結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−301493(T2008−301493/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1701474号商標(以下「本件商標」という。)は、「LIME」の文字を書してなり、昭和56年10月19日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同59年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。その後、指定商品については、平成17年3月9日、第7類「家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」、第17類「電気絶縁材料」及び第21類「電気式歯ブラシ」に書換登録がなされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中、第9類「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、請求人が請求した指定商品の内即ち、「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、商標権者が過去3年以内に使用した事実が全く無く、また特許庁備え付けの商標登録原簿によるも、専用使用権者又は通常使用権者の登録も無く、この点からも本件商標の使用を窺わせるような具体的事実は発見できなかった。
してみれば、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当するものであり、その指定商品中「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について登録を取り消されるべきものである。
(2)弁駁
ア 乙第1号証「Lime/MLS 解説・文法・操作書」について
その操作資料を一読してみると、はじめに以下に本製品のフルネーム、即ちLibrary Management and Editing systemなる英文字の正式名称が成されているのが見てとれる。
請求人の理解によれば本製品は、旧態依然としたコンピュータ上で動作させるプログラム言語を使用したシステムである事は、容易に想像はできる。しかし、このマニュアルが、昭和57年7月当時のものを提示し、使用説明書であるかの如く、それを以って現在も使用しているとの主張は、認める事はできないから、商標法第50条の前段より、継続して3年以上日本国内において使用されているという要件に、その主張は合致しない。すなわち、間接的な証明であるとは到底思われず、更に言えば、本件は産業財産権法中、商標法上の問題であって、答弁書にあるようなマニュアル等を引き合いにして著作権の有効性を争っているものではない。
したがって、本件商標を付して販売等する電子計算機用プログラムの使用をする行為、いわゆる、ソフトウエアプログラム等の販売とは異なり、前述の旧態依然としたシステムを操作する為にのみ必要な旧マニュアルの取寄せに過ぎず、このインターネット上での販売行為自体が、本件商標の使用に当たるものとは、到底考えられない。
それに対し、請求人の商標出願に係る商標は、ゲームを行う一般需要者等への販売実績が、既に成されているものであって、本件商標とは異なりこれら需要を喚起させる重要な要素となっている。
よって、被請求人の主張から本件商標の使用説明であると認める事はできない。
イ 乙第2号証「Lime E2 アクセスマクロ 解説・文法書」について
本製品は、旧態依然としたコンピュータ上で動作させるプログラム言語を使用したシステムである事は、容易に想像はできる。しかし、このマニュアルが、平成3年6月当時のものを提示し、使用説明書であるかの如く、それを以って現在も使用しているとの主張は、認める事はできないから、商標法第50条の前段より、継続して3年以上日本国内において使用されているという要件に、その主張は合致しない。すなわち、間接的な証明であるとは到底思われず、更に言えば、本件は産業財産権法中、商標法上の問題であって、答弁書にあるようなマニュアル等を引き合いにして著作権の有効性を争っているものではない。
したがって、本件商標を付して販売等する電気計算機用プログラムの使用をする行為、いわゆる、ソフトウエアプログラム等の販売とは異なり、前述の旧態依然としたシステムを操作する為にのみ必要な旧マニュアルの取寄せに過ぎず、このインターネット上での販売行為自体が、本件商標の使用に当たるものとは、到底考えられない。
それに対し、請求人の商標出願に係る商標は、ゲームを行う一般需要者等への販売実績が、既に成されているものであって、本件商標とは異なりこれら需要を喚起させる重要な要素となっている。
よって、被請求人の主張から本件商標の使用説明であると認める事はできない。
ウ 乙第3号証「Lime E2」について
本製品は、旧態依然としたコンピュータ上で動作させるプログラム言語を使用したシステムである事は、容易に想像はできる。しかし、このマニュアルが、平成6年12月当時のものを提示し、使用説明書であるかの如く、それを以って現在も使用しているとの主張は、認める事はできないから、商標法第50条の前段より、継続して3年以上日本国内において使用されているという要件に、その主張は合致しない。すなわち、間接的な証明であるとは到底思われず、更に言えば、本件は産業財産権法中、商標法上の問題であって、被請求人の答弁書にあるようなマニュアル等を引き合いにして著作権の有効性を争っているものではない。
したがって、本件商標を付して販売等する電気計算機用プログラムの使用をする行為、いわゆる、ソフトウエアプログラム等の販売とは異なり、前述の旧態依然としたシステムを操作する為にのみ必要な旧マニュアルの取寄せに過ぎず、このインターネット上での販売行為自体が、本件商標の使用に当たるものとは、到底考えられない。
よって、被請求人の主張から本件商標の使用説明であると認める事はできない。
エ 乙第4号証「VOS3」概説について
その操作資料を一読してみると、はじめに以下に本製品のフルネーム、即ち「Virtual−storage Operating System 3/unific system product」なる英文字の正式名称が成されているのが見てとれる。本製品は、旧態依然としたコンピュータ上で動作させるプログラム言語を使用したシステムである事は、容易に想像はできる。
そして、このマニュアルが、平成20年6月当時のものを提示して、使用説明書であるとの記載が成されている。なるほど、本件商標が商標であるとの記述は一切無く、このマニュアルに記載の「LIME E2等」が商標である旨の表示は一切されてはおらず、又このマニュアルにおける各社の商標表示を記載したページには、本件商標について、一切記載は成されてはいない。
オ 乙第5号証「格納プログラムプロダクト」の一覧と説明されるが、この一覧を以って何を説明されているのかは不明であり、この乙第5号証を本件商標の使用に当たるとする被請求人の主張は、請求人としては許容できない。
カ 乙第6号証「内部統制の支援機能」を構成する電子計算機用プログラムのうちの「開発関連」にかかわるものとして「LIME E2」との記述について、前記の乙第4号証「VOS3」の下で動くソフトウエアである旨記載が成されている。
しかし、ソフトウエアの製品の一つであるという認識でしかなくこの当該WEBページには、LIMEが商標であるとの記載も成されてはいない。
したがって、この記述を頼りに使用証明であるとの主張は、許容できない。
キ 乙第7号証「オンラインマニュアル販売 マニュアル一覧」と説明された、株式会社日立製作所の関連会社と思しき、日立インターメディックス株式会社(以下「日立インターメディックス」という。)のwebページを以て使用説明書としているが、こちらは商標権者ではない者による販売という事もあり、その者が使用権者であるという事実が確認されない限り、本件商標権の正当な使用であるとは、認められない。
因みに、マニュアルのみの販売をされている事実関係と、本件商標権の「電子計算機用プログラム」との関連が明確では無い限り被請求人の主張は、受け入れられない。
ク 乙第8号証「HULFT 商品構成表」について
株式会社セゾン情報システムズ(以下「セゾン情報システムズ」という。)と商標権者との関係が、未だ使用権者であるのかどうか不明な上、必須ソフトウエア及び注意事項の欄に記載の内容では、その本件商標になる「電子計算機用プログラム」をその会社を通じて販売等されているとの認識には至らない。したがって、これを以て使用であるとの被請求人の主張は、認められない。
ケ 乙第9号証「商品カタログ」について
乙第4号証「VOS3」概説と同様に、乙第6号証「内部統制の支援機能」を構成する電子計算機用プログラムのうち「開発関連」にかかわるものとして「LIME E2」との記述が既に成されており、本書もほぼ同様の内容が成されている。それによれば、乙第4号証及び前記乙第6号証「VOS3」の下で動くソフトウエアである旨記載が成されている。
その操作資料を一読してみると、はじめに以下に本製品のフルネーム、即ち「Virtual−storage Operating System 3/unific system product」なる英文字の正式名称が成されているのが見てとれる。本製品は、旧態依然としたコンピュータ上で動作させるプログラム言語を使用したシステムである事は、容易に想像はできる。
そして、このマニュアルが、平成20年6月当時のものを提示して、使用説明書であるとの記載が成されている。なるほど、本件商標が商標であるとの記述は一切無く、このマニュアルに記載の「LIME E2等」が商標である旨の表示は一切されてはおらず、また、このマニュアルにおける各社の商標表示を記載したページには、本件商標について、一切記載は成されてはいない。
コ 不使用商標であるとの認識
本件商標は広範囲な商品群を権利範囲として、登録査定を受け現在に至っている。しかし、その広範囲な商品を権利範囲としながら実際に商標権の使用を説明する為の、被請求人からの証拠物は「電子計算機プログラム」のみについての反論でしかなく、また、前述したとおり、その使用証明には不十分な証拠物であり、請求人が本件商標を理由に拒絶され、とても重要な請求人の商標が未だに登録が出来ない大きな理由は、本件商標の存在でしかない。
つまり、不使用取消審判の請求理由の一つに、過去3年間の使用の有無について、実際今回送付された乙号証全てにおいて、取引実績や実態を表す請求書や伝票等客観的な証拠物として最適な資料が一切添付されてはおらず、請求人としては単なる、使用をしていたとの理由を、法域を超えて著作権により、あたかも使用の事実を歪曲し、言い逃れているとしか考えられない。
したがって、請求人としては客観的な信憑性に足る証拠物の提示が成されない以上、被請求人が本件商標を擁護する必要は全く無いものと思料する。
実際に請求人が出願し、特許庁に係属中の商標「LIME」については、既にブランド化が進みつつあり、PCゲーム・ブランドとしての地位も確立しつつある。しかし、提示してきた証拠物には、その商標が使用されていると疑いを挟む余地の無い、いわゆる実体に即したものでは無い物であり、被請求人が執拗にその本件商標に対して未だにおぶさる理由も、良く分からない。
サ 結論
被請求人の主張による、本件商標についての認識は継続して3年以上とする不使用取消理由を都合良く解釈したものに過ぎず、これを拡大的に解釈したとすると、著作物をその証拠物に取り入れる事で、それらがあたかも合理的な理由が尽くかの如く捉えられ、商標を取り巻く実体社会への影響は計り知れないものになると懸念する。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証を提出した。
(1)取消請求に係る商品は「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」であるところ、被請求人は、継続して3年以上日本国内において、本件商標の取消請求に係る商品中の「電子応用機械器具及びその部品」について使用している。
その使用の事実は、以下に述べるとおり、乙各号証により明らかである。
(2)乙第1号証について
本件商標の使用に係る商品が「電子応用機械器具及びその部品」に属する「電子計算機用プログラム」等であることは、乙各号証の記載から明らかである。
乙第1号証は、電子計算機用プログラムのマニュアル(解説・文法・操作書)の写しであるが、その表題として「LIME/MLS」の文字が、また、副題として「LIME複数ライブラリ管理機能LIME/MLS」の文字が表示されている。そして、このマニュアルが発行されたのは昭和57年7月であり、著作権が1982年となっているが、その内容について改定がなされなかったため、その当時のまま有効なものとして現在に至っているものである。
このことは、そのマニュアルの表紙及び見返しに資料番号「8090−3−159」が付されているものであるところ、現在においても、インターネットを通じて販売(オンラインマニュアル販売)されている当該マニュアルに資料番号として同じ番号が付されている事実からも明らかである(乙第7号証「マニュアル一覧」)。
そして、マニュアルの販売は、その対象である「電子計算機用プログラム」自体の販売事実をも裏付けるものであり、そこに表示された商標が「電子計算機用プログラム」について使用されていると言いうるものである。
(3)乙第2号証について
乙第2号証は、電子計算機用プログラムのマニュアル(解説・文法書)の写しであるが、その表題として「LIME E2 アクセスマクロ」の文字が、また、副題として「ライブラリ管理システムLIME E2 アクセスマクロ」の文字が表示されている。そして、「LIME E2」の構成図の説明において、「LIME E2は図1.1−1に示すプログラム群から構成されている。」として、「L工ME ユティリティ」、「LIMEエディタ」、「LIMEライブラリ管理プログラム」、「LIMEライブラリ」、その他を記載している。
なお、このマニュアルが発行されたのは平成3年6月であり、著作権が1991年となっているが、その内容については、その後、改定がなされなかったため、その当時のまま有効なものとして現在に至っているものである。
このことは、そのマニュアルの表紙及び見返しに資料番号「6180−3−412−10」が付されているものであるところ、現在においても、インターネットを通じて販売(オンラインマニュアル販売)されている当該マニュアルに資料番号として同じ番号が付されている事実からも明らかである(乙第7号証「マニュアル一覧」)。
そして、マニュアルの販売は、その対象である「電子計算機用プログラム」自体の販売事実をも裏付けるものであり、そこに表示された商標が「電子計算機用プログラム」について使用されていると言いうるものである。
(4)乙第3号証について
乙第3号証は、電子計算機用プログラムのマニュアル(解説・文法・操作書)の写しであるが、その表題として「LIME E2」の文字が、また、副題として「ライブラリ管理システムLIME E2」の文字が表示されている。そして、「LIME E2」の構成として、「LIMEエディタ」、「LIME ユティリティ」、「LIMEライブラリ」、「LIME/USD」等の記載のほか「LIMEメツセージの見方」、「LIMEから出力されるメッセージ」の記載も認められる。
なお、このマニュアルが発行されたのは平成6年12月であり、著作権が1994年となっているが、その内容については、その後、改定がなされなかったため、その当時のまま有効なものとして現在に至っているものである。
このことは、そのマニュアルの表紙及び見返しに資料番号「6180−3−411−40」が付されているものであるところ、現在においても、インターネットを通じて販売(オンラインマニュアル販売)されている当該マニュアルに資料番号として同じ番号が付されている事実からも明らかである(乙第7号証「マニュアル一覧」)。
そして、マニュアルの販売は、その対象である「電子計算機用プログラム」自体の販売事実をも裏付けるものであり、そこに表示された商標が「電子計算機用プログラム」について使用されていると言いうるものである。
(5)乙第4号証について
乙第4号証は、電子計算機用プログラムの概説書の写しであり、その中の説明項目及びにプログラム一覧に「ライブラリ管理システムLIME E2」の文字のほか「LIME ユティリティ」、「LIMEライブラリ」、「LIMEデータセット」が、さらに、「VOS3 マニュアル体系図」中に「ライブラリ管理システムLIME E2入門」、「ライブラリ管理システムLIME E2(解)(文)(操)」の記載が認められる。
そして、この概説書が発行されたのは、2008年6月であり、著作権表示も2008年であるから、少なくともこの当時、当該商標を付した電子計算機用プログラム等が流通していたことは疑う余地がない。
(6)乙第5号証について
乙第5号証は、被請求人の取扱いに係る「格納プログラムプロダクト」の一覧であり、著作権表示は2008年となっている。この一覧は、現在、被請求人のWeb上に掲載されており、商品に関する広告又は取引書類といいうるものであって、そこには「LIME E2」、「LIME/MLS」及び「LIME/USD」の文字の記載が認められる。
(7)乙第6号証について
乙第6号証は、被請求人のWeb上に掲載されたものであり、「内部統制の支援機能」を構成する電子計算機用プログラムのうちの「開発管理」にかかわるものとして「LIME E2」の文字が表示されている。
(8)乙第7号証について
乙第7号証は、インターネットを通じて販売(オンラインマニュアル販売)されているソフトウエアのマニュアル一覧(価格表)であり、その中に「LIME E2」、「LIME/MLS」、「LIMEアクセスマクロ」の文字の記載が認められる。
(9)乙第8号証について
乙第8号証は、セゾン情報システムズが2007年3月に発行したソフトウエア商品に関するカタログであり、必須ソフトとして「LIME E2」の記載が、また、配信に係るファイルとして「LIMEデータセットメンバ」の記載が認められる。
(10)乙第9号証について
乙第9号証は、被請求人の発行に係る商品カタログであって、オペレーティングシステムに関するものである。
これによれば、「LIME E2」、「LIME/MLS」及び「LIME/USD」は、運用関連を担う制御プログラムであることがわかる。また、「LIME/区分」の表示も存在する。
(11)使用商標
上記のとおり、乙各号証には電子計算機用プログラム等について「LIME ユティリティ」、「LIMEエディタ」、「LIMEライブラリ管理プログラム」、「LIMEライブラリ」、「LIMEアクセスマクロ」、「LIMEデータセットメンバ」等が使用されているが、これらは「LIME」の文字に用途・目的・機能等を表す語を付加したものであり、「LIME E2」、「LIME/MLS」、「LIME/USD」も同様「LIME」の文字に用途・目的・機能等を記号化した文字を付加したものであるから、いずれも本件商標と社会通念上同一といえる商標を使用しているものである。
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証ないし乙第4号証について
(ア)被請求人の発行する「LIME/MLS プログラムプロダクト VOS3 LIME複数ライブラリ管理機能LIME/MLS」と題するマニュアル(乙第1号証)には、「解説・文法・操作書」とし、資料番号「8090−3−159」の表示があり、LIME/MLSの概要を説明した記載がある。
このマニュアルの発行日として、昭和57年7月(第1版)の記載がある。
(イ)同じく「LIME E2 アクセスマクロ プログラムプロダクト VOS3 ライブラリ管理システムLIME E2 アクセスマクロ」と題するマニュアル(乙第2号証)には、「解説・文法書」とし、資料番号「6180−3−412−10」の表示がある。
そして、その概要の説明の頁において、「LIME E2は図1.1−1に示すプログラム群から構成されている。」として、「LIMEユティリティ」「LIMEエディタ」「LIMEライブラリ」等を挙げ図示している。
このマニュアルの発行日として、平成3年6月(第2版)の記載がある。
(ウ)同じく「LIME E2 プログラムプロダクト VOS3 ライブラリ管理システムLIME E2」と題するマニュアル(乙第3号証)には、「解説・文法・操作書」とし、資料番号「6180−3−411−40」の表示がある。
そして、「LIME E2の概要」として、「LIMEエディタ」「LIMEユティリティ」「LIMEライブラリ」「LIME/UDS」等のプログラムから構成されると図示している。
このマニュアルの発行日として、平成6年12月(第5版)の記載がある。
(エ)「プログラムプロダクト VOS3 概説」と題する被請求人に係る概説書(第14版)が2008年6月に発行されており、同書中には、「8.3 ライブラリ管理システムLIME E2」を表題とする頁に、「LIME E2」と「LIMEユティリティ」「LIMEライブラリ」との関係が図示されており、また、付録Aのプログラム一覧には、「ライブラリ管理システム LIME E2」が掲載され、その機能概要の説明に「TSS及びバッチ環境で、ソースプログラム、ロードモジュールライブラリの保守、管理の効率化を支援する。複数ユーザからの同時変更ができ、スペースの利用効率の高いLIMEライブラリを利用できる。」との記載がされている(乙第4号証)。
イ 被請求人のソフトウエア事業部作成に係る「格納プログラムプロダクト一覧」(乙第5号証)には、「プログラムプロダクト名」欄に、「LIME E2」、「LIME/MLS」及び「LIME/UDS」が記載されている。
この一覧は、その末尾行の「2008」の記載に照らし、「2008年」作成のものと認められる。
ウ 被請求人の関連会社と推認し得る日立インターメディックスのオンライン販売に係る「マニュアル一覧」(2009年2月26日付けでプリントアウトされている。)には、「マニュアル名称」として、「P.P VOS3 ライブラリ管理システム LIME E2」、「P.P VOS3 ライブラリ管理システム LIME E2 アクセスマクロ」及び「P.P VOS3 LIME 複数ライブラリ管理機能 LIME/MLS」の記載があり、それぞれの資料番号欄には、「6180−3−411−40」、「6180−3−412−10」、「8090−3−159」の記載があって、これらは前記アに述べたマニュアルの資料番号と一致している(乙第7号証)。
請求人は、マニュアルに関して、「被請求人は、昭和57年7月当時、平成3年6月当時、平成6年12月当時のマニュアル(乙第1号証ないし乙第3号証)を提示しているが、これをもって、現在も使用しているとは認めることができない。また、これらのマニュアルのインターネット上での販売行為自体が、本件商標の使用には当たらない。さらにまた、マニュアルのみの販売をされている事実関係と、本件商標権の『電子計算機用プログラム』との関連が明確では無い限り被請求人の主張は、受け入れられない」旨の主張をしている。
しかしながら、上記したとおり、当該マニュアルに記載された資料番号が、日立インターメディックスのオンライン販売に係るマニュアルの資料番号と一致することからすれば、当該マニュアルは、それらの発行から継続して乙第7号証がプリントアウトされた2009年2月26日時点においても、使用されていたものとみるのが自然である。
また、これらマニュアルのインターネット上での販売行為は、確かに、本件商標の「電子計算機用プログラム」についての使用には当たらないが、下記エで述べるように、被請求人が、自社の「LIME E2」のコンピュータプログラムをセゾン情報システムズに販売したと推認し得るものであるから、それを裏付けるものとして、日立インターメディックスが、そのコンピュータプログラムに関するマニュアルを販売していたということがいえるものである。
したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。
エ セゾン情報システムズに係るカタログ「HULFT商品構成表」(乙第8号証)中には、「対応OS一覧」の「必須ソフトおよび注意事項」の欄に「LIME E2」の表示がある。また、「HULFT集配信可能ファイル一覧」の配信ファイルとして「LIMEデータセットメンバ」の表示がある。
そして、当該カタログの最終頁には、「このカタログの記載内容は、2007年3月現在のものです。」との記載が認められる。
請求人は、「セゾン情報システムズと商標権者との関係が、未だ使用権者であるのかどうか不明な上、必須ソフトウエア及び注意事項の欄に記載の内容では、『電子計算機用プログラム』をその会社を通じて販売等されているとの認識には至らない」旨の主張をしている。
しかしながら、自社のソフト製品を販売するに当たって、他社のソフトを採用することは一般に行われている実情にあるところからすれば、セゾン情報システムズは、自社のソフト製品「HULFT商品」を販売するに当たって、被請求人に係るコンピュータプログラムを買い受け、それを「HULFT商品」に採用していると言い得るものである。
そうとすれば、被請求人が、自社の「LIME E2」のコンピュータプログラムをセゾン情報システムズに販売したと推認し得るものである。
したがって、この点に関する請求人の主張も採用できない。
(2)以上によれば、複数のプログラムから構成される「LIME E2」と称する被請求人に係るコンピュータプログラムがあり、本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件期間内」という。)に、当該プログラムに係るマニュアルが現に販売されていること、また、同時期の被請求人に係るプログラム製品一覧に当該プログラムを指し示す記載があること、さらに、同時期に構築されたと認められるセゾン情報システムズのシステムの中において、必須のコンピュータプログラムとして当該プログラムが、採用されているところからすれば、当該プログラムは、被請求人からセゾン情報システムズに販売されたものと推認されること等を総合してみると、被請求人は、本件期間内に、「コンピュータプログラム」について、前記「LIME E2」、「LIMEユティリティ」、「LIMEエディタ」、「LIMEライブラリ」、「LIME E2 アクセスマクロ」、「LIME/MLS」及び「LIME/UDS」等(以下「使用に係る商標」という。)を使用していたと推認し得るものである。
(3)使用に係る商標及び使用に係る商品
本件商標は、「LIME」の文字からなるものである。
一方、使用に係る商標は、いずれも、「LIME」の文字に商品の用途・目的・機能等を表記あるいは記号化したと認識される文字を付記した標章であり、「LIME」の部分が自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部と認められるものであって、これと本件商標とは構成を同一にするものであるから、本件商標とは社会通念上同一の商標といえるものである。
そして、その使用に係る商品も、「コンピュータプログラム」であるから、取消請求に係る指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」の一に該当するものである。
(4)結び
以上のとおり、商標権者は、本件期間内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、取消請求に係る指定商品中の「コンピュータプログラム」について使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標は、取消請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定によって、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。