結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−301354(T2008−301354/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4102436号商標(以下「本件商標」という。)は、「FILO D ́ORO」の文字を横書きしてなるものであって、平成6年11月10日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,足袋,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同10年1月16日に設定登録がされ、その後、同19年10月16日に商標権存続期間の更新登録がされて、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、本件商標の商標公報及び商標登録原簿の写しを提出した。
本件商標は、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもがその指定商品について使用をしていない。
乙第1ないし第9号証は、いずれも商標法第50条第1項にいう指定商品についての登録商標の使用を証明するに足るものではない。
(1)乙各号証について
乙第2ないし第9号証には、いずれも同一の「FILO D ́ORO商品リスト」(以下「商品リスト」という。)なる複数の手袋の画像を表示した書面を添付し、同リスト中の商品が、平成18年11月24日に自身の購入した商品と同一のものであることを証明するとした4名によりそれぞれ署名された「証明書」からなるものである。
(ア)商品リスト
被請求人は、商品リストとは「被請求人が作成して当初から店舗に備えている商品リスト」であると述べているが、当該書面上に作成者に関する記載は一切されておらず、また、同書面の作成日及び店舗に備えられているとする「当初から」の期間も明らかではない。
商品リストの構成も、手袋の画像とは別に商品の番号等の文字が印刷されているのみで、商品自体又は商品の包装に本件商標が付されている事実は示されていない。
さらに、各商品画像の右上部に記載された文字が消去された形跡がある等、これを客観的な証拠能力のある「商品リスト」として採用することには疑問があるといわざるを得ない。
(イ)乙第2号証
乙第2号証は、被請求人の顧客とされる「綾野康子」の署名による証明書であるところ、上述のとおり、もとより証明に係る商品を特定し、本件商標と商品の関連を唯一示すべき「商品リスト」が証拠として適格であるかが不明であり、さらに、商品リストには類似のデザインの手袋が複数印刷され、一つ一つの画像も小さいものであって、個々の商品を色や材質を含めて特定できるほど鮮明に表しているとはいい難いものである。
このような書面を基に、購入から2年以上が経過した平成21年1月5日にその商品を特定するのは困難なはずである。
そして、被請求人が今般、その証明書作成に当たってその連絡先を知っていたこと、また、当該証明書に係る納品書が「特別セール」に関するものであることから、乙第2号証に署名した「綾野康子」は、被請求人と密接な取引関係がある近しい人物であることが窺える。
また、証明書の内容は以下に述べる乙第3ないし第9号証に係る証明書と商品番号以外の内容を同じくし、明らかに被請求人が事前に準備したものであるといえるものであって、詳細な検討を行わずに同書面への署名を依頼することは容易であったものと推測される。
したがって、乙第2号証は、本件商標を使用していた事実を証明するには客観性が欠けているといわざるを得ない。
(ウ)乙第3ないし第9号証
乙第3ないし第9号証は、乙第2号証と同様に商品リストとこれに掲載の手袋を販売した際に発行されたとする納品書、及びこれら書面の内容に相違がないとする「塩田るり」、「鳥海陽子」、及び「河本涼」の署名による証明書からなるものである。
被請求人が自認するところによれば、上記3名は「被請求人社員」であり、また、乙第1号証の登記簿履歴事項全部証明書を徴するに、「塩田るり」は、被請求人の取締役であると思われる。
そうとすれば、乙第3ないし第9号証はいずれも被請求人自身が作成したものであるといえる。
さらに、乙第7ないし第9号証については、証明書において対象商品として特定された商品リストに示された画像の右上には、「参考色」(乙第7及び第9号証)及び「参考商品」(乙第8号証)と読める文字が水平方向に下から3分の2ほど消去された状態で残っており、このような「参考」として示された商品画像をもって自身が購入した商品を特定することはできないと考えるのが自然である。
上記のとおり、乙第3ないし第9号証は、被請求人自身が自らの本件商標の使用を宣言しようとしているに過ぎないものであり、その信憑性を客観的に証明する証拠が何ら提出されていない。
(2)むすび
以上述べたとおり、被請求人の提出に係る乙第1ないし第9号証は、いずれも商標法第50条第1項にいう指定商品についての登録商標の使用を証明するに足るものではない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第9号証を提出した。
(1)本件商標は、東京都渋谷区に本店及び店舗を置き「婦人服、紳士服、靴及び服飾雑貨の企画製造販売に関する業務」を主たる業務(乙第1号証)とする商標権者である被請求人により、本件審判の予告登録日前3年以内に日本国内において、第25類に属する指定商品中、商品「手袋」について使用されているものであるから、本件商標は取り消されるべきではない。
(2)被請求人が商品「手袋」に使用した商標は、乙第2ないし第9号証に明示されるとおり、「FILO D ́ORO」の欧文字を一連に書した構成からなるものであり、本件商標と社会通念上、同一といえるものである。
また、商品「手袋」は、第25類の本件商標の指定商品に含まれていること、明らかである。
(3)具体的には、平成18年11月24日に、商品「手袋」の販売に際して取引書類である納品書に本件商標を表示して、購入者に手渡した事実がある。
この事実を立証するために、被請求人が当該商品の販売にあたって当日発行した納品書(控)の写しと、その販売にあたり被請求人が作成して当初から店舗に備えている商品リストの写しを添付した顧客の証明書を提出する。
ア.平成21年1月8日付、東京都世田谷区に所在の「綾野康子」発行の証明書(乙第2号証)
該証明書に添付された納品書(控)は、被請求人が平成18年(2006年)11月24日に発行し、商品「手袋」とともに、該証明者に手渡した写しである。
同納品書(控)第2行目の「BRAND」欄の「FILO D ́ORO」及び「STYLE No. MATERIAL & COLOUR」欄の「142/S.C. CASHMERE SUEDE 3GRIGIO」の各記載は、商標が「FILO D ́ORO」であって、また、商品スタイルのナンバーが「142/S.C.」であり、商品の材質と色彩が「スエード製で裏地にカシミヤ生地を使用し、色彩が灰色」である商品「手袋」を表しており、そして「REMARKS」欄に記載の「06/12 SALE」が特別セールによる販売であることを表している。
すなわち、この証明書によれば、同納品書(控)の記載内容は、同証明書に添付された商品リストの左欄下から2段目の「FILO D ́ORO 2005AW FD008 142/S.C. SUEDE 3GRIGIO CASHMERE」と表示された商品「手袋」と同一の商品を示し、それが販売されたことは明らかである。
(4)また、被請求人は、平成18年11月24日に、特別セールとしての商品「手袋」の販売に際して、取引書類である納品書に本件商標を表示して被請求人社員に手渡した事実がある。
この事実を立証するために、被請求人が当該商品の販売にあたって当日発行した納品書(控)の写しと、その販売にあたり被請求人が作成して当初から店舗に備えている商品リストの写しを添付した顧客としての被請求人社員の証明書を提出する。
ア.平成21年1月7日付、東京都渋谷区に所在の「塩井るり」発行の証明書(乙第3号証)
該証明書に添付された納品書(控)は、被請求人が平成18年(2006年)11月24日に発行し、商品「手袋」とともに、該証明者に手渡した納品書(控)写しである。
同納品書(控)第3行目の「BRAND」欄の「FILO D ́ORO」及び「STYLE No. MATERIAL & COLOUR」欄の「299/C CASHMERE NAPPA 7MARRONE」の各記載は、商標が「FILO D ́ORO」であって、また、商品スタイルのナンバーが「299/C」であり、商品の材質と色彩が「羊の皮革製で裏地にカシミヤ生地を使用し、色彩が栗色」である商品「手袋」を表しており、そして、「REMARKS」欄に記載の「06/12 SALE」が特別セールであることを表している。
すなわち、この証明書によれば、同納品書(控)の記載内容は、同証明書に添付された商品リストの右欄下から3段目の「FILO D ́ORO MEN’S 2005AW FD004 299/C NAPPA 7MARRONE CASHMERE」と表示された商品「手袋」と同一の商品を示し、それが販売されたことは明らかである。
イ.平成21年1月5日付、東京都目黒区に所在の「鳥海陽子」発行の証明書(乙第4ないし第8号証)
該各証明書に添付された納品書(控)は、被請求人が平成18年(2006年)11月24日に発行し、商品「手袋」とともに、該証明者に手渡した納品書(控)の写しである。
(ア)該納品書(控)第1行目の「BRAND」欄の「FILO D ́ORO」及び「STYLE No. MATERIAL & COLOUR」欄の「PECK/U PECKARY 3D.BROWN」の各記載は、商標が「FILO D ́ORO」であって、また、商品スタイルのナンバーが「PECK/U」であり、商品の材質と色彩が「猪豚の皮革製で色彩が焦げ茶色」である商品「手袋」を表しており、そして、「REMARKS」欄に記載の「06/12 SALE」が特別セールであることを表している。
すなわち、該納品書(控)の記載内容は、乙第4号証の証明書に添付された商品リストの右欄1段目の「FILO D ́ORO MEN’S 2005AW FD001 Peck/U PECKARY 3D.BROWN」と表示された商品「手袋」と同一の商品を示し、それが販売されたことは明らかである。
(イ)同様に、第2行目の「299/C CASHMERE NAPPA 7MARRONE」との記載は、商品スタイルのナンバーが「299/C」であり、商品の材質と色彩が「羊の皮革製で裏地にカシミヤ生地を使用し、色彩が栗色」である商品「手袋」を表し、この記載内容は、乙第5号証の証明書に添付された商品リストの右欄上から4段目の「FILO D ́ORO MEN’S 2005AW FD004 299/C NAPPA 7MARRONE CASHMERE」と表示された商品「手袋」と同一の商品を示し、それが販売されたことは明らかである。
(ウ)同様に、第3行目の「482/C CASHMERE NAPPA 7MARRONE」との記載は、商品スタイルのナンバーが「482/C」であり、商品の材質と色彩が「羊の皮革製で裏地にカシミヤ生地を使用し、色彩が栗色」である商品「手袋」を表し、この記載内容は、乙第6号証の証明書に添付された商品リストの左欄上から2段目の「FILO D ́ORO 2005AW FD012 482/C NAPPA 7MARRONE CASHMERE」と表示された商品「手袋」と同一の商品を示し、それが販売されたことは明らかである。
(エ)同様に、第4行目の「141/S SILK NAPPA 2GIALLO」との記載は、商品スタイルのナンバー「141/S」であり、商品の材質と色彩が「羊の皮革製で裏地に絹生地を使用し、色彩が黄色」である商品「手袋」を表し、この記載内容は、乙第7号証の証明書に添付された商品リストの左欄上から3段目の「FILO D ́ORO 2005AW FD018 141/S NAPPA 2GIALLO SILK」と表示された商品「手袋」と同一の商品を示し、それが販売されたことは明らかである。
(オ)同様に、第5行目の「153/4”/S SILK NAPPA GIALLO LIMONE」との記載は、商品スタイルのナンバーが「153/4”/S」であり、商品の材質と色彩が「羊の皮革製で裏地に絹生地を使用し、色彩がレモンイエロー」である商品「手袋」を表し、この記載内容は、乙第8号証の証明書に添付された商品リストの右欄上から1段目の「FILO D ́ORO 2005AW FD010 153/4”/S NAPPA GIALLO LIMONE SILK」と表示された商品「手袋」と同一の商品を示し、それが販売されたことは明らかである。
ウ.平成21年1月8日付、東京都杉並区に所在の「河本涼」発行の証明書(乙第9号証)
該証明書に添付された納品書(控)は、被請求人が平成18年(2006年)11月24日発行し、商品「手袋」とともに、該証明者に手渡した納品書(控)の写しである。
同納品書(控)第8行目の「BRAND」欄の「FILO D ́ORO」及び「STYLE No. MATERIAL & COLOUR」欄の「299/C CASHMERE NAPPA 6TANSI」とあるのは、商標が「FILO D ́ORO」であって、また、商品スタイルのナンバーが「299/C」であり、商品の材質と色彩が「羊の皮革製で裏地にカシミヤ生地を使用し、色彩が黄褐色」である商品「手袋」を表し、そして、「REMARKS」欄に記載の「06/12 SALE」が特別セールであることを表している。
すなわち、この証明書によれば、同納品書(控)の記載内容は、同証明書に添付された商品リストの右欄下から2段目の「FILO D ́ORO MEN’S 2005AW FD005 299/C NAPPA 6TANSI CASHMERE」と表示された商品「手袋」と同一の商品を示し、それが販売されたことは明らかである。
(5)以上述べたように、本件商標は、その指定商品中、商品「手袋」について、本件審判の予告登録日前3年以内である平成18年11月24日に、被請求人により、その本店の所在地において使用された事実が存すること明白であって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当せず、何ら取り消されるべき理由はない。
提出された乙各号証及び答弁趣旨によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第2号証には、納品書(控)及び商品リストが添付されており、納品書(控)には、被請求人の英文字表記、あて名を「諸口 綾野康子」、日付「06年11月24日」ほか、第2行目に本件商標と略同一といえる商標「FILO D ́ORO」、商品スタイルのナンバー、その材質と色彩表示「142/S.C. CASHMERE SUEDE 3GRIGIO」、サイズ、価格などの記載がされていること、及び手袋12双を配置した商品リストには、左上「FILO D ́ORO」の表示の下、手袋1双ごと縦二列に配置した写真と「FILO D ́ORO」、「2005AW」、「FD002」ないし「FD005」、「FD008」ないし「FD011」及び「FD016」ないし「FD019」ほか、商品スタイルのナンバー、その材質と色彩表示や価格などの統一的な記載がされていること(以下「商品リストA」という。)、そして、これの左欄下から2段目には「142/S.C. SUEDE 3GRIGIO CASHMERE」と表示されていることから、平成18年(2006年)11月24日の特別セールにおいて、顧客とする「綾野康子」と被請求人との間で、本件商標と略同一といえる商標を取引書類である納品書において使用し、該商品スタイルのナンバー及びその材質と色彩とする商品リストAの当該箇所に掲載された手袋1双(FD008)の商取引がされたと認めることができる。
(2)乙第3号証の納品書(控)には、あて名を「社員 塩田るり」(なお、同人は被請求人の取締役である。:乙第1号証)、第3行目に「299/C CASHMERE NAPPA 7MARRONE」、サイズ、価格ほか、上記(1)と同様に被請求人の英文字表記、日付、本件商標と略同一といえる商標「FILO D ́ORO」などの記載がされていること、及び商品リストAの右欄下から3段目には「299/C NAPPA 7MARRONE CASHMERE」と表示されていることから、平成18年(2006年)11月24日の特別セールにおいて、「塩田るり」と被請求人との間で、本件商標と略同一といえる商標を取引書類である納品書において使用し、該商品スタイルのナンバー及びその材質と色彩とする商品リストAの当該箇所に掲載された手袋1双(FD004)の商取引がされたと認めることができる。
(3)乙第4ないし第8号証の納品書(控)には、あて名を「社員 鳥海陽子」、第1行目に「PECK/U PECKARY 3D.BROWN」、第2行目に「299/C CASHMERE NAPPA 7MARRONE」、第3行目に「482/C CASHMERE NAPPA 7MARRONE」、第4行目に「141/S SILK NAPPA 2GIALLO」、及び第5行目に「153/4”/S SILK NAPPA GIALLO LIMONE」とサイズ、価格ほか、上記(1)と同様に被請求人の英文字表記、日付、本件商標と略同一といえる商標「FILO D ́ORO」などの記載がされていること、及び商品リストAと同様な統一的な記載がされている手袋7双を配置した商品リスト(以下「商品リストB」という。)の右欄には該納品書(控)第1行目に対応する「Peck/U PECKARY 3D.BROWN」、同じく商品リストAの右欄下から3段目には第2行目に対応する「299/C NAPPA 7MARRONE CASHMERE」、同じく商品リストBの左欄上から2段目には第3行目に対応する「482/C NAPPA 7MARRONE CASHMERE」、同じく商品リストAの左欄上から3段目には第4行目に対応する「141/S NAPPA 2GIALLO SILK」、及び同じく商品リストAの右欄上から1段目には第5行目に対応する「153/4”/S NAPPA GIALLO LIMONE SILK」とそれぞれ表示されていることが認められるから、平成18年(2006年)11月24日の特別セールにおいて、「鳥海陽子」と被請求人との間で、本件商標と略同一といえる商標を取引書類である納品書において使用し、該各商品スタイルのナンバー及びその材質と色彩とする商品リストAまたはBの当該箇所に掲載された手袋5双(FD001、FD004、FD012、FD018、FD010)の商取引がされたと認めることができる。
(4)乙第9号証の納品書(控)には、あて名を「社員 河本涼」、第8行目に「299/C CASHMERE NAPPA 6TANSI」、サイズ、価格ほか、上記(1)と同様に被請求人の英文字表記、日付、本件商標と略同一といえる商標「FILO D ́ORO」などの記載がされていること、及び商品リストAの右欄下から2段目には「299/C NAPPA 6TANSI CASHMERE」と表示されていることから、平成18年(2006年)11月24日の特別セールにおいて、「河本涼」と被請求人との間で、本件商標と略同一といえる商標を取引書類である納品書において使用し、該商品スタイルのナンバー及びその材質と色彩とする商品リストAの当該箇所に掲載された手袋1双(FD005)の商取引がされたと認めることができる。
請求人は、商品リストについて、作成者、作成日及び店舗に備えられているとする期間、その構成、及び各商品画像の右上部に記載された文字が消去された形跡がある等を述べて、証拠としての適格性が不明であり、これを採用するには疑問があるとし、また、「綾野康子」の証明書(乙第2号証)について、署名者が被請求人と密接な取引関係がある近い者であることが窺えるから、これが本件商標を使用していた事実を証明するには客観性が欠けているとし、さらには、乙第3ないし第9号証の各証明者は被請求人社員であって、被請求人自身が自らの本件商標の使用を宣言しようとしているに過ぎないものであるから、その信憑性を客観的に証明する証拠が何ら提出されていない旨主張する。
(1)しかしながら、適格性が不明であるとする2種の商品リストは、その掲載内容からして手袋の製造または販売者などの業者間で使用される商品カタログのような体裁からなり、その作成時期は「2005AW」の記載が「2005年(平成17年)の秋冬」を表したものとみて差し支えなく、係るシーズン商品(手袋)の販売のため作成されたものとみるのが自然である。
そして、乙第2ないし第9号証に添付された商品リストA及びBは、当該特別セール時には直接に取引書類として使用されたものでないとしても、その添付した目的が納品書において、本件商標と略同一といえる商標を使用した商品が商品リストAまたはBに掲載された手袋と同一の商品であることを証明するためのものであって、商品リストに記載された写真の大きさ、その色彩等をもって、商品の特定が困難となるものでもなく、その整合性は容易に確認できる。
(2)また、各納品書(控)からして、購入日が平成18年(2006年)11月24日であり、かつ、破格な値段で商取引されていることから、当該特別セールは、旧シーズンの在庫品あるいはサンプル品などのセールと察せられ、通常の販売経路や店舗での販売とは異なり、自ずとその取引対象者も限定されるということができ、一般の営業活動にあってもファミリーセールなどと称して、社員や家族あるいはメーカーと密接な取引関係がある者に限定されたセールは、各種アパレルメーカーにより開催されており、これと同様にみられる当該特別セールにおいて、被請求人社員3名が顧客といえるかはさておき、これを含む各証明者が当該手袋を購入したことの商取引が否定されるものとはできない。
そして、本件商標を使用した事実について述べる被請求人の主張及びその事実を証明するとして提出された乙第2ないし第9号証には不審とする点は見出せず、これを述べる請求人主張、その他の主張は何ら客観的な立証もなく、にわかに採用できない。
そうすると、被請求人は、乙第2ないし第9号証によって、本件商標と略同一の商標について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中「手袋」について、その使用をしていたことを証明し得たものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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