Trademark Appeal Case
モノグラムの類似判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900017(T2009−900017/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5171652号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成20年2月26日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年8月14日に登録査定、同年10月10日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要点)
1 引用商標
登録異議申立人が引用する登録商標は、以下(1)ないし(7)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第829905号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和42年9月14日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年8月28日に設定登録され、その後、同55年9月26日、平成2年7月27日及び同11年4月6日の3回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第995267号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和45年5月25日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同48年1月20日に設定登録され、その後、同58年5月20日、平成5年6月29日及び同15年1月7日の3回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年6月16日に指定商品を第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第1370276号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和49年7月16日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同54年1月30日に設定登録され、その後、平成2年7月27日、同10年9月8日及び同21年1月13日の3回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同年3月11日に指定商品を第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(4)登録第1976692号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和59年7月25日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年8月19日に設定登録され、その後、平成9年8月5日及び同19年8月28日の2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同21年4月15日に指定商品を第14類、第18類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(5)登録第2531816号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成2年4月16日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年4月28日に設定登録され、その後、同15年1月7日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年6月16日に指定商品を第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(6)登録第4341159号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成11年1月27日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月3日に設定登録されたものである。
(7)登録第4853976号商標は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成16年6月28日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年4月8日に設定登録されたものである。
(上記(1)ないし(7)の登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)
2 本件商標と引用商標の類否
本件商標は、その構成中の右側の「4」、「S」、「L」の数字及び欧文字を縦一列に組み合わせたモノグラムの部分が看者の印象に強く残る部分である。
引用商標は、世界的に著名なデザイナーである「イヴ・サン・ローラン」(Yves Saint Laurent)の頭文字を組み合わせたものであって、衣服、香水等ファッション関連の商品について使用され、同人の作品群ないしその業務に係る標章として、需要者の間に周知著名なものとなっている。
そして、本件商標中のモノグラムの部分と引用商標とは、欧文字(及び数字)を縦にややずらして重ねて図案化した点において態様を同じくするばかりでなく、その構成文字においても書体を同じくし、3文字中の「S」、「L」の2文字を共通にするものであり、残る1文字も縦線と斜線から成る「Y」と「4」であり似通った字形といえるものである。
したがって、両者は、その構成の軌を一にし、視覚印象において非常に紛らわしい類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
第3 当審の判断
1 本件商標と引用商標との類否
本件商標は、別掲(1)のとおり、二段に横書きした「4 STAR LIOR」及び「フォースターライオン」の各文字と、その右側に「4」、「S」及び「L」のモノグラム(「4」、「S」及び「L」の各文字で構成されるモノグラムを、以下「本件モノグラム」という。)を配した構成からなるところ、本件モノグラムは、左側に書された「4 STAR LIOR」及び「フォースターライオン」の各文字より、やや太字で表され、かつ、視覚上も該文字部分とは容易に分離して看取されるものであるから、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認めることができる。
そして、本件モノグラムは、「4」、「S」及び「L」の各文字をそれぞれの一部が重なるように配列してなるものであるところ、「4」の数字の縦線は、「S」の文字の中央の曲線の上に接して止まるように描かれ、また、「S」の文字の上部が「4」の数字の横線と一体となるように描かれ、さらに、「L」の文字の縦線は、「S」の文字の中央の曲線の下に接してはじまり、「S」の文字の下部の曲線上の中央部分を突き抜けてから右方向の横線へと移行するように描かれているものであって、これらの文字は、最上部に書された「4」の数字より少しずつ右にずらして表されているものであり、その構成全体からは、「4」、「S」及び「L」の各文字を縦に配列した印象を看者に与えるものである。
これに対して、引用商標は、別掲(2)ないし(4)のとおり、「Y」、「S」及び「L」の各文字をそれぞれの一部が重なるように配列してなるものであるところ、中間の「S」の文字を中心として、「Y」の文字の上部の2本の斜めの線は、「S」の文字の上部の曲線を突き抜けて上に伸び、「Y」の文字の縦線は、「S」の文字の中央の曲線をやや斜め下方に突き抜けるようにして止まり、また、「L」の文字の縦線は、「S」の文字の中央の曲線をやや斜めに突き抜け、さらに、「S」の文字の下部の曲線上の中央部分を突き抜けてから右方向の横線へと移行するように描かれているものであって、やや斜めに引かれた「Y」の文字の縦線及び「L」の文字の縦線は、一部平行して描かれているものである。
そして、引用商標は、その構成全体から中間部に位置する「S」の文字を中心に「Y」と「L」の各文字とが組み合わされた印象を看者に与えるものである。
そうすると、本件モノグラムと引用商標とは、最上部に書された文字において、先端がすぼまった「4」と、末広がりの「Y」との明らかな相違があるばかりでなく、各文字の重なり方においても、前者は縦に配列してなるのに対して、後者は「S」の文字を中心に配列したものであって、文字と文字との重なり具合においても異なるものであるから、両者は、構成全体が看者に異なった印象を与えるというのが相当である。
してみると、本件モノグラムと引用商標とは、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観上互いに相紛れるおそれはないといわなければならず、したがって、本件商標と引用商標は、外観において類似するものということができない。
また、本件モノグラムは、親しまれた既成の観念を有する事物、事象を表すとみるべき特段の事情を見いだせないものであって、特定の称呼及び観念を生ずるものとは認められないから、引用商標とは、称呼及び観念において、比較することができない。
さらに、本件商標と引用商標とが、その指定商品について商品の出所につき誤認混同を生ずるという特殊な取引の実情が存するという理由及び証拠は見いだせない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
2 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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