Trademark Appeal Case
称呼・観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−25405(T2008−25405/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類「印刷物」、第35類「職業のあっせん,求人情報の提供,職業(職種・職務)適性検査の実施・診断及び助言,外国留学事務手続の代行,外国の研修生の受入れに関する事務の代理又は代行」及び第41類「就職セミナーの企画・運営及び開催,就職試験における知識の教授,職業訓練」を指定商品及び指定役務として、平成19年9月7日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
また、これらを総称するときは「引用商標」という。
(1)登録第4641861号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CAREER JAPAN」の欧文字を横書きしてなり、平成14年7月2日に登録出願、第16類「雑誌」及び第35類「求人情報の提供,職業のあっせん,電子計算機通信ネットワークによる求人情報の提供および職業のあっせん」を指定商品及び指定役務として、平成15年1月31日に設定登録されたものである。
(2)登録第4700806号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CAREER JAPAN」の欧文字を横書きしてなり、平成14年7月2日に登録出願された商標登録願2002−55124号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成14年12月25日に登録出願、第41類「就職セミナーの企画および開催」を指定役務として、平成15年8月15日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「JapanCareer」の欧文字と、その右上に小さく角形括弧内に「ジャパンキャリア」の片仮名文字を書し、「C」に続く「a」の文字の上に右斜め上に上昇する飛行機と思しき小さな図形を配した構成よりなるものであり、「ジャパンキャリア」の片仮名文字は「JapanCareer」の読みを表したものと容易に認識され得るものである。
しかして、本願商標の構成にあって、文字部分と図形部分が、常に一体不可分のものとすべき特段の理由はなく、括弧も付記的な部分と看取されることから、本願商標の構成中の「JapanCareer」及び「ジャパンキャリア」の文字部分が、独立して自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、該文字に相応して「ジャパンキャリア」の称呼が生ずるものである。
そして、本願商標の構成中の「JapanCareer」及び「ジャパンキャリア」の文字は、「J」と「C」の文字部分が大文字になっていること、「Japan」及び「ジャパン」の語は「日本」を表す語として、「Career」及び「キャリア」の語は「経歴。専門的技能を要する職業についていること。」等を意味する語として、いずれも良く知られ用いられている語であることからすると、本願商標は「Japan」と「Career」、及び「ジャパン」と「キャリア」の語を組み合わせたものであることを容易に理解させ得るものであるとともに、それぞれの語は一連の語句として特定の観念をもって一般に親しまれているとはいい難いものである。
他方、引用商標1及び引用商標2は、ともに「CAREER JAPAN」の欧文字を書してなるところ、該文字に相応して「キャリアジャパン」の称呼が生ずるものであり、かかる構成から、「Japan」と「Career」の語を組み合わせたものであることを容易に理解させるとともに、該語は一連の語句として特定の観念をもって一般に親しまれているとはいい難いものである。
以上のことから、本願商標と引用商標の類否について判断するに、本願商標は「ジャパンキャリア」と称呼され、引用商標は「キャリアジャパン」と称呼されるところ、その差異は「ジャパン」と「キャリア」の音節が入れ替わっているにすぎないものと理解されるものであって、かつ、それぞれの観念は、ともに、「Japan」及び「ジャパン」の語意と、「Career」及び「キャリア」の語意の組み合わせから、全体の観念を認識するものである。そうとすれば、本願商標及び引用商標に接する取引者、需要者が、時と処を異にして、これらに接するときは、称呼及び観念において「ジャパン」と「キャリア」のいずれが前節あるいは後節であったかを判別することが極めて困難であって、称呼及び観念上、互いに紛れるおそれがあるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観において異なるとしても、称呼及び観念において相紛れるおそれのある類似の商標であると判断されるものである。
そして、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務を含むものである。
請求人は、「本願商標に係る指定商品又は指定役務に係る主たる需要者は、英語等の知識に乏しい者ではなく、少なくとも義務教育を終えて、また多くは大学教育を終了した者が主たる需要者である」、「英語等の外国語が堪能な者が主たる需要者である」、「本願商標における実際の取引においても語学堪能な留学生等が主たる需要者となっている実情がある」旨主張しているが、本願の指定商品及び指定役務は請求人が主張する需要者のみが対象となるものと限らないものであり、また、語学に堪能な者であっても、前述のとおり、時と処を異にして、本願商標及び引用商標に接するときには、「ジャパン」と「キャリア」のいずれが前節あるいは後節であったかを判別することが極めて困難であって、互いに紛れるおそれがあるものと判断するのが相当であるから、この点における請求人の主張を採用することはできない。
また、請求人は、本願商標が出願人が提供している就職支援などに関するサービスに使用されている商標であって、平成19年9月頃にサービスを開始以後、数多くのメディアに取り上げられ、今日現在、本願商標は既に本出願人を示す業務に係るサービスであると需要者及び取引者に広く認識されている商標となっている旨主張しているが、広く認識されていることを立証するに足る根拠資料の提出がないのみならず、広く認識されていることのみをもって、引用商標と本願商標の類似を否定する根拠になるとは限らないものであるから、この点における請求人の主張も採用することはできない。
さらに、請求人は、平成14年(ワ)第13569号商標権侵害差止等請求事件及び平成15年(ワ)2226号商標権侵害差止等請求事件の判決を引用して、「出願人が確認したところ、各引用商標権者は、上記係争における本和解条項において『控訴人(各引用商標権者)は、被控訴人に対し、標記目録記載の商標権(『CAREER JAPAN』)の権利主張を行わない。』等の合意を行い、現在は各引用商標の使用を中止していることが確認されている」旨述べるとともに、「現実に使用されていない不使用商標を根拠に登録ができないとなると、各引用商標の類似範囲は権利の空白範囲となって、商標選択の幅の狭小化を招くものとなり、商標本来の目的が達成されない」旨述べ、これらの事情を鑑みて、本願商標と引用商標との違いを考慮し、類似しないとの判断を求めているが、請求人の主張は引用商標に係る個別、限定的な事情にすぎないところ、商標の類否の判断の際の取引の実情は、一般的・恒常的な取引の実情をいうものであることから、この点における請求人の主張も採用することはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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