Trademark Appeal Case
サラサの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−24816(T2008−24816/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SARASA」の欧文字と「サラサ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」を指定商品として、平成19年9月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『SARASA』の欧文字と『サラサ』の片仮名文字とを上下2段に書してなるところ、これらの語は、『コンサイスカタカナ語辞典 第3版』には、『花布.独特の模様を全面に染めた綿布・絹布.模様には草花・人物の幾何学模様が多く,インド・ペルシア・ジャワ・シャムのものが有名.・・・更紗・・・』との記載があることからして、本願指定商品との関係では、前記内容の綿布・絹布を意味するものとして理解されるものというべきである。そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば『サラサ(更紗)製の商品』に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、単にその商品の品質、原材料を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「SARASA」の欧文字と「サラサ」の片仮名文字とを上下2段に書してなるところ、構成中の「サラサ」の片仮名文字は、「更紗。人物・鳥獣・花卉(かき)など種々の多彩な模様を手描きあるいは木版や銅板を用いて捺染した綿布。更紗形(サラサに染め出したような文様。更紗。)の略」等(広辞苑第六版 株式会社岩波書店)の意味を有する語として広く知られているものであり、また、「SARASA」の欧文字は、「サラサ」のローマ字表記と理解されるものである。
そして、「SARASA」及び「サラサ」の文字が、本願指定商品を取り扱う業界においても、「更紗生地、更紗模様」を表示する語として普通に使用されているものである。
かかる事情は、原審における拒絶査定で示したインターネット情報等の他に、例えば、以下のインターネット情報等における記載からも十分裏付けられるところである。
(1)NALU Inc.のウェブサイトにおいて、「NEEDLES【ニードルズ】」の項の下、「STYLE」の項目に「
Sarasa
Shirt」との記載があり、その右横に「インドに起源を持つ独特の文様『
更紗(サラサ)
』柄のシャツ。」との記載(写真付き)がある。<http://www.nalu.co.jp/collection/needles/needles-sarasashirt.html>
(2)ELTTOB TEP ISSEY MIYAKEのウェブサイトにおいて、「2008年春夏シーズン_New in January」の表題の下、「Haatの2008年春夏コレクションのテーマは『Blue Harmony』。なかでも
『サラサ』
の色使いや絵柄をクローズアップして展開します。
『サラサ』
とは、インドで発祥し世界中に広がったとされる“絵柄が染められた木綿の布”の総称で、現在ではいろいろな模様や素材の
『サラサ』
が生まれています。」との記載(写真付き)がある。<http://www.isseymiyake.co.jp/ELTTOB_TEP/2008/01/09205302.html>
(3)三愛ネットショップ楽天市場店のウェブサイトにおいて、「【ELLE PARIS】」の項の下、「
サラサ
柄ワンピース付水着」との記載(写真付き)がある。<http://item.rakuten.co.jp/sanaishop/10000493/>
(4)株式会社京都通販のmiyakoというウェブサイトにおいて、「プリントブラウススーツ」の項の下、「
サラサ
柄モノトーンプリントのスーツは共地とオーガンジーの2枚衿でエレガントに。お出掛けや改まった席にもピッタリです。」との記載(写真付き)がある。<http://www.miyako385.jp/goods/detail31941.html>
(5)Y&Y HOUSEのウェブサイトにおいて、「ブラウス・ジャケット」の項の下、列挙されている商品のうち、一つの商品説明に「生地:綿(
サラサ
) 価格:¥35,000」との記載(写真付き)がある。<http://www.geocities.jp/yandy_house/page02.html>
(6)アパレル問屋ドットコムのウェブサイトにおいて、「レディース商品」の項の下、「脇レース付き襟なしジャケット」の商品説明に「独特な
サラサ
柄ハンドプリントを使用した、ゆったりサイズの襟なしロングジャケットです。」との記載(写真付き)がある。<http://apparel-tonya.com/products/i3322/>
(7)スタイライフのウェブサイトにおいて、「ROPE’
サラサ
プリントストール」の商品説明に「一面に
サラサ
プリントが広がるナチュラルムードなフリンジ付きストール。リネン混のフワッと軽やかな風合いで着け心地が良く、季節感もしっかりアピール。スタイリングのポイント使いとして活躍してくれそうな、こだわりのアイテムです。」との記載(写真付き)がある。<http://www.stylife.co.jp/sf/Merchandiser/catalog/Category.do?catID=10206995>
(8)casual shop JOEのウェブサイトにおいて、「LEVI’S LADY STYLE(リーバイス レディ スタイル)GOLD タイトストレート ダークユーズド」の項の下、「商品仕様」の「仕様」欄中に「
サラサ
柄裏地(バックヨーク、ポケット袋布)」との記載(写真付き)があり、また、「各部詳細画像」部の、ジーンズの裏地写真の下に「
サラサ
柄の華やかなバックヨーク、ポケットスレーキ。」との記載がある。<http://www.joenet.co.jp/casual/levis_ladies/gold/wg061-0002/wg061-0002.html>
(9)東京都伝統工芸士会のウェブサイトにおいて、「江戸更紗(えどさらさ)」の項の下、沿革と特徴の説明中で「
更紗(SARASA)
は今から三千年以上前の遠い昔、インドで発祥しました。その技術は西はヨーロッパ諸国に東は中国へ伝えられ、またタイ、インドネシアへ、さらに海を越えて日本へ伝えられたといわれています。
更紗『SARASA』
は、国際語として世界各国で使われています。・・・・当時、日本人の衣料の材料は、ほとんどが絹や麻で、
『SARASA』
は、まったく知られなかった織物で、そのすばらしい素材(木綿)に対する驚きがあったものと思われます。」との記載(写真付き)がある。<http://www.dentoukougei.jp/tokyo/18.html>
(10)「朝日新聞」(2007.06.06東京朝刊28頁)において、「催事記 イベントAsahi」との見出しの下、「インドネシア
更紗
のすべて ロウケツ染めの布地350点 静岡・三島の佐野美術館で7月22日[日]まで。インドネシア各地で制作されたロウケツ染めの布地、
更紗(さらさ)
約350点を紹介。」との記事が掲載されている。
以上よりすると、「SARASA」及び「サラサ」の文字は、「更紗生地、更紗模様」の意味合いを認識させるものであるというのが相当である。
したがって、本願商標を、その指定商品中、例えば「更紗柄の商品等」に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「更紗生地で作られた商品」であること、若しくは「更紗模様の商品」であること程の意味合いを容易に理解し、商品の品質を認識するにすぎないものと判断するのが相当であり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというべきである。
請求人は、査定で提示された使用例について「そのいずれにおいても『SARASA』『サラサ』の文字が『綿布等に人物・花・鳥獣など様々な模様を捺染したもの』の意味合いを有する、と記載された箇所は全く認められない。このことは、『SARASA』『サラサ』の文字が『綿布等に人物・花・鳥獣など様々な模様を捺染したもの』の意味合いを有するものと需要者又は取引者の間では浸透していないことを示すものである。」旨主張している。確かに、査定で例示した事例には、請求人が主張するように、「SARASA」又は「サラサ」についての説明がないか、取引者、需要者は、「SARASA」又は「サラサ」の上記意味合いを認識しているのであるから、それ以上の説明は必ずしも必要としないものであって、上記使用例は、いずれも「SARASA」「サラサ」が品質表示であることの証左といえるものである。
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する
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