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Trademark Appeal Case

周知記号の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第16917号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲したとおりの標章からなり、第1類「水、防水剤、のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)、肥料、写真材料」を指定商品として、平成10年2月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原審においては、「本願商標は、右『卍』(まんじ)の図形を書してなるものであるところ、当該標章は、寺院の標識として、自己が使用することはもとより、地図記号等にも使用され、広く親しまれている左『卍』(まんじ)に酷似しているものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、該商品が単に寺院に関わるものであることを認識するに止まり、いずれの寺院に係る商品であるかを認識することができないものと認める。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

請求人は、原査定に対して、本願商標は何ら識別力を有しない商標ではなく、十分に商標としての識別力を有する旨以下のように主張し、登録例(甲第1号証乃至同第35号証)を挙げている。

(1)拒絶理由がいうが如く、「うらまんじ」が、指定商品について、識別力がない商標であるというのであれば、「うらまんじ」はいかなる商品又は役務の区分にも登録されてはならないものである。しかるに、現実には「まんじ」及び「うらまんじ」が数多く登録されている(甲第1号証乃至同第22号証)。

(2)拒絶理由がいうが如く、「まんじ」、「うらまんじ」が寺院の標識として、地図・記号等にも使用され、広く親しまれているというなら、「まんじ」、「うらまんじ」を、他の図形や文字などと結合させようと、「まんじ」、「うらまんじ」を含んでいるもののであれば、少なくとも「寺院」と何らかの関わりがあるものと、一般の人々には認識されることになる。しかるに、それにも拘わらず、「まんじ」、「うらまんじ」が含まれている商標も数多く登録されている(甲第23号証乃至同第35号証)。

(3)同一又は酷似する商標に対して、ある商標は識別力がないとされ、他の商標は登録されるとするとどのような相違があるかと思うものであり、法及び審査基準は平等に適用されなければならないものである。

4 当審の判断

(1)本願商標は、別掲の標章を表示してなるものであるところ、これが「うらまんじ」又は「右まんじ」と称され、功徳円満を意味するものとして、また、わが国では寺院を表す標識・地図記号「卍」(まんじ)と同様のものとして使用されて、広く知られているものである(「広辞苑」第五版2536頁)。

してみれば、本願商標を指定商品に使用しても、取引者・需要者は、単に、寺院に何らかの関わりのある商品かの如く又は寺院の記号と認識するものと認められ、したがって、本願商標は、自他商品の識別標識として認識されるとは認め難く、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。

(2)請求人は、登録例を多数挙げて、本願商標は識別力を有する旨主張するが、商標の識別力については、商品又は役務に関する流通の実態等の取引の実情に基づき、登録出願に係る商標が指定商品等に使用された場合、取引者・需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるか否かを認定、判断すべきものであるところ、商品又は役務に関する取引乃至流通は時代とともに変化するものであるから、それに伴って需要者・取引者の認識にも変化が生ずることはあり得ることであり、過去に登録されたものが常に識別力を有するとはいい得ず、査定又は審決時において、識別力の有無については個別、具体的に認定、判断すべきものである。

そして、過去の登録例や審査例は参考資料の一つに過ぎないものであり、当合議体は過去の登録例等に拘束されるものでないことも明らかである。

また、本願商標は別掲の標章(うらまんじ)のみからなるものであり、文字や図形を含むものではないから、本願商標について識別力の有無を判断すれば足りるものである。

なお、同一又は酷似する商標について、統一した判断が望まれることは請求人主張のとおりであるが、識別力については、前示のとおり査定又は審決時点における取引の実情に基づき取引者・需要者の認識について認定、判断するものであるから過去の事例とは同じでない場合もあり得、仮に、それが過誤であるときは、審判又は異議申立制度で是正されるべきものである。

したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。

5 結論

以上のとおり、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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