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Trademark Appeal Case

トータルカーライフの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−17831(T2008−17831/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「トータルカーライフ」の文字を標準文字で表してなり、第2類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年11月30日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同19年9月7日付け提出の手続補正書により、第2類「防錆剤,塗料,防錆グリース」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『総合的な車生活』というほどの意味合いを容易に理解させる『トータルカーライフ』の文字を書してなるところ、今日の車社会においては、車というものを抜きにしては現代の生活はなりたたないほどであり、また、自動車に関する極めて多くの商品やサービスが生産、製造され、提供されている実情にある。そうした中で、車に関わる事業や企業においては、車に関連した商品やサービス(新車・中古車・カー用品の販売、整備、買取、保険等)をまとめて全てにわたって提供していこうとする事業展開がなされており、これを象徴する言葉として、新聞、雑誌、インターネット等において幅広く『トータルカーライフ』の文字が使用されている。してみれば、本願商標は、これをその指定商品中『車に関連した商品(車用の商品)』について使用しても、取引者、需要者は『総合的な車生活』という意味合いで、商品の単なる広告、宣伝的な類のキャッチフレーズとして理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年1月27日付けで証拠調べの結果を通知した。

4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)

前記3の証拠調べ通知に対し、請求人は、平成21年3月18日付けで上申書を提出し、意見書を提出する用意があるため、しばらく審理を猶予してほしい旨述べ、その後、同年6月16日付けで意見書を提出し、次のように述べている。

本願商標「トータルカーライフ」は、その意味は漠然として不明瞭であり、極めて曖昧な暗示的なものでしかないもので、これが特定の意味を一般的に表示、想起するものではない。また、新聞記事やインターネット情報における、「TOTAL CAR LIFE」及び、その表音「トータルカーライフ」の語の第三者による使用についても、あくまで、「TOTAL CAR LIFE」及び、その表音「トータルカーライフ」という造語が統一された意味合いを持つことなしに、散発的に使用されていることを示すにすぎない。よって、本願商標をその指定商品に使用したとしても、何人かの業務に係る商品であることを認識できる。

5 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「トータルカーライフ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「トータル」の文字は「全体的。総合的。」等の意味を有し、「カー」の文字は、「車。自動車。」等の意味を有し、「ライフ」の文字は「生活。暮し。」等(いずれも「広辞苑第六版」)の意味を有する語としていずれもよく親しまれていることから、全体として「総合的な車生活」程の意味を容易に理解させるものである。

そして、「トータルカーライフ」の文字は、車に関わる企業や事業所において、新車及び中古車等の自動車販売、車の部品、車両用各種オイル及びグリース等自動車用品の販売、車体整備、修理、板金塗装、洗車、車検、自動車保険等といった車に関連した商品の販売や役務の提供を総合的に取り扱うことを表す文字として、一般に使用されている実状にあることは、前記3証拠調べ通知に記載のとおりである。

また、本願の補正後の指定商品「防錆剤,塗料,防錆グリース」には、請求人も自認するとおり、車に関連した商品が含まれており、自動車のエンドユーザー向けの商品として販売される一方、車体の修理又は整備工場においても使用される商品である。

そうとすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、本願商標全体から「総合的な車生活」程の意味を理解するとともに、「車に関連した商品の販売や役務の提供を総合的に取り扱う」との意味合いで、請求人が販売する自動車用商品の広告ないし宣伝のためのキャッチフレーズと認識し、把握するにとどまるというべきであるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できない商標というべきであり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認識しないと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

なお、請求人は、本願商標「トータルカーライフ」の語は英和辞典に記載がない造語であり、この訳語の意味も極めて曖昧で暗示的なものでしかなく、統一された意味合いで使用されていない旨主張する。

しかしながら、「トータル」、「カー」及び「ライフ」の各文字が有する意味及びいずれもよく知られた語であることからすると、たとえ「トータルカーライフ」の語が英和辞典に記載されていないとしても、該文字から「総合的な車生活」程の意味を容易に理解させるというべきである。

また、「トータルカーライフ」の文字が、自動車関連事業を展開する企業等において、一般に広く使用されていることは、前記3証拠調べ通知に記載した事実から明らかであり、さらに、その通知書中、例えば(5)、(6)、(11)、(16)、(17)、(21)ないし(26)、(30)ないし(32)、(36)、(37)、(41)、(42)、(44)、(45)及び(53)の記載からすると、「トータルカーライフ」の文字は、車に関連した商品の販売や役務の提供を総合的に取り扱うことを表す文字として使用されているというべきであるから、該文字は、統一された意味合いで使用されているといわなければならず、また、このように理解することを妨げるような特別な事情も見出せないものである。

また、請求人は、新聞記事やインターネットなどにおいて「トータルカーライフ」の語が使用されているとしても、誰もがその言葉から特定の意味合いを想起し、キャッチフレーズとして理解されることはない旨主張する。

しかしながら、「トータルカーライフ」の文字が、特定の意味合いをもって使用されていることは前記のとおりであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、前記判断のとおりキャッチフレーズとして理解するといわなければならない。

さらに、請求人は、本願商標と同一態様の登録商標を得ているため、本願商標も登録が認められるのが妥当である旨主張する。

しかしながら、出願された商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品又は役務の取引の実状等を考慮し、取引者、需要者の認識を基準として、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人が保有する登録例の存在によって、前記判断は何ら左右されないというべきである。

そうとすると、請求人のいずれの主張も採用することはできない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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