Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−14003(T2008−14003/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Pコン」の文字を標準文字で表してなり、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット,金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー,金属製人工漁礁,金属製養鶏用かご,金属製の吹付け塗装用ブース,金属製セメント製品製造用型枠,金属製の滑車・ばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く。),金属製管継ぎ手,金属製フランジ,キー,コッタ,てんてつ機,金属製道路標識(発光式又は機械式のものを除く。),金属製航路標識(発光式のものを除く。),金属製貯蔵槽類,いかり,金属製ビット,金属製ボラード,金属製輸送用コンテナ,かな床,はちの巣,金属製金具,ワイヤロープ,金網,金属製包装用容器,金属製のネームプレート及び標札,犬用鎖,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製郵便受け,金属製帽子掛けかぎ,金属製貯金箱,金属製家庭用水槽,金属製工具箱,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製建具,金庫,金属製靴ぬぐいマット,金属製立て看板,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の墓標及び墓碑用銘板,つえ用金属製石突き,アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台,拍車,金属製彫刻」及び第19類「リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網」を指定商品として平成19年3月14日に登録出願、その後、指定商品については、同20年1月8日付け手続補正書で第6類「コンクリート型枠構築用金属製専用材料」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1461243号商標は(以下「引用商標」という。)、別掲のとおりの構成からなり、昭和40年11月18日登録出願、第7類「建築または構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」を指定商品として、同56年5月30日に設定登録されたものである。その後、平成4年2月27日及び同13年4月24日の二回にわたり存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同13年11月7日に、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立セット」、第11類「便所ユニット,浴室ユニット」及び第19類「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料、アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,区画表示帯,セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス」とする指定商品の書換登録がなされているものである。
3 当審の判断
本願商標は、「Pコン」の文字を標準文字で表してなるところ、欧文字と片仮名文字とからなる構成であるが、全体で3文字という、ごく短い構成で同一の大きさ・間隔をもって、まとまりよく一連に表してなるものであるから、視覚上一体的看取されるものであり、これより生ずると認められる「ピーコン」の称呼も決して冗長でなく、むしろ、語呂よく一気一連に称呼し得るものである。そうすると、本願商標は、その構成文字全体をもって一体不可分のものとして把握されるものとみるのが自然であるといえるから、たとえ、その構成中の「P」の文字が、商品の型式、品番等を表示する記号符号として一般的に採択使用されている欧文字一文字であるとしても、かかる構成からなる本願商標からは、殊更、後半に位置する「コン」の文字部分のみを分離・抽出して、商品の取引にあたると解することはできないし、他に、本願商標から「コン」の文字部分のみに着目して取引に資されるとすべき特段の事情は見いだせないものである。そうとすれば、本願商標は、構成文字全体に相応して「ピーコン」の称呼が生ずるものというのが自然であり、該文字よりは、親しまれた観念を理解させるものではないから、造語と認められるものである。
一方、引用商標は、別掲のとおり、「ピーコン」の片仮名文字と「P」の文字を大きく表し、その右に「CON」の文字を小さく表した欧文字部分(以下「PCON」と表す。)とを上下二段に横書きした構成からなるものであるところ、一般に欧文字と片仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生じる称呼がその商標より生じる自然の称呼とみるのが相当である。そうすると、引用商標は、その構成中の上段に表された「ピーコン」の片仮名文字が、下段の「PCON」の欧文字から生ずる称呼を特定したものと無理なく認識し得るものであるから、その構成中の「ピーコン」の片仮名文字に相応して、「ピーコン」の称呼を生ずるものである。そして、「ピーコン」及び「PCON」の文字は、特定の観念を有さない造語と認められるものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標と引用商標は、「ピーコン」の称呼を同じくし、外観においては、差異が認められるが、同じ「P」の欧文字及び「コン」の片仮名文字を構成文字とし、いずれも特異な態様をもって文字を表したものではないから、時と所を異にした場合にあっては、その差異が明確に印象に残るともいえないものである。また、両者は、観念についてはともに造語であり、明確に区別し得る差異を有するものではないから、両者は、外観及び観念の点を考慮してもなお、類似する商標といわなくてはならない。そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中「建築用又は構築用の金属製専用材料」と類似するものである。
なお、請求人(出願人)は、平成20年7月28日付け手続補正書(審判請求の理由)において、本願商標と引用商標とは、称呼を共通にするとしても、外観や観念において著しく異なるものである旨述べ、本願商標と引用商標とは十分に区別できると主張しているが、本願商標と引用商標とは、外観及び観念について、明確に区別できる差異を有するものとはいい得ず、称呼の共通性に影響を与えるものとまでいえないことは、前記のとおりであるから、両者を同一又は類似の商品に使用したときには、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあることを否定することはできない。したがって、この点についての請求人(出願人)の主張は採用できない。
また、請求人(出願人)は、判例及び審決例をあげて本願商標もこれらと同様に登録されるべきである旨主張しているが、過去にされた審判例等は具体的、個別的な判断が示されているものであり、また、それらの例は、本願商標とは商標の構成及び指定商品を異にする事案であって、本願商標については、引用商標との具体的な事案について前記認定のとおりであるから、この点についての請求人(出願人)の主張も採用できない。
さらに、請求人(出願人)は、本願商標と引用商標の指定商品の取引界の状況について、本願指定商品の製造者、需要者、取引系統は極めて特殊な専門性を有し、請求人(出願人)と引用商標権者の業務とは、業種及び取引系統を全く異にする関係であるので、混同することはない旨述べている。しかしながら、「商標の類否判断において参酌されるべき取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的な取引事情である(最高裁昭和49年4月25日第一小法廷判決・取消集〔昭和49年〕443頁参照)」(平成15年(行ケ)第316号 平成15年12月26日判決言渡)と解されるところ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中「建築用又は構築用の金属製専用材料」に包含される類似の商品と認められ、両商品は、建築又は構築の際に使用される商品であって、建築関連の業者に取り扱われるものと認められるものである。そうすると、請求人(出願人)の指定商品の取引系統が異なる旨の主張は、それを認めるに足る客観的な状況が示されておらず、その指定商品の一般的、恒常的な取引事情と認めることはできない。他に、本願商標と引用商標について、商品の出所の混同を生ずるおそれがな
いと考えさせる具体的な取引の実情を見いだすこともできない。したがって、この点についての請求人(出願人)の主張も採用できない。
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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