Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼・観念と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−35316(T2007−35316/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,露光済みフィルム,電子出版物,眼鏡」及び第38類「放送,電気通信(放送を除く。)」を指定商品及び指定役務として、平成18年9月12日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりである。
(1)登録第4167968号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PRIVATE」の欧文字を横書きしてなり、平成8年10月22日に登録出願、第9類「 配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同10年7月17日に設定登録され、その後、2回にわたる商標登録の一部取消し審判により、指定商品中「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具」及び「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びこれらの類似商品」について取り消すべき旨の審決が確定し、それぞれ、同18年1月16日及び同年8月10日にその審判の確定登録がされ、さらに、同20年7月15日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4413307号商標(以下「引用商標2」という。)は、「プライベートgoo」の文字を横書きしてなり、平成11年7月13日に登録出願、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し」を指定役務として、同12年9月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第5031944号商標(以下「引用商標3」という。)は、「PRIVATE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年2月20日に登録出願、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、同19年3月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめていうときは、単に「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1及び3との類否について
本願商標は、別掲のとおり、「PRIVATE」の欧文字を肉太に横書きし、その右横に、二人の人間が片腕を上に突き出したシルエットで描いた図形を配した構成からなるところ、右側に配した図形及び「PRIVATE」の欧文字とは、渾然一体と融合した構成態様からなるものではなく、また、観念的な結びつきをもって表されたとものともいい難いものであり、該図形部分と該文字部分とは、それぞれ独立して自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たすとみるのが相当である。
そして、本願商標の構成中の、「PRIVATE」の文字部分は、本願に係る指定商品又は指定役務の品質又は質等を直接的、かつ、具体的に表示するものとは認められないものであるから、該文字部分から生ずる称呼及び観念のみをもって取引に資される場合も決して少なくないものといわなければならない。
してみれば、本願商標は、「PRIVATE」の文字部分に相応して「プライベート」の称呼を生じ、「私の、秘密の」(株式会社研究社発行「リーダーズ英和中辞典第1版」)の観念が生ずるものである。
他方、引用商標1及び3は、「PRIVATE」の欧文字を横書きしてなるものであるから、該文字に相応して「プライベート」の称呼を生じ、「私の、秘密の」の観念が生ずるものである。
したがって、本願商標と引用商標1及び3とは、外観において欧文字の綴り字を同一にするものであり、また、「プライベート」の称呼及び「私の、秘密の」の観念を共通にする類似の商標というべきであり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標1及び3に係る指定商品と同一又は類似するものである。
(2)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標は、前記3(1)のとおり、「PRIVATE」の文字部分に相応して「プライベート」の称呼を生じ、「私の、秘密の」の観念が生ずるものである。
他方、引用商標2は、「プライベートgoo」の文字よりなるところ、該文字は、片仮名文字の「プライベート」と欧文字の「goo」による文字の種類を異にする構成からなるものであり、また、これらが結合して特定の熟語を形成するとの特段の事情も見いだせないものであるから、引用商標2に接する取引者、需要者は、これを「プライベート」の語と「goo」の語の2語から構成されていると容易に理解、認識するものというべきである。
そうすると、構成中の「プライベート」の文字部分は、「私の、秘密の」の意味を有する我が国においても親しまれた外来語であるから、引用商標2に接する取引者、需要者は、親しまれた語である「プライベート」の文字に着目して取引にあたる場合も決して少なくないというのが相当であり、引用商標2からは、「プライベート」の文字に相応して、「プライベート」の称呼及び「私の、秘密の」の観念をも生ずるというべきである。
したがって、本願商標と引用商標2とは、外観において書体が異なるとしても、「プライベート」の称呼及び「私の、秘密の」の観念を共通にする類似の商標というべきであり、かつ、本願商標の指定役務中「電気通信(放送を除く。)」は、引用商標2に係る指定役務と類似するものである。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
(4)請求人の主張について
請求人は、平成19年12月28日付け審判請求書において、本願商標は引用商標と類似しない旨、又、拒絶理由を解消するため引用商標の商標権者と譲渡交渉中であることを理由に、本件の審理の猶予を願い出ている。
しかしながら、その後、当審において、平成20年5月23日付け及び同年11月28日付け審尋において、譲渡交渉の具体的進捗について回答を求めたものの、相当の期間が経過するも、引用商標1ないし3の商標権者と譲渡交渉の合意がなされたことを窺わせるに足りる証拠の提出がないものであり、さらに審理を遅滞させるべき理由はないものと認められるから、前記のとおり本願商標と引用商標との類否について判断することとした。
よって、結論のとおり審決する。
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