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Trademark Appeal Case

著名商標との混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第20541号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1本願商標

本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年6月4日に商標登録出願されたものである。

2原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、構成中に米国のデザイナーであるRalph Laurenの関係する『ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ』(アメリカ合衆国 ニューヨーク 10022 ニューヨーク マデイソン アベニュー 650在)が紳士物衣料品等に使用した結果、著名になった商標『Polo』に類似する

の文字を有してなるから、これをその指定商品に使用するときは、同人若しくは同人と何等かの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3当審の判断

(1)「POLO」の周知性について

我が国においては、本願商標の出願時には既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレイヤーの図形の各商標、(以下一括して「引用商標」という。)が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

この点に関して、請求人も商標「POLO」、「Polo」が非常に著名であること、また、ラルフ・ローレン氏及び同氏の関連会社であるザ ポロ/ローレン カンパニーリミテッド パートナーシップ(以下、「PLC」という。)が「POLO」等の商標を被服類等のほか雑貨等に至るまで多種多様に使用している事実については、認めているところである。

(2)商品の出所の混同のおそれについて

本願商標は、別掲に示すとおり馬に乗った一人の競技者がマレットを持ってポロをしているように見える図柄と「Polo」の欧文字よりなるものである。

してみると、前記認定の如く、引用商標が著名であることに照らせば、本願商標に接した需要者、取引者は、その構成中に馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形と「Polo」の文字を有しているものと容易に認識、理解するものである。

そして、本願の指定商品中の「被服」は、引用商標が使用されている商品であるばかりでなく、同じく「布製身の回り品,バンド,ベルト,履物」等は、ファッションに関連する商品であって、統一ブランドの下にトータル的にファッションをまとめようとする昨今においては、上記「被服」とは、少なからぬ関係を有するものといえる。そうとすると、本願商標をその指定商品に使用する場合に、これに接する取引者、需要者は、前記著名な引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

この点に関し、請求人は、「公冠販売株式会社がPLCに通常使用権を許諾しているのであって、使用権者の業務に係る商品と商標権者の業務に係る商品との間での出所混同は使用許諾制度の本来的な前提であり、従って本件に関しては出所混同は全く問題にならない。」旨主張する。

しかしながら、使用許諾の対象となっているものは公冠販売株式会社とPLCとの間での商標登録第1447449号及び商標登録第1434359号(以下、これらをまとめて「許諾商標」という。)に関するものであり、本願商標に関して請求人とPLCの間でライセンス契約が締結されたものでなく、その事実もない。

さらに、請求人とPLCとの間で経済的もしくは組識的に何らかの関係があるとの事実も認められないから、請求人の主張は、前提において誤りがあり、採用できないものである。

また、請求人は、「POLO」、「Polo」等は業界内において公冠販売株式会社(現在は請求人)の商標として周知となっている旨主張する。

しかしながら、平成9年6月2日付け繊研新聞、同年10月30日付け日経流通新聞、平成10年5月28日付け日経流通新聞の公冠販売株式会社と請求人の警告文(甲第12号証、甲第14号証及び甲第16号証)、平成9年6月5日付け繊研新聞記載の「公冠販売『ポロ』全衣料品の登録を完了した。」旨の記事(甲第13号証)、平成9年10月30日付け日経流通新聞記載の「公冠販売知的財産権の確立めざし偽ブランド対策を強化した。」旨の記事(甲第15号証)、平成10年5月28日付け日経流通新聞記載の「公冠販売が『POLO』の類似商標をチェックして、ラルフローレン社と協力体制をとる。」旨の記事(甲第17号証)等の請求人の提出した証拠からは、「POLO」、「Polo」等は業界内において公冠販売株式会社或いは請求人の商標として周知著名になっているとは認められない。

さらに、請求人は、「公冠販売株式会社の前身である丸永衣料株式会社は、『POLO』等の登録商標を、被服等について昭和50年頃から継続して使用すると共に、公冠販売株式会社となってからはPLCからの要請に応じて、昭和62年1月1日付で許諾商標について通常使用権を正式に許諾し、その後は公冠販売株式会社とPLCとが互いに一致協力して被服等に前記商標を使用してきた結果、極めて著名になるに至ったものである。」旨主張する。

しかしながら、引用商標の著名性は、ラルフローレンのデザイン及びPLCの宣伝広告・販売等に負うものと認められるものであって、少なくとも我が国で、引用商標は、PLC或いはラルフローレンに係る「POLO」、「ポロ」商標として取引者、需要者の間に広く認識され、著名性を取得するに至っているものと言うべきである。

請求人が、許諾商標を所有し、かつ、これらについて公冠販売株式会社がPLCに対するライセンスを許諾したことが認められるとしても、PLCの我が国進出に伴い、法的障害を取り除くべく先登録を有する公冠販売株式会社とライセンス契約に至ったものとみられ、積極的に両者において許諾商標を使用した結果、周知、著名になったとの主張、立証がなく、また、請求人が使用した結果、周知、著名になった事実を示す証拠の提出もない。

したがって、許諾商標が公冠販売株式会社又は請求人に係るものとして、その指定商品について、著名性を取得したものとは認めることはできない。

仮に、許諾商標あるいは「POLO」、「Polo」商標が、請求人又は公冠販売株式会社のものとしても著名であるとしても、これらとは別件である本願商標については、上記のとおり、ラルフ・ローレン又はPLCに係る引用商標と出所の混同を生ずるおそれがある以上、商標法所定の不登録事由等の適用については妨げとなるものとは認められない。

(3)むすび

以上のとおりであるから、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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