社は2008年4月に株式会社メディカライズを輸入代理店としBBクリームの展開を開始したと証明している。

有限会社タッチは、富士経済マーケティングレポートに出てこない。

請求人は、富士経済マーケティングレポートに出てこない訳で当社の販売を否定しながら同じく出てこない有限会社タッチは販売を主張している。

根拠する資料がないと到底、認めることのできない主張であるが請求人が販売する前から先に販売していて、2008年1月25日のTV放送の当時からの「BB CREAM」の人気については、請求人も同意している。

その放送で紹介された「ETUDE BB CREAM」という商品を並行輸入で販売していた会社は、当時、当社以外にはいなかった。

当然、当社の注文が集中したに違いない。裁判では、被請求人の取引先の売り上げの資料も提出できる。

(8)請求人は、有限会社タッチが2006年1月頃には販売していたと最初の主張から変わり今は2006年11月にドメインを取得し、2007年11月に移行をしたと主張している。

有限会社タッチがドメイン取得が2006年11月であれ2007年11月であれ、ドメイン取得が販売を表している証拠としてもならず、本件商標とは何ら無関係である。

(9)むしろ、化粧品の輸入販売は、厚生省に輸入届けが必要である。

輸入届けがないと輸入ができない。有限会社タッチも輸入届けがあったら証拠として出すべきである。

(10)請求人の販売商品が占有率がもっとも高いことと、本件商標とは何ら関係がなく傾聴に値しない。

(11)請求人は、商標の出願とは独占の権利の確保に目的があり、独占をする意図ではなかったといくら、今になって否定しても出願の証拠の経緯の流れから、自ら品質語であることを否定した証拠である。出願から判断しても理解できない弁解である。

第4 当審の判断

本件商標は、別掲のとおり「B・B」と「BLEMISH BALM」の文字を二段に書してなり、第3類「化粧品、せっけん類」を指定商品とするものであるところ、請求人は、本件商標に商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたとする無効事由が存在すると述べているので、その当否について判断する。

なお、登録商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断時期は査定時又は審決時であると解されるところ、本件商標については、平成20(2008)年4月25日に登録査定がされたものである。

1 本件商標の構成文字「B・B」及び「BLEMISH BALM」について

(1)「BLEMISH BALM」を構成する各文字の意味

本件商標の構成文字中の「BLEMISH BALM」の文字部分は、辞書サイトのウェブページ(甲第2号証)によれば「傷、染み、欠点、汚点、欠陥」などを意味する「blemish」と「香油、鎮静薬、軟膏」などを意味する「balm」の英単語を大文字表記したものと認められる。

(2)雑誌等における「BLEMISH BALM」及び「BB」の説明

(ア)富士経済マーケティングレポート(甲第3号証の1)の12頁において「BBクリームは、元々はブレミッシュ・バーム(Blemish Balm)と呼ばれるドイツ製の医療向けの化粧料で、美容整形やピーリングの施術後の肌に使用される、スキンケア効果(特に傷ついた肌の沈静を訴求)に肌のカバー効果を付加したアイテムであった。」及び「...1980年代初め頃にドイツからブレミッシュ・バームクリームが伝わり、主に皮膚科などの医療ルートで...高級メディカルクリームとして扱われていた。」との記載が認められる。

(イ)平成19(2007)年8月7日発行の雑誌「女性自身」(甲第3号証の4)での掲載とする、「BBクリーム」の広告頁(PRページ)において「...『BB』はBlemish Balmの略。Blemish(欠点、傷)を補うバームという意味。」などの記載、同年8月28日発行の同誌(甲第3号証の5)、平成20(2008)年1月22日発行の同誌(甲第3号証の10)及び同年2月12日発行の同誌(甲第3号証の13)とするものにも同記載が認められる。また、同年3月11日発行の同誌(甲第3号証の15)とするものには、「日本でも買える各国“バカ売れ”優れモノコスメ」の見出しの下「BBクリームとは、ブレミッシュ・バーム(Blemish Balm、欠点、傷を補うバーム)の略で、美容クリーム、化粧下地、ファンデーションが一つになったクリームのこと。...もともと、元祖とされているのは、'80年代にドイツの会社で作られ、韓国にもたらされたクリーム。...」などの記載が認められる。

また、平成20(2008)年3月25日発行の雑誌「週刊女性」(甲第3号証の14)とする、多機能化粧品「BBクリーム」の広告頁においても「...『BB』はBlemish Balmの略。Blemish(欠点、傷)を補うバームという意味があります。」の記載が認められるほか、同年3月27日発行の雑誌「女性セブン」(甲第3号証の16)での「ウワサの『BBクリーム』でセンオル(すっぴん)美人に挑戦」の見出しの下「...そもそも『BBクリーム』の“BB”はブレミッシュバーム(Blemish Balm:欠点や傷を補うバーム)の略称で、もともとは、美容外科でピーリングやレーザー治療などを行った後の肌を保護する目的で開発されたもの。...つまり、美容液と化粧下地とファンデーションがひとつになったクリームだ。...」などの記載と正規代理店を通して日本で発売されたとする5つの商品が紹介されていることが認められる。

(ウ)平成19(2007)年11月15日発行の韓流カルチャー情報雑誌とする「HOT CHILIPAPER」(甲第3号証の7)には、「第5回 BBクリーム旋風上陸なるか?!」の見出しの下「...『BBクリーム』って何?という方が日本では多いかと思います。Blemish (欠点・傷)Balm(バーム・軟膏)の略称で...そもそもドイツで開発され皮膚科やエステサロンで使用されていたもので、シュラメックの製品が世界的に有名です。日本にも同様の製品として...何年も前から売られています。...」などの記載と「今、日本でも買えるBBクリーム」として「ミシャMBBクリーム」と「パーフェクトBBクリーム」が紹介されていることが認められる。

また、2007年12月17日(第634号)付けのサムスン経済研究所が発行している「CEO Information」(甲第3号証の8)には、「2007年10大ヒット商品の選定」とのタイトルの下「第9位 BB(Blemish Balm)クリーム:肌の欠点を補うための機能性化粧品」(1頁)及び「9.BB(Blemish Balm)クリーム」との見出しの下「BBクリームは、当初、皮膚科(エステ)でピーリングなどの治療を受けた後、敏感になった肌を落ち着かせ、再生を助けるために開発された製品である。しかし、肌の欠点を補いうえ、紫外線の遮断、美白効果が得られるなど多様な機能が追加され、スキンケアに感心の高い多様な年齢層の女性から人気を集め、インターネットショッピングやTVショッピングなどによる販売が急増している。」(9頁)などと記載されていることが認められる。

(エ)「最終更新日:07.05.21」とするウェブサイト「Konest」(甲第3号証の2)において「『BB』は、Blemish Balmの略称。ブレミッシュ(欠点・傷)を補うバームということです。...」との記載、「配信日:2007‐06‐29」とするウェブサイト「Japan Mail Media」(甲第3号証の3)においても「...BBクリームとは、ブレミッシュバルム(Blemish Balm)の略で...」の記載、「登録日:2008年1月21日」とするウェブサイト「OS Commerce +mobile」(甲第3号証の9)では、「...韓国で『芸能人化粧品』とも呼ばれるBBクリームの正式名称は『ブラミッシュバーム(Blemish Balm)』だそうです。...」との記載、ウェブページ「So-netブログ」(甲第3号証の11)において「...“BB”は、Blemish(欠点・傷)、Balm(いやす)という意味。...」の記載、及び「山崎裕子(2008‐01‐28 16:30)」とするウェブページ「OhmyNews」(甲第3号証の12)では「...BBとはBlemish Balmの略。つまり、傷や欠落(ブレミッシュ)を補うバームのことで、もともとは美容整形外科や皮膚科で使用されていた処方医薬品でした。...」の記載などがそれぞれ認められる。

2 商標法第3条第1項第3号の該当性について

以上の辞書サイトのウェブページ(甲第2号証)、富士経済マーケティングレポート(甲第3号証の1)、女性向けの週刊誌(甲第3号証の4、5、10、13ないし16)、韓国での情報を紹介する雑誌(甲第3号証の7、8)及びウェブページ(甲第3号証の2、3、9、11、12)によれば、

(1)「Blemish Balm(ブレミッシュ・バーム)」は、「blemish (欠点・傷)」及び「balm(バーム・軟膏)」の意味を有する語として、当初、ドイツにおいて高級メディカルクリームとして開発され、美容整形外科や皮膚科において商品名として使用され、これが1980年代始め頃に韓国に伝わったこと、その後、当該商品は韓国において「美容クリーム、化粧下地、ファンデーションが一つになったクリーム」とする、いわゆる「BBクリーム」とする化粧品に派生したこと、そして、「BBクリーム」の広告頁において「...『BB』はBlemish Balmの略。Blemish(欠点、傷)を補うバームという意味。」や「“BB”はブレミッシュバーム(Blemish Balm:欠点や傷を補うバーム)の略称」などの各記載を認めることができる。

そして、これらの記載事実は、本件商標の出願前から遅くとも本件商標の登録査定日である平成20(2008)年4月25日前には、既に女性向けの週刊誌などに掲載されていた事実を認めることができる。

(2)上記認定事実からしてみると、化粧品業界の取引者やエステサロンなどの美容関連の事業者やその従事者、及び特にスキンケアに関心をもつ女性層を主とした需要者間においては、上記で認定した「BBクリーム」に関する広告や紹介を通じて「BB」或いはこれにクリームの語を付した「BBクリーム」がそもそも「Blemish Balm」からの派生した語と容易に理解でき、「Blemish Balm」又はこれを大文字表記した「BLEMISH BALM」自体からも、当該広告や紹介で喧伝される「美容クリーム、化粧下地、ファンデーションが一つになったクリーム」を認識させるとみて差し支えなく、また「BB」の語自体も当該商品を認識させるというのが自然である。

(3)そうすると、本件商標の構成中、下段に書された「BLEMISH BALM」の文字は「Blemish Balm」の文字を大文字で表記したものと、また、同じく上段の「B・B」の文字は、中点「・」を介して表示されているとはいえ、「Blemish Balm」の略語ないし「BLEMISH BALM」の頭文字として把握されるものというのが相当であるから、本件商標は、これをその指定商品中、「美容クリーム、化粧下地、ファンデーションが一つになった多機能化粧品」について使用しても、単に商品の品質を表したものと認識されるにとどまり、自他商品の識別標識として機能するものとは認められない。

3 商標法第4条第1項第16号の該当性について

また、上記のとおり、本件商標が当該多機能化粧品を認識させるものであるから、それ以外の「化粧品」について使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

4 被請求人の主張について

(1)本件商標の構成等について

被請求人は、本件商標を構成する上段の「B・B」と下段の「BLEMISH BALM」は相互補完的な組み合わせの商標であり、分離し判断はできないとし、また、「B・B」の部分は図形の形を取り、識別力があるように大太文字になっている旨述べている。

確かに、被請求人も述べるように「B・B」の表示は、「BLEMISH BALM」の略との点は認められ、両語の間には相互・互換性のある密接なものであることは上述のとおりである。しかし、本件商標のかかる構成にあって、上段の「B・B」の文字が下段の「BLEMISH BALM」に比較して大きく表示されることによって、殊更に略語としての認識性が失われ、かつ別異の印象を受けるものとするのは困難であり、本件商標の構成にあって、「B・B」の文字が下段の「BLEMISH BALM」と相俟って、当該多機能化粧品を認識させる以上にないものというべきである。

(2)「HANBIBI」について

被請求人は、「B・B」の文字が同人のサイトの名前の「HANBIBI」の意味の省略でもあり、また、本件商標の「B・B」が「HANBIBI」の意味のあることは証明できる旨述べている。

しかし、これを証明するものとして提出された、商標出願2008−75846(乙第1号証の1)の【商標(検索用)】の箇所には「HAN B.B\BLEMISH BALM」、商標出願2008−50281(乙第1号証の2)の【商標(検索用)】の箇所には「B.B\BLEMISH BALM\B.B CREAM」、商標登録5181439号(乙第1号証の3)の【商標(検索用)】の箇所には「SUPER MAGIC\B・B\BLEMISH BALM」及び商標出願2008−50293(乙第1号証の4)の【商標(検索用)】の箇所には「B.B CREAM\BLEMISH BALM」の記載が認められる以上に、これをもってかかる主張を認めることは困難である。

また、被請求人は、2008年5月11日に書いたブログ(乙第2号証)の内容でも「HANBIBI」の意味を含んだことが確認できる旨述べている。

しかし、該ブログに「BBクリームとはHANBIBIの意味です」及び「BBクリームはHANBIBIの意味にもなります」との記載を認め得るが、これが如何なる者によって、如何なる目的で書かれたか明らかでなく、まして、本件商標の登録査定日である平成20(2008)年4月25日以後になるものであるから、これを本件商標の「B・B」が「HANBIBI」の意味があることの証明として、俄に採用し難いものである。

(3)甲号証について

甲第3号証の2から甲第6号証の7までの証拠は「BBクリーム」の由来を書いているだけであり、商売上の販売目的の説明書であって「BBクリーム」を日本に輸出する韓国会社の説明を聞き、そのまま、検証せず日本語に翻訳して広告の雑誌に載せているだけであるから、公的の証明の資料とはいえない。

また、本件商標は分離し判断できないし、「B・B BLEMISH BALM」という熟語が日本語に存在するものでなく、いわば二段に分け表示した造語であり、品質の属性を表すものとして一般的に使われている言葉ではない旨述べている。

しかし、甲各号証が偽証ないしはその記載内容について虚偽とするものであればともかく、本件商標についての無効事由を判断する証拠として甲第3号証の記載事実を採用し得たこと上述のとおりであるから、これについての主張は採用できない。

そして、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質等を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるから、本件商標が商品の品質等を表すものであるとすることの妨げにはならないというべきである。

(4)その他、被請求人は、「B・B」や「BLEMISH BALM」などを構成要素とする商標において、韓国での登録商標の存在(乙第3号証)、請求人の出願を含め我が国での商標の出願状況や登録審決の判断(乙第4号証ないし乙第6号証)などを挙げて、要は本件商標「B・B BLEMISH BALM」という二段構成の商標の表示は、被請求人が考え出した考案であり、先出願し、権利になったものであって、かつ、韓国でもドイツでも世界のどの国も、当該表示した登録商標は存在しない正当な商標権である旨述べている。

しかし、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、指定商品の取引の実情等を考慮し、取引者や需要者の認識を基準として、個別具体的に判断されるべきものであるから、諸外国の登録状況や我が国での出願ないし登録の状況に左右される理由はなく、また、商標の登録要件にあっては創作性が問題になるものでもない。

そして、請求人が「BLEMISH BALM」に関する商標について、自ら出願したとしても、そのことをもって当該商標に識別力があることを自白したことにはならない。

(5)以上のとおり、上記した被請求人の主張は、いずれも採用することができない。その他、被請求人の主張をもって、前記認定を覆すことはできない。

5 結語

以上のとおり、本件商標は、これをその指定商品中の当該「美容クリーム、化粧下地、ファンデーションが一つになった多機能化粧品」について使用しても、単に商品の品質を表したものと認識されるにとどまり、それ以外の「化粧品」について使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

しかしながら、請求人の提出に係る証拠をもってしては、指定商品中の「化粧品」以外の商品「せっけん類」について、その商品の品質を表すものとは認められず、又、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものとも認められない。

したがって、本件商標の指定商品中「化粧品」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたと認められるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とし、請求に係るその余の指定商品については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたと認められないから、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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