Trademark Appeal Case
MAQUILLAGEの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900484(T2008−900484/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5164972号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年4月11日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」及び第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),せっけん用ディスペンサー」を指定商品として、同20年7月28日に登録査定、同年9月5日に設定登録されたものである。
2 本件登録異議の申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標の指定商品にあっては、フランス語である「MAQUILLAGE」及びこの語の日本読みをカタカナで表記した「マキアージュ」等の語が、口紅、アイシャドウ等の「メーキャップ化粧品」を表す語として普通に使用され、認識されていることは、明白なところである(甲第1号証及び甲第2号証参照。)。一方、本件商標は、別掲の態様からなるものであり、フランス語の「MAQUILLAGE」との比較において、「Q」のセディーユ状の引出し線を「O」の下端に接する細い斜線で表現し、また、「UILL」の語を小文字で「uill」と表記したものではあるが、本件指定商品との関連においては、単に「MAQUILLAGE」を直感し、「メーキャップ化粧品」を想起するものであることは、明白なところである。すなわち、本件商標は、これを本件指定商品に使用するときは、「口紅、アイシャドウ等のメーキャップ化粧品」であることを直感させ、単に商品の品質を表す標章にすぎないものであることから、商標法第3条第1項第3号の規定に該当するものである。また、万一本件商標を、「口紅、アイシャドウ等のメーキャップ化粧品」以外の本件指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「ロ紅、アイシャドウ等のメーキャップ化粧品」であるかのごとく直感させ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれのあることは、明白であって、商標法第4条第1項第16号の規定に該当するものである。以上の理由により、本件商標は、登録の要件を具備しないものとして、その登録は、(「第3類 せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」については、)取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲に示したとおりの態様からなるものであり、「MAQ」と「AGE」の欧文字を大文字で表記し、中間に位置する「UILL」の語を小文字で「uill」と表記してなり、「Q」のセディーユ状の引き出し線を「O」の下端に接する細い斜線で表したところに特徴を有する構成からなるものである。
(2)「Maquillage」の文字は、「扮装、化粧、メーキャップ、修整」等を意味するフランス語であることは認めらるものの、当該文字が、現在の我が国のメーキャップ化粧品を取扱う業界おいて、商品の品質等を表示するものとして、一般的に使用されているとする証左は提出されておらず、また、職権による調査においても見いだすことができなかった。
なお、申立人提出の甲第1号証はインターネット打ち出し資料は全て英語で記載されているものであり、また、甲第2号証の「拒絶文字商標集」は、25年以上前の昭和58年に発行されたものであるから、いずれも、現在の我が国における取引事情を示したものとは認められない。
(3)そして、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の「MAQuillAGE」の項(http://ja.wikipedia.org/wiki/MAQuillAGE)には、MAQuillAGE(マキアージュ)は、化粧品メーカー最大手の資生堂(商標権者)が2005年8月21日から展開しているトータルメーキャップブランドの名前である。同社の主力ブランドでいずれも年間売上が約200億円である「ピエヌ」と「プラウディア」を統合して、新ブランド「MAQuillAGE」を立ち上げることとし、発売後1年間で500億円の売り上げを目標にすることとした。資生堂のブランドの中では過去最大規模の40億円の宣伝費を投じ、初代イメージモデルには女優の篠原涼子等を起用すること、資生堂が2005年から現在までテレビや雑誌等で大々的に宣伝広告していることや、商品ラインナップとして多数の商品が記載されている。
さらに、「MAQuillAGE」「マキアージュ」について、新聞記事情報やインターネット情報でも、例えば以下の記載が認められる。
ア 新聞記事情報
(ア)「資生堂、『マキアージュ』から冬の新製品5品目14品種発売
」の見出しのもと、「資生堂は11日、トータルメーキャップブランド『マキアージュ』から、冬の新製品を11月21日に発売すると発表した。」との記載。(2007.10.12 日刊工業新聞)
(イ)「資生堂の売上高、過去最高」の見出しのもと、「国内化粧品売上高は1・9%減ったものの、昨年9月に新ラインを追加したヘアケア商品ブランド『TSUBAKI(ツバキ)』や、化粧品の大型ブランド『マキアージュ』は好調だった。」との記載。(2008.04.30共同通信)
(ウ)「スーパーモデルも登場『マキアージュ』CM発表」の見出しのもと、「資生堂の化粧品ブランド『マキアージュ』の、秋の新作を知らせるCM発表会が東京都内で開かれ、伊東美咲(いとう・みさき)、蛯原友里(えびはら・ゆり)、栗山千明(くりやま・ちあき)、杏(あん)のほか、英国出身のスーパーモデル、アギネス・ディーンが、CMで着ているドレス姿で出席した。」との記載。(2008.07.20共同通信)
イ インターネット情報
(ア)「日経ビジネスONLINE」と称するホームページの「NB100」のコラムに、2006年8月24日付けで、資生堂 小粒商品はもういらない「・・・昨年8月にはメーキャップ商品・・・『マキアージュ』・・・を発売した。このうちマキアージュは売上高が目標の113%で推移し、・・・」との記載。
(http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060823/108479/)
(イ)「CosmeCity」と称するホームページの「『マキアージュ (MAQuillAGE)』の詳細情報」の項に、「『MAQuillAGE (マキアージュ)』とは2005年8月21日より展開されている、資生堂のブランド」との記載。
(http://cosmecity.jp/brand/maquillage/)
(ウ)「だから好き」と称するホームページの「『マキアージュ』」の項に、「『MAQuillAGE(マキアージュ)』とは資生堂のメイクブランド。資生堂ブランドとして、過去最大規模である40億円の宣伝費をかけ、CMイメージモデルとして女優の篠原涼子、伊東美咲、蛯原友里、栗山千明の4人を起用した」との記載。(http://www.dakarasuki.com/makiaju/)
(4)このような事情からすれば、「MAQuillAGE」「マキアージュ」の語は、例え、フランス語で「メーキャップ化粧品」の意味があるとしても、本件商標の登録査定時においては、資生堂が販売する化粧品ブランドとして需要者、取引者の間に広く知られるに至っているものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中「第3類 せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」について使用しても、商品の品質を表示するものということができず、商標法第3条第1項第3号に該当するものということはできない。
また、本件商標は、商品の品質を表示するものでないから、これを上述の指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはなく、商標法第4条第1項第16号にも該当しない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「第3類 せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」について、商標法第3条第1項3号及び同法第4条第1項16号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、について、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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