Trademark Appeal Case
フロスピックの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第16841号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「フロスピック」の片仮名文字を書してなり、第10類「歯科用機械器具,デンタルフロス」を指定商品として、平成5年7月22日に登録出願、その後、指定商品については、当審における平成9年11月26日付手続補正書により、「デンタルフロス」と補正されたものである。
第2 原査定の理由
原査定は、登録異議の申立があった結果、「本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、『柄の先端部分に弓状部分を設けその弓状部分に歯間汚れを除去するための糸を張り、柄のもう一端には、歯の裏側等の汚れを取るための針状あるいは鉤状の突起を設けたデンタルフロス』が販売され、これを『フロスピック(FLOSSPICK)』あるいは『フロスアンドピック(FLOSS&PICK)』と称しているのが実情である。
そうとすると、『フロスピック』の文字を普通に用いられる方法で書してなるにすぎない本願商標を、その指定商品中『柄の先端部分に弓状部分を設けその弓状部分に歯間汚れを除去するための糸を張り、柄のもう一端には、歯の裏側等の汚れを取るための針状あるいは鉤状の突起を設けたデンタルフロス』に使用した場合、これに接する取引者、需要者は前記事情よりして該商品の品質を表示したと理解するにすぎず自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、該商品が『柄の先端部分に弓状部分を設けその弓状部分に歯間汚れを除去するための糸を張り、柄のもう一端には、歯の裏側等の汚れを取るための針状あるいは鉤状の突起を設けたデンタルフロス』であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
本願商標は、「フロスピック」の文字を書してなるものであるところ、その構成中前半部の「フロス」の文字は、「かま糸(よりをかけない絹糸)」を意味する英語「FLOSS」の表音を表記したものであり、その指定商品との関係においては、「歯間の清掃に用いる塗ろう絹糸」を意味するものとして記載(「医学英和大辞典」株式會社南山堂、598頁)されており、「歯間清掃用の糸」を指称するものとして一般に使用されている(1988.6.1付朝日新聞朝刊19頁、1994.9.17付同18頁、1998.3.2付同23頁、1994.9.30付日経産業新聞27頁、1998.7.11付日経流通新聞5頁)。
また、その構成中後半部の「ピック」の文字は、「突く、つつく、(歯、耳などを)ほじる」等を意味する英語「PICK」の表音を表記したものと認められるところである。
そして、歯間清掃用の糸(フロス)が使いやすいように柄の先端部分に弓状の部分を設け、そこに歯と歯の間の歯垢・食べカスをとるための糸を張り、もう一方の柄の先端部分に、歯の裏側等の汚れをとるための針状または鉤状の突起部分を設けたものを、「フロスピック(FLOSSPICK)」あるいは「フロス&ピック(FLOSS&PICK)」と称し、製造・販売している事実がある〔株式会社光栄社(大阪府河内長野市上原町885)の「クリアデント〈フロスピック〉、株式会社小林製薬(大阪市中央区道修町4−3−6)の「歯間清掃フロスピック糸ようじ」、株式会社プローデント(大阪市大正区泉尾4丁目20−19)の「FLOSS&PICフロスちゃん」、1986.8.6日付日経産業新聞18頁、1987.12.1日付日経流通新聞7頁、1989.6.3付朝日新聞夕刊9頁〕。
ところで、本願商標の指定商品「デンタルフロス」(DENTAL FLOSS)は、「歯間清掃用糸,糸楊子」を指称(1992年版[現代用語の基礎知識」自由国民社、1375頁,「広辞苑」第5版年版岩波書店、1856頁)するものである。
そうとすれば、「フロスピック」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標を、その指定商品中「フロスとつまようじが一体となった、つまり柄の先端の弓状部分にフロスを張り、もう一方の柄の先端部分につまようじの機能をもたせたデンタルフロス」に使用するときには、これに接する取引者・需要者は、該商品が前記の商品であること、すなわち単に商品の品質(形状、機能)を表示するものと理解し、認識するに止まり自他商品を識別するための標識とは認識しないと判断するのが相当である。
また、これをその指定商品中、前記商品以外の「デンタルフロス」に使用した場合には、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認めざるを得ない。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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