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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−650027(T2008−650027/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,国際登録において指定された第25類及び第26類に属する商品を指定商品として,2005年(平成17年)12月29日を事後指定の日とするものである。その後,指定商品については,当審における2008年6月27日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果,最終的に,第25類「Wedding clothes(excluding those belonging to sleep masks,aprons,collar protectors,socks,stockings,gaiters,fur stoles,shawls,scarves,Japanese style socks,Japanese style socks covers,gloves,babies’ diapers of textile,neckties,neckerchieves,bandanas,warmth−keeping supports,mufflers and ear muffs).」及び第26類「Clothing accessories namely skirt flounces,edgings for clothing,embroidery,wreaths of artificial flowers.」とされたものである。

2 引用商標

原査定は,以下の(1)ないし(3)の登録商標を引用して,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定,判断をして,本願を拒絶したものである。

(1)登録第1993635号商標(以下「引用商標1」という。)は,「エメ」の片仮名文字を横書きしてなり,昭和54年5月4日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同62年10月27日に設定登録され,その後,平成9年12月16日,同19年10月30日の2回にわたり存続期間の更新登録がなされ,さらに,指定商品については,同21年3月11日に,第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がなされ,現に有効に存続しているものである。

(2)登録第2023415号商標(以下「引用商標2」という。)は,「エメ」の片仮名文字と「AIMEE」(四文字目のEの上にアクサンテギュが付されている)の欧文字を二段に書してなり,昭和54年5月8日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同63年2月22日に設定登録され,その後,平成10年3月31日に存続期間の更新登録がなされたが,その後,同20年2月22日に存続期間が満了し,その登録の抹消が,同年11月5日になされているものである。

(3)登録第4343751号商標(以下「引用商標3」という。)は,「アトリエ」の片仮名文字と「ATELIER」の欧文字を二段に書してなり,平成9年1月30日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同11年12月10日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標1について

本願商標は,別掲1のとおり,上段に,図案化された「A」の文字を大きく顕著に表し,その下に,「ATELIER」,「AIMEE(4文字目のEの上にアクサンテギュが付されている)」及び「Alta Moda Sposa」のそれぞれの欧文字を,上段の図案化された「A」の横幅に収まる程度の幅内に,三段に書した構成からなるところ,上段の図案化された「A」の部分と,その下の三段書きされた文字部分とは,視覚的に分離して理解,把握されるとみるのが自然であり,それぞれが独立して自他商品の識別機能を有するものといえる。

そこで,三段書きされた文字部分についてみると,その構成中の「ATELIER」の文字は,我が国において,「アトリエ,(職人の)仕事場」などの意味を有する英語として親しまれた語であり,「アトリエ」の称呼が生ずる。また,「AIMEE」の文字は,我が国において特定の称呼をもって親しまれた欧文字とはいい難く,造語と理解されるところ,このように特定の称呼を持って親しまれていない欧文字を称呼するときは,通常,ローマ文字読み又は英語読みで発音されるのが一般的であることからして,「アイメ」の称呼を持って発音するというのが自然である。さらに,「Alta Moda Sposa」の文字は,「Alta Moda」が「オートクチュール」,「Sposa」が「花嫁」の意味を有するイタリア語(「伊和中辞典 第2版」株式会社小学館 2008年2月4日発行)ではあるが,それらの語は我が国において親しまれた外国語とはいえないことから,前記と同様にローマ文字又は英語の読みに倣って「アルタモーダスポーザ」の称呼が生ずるものである。

しかして,三段書きされた文字部分の「ATELIER」及び「AIMEE」の文字部分と「Alta Moda Sposa」の文字部分とは,文字の大きさや書体に差異を有しており,また,構成全体として何らかの特定の意味合いを有する等,これらが常に一体不可分とみなければならない特段の事情があるとも認められない。さらに,構成文字全体より生ずる「アトリエアイメアルタモーダスポーザ」の称呼は17音とかなり冗長であり,また,本願指定商品との関係においては,「ATELIER」の文字は,デザイナーのデザインを作品に作上げる仕事場を指す語として,デザイナーの名称などと共に「ATELIER○○」又は「○○ATELIER」のように,採択,使用されることが多い語であることから,簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては,本願商標に接する取引者,需要者は,その中央に位置し比較的大きく同書体で表された「ATELIER」及び「AIMEE」の文字部分に強く印象を留め,これより生ずる「アトリエアイメ」の称呼を持って取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

一方,引用商標1は,前記2(1)のとおり,「エメ」の片仮名文字を書してなるものであるから,「エメ」の称呼を生ずるものである。

そうとすれば,本願商標から「エメ」の称呼が生ずることを前提として,本願商標と引用商標が称呼上類似するとして,本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当でなく,その理由をもって両商標を類似のものとすることはできない。

また,この他,外観,観念において両商標を類似とすべき事由は見いだせない。

(2)本願商標と引用商標2及び引用商標3について

引用商標2は,前記2(2)のとおり,商標登録原簿を徴すれば,その商標権は,存続期間満了を原因として,平成20年11月5日に抹消されているものであり,引用商標3については,本願商標の指定商品が,前記1のとおり限定された結果,引用商標3の指定商品と同一又は類似の商品がすべて削除され,引用商標3の指定商品とは非類似のものとなった。

以上のとおり,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。

その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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