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Trademark Appeal Case

複合商標の分離観察と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−6737(T2009−6737/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に示すとおり、太字で書された「香水」及び「walker」の文字を二段に書してなり、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年6月29日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同20年11月20日付け手続補正書及び当審における同21年6月10日付け手続補正書により、最終的に、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,マッサージ用手袋・被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手鏡・家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯電話用ストラップ・携帯電話の液晶画面保護シール・携帯用オーディオプレーヤー用カバー・家庭用電気マッサージ器・電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,天然鉱石を用いた入浴剤・薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,筋力トレーニング用機械器具・運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,浮き輪・おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,アロマオイル・香料類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,香料入りろうそく・ろうそくの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ビーチマット・金属製靴ぬぐいマット・紙製テーブルクロス・屋内用ブラインド・すだれ・装飾用ビーズカーテン・日よけ・織物製いすカバー・織物製壁掛け・カーテン・テーブル掛け・どん帳・敷物・壁掛け(織物製を除く)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,録画済DVDの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し本願を拒絶したものである。

(1)商標登録を受けることができる商標は、現在使用をしているもの又は近い将来使用をするものと解されるところ、本願商標をその指定役務について、使用しているか又は近い将来使用することについて疑義があるものである。

したがって、この商標登録出願は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備しない。

(2)本願商標は、登録第4995088号商標(以下、「引用商標」という。)と、同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

そして、引用商標は、「WALKER」の欧文字及び「ウォーカー」の片仮名文字を二段に書してなり、平成18年2月13日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同年10月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項柱書きについて

請求人が、平成19年6月29日付けで出願した商願2007−72413において提出した同20年10月8日付け手続補足書による「商標の使用に関する証拠資料」を徴し、かつ、本願の指定役務を前記1のとおり補正した結果、請求人が、本願商標をその指定役務について、使用しているか又は近い将来使用することについて、疑義はなくなったとみるのが相当である。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、別掲に示すとおり、太字で書された「香水」及び「walker」の文字を二段に書してなるものである。

しかして、本願商標の構成態様をみるに、前述したとおり、「香水」の文字と「walker」の欧文字は、二段に書されていることに加え、上段の「香水」の文字部分は漢字で書され、下段の「walker」の文字部分は、欧文字で書されており、その構成文字の種類が異なるため、「香水」と「walker」は、視覚上分離して観察されるものとみるのが相当である。

また、構成中の「香水」の文字は、「よい香りのする水。化粧品の一つ。芳香ある香料をアルコールに溶解したもの。体や衣類につける。」(広辞苑第六版)を意味し、商品名を表示する語であることから、本願の指定役務中「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係においては、提供の用に供するものと認識されるものであって、自他役務の識別標識として機能を有さないものである。

さらに、本願商標の「香水」の文字及び「歩行者」(小学館ランダムハウス英和大辞典)等を意味する「walker」の文字が、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、これらを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められない。

さらにまた、本願商標の構成文字全体より生ずる「コウスイウォーカー」の称呼もやや冗長であることから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、自他役務の識別標識としての機能を有すると認められる「walker」の文字部分に印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

してみれば、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「コウスイウォーカー」の称呼のほか、「walker」の文字部分に相応した「ウォーカー」の称呼をも生じ、「歩行者」等の観念を生ずるものである。

他方、引用商標は、「WALKER」及び「ウォーカー」の文字を二段に書してなるものであり、その構成文字より、「ウォーカー」の称呼を生じ、「歩行者」等の観念を生ずるものである。

そこで、本願商標と引用商標を比較するに、本願商標と引用商標とは、「ウォーカー」の称呼及び「歩行者」等の観念を同一するものであり、かつ、本願商標の構成中「walker」の文字と引用商標の構成中「WALKER」の文字は、大文字と小文字の相違点はあるものの、その綴りを共通にするものであるから、外観においても近似するものである。

そして、本願商標の指定役務中「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、引用商標の指定商品中「せっけん類,化粧品,歯磨き」は、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものである。

そうしてみると、本願商標の指定役務中「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標の指定商品中「せっけん類,化粧品,歯磨き」は類似のものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標とは、その称呼及び観念を共通にし、外観上も近似することから、本願商標を指定役務中「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(3)出願人(請求人)(以下「請求人」という。)の主張について

請求人は、「本願商標は、濃い小豆色のややデザイン化された字体で『香水』の漢字と『walker』の欧文字とのそれぞれを、左端を揃えて二段併記してなるところ、左端に『香』と『W』の最初の文字を左右方向について揃えて上下に配置することにより、上段の『香水』中の2文字目の『水』の字の縦線と、下段の『Walker』中の3文字目の『l』とが、一直線を形成するように本願商標は創作されており、本願商標は、『香水』と『Walker』との各文字が分離することなく全体が外観上まとまった一つの商標としてのみ需要者に印象づけられるものである。したがって、本願商標は、『コウスイウォーカー』の一連の称呼のみが生じるものでり、引用商標とは、類似しない。」旨主張する。

しかしながら、本願商標の構成態様をみるに、その構成中の「水」の文字の縦線部分と「walker」の3文字目の「l」の文字部分が、結合してなる等、「香水」及び「walker」の文字部分を常に一体不可分のものとしてのみ捉えられるものであるとする特段の事情は見当たらない。

そして、本願商標は、「香水」及び「walker」の各文字が、視覚上分離して観察されるものであり、「コウスイウォーカー」の一連の称呼のみを生ずるものではなく、「ウォーカー」の称呼をも生じ、「歩行者」等の観念を生じるものであることは、上記(2)で認定したとおりであるから、請求人の前記主張は、これを採用できない。

また、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例は、商標の構成及び指定役務において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人のこの主張も、採用できない。

その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

(4)結論

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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