Trademark Appeal Case
卍の簡単かつありふれた標章性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第15145号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲したとおりの標章からなり、第20類「家具、葬祭用具、座布団、まくら、うちわ、せんす、額縁、すだれ、ストロー、盆(金属製のものを除く。)、つい立て、びょうぶ、ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。)、旗ざお、郵便受け(金属製又は石製のものを除く。)」を指定商品として、平成9年9月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原審においては、「本願商標は、『卍』(まんじ)の図形のみよりなるものであるところ、当該標章は、功徳円満を意味し、また、仏教・寺院の標識として一般に使用され、親しまれているものであるから、これは、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標にすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
請求人は、原査定に対して、本願商標は何ら極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標ではなく、十分に商標としての識別力を有する旨以下のように主張し、登録例(甲第1号証乃至同第35号証)を挙げている。
(1)拒絶理由が言うが如く、「まんじ」が、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるというのであれば、「まんじ」はいかなる商品又は役務の区分にも登録されてはならないものである。しかるに、現実には「まんじ」が数多く登録されている(甲第1号証乃至同第22号証)。
(2)拒絶理由が言うが如く、「まんじ」が功徳円満を意味し、仏教・寺院を表示するものであると一般に理解されているというなら、「まんじ」を含む商標は、仏教・寺院と何らかの関わりがあるものと一般に認識されることになり、そうであれば、全て、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標として、仏教・寺院を表示するものと認識されるものといわなければならない。しかるに、それにも拘わらず、「まんじ」が含まれている商標も数多く登録されている(甲第23号証乃至同第35号証)。
(3)同一又は酷似する商標に対して、ある商標は極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるとして登録が認められず、他の商標は登録されるとするとどのような相違があるかと思うものであり、法及び審査基準は平等に適用されなければならないものである。
4 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、「卍」(まんじ)と称される標章を表示してなるものであるところ、この標章は、その構成から明らかなように、肉太に表した十の字の各先端に、同一の太さをもって左方向に鉤状に短い線を配したにすぎない、極めて簡単な標章である。そして、功徳円満を意味するものとして、また、わが国では寺院を表す標識・地図記号として使用され、広く知られているものである(「広辞苑」第五版2536頁)。
してみれば、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というべきである。
(2)請求人は、登録例を多数挙げて、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標ではない旨主張するが、特に、ある標章がありふれているか否かは、世間一般に存在する情報量との関係で相対的に決まるものでもあり、過去にありふれていないと認定されたものでも、認定時点での情報量との関係では、ありふれていると認定されることはあり得るというべきである。
しかして、現在の時点では、宗教及び地図等に関する情報は、インターネット情報を含めて飛躍的に増大していることは顕著な事実であり、したがって、登録例のみをもってありふれていないとの証左にはなり得ず、査定又は審決時において、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章か否かを個別、具体的に認定、判断すべきものである。
そして、過去の登録例や審査例は参考資料の一つに過ぎないものであり、当合議体は過去の登録例等に拘束されるものでないことも明らかである。
また、本願商標は別掲のとおりの標章(「まんじ」)のみからなるものであり、文字や図形を含むものではないから、本願商標に係る標章(「まんじ」)について、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるか否かを認定、判断すれば足りるものである。
なお、同一又は酷似する商標について、統一した判断が望まれることは請求人主張のとおりであるが、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章については、前示のとおり査定又は審決時点において存在する情報量との関係で認定、判断すべきものであるから過去の認定等とは同じでない場合もあり得、仮に、それが過誤であるときは、審判又は異議申立制度で是正されるべきものである。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
5 結論
以上のとおり、本願商標は商標法第3条第1項第5号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。